「今回は見送らせていただきます」という日本語の表現は、相手への配慮を含みつつ、何かを辞退する際に用いられる丁寧な言い回しです。しかし、これをそのまま英語に直訳しようとすると、不自然になったり、意図が正確に伝わらなかったりすることが少なくありません。英語で同様のニュアンスを伝えるには、状況に応じた適切なフレーズを選ぶことが大切です。
本記事では、ビジネスシーンを中心に、相手に失礼なく、かつ自然に「今回は見送らせていただきます」と伝える英語表現と具体的な例文を詳しく解説します。
「今回は見送らせていただきます」英語表現の基本

日本語の「今回は見送らせていただきます」は、直接的な拒否を避け、相手の提案や誘いに対して感謝を示しつつ、今回は参加しない、受け入れないという意思を伝える際に使われます。英語では、この複雑なニュアンスを一つのフレーズで表現するのは難しいため、状況や相手との関係性に合わせて複数の表現を使い分けるのが一般的です。
単に”I’ll pass.”と言うだけでは、カジュアルすぎる印象を与えかねません。
直訳だけでは伝わらないニュアンス
「見送る」という言葉を直訳すると”see off”や”send off”が思い浮かぶかもしれません。しかし、これらは「人を見送る」という意味で使われることがほとんどです。例えば、「空港まで両親を見送った」という場合に”I sent my parents off at the airport.”のように使います。
何かの提案や機会を辞退する意味での「見送る」とは異なるため、注意が必要です。
状況に応じた主要なフレーズ
「今回は見送らせていただきます」の意を伝える英語表現は多岐にわたります。以下に、よく使われる主要なフレーズをいくつかご紹介します。
- I’ll have to pass this time.(今回は見送らせていただきます)
- I’m afraid I can’t make it this time.(残念ながら、今回は都合がつきません)
- I appreciate the offer, but I’ll have to decline this time.(ご提案ありがとうございますが、今回は辞退させていただきます)
- Unfortunately, I won’t be able to participate this time.(残念ながら、今回は参加できません)
- We have decided not to move forward with your application this time.(今回は貴殿の応募を見送らせていただくことに決定いたしました)
ビジネスシーンで使える丁寧な断り方

ビジネスの場面では、相手との良好な関係を維持しながら、プロフェッショナルな態度で断ることが求められます。直接的な「No」は避け、クッション言葉や理由を添えることで、より丁寧な印象を与えられます。
会議やイベントへの招待を断る場合
会議やイベントへの招待を断る際は、まず感謝の気持ちを伝え、その上で参加できない理由を簡潔に述べることが大切です。具体的な例文を参考にしてください。
- Thank you for the invitation to the meeting, but unfortunately, I have a prior engagement.(会議へのお誘いありがとうございます。しかし、残念ながら先約がございます。)
- I appreciate you thinking of me for this event, but I’m afraid I won’t be able to attend this time.(このイベントに私を誘ってくださり感謝いたしますが、今回は参加できそうにありません。)
- It sounds like a great opportunity, but I’m afraid I have a scheduling conflict.(素晴らしい機会だと存じますが、残念ながらスケジュールの都合がつきません。)
このように、感謝の言葉と具体的な理由を添えることで、相手に不快感を与えることなく断れます。
提案やオファーを辞退する場合
仕事のオファーやビジネス上の提案を辞退する際は、慎重な言葉選びが求められます。相手の好意に感謝しつつ、自社の状況や自身の決定を明確に伝えることが重要です。
- Thank you for your generous offer. After careful consideration, however, I have decided to decline at this time.(寛大なオファーをありがとうございます。慎重に検討した結果、今回は辞退させていただくことにいたしました。)
- I truly appreciate your proposal, but we will have to pass on this opportunity.(貴社のご提案に心より感謝いたしますが、今回はこの機会を見送らせていただきます。)
- While I’m very interested in this project, I’m afraid I won’t be able to commit to it at the moment due to current workload.(このプロジェクトには大変興味がございますが、現在の業務量から、残念ながら現時点ではお引き受けできません。)
「After careful consideration」のように、熟考した上での決定であることを示す表現は、相手に誠実な印象を与えます。
依頼や協力を断る場合
同僚や取引先からの依頼や協力を断る場合も、相手への敬意を忘れずに、丁寧な言葉で伝えることが大切です。可能な場合は、代替案を提示するのも良い方法です。
- I’d love to help, but I’m afraid I’m swamped with work right now.(喜んでお手伝いしたいのですが、残念ながら今は仕事で手がいっぱいです。)
- I wish I could assist you, but it’s beyond my current capacity.(お力になりたいのはやまやまですが、現在の私の能力では対応しきれません。)
- Thank you for thinking of me, but I’m afraid I won’t be able to take on any new tasks at this time.(私を頼ってくださりありがとうございます。しかし、残念ながら現時点では新たな業務を引き受けることができません。)
「I’m afraid」や「I wish I could, but」といったクッション言葉は、断りの言葉を和らげる効果があります。
英語メールでの断り方例文集

