お正月に余ったお餅や、手作りのおやつとして、昔ながらの素朴な味わいが魅力のかき餅。特に砂糖味のかき餅は、ほんのりとした甘さが口いっぱいに広がり、世代を問わず愛されるおやつです。本記事では、もち米から作る本格的な砂糖味のかき餅の進め方を、材料の下準備から乾燥、そして美味しく揚げる、または焼くまでのコツを詳しく解説します。
ご自宅で手作りする喜びを感じながら、カリッと香ばしい、懐かしい味わいのかき餅作りに挑戦してみませんか。この記事を読めば、あなたも美味しいかき餅作りの達人になれるでしょう。
かき餅(砂糖味)の材料

自宅で美味しい砂糖味のかき餅を作るために必要な材料は、シンプルながらも選び方が重要です。ここでは、基本的な材料とその目安量をご紹介します。もち米の質が、かき餅の風味と食感を大きく左右しますので、できるだけ新鮮で良質なもち米を選びましょう。
- もち米:1升(約1.5kg)
- 砂糖:400g(お好みに応じて調整してください)
- 水:もち米を浸すための十分な量、蒸すための適量
- 重曹(タンサン):20g(お好みで。膨らみを良くし、食感を軽くする効果があります)
- 揚げ油:揚げる際に必要な量(焼く場合は不要)
もち米は「新大正もち」のような、もち米専用の品種を選ぶと、より粘り強く美味しいお餅になります。砂糖の量は目安ですので、お好みの甘さに調整してください。重曹は入れすぎると苦味が出ることがあるため、少量から試すのがおすすめです。
基本のかき餅(砂糖味)の進め方

砂糖味のかき餅作りは、いくつかの工程を経て完成します。それぞれの工程を丁寧に進めることで、失敗なく美味しいかき餅が作れます。ここでは、もち米の下準備から最終的な調理まで、順を追って詳しく説明します。
もち米の下準備
もち米の下準備は、美味しいかき餅を作るための最初の、そして最も大切な工程です。この下準備を丁寧に行うことで、もち米が十分に水分を吸収し、ふっくらとしたお餅に仕上がります。
まず、もち米をボウルに入れ、数回水を替えて優しく洗い、とぎ汁が出なくなるまできれいにします。その後、たっぷりの水に浸し、一晩(約8時間以上)置きます。冬場など水温が低い時期は、16時間ほど浸水させると良いでしょう。もち米が十分に水を吸うと、指で簡単につぶれるくらいの柔らかさになります。浸水が終わったら、ざるにあげてしっかりと水気を切っておきます。
この水切りも、蒸し上がりの状態に影響するため、時間をかけて丁寧に行ってください。
蒸して餅をつく
水気を切ったもち米を蒸し器に入れ、強火で約1時間、指でつぶれるほど柔らかくなるまでしっかりと蒸します。蒸し器の蓋から水滴が落ちないよう、布巾などで包むと良いでしょう。蒸し上がったもち米は、熱いうちに餅つき機に移します。餅つき機がない場合は、フードプロセッサーや麺棒などを使って、なめらかになるまでつきます。
この工程で、もち米の粒がなくなるまでしっかりとつくことが、滑らかな食感のかき餅にするコツです。
餅つき機を使用する場合、約10分ほどつくとなめらかな餅になります。フードプロセッサーを使う場合は、少量ずつ数秒間回すことを繰り返すと良いでしょう。熱いうちに行うことで、餅がまとまりやすくなります。
砂糖を混ぜて成形する
餅がなめらかになったら、熱いうちに砂糖と、もし加える場合は重曹を少しずつ加えて混ぜ込みます。餅つき機を使っている場合は、そのまま機械で混ぜ込んでも構いません。手で混ぜる場合は、火傷に注意しながら、手早く均一になるように混ぜ合わせます。砂糖が溶けて餅全体になじんだら、成形に移ります。
成形は、ラップを敷いた流し箱やバットに餅を広げ、厚さ2~3cm程度の長方形や円形に整えます。表面を平らにならし、粗熱が取れたら冷蔵庫で一晩置き、しっかりと固めます。この時、餅が乾燥しないようにラップでぴったりと覆うことが大切です。固めることで、後のスライス作業が格段に楽になります。
薄くスライスする