メールでのコミュニケーションでは、対面よりも言葉の選び方が重要になります。誤解を招かないよう、明確かつ丁寧な表現を心がけましょう。
簡潔に断るメール例文
緊急性がある場合や、相手との関係性がすでに構築されている場合は、簡潔な表現でも失礼なく伝わります。
件名: Regarding your invitation for [Event Name]
Dear [Name],
Thank you for your invitation to [Event Name].
Unfortunately, I won’t be able to attend this time.
Thank you again for thinking of me.
Best regards,
[Your Name]
このように、件名で内容を明確にし、感謝と断りの意を簡潔に伝えるのがコツです。
理由を添えて丁寧に断るメール例文
より丁寧な印象を与えたい場合や、相手に納得してもらう必要がある場合は、具体的な理由を添えるのが効果的です。
件名: Re: Your proposal for [Project Name]
Dear [Name],
Thank you very much for your detailed proposal for [Project Name]. We truly appreciate you taking the time to prepare it.
After careful consideration, we regret to inform you that we will have to pass on this opportunity at this time, as it does not align with our current strategic direction.
We wish you all the best with your project.
Sincerely,
[Your Name]
「regret to inform you that」は、残念な知らせを伝える際に用いられるフォーマルな表現です。
今後の関係性を維持するための表現
今回の断りが今後の関係に影響しないよう、将来的な協力の可能性を示唆する言葉を添えることも有効です。
件名: Regarding your kind invitation
Dear [Name],
Thank you for your kind invitation to [Event Name]. I would love to join, but I’m afraid I have a prior commitment that I cannot reschedule.
I hope to have another opportunity to participate in the future.
Thank you again for your understanding.
Best regards,
[Your Name]
「I hope to have another opportunity in the future」のように、前向きな姿勢を示すことで、関係性を良好に保てます。
英語で断る際に避けるべき表現と注意点

英語で断る際には、文化的な違いを理解し、相手に不快感を与えないように注意することが重要です。特に、直接的すぎる表現や曖昧すぎる表現は避けるべきです。
直接的すぎる表現は避ける
日本語では「今回は見送らせていただきます」と婉曲的に伝えることが多いですが、英語でも”No.”とだけ言うのは非常に直接的で、失礼に聞こえる可能性があります。 特にビジネスシーンでは、以下のような表現は避けるべきです。
- No.(いいえ)
- I refuse.(拒否します)
- I reject your offer.(あなたの提案を却下します)
これらの表現は、相手に強い拒絶の意を伝え、関係性を損なう恐れがあります。代わりに、クッション言葉や丁寧なフレーズを用いることで、より円滑なコミュニケーションが可能です。
曖昧すぎる表現も避ける
一方で、曖昧すぎる表現も誤解を招く原因となります。例えば、「Maybe next time.」だけでは、本当に次回の機会があるのか、それとも単なる社交辞令なのかが伝わりにくい場合があります。 相手に期待を持たせてしまう可能性もあるため、断る際は明確な意思を示すことが大切です。
- Maybe.(たぶん)
- I’ll think about it.(考えておきます)
- I’ll try.(やってみます)
これらの言葉は、相手に「もしかしたら受け入れてくれるかもしれない」という期待を抱かせてしまうかもしれません。断る場合は、丁寧さの中にも明確な意思を込めるようにしましょう。
感謝の気持ちを伝える重要性
英語で何かを断る際、最も重要なコツの一つは、まず相手の申し出や好意に対して感謝の気持ちを伝えることです。 感謝の言葉を最初に述べることで、断りの言葉が和らぎ、相手も受け入れやすくなります。例えば、”Thank you for the invitation, but…”や”I appreciate your offer, but…”のように、”Thank you”や”I appreciate”から始めるのが効果的です。
相手への敬意を示すことで、たとえ断ったとしても良好な関係を維持できます。
よくある質問