一晩冷蔵庫で固めた餅は、包丁や餅切り器を使って薄くスライスします。厚さは1~2mm程度が理想です。均一な厚さに切ることで、乾燥ムラや揚げムラを防ぎ、仕上がりの食感が良くなります。薄すぎると割れやすくなり、厚すぎると乾燥に時間がかかり、揚げたときに芯が残りやすくなるため注意が必要です。
包丁で切る場合は、手を切らないように慎重に作業を進めましょう。餅切り器を使うと、均一な厚さに簡単にスライスできます。スライスした餅は、重ならないように並べて次の乾燥工程に進みます。
しっかり乾燥させる
スライスした餅は、ざるや網に重ならないように並べ、風通しの良い日陰でじっくりと乾燥させます。伝統的な天日干しの場合、約1~2週間かかります。乾燥が不十分だと、揚げたときに膨らまなかったり、カビが生えやすくなったりするため、焦らずしっかりと乾燥させることが重要です。乾燥中は、雨や夜露、直射日光、そして強すぎる風から餅を守るようにしましょう。
特に強風はひび割れの原因となることがあります。
最近では、食品乾燥機(フードドライヤー)を使うことで、約4時間程度で乾燥を完了させることも可能です。乾燥機を使う場合は、温度設定に注意し、餅がカラカラになるまで乾燥させます。完全に乾燥した餅は、軽く叩くとカチカチと音がする状態になります。
揚げる、または焼く
乾燥が完了したかき餅は、揚げるか焼くかして調理します。どちらの方法でも美味しくいただけますが、それぞれ異なる食感が楽しめます。
揚げる場合
鍋に揚げ油を160~170℃に熱し、かき餅を少量ずつ入れます。砂糖が入っているため焦げやすいので、低温でじっくり揚げるのがコツです。餅が浮き上がってきて、きつね色になり、ふっくらと膨らんだら油から引き上げ、油を切ります。揚げすぎると硬くなるため、様子を見ながら揚げましょう。
揚げる前に電子レンジで20秒ほど加熱すると、芯まで柔らかく膨らみやすくなります。
焼く場合
オーブントースターやオーブン、フライパンを使って焼くこともできます。オーブントースターの場合は、かき餅を並べ、焦げ付かないように様子を見ながら焼きます。焼くと大きく膨らむので、間隔をあけて並べましょう。オーブンの場合は180℃で15分程度が目安です。フライパンで焼く場合は、少量の油をひいて弱火でじっくりと焼くと、カリッとした食感になります。
いずれの方法でも、焦がさないように注意し、膨らんで香ばしい焼き色がついたら完成です。
美味しいかき餅を作るためのコツ

かき餅作りは、一見シンプルに見えますが、いくつかのコツを押さえることで、より一層美味しく、失敗なく作ることができます。ここでは、特に重要なポイントをいくつかご紹介します。
もち米の選び方と下準備の重要性
かき餅の美味しさは、もち米の質に大きく左右されます。もち米は、新米で粒が揃っているものを選ぶと、風味豊かで粘りのあるお餅になります。また、もち米の下準備である「浸水」は、決して手抜きをしてはいけない工程です。もち米が十分に水を吸うことで、蒸し上がりがふっくらとし、餅つきの際になめらかなお餅になります。
浸水時間が短いと、餅が硬くなったり、粒が残ったりする原因となるため、季節やもち米の状態に合わせて、しっかりと時間を確保しましょう。
特に冬場は水温が低いため、夏場よりも長めに浸水させることが推奨されます。浸水後は、水気をしっかりと切ることも忘れずに行ってください。余分な水分が残っていると、餅がべたつきやすくなることがあります。
乾燥方法で変わる食感とひび割れ防止
かき餅の食感を決める重要な工程が「乾燥」です。自然乾燥の場合、風通しの良い日陰で、時間をかけてじっくりと乾燥させることが大切です。急激な乾燥や直射日光、強すぎる風は、餅のひび割れの原因となります。ひび割れを防ぐためには、夜間や湿度の高い日は室内に取り込むなど、環境の変化に配慮しましょう。
また、乾燥中に餅を裏返すことで、両面が均一に乾燥し、反りや歪みを防ぐことができます。食品乾燥機を使用する場合は、設定温度と時間に注意し、低温で長時間乾燥させることで、自然乾燥に近い食感を得られます。乾燥が完了した餅は、カビを防ぐためにも、湿気の少ない場所で保存することが重要です。