- 「今回は見送らせていただきます」を英語で何と言いますか?
- 英語で「今回はパスします」と伝えるには?
- 相手に失礼なく断るコツは何ですか?
- ビジネスで断る際に使えるクッション言葉はありますか?
- 英語で「検討します」と伝えた後、断る場合はどうすればいいですか?
- 「今回は辞退させていただきます」は英語でどう表現しますか?
- 「またの機会に」を英語で伝えるには?
「今回は見送らせていただきます」を英語で何と言いますか?
「今回は見送らせていただきます」は、状況によって様々な英語表現があります。例えば、何かを辞退する際には「I’ll have to pass this time.」 や「I’m afraid I won’t be able to participate this time.」 が使えます。ビジネスのオファーを断る場合は「I appreciate the offer, but I’ll have to decline this time.」 が適切です。
採用を見送る場合は「We have decided not to move forward with your application this time.」 といった表現が用いられます。
英語で「今回はパスします」と伝えるには?
カジュアルな場面で「今回はパスします」と伝えたい場合は、「I’ll pass this time.」 や「I’m going to sit this one out.」 が自然な表現です。これらは、飲み会やゲームの誘いなど、日常の様々な場面で使えます。ただし、ビジネスシーンではより丁寧な表現を選ぶのが良いでしょう。
相手に失礼なく断るコツは何ですか?
相手に失礼なく断るコツは、以下の3点です。
- まず、相手の申し出や好意に感謝の気持ちを伝えます。
- 次に、「I’m afraid」や「Unfortunately」などのクッション言葉を使って、断りの言葉を和らげます。
- 最後に、簡潔な理由を添えることで、相手に納得感を与え、誠実な印象を与えられます。
ビジネスで断る際に使えるクッション言葉はありますか?
ビジネスで断る際に使えるクッション言葉は多数あります。例えば、「I’m afraid…」(残念ながら…)、「Unfortunately,…」(あいにく…)、「I wish I could, but…」(できればそうしたいのですが…) などが挙げられます。これらの言葉を文頭に置くことで、断りのニュアンスを柔らかくし、相手への配慮を示せます。
英語で「検討します」と伝えた後、断る場合はどうすればいいですか?
「検討します」と伝えた後に断る場合は、まず検討する機会を与えてくれたことに感謝を述べ、その上で検討した結果、辞退する旨を伝えます。例えば、「Thank you for allowing me to consider your offer. After careful consideration, I have decided to decline at this time.」のように表現できます。
検討した結果であることを明確にすることで、相手も納得しやすくなります。
「今回は辞退させていただきます」は英語でどう表現しますか?
「今回は辞退させていただきます」は、フォーマルな場面でよく使われる表現です。英語では「I will have to decline this time.」 や「I regret to inform you that I will be declining this time.」 といった表現が適切です。
特に、仕事のオファーや重要な依頼を辞退する際に用いられます。
「またの機会に」を英語で伝えるには?
「またの機会に」と伝えたい場合は、「Maybe next time.」 や「I hope to have another opportunity in the future.」が一般的です。ただし、「Maybe next time.」はカジュアルな印象を与えることもあるため、ビジネスシーンでは「I hope we can collaborate on another project in the future.」(将来的に別のプロジェクトでご一緒できることを願っております)のように、より具体的な表現を用いると良いでしょう。
まとめ
- 「今回は見送らせていただきます」は、英語では状況に応じた丁寧な表現が求められる。
- 直訳の”see off”や”send off”は「人を見送る」意味で、提案の辞退には使わない。
- 主要なフレーズとして”I’ll have to pass this time.”や”I’m afraid I can’t make it this time.”がある。
- ビジネスシーンでは、感謝の気持ちと簡潔な理由を添えることが大切。
- 会議やイベントの招待を断る際は、”Thank you for the invitation, but I have a prior engagement.”のように表現する。
- 提案やオファーを辞退する際は、”After careful consideration, I have decided to decline at this time.”と熟考した上で決定したことを示す。
- 依頼や協力を断る際は、”I’d love to help, but I’m afraid I’m swamped with work right now.”のようにクッション言葉を使う。
- メールでは、件名で内容を明確にし、感謝と断りの意を簡潔に伝える。
- 理由を添える場合は、”regret to inform you that”のようなフォーマルな表現も有効。
- 今後の関係性を維持するため、「I hope to have another opportunity in the future」と前向きな姿勢を示す。
- 直接的すぎる”No.”や”I refuse.”は避け、丁寧な表現を心がける。
- 曖昧すぎる”Maybe next time.”も誤解を招く可能性があるため注意が必要。
- 断る際も、まず相手の申し出や好意に感謝の気持ちを伝えることが重要。
- 「I’m afraid」や「Unfortunately」は、断りの言葉を和らげるクッション言葉として活用できる。
- 「検討します」と伝えた後に断る場合は、検討した結果であることを明確に伝える。