揚げ方・焼き方のポイント
かき餅を揚げる、または焼く際にも、いくつかのポイントがあります。揚げる場合は、油の温度が重要です。砂糖が入ったかき餅は焦げやすいため、160~170℃の比較的低温で揚げるのがおすすめです。高温すぎると表面だけが焦げてしまい、中まで火が通らなかったり、硬くなったりすることがあります。
少量ずつ油に入れ、餅がふっくらと膨らんでくるのを確認しながら、きつね色になるまで揚げましょう。
焼く場合は、オーブントースターやオーブン、フライパンなど、ご家庭にある調理器具を活用できます。オーブントースターで焼く際は、餅が膨らんで焦げ付きやすいので、目を離さずにこまめに裏返しながら焼くのが良いでしょう。いずれの方法でも、焦げ付かせずに香ばしく仕上げることが、美味しいかき餅にするための鍵となります。
かき餅の保存方法と日持ち

手作りしたかき餅は、適切な方法で保存することで、美味しさを長持ちさせることができます。乾燥した状態のかき餅と、調理後の揚げた・焼いたかき餅では、保存方法が異なります。
完全に乾燥させた状態の「生かき餅」は、湿気を避けることが最も重要です。清潔な紙袋や布袋に入れ、直射日光の当たらない冷暗所で保存しましょう。乾燥剤を一緒に入れると、さらに湿気対策になります。この方法で保存すれば、半年から1年程度は日持ちすると言われています。長期保存が可能なので、たくさん作っておけば、いつでも手軽に美味しいおやつを楽しめます。
一方、油で揚げたり、オーブンで焼いたりして調理したかき餅は、乾燥した状態よりも日持ちしません。揚げたてや焼きたてのサクサクとした食感を楽しむのが一番ですが、保存する場合は、密閉容器に入れて常温で2~3日程度が目安です。湿気を吸うと食感が失われるため、早めに食べきることをおすすめします。もし湿気てしまった場合は、電子レンジで軽く加熱し直すと、ある程度サクサク感が戻ることもあります。
よくある質問

かき餅作りに関して、よくある質問とその回答をまとめました。疑問を解決して、かき餅作りをさらに楽しんでください。
- かき餅はなぜ乾燥させるのですか?
- かき餅の乾燥時間はどれくらいですか?
- かき餅がひび割れてしまう原因は何ですか?
- 砂糖以外の味付けはできますか?
- 食品乾燥機は使えますか?
- 揚げるときの油の温度はどれくらいが良いですか?
- かき餅は電子レンジで調理できますか?
- かき餅とあられの違いは何ですか?
- 切り餅を使ってかき餅は作れますか?
かき餅はなぜ乾燥させるのですか?
かき餅を乾燥させるのは、主に保存性を高めるためと、独特の食感を生み出すためです。餅を乾燥させることで、水分が抜けてカビの発生を防ぎ、長期間の保存が可能になります。また、乾燥した餅を揚げる、または焼くことで、内部の水分が急激に蒸発し、カリッと軽い、独特のサクサクとした食感が生まれます。
この膨らむ過程が、かき餅の美味しさの秘訣です。
かき餅の乾燥時間はどれくらいですか?
かき餅の乾燥時間は、環境や餅の厚さによって大きく異なります。伝統的な天日干しの場合、風通しの良い日陰で1~2週間程度が目安です。冬場の乾燥した時期であれば、比較的早く乾燥が進みます。食品乾燥機(フードドライヤー)を使用すると、約4時間程度で乾燥を完了させることも可能です。
乾燥が不十分だとカビの原因になったり、揚げたときにうまく膨らまなかったりするため、焦らずしっかりと乾燥させることが大切です。
かき餅がひび割れてしまう原因は何ですか?
かき餅がひび割れてしまう主な原因は、急激な乾燥や乾燥ムラです。特に、直射日光に当てすぎたり、強すぎる風にさらしたりすると、表面だけが早く乾燥してしまい、内部との水分の差でひび割れが生じやすくなります。また、餅の厚さが均一でない場合も、乾燥ムラができてひび割れの原因となることがあります。
ひび割れを防ぐためには、風通しの良い日陰でじっくりと乾燥させ、乾燥中に餅を裏返すなどして、均一に水分が抜けるように工夫しましょう。
砂糖以外の味付けはできますか?
はい、かき餅は砂糖味以外にも様々な味付けで楽しめます。一般的なものとしては、塩味、醤油味、青のり味、ごま味、海老味などがあります。これらの味付けは、餅をつく際に混ぜ込んだり、乾燥後に揚げたり焼いたりした後にタレを絡めたり、塩やスパイスをまぶしたりして行います。例えば、醤油とみりんを合わせた甘辛いタレを絡めると、ぬれせんべい風の味わいになりますし、塩を振るだけでも素朴な美味しさが楽しめます。
お好みに合わせて、色々な味付けを試してみるのも良いでしょう。
食品乾燥機は使えますか?
はい、食品乾燥機(フードドライヤー)はかき餅作りに非常に有効です。自然乾燥では1~2週間かかる乾燥工程を、食品乾燥機を使えば約4時間程度に短縮できます。これにより、天候に左右されずに安定してかき餅を作ることが可能になります。食品乾燥機を使用する際は、餅のひび割れを防ぐためにも、低温(35~70℃程度)でじっくりと乾燥させることをおすすめします。
機種によって設定温度や時間が異なるため、取扱説明書を確認し、様子を見ながら調整してください。
揚げるときの油の温度はどれくらいが良いですか?
かき餅を揚げる際の油の温度は、160~170℃がおすすめです。特に砂糖味のかき餅は焦げやすいため、高温すぎると表面だけがすぐに焦げてしまい、中までしっかりと火が通らなかったり、硬くなったりすることがあります。低温でじっくりと揚げることで、餅が均一に膨らみ、カリッと香ばしく仕上がります。
油に入れる際は、少量ずつ入れて、餅同士がくっつかないように注意しましょう。餅が浮き上がってきて、きつね色になったら油から引き上げてください。
かき餅は電子レンジで調理できますか?
はい、乾燥させたかき餅は電子レンジで手軽に調理できます。油で揚げずにヘルシーに楽しみたい場合に便利な方法です。オーブンシートを敷いた耐熱皿にかき餅を並べ、ラップをかけずに500Wで30秒~1分程度加熱します。機種によって加熱時間が異なるため、様子を見ながら調整してください。
加熱しすぎると硬くなったり焦げ付いたりすることがあります。加熱直後は柔らかいですが、冷めるとサクサクとした食感になります。
かき餅とあられの違いは何ですか?
かき餅とあられは、どちらももち米を原料とした米菓ですが、主に大きさや形に違いがあります。かき餅は、餅を薄くスライスして乾燥させたもので、比較的大判で厚みがあるのが特徴です。一方、あられは餅を小さく細かく切って乾燥させたもので、かき餅よりも小粒で、ひなあられのように様々な形があります。
また、「おかき」は「かき餅」の女房言葉(宮中で使われた言葉)が語源とされており、一般的にはかき餅と同じものを指すことが多いですが、地域やメーカーによって使い分けられることもあります。
切り餅を使ってかき餅は作れますか?
はい、市販の切り餅を使ってかき餅を作ることも可能です。もち米から作るよりも手軽に挑戦できます。切り餅を薄くスライスし、天日干しや食品乾燥機でしっかりと乾燥させれば、自家製かき餅の生地が完成します。乾燥させた切り餅は、油で揚げたり、オーブントースターで焼いたりして美味しくいただけます。
ただし、もち米から作る場合と比べて、風味や食感が若干異なることがあります。手軽さを重視するなら、切り餅を活用するのも良い方法です。
まとめ
- かき餅はもち米を主原料とする日本の伝統的なおやつです。
- 砂糖味のかき餅は、ほんのりとした甘さが特徴で人気があります。
- もち米は一晩水に浸し、しっかりと水気を切ってから蒸します。
- 蒸したもち米は熱いうちに餅つき機などでなめらかになるまでつきます。
- 砂糖や重曹は餅つきの途中で混ぜ込むと均一になじみます。
- 成形した餅は冷蔵庫で固め、1~2mmの厚さにスライスします。
- 乾燥は風通しの良い日陰で1~2週間、または食品乾燥機で4時間程度行います。
- 急激な乾燥や強風は餅のひび割れの原因となるため注意が必要です。
- 揚げる際は160~170℃の低温でじっくりと揚げると焦げ付きにくいです。
- 焼く場合はオーブントースターやオーブンで焦げ付かないように注意します。
- 乾燥させたかき餅は冷暗所で半年から1年保存可能です。
- 調理後のかき餅は密閉容器で2~3日以内に食べきるのがおすすめです。
- 電子レンジでも手軽に調理でき、ヘルシーに楽しめます。
- かき餅とあられは大きさや形に違いがあります。
- 市販の切り餅を使っても手軽にかき餅を作れます。
