【防災】災害時にお湯を沸かす方法は?安全な手段と注意点を徹底解説!

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地震や台風などの災害時、電気やガスといったライフラインが止まってしまうことは珍しくありません。そんな時、温かい飲み物や食事は心と体を温め、安心感を与えてくれます。本記事では、災害時という厳しい状況下で、安全かつ効率的にお湯を沸かすための具体的な方法と、絶対に知っておくべき注意点を詳しく解説します。いざという時に備え、正しい知識を身につけておきましょう。

目次

災害時にお湯を沸かすことの重要性

災害という非日常的な状況において、お湯がもたらす恩恵は計り知れません。単に体を温めるだけでなく、衛生面や精神面においても重要な役割を果たします。ライフラインが寸断された状況を想定し、なぜお湯が必要なのか、その具体的な理由を見ていきましょう。

  • 飲料水として:水を沸騰させることで殺菌効果が期待でき、比較的安全な飲料水を確保できます。特に、備蓄水が不足した場合や、給水所の水質に不安がある場合に重要です。
  • 温かい食事:アルファ米やカップ麺、フリーズドライ食品など、お湯を必要とする非常食は多くあります。温かい食事は体力を回復させ、精神的な支えにもなります。
  • 衛生管理:体を拭いたり、食器を洗ったりする際にもお湯は役立ちます。特に寒い時期や、乳幼児、高齢者がいる場合には、清潔を保つためにもお湯の存在は大きいでしょう。
  • 暖を取る:湯たんぽ代わりにお湯を入れたペットボトルなどを活用すれば、暖を取る手段にもなり得ます。

このように、お湯は災害時の生活維持に不可欠な要素であり、その確保方法を知っておくことは、防災対策の基本と言えるでしょう。

【結論】防災時にお湯を沸かす主な方法

ライフラインが停止した災害時に、お湯を沸かす方法はいくつかあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の状況や備蓄スペース、扱いやすさなどを考慮して最適な方法を選ぶことが大切です。ここでは、代表的なお湯を沸かす方法の概要をご紹介します。

  • カセットコンロ:最も手軽で、多くの家庭で普及している方法です。操作も簡単で、比較的安全に使用できます。
  • 固形燃料:コンパクトで長期保存が可能。旅館の鍋料理などで見かける燃料で、専用の五徳と組み合わせて使用します。
  • 湯沸かしボックス(発熱剤):火を使わずに、水と化学反応させることで発熱し、お湯を沸かしたり食品を温めたりできます。安全性が高いのが特徴です。
  • アウトドア用バーナー:キャンプなどで使用されるバーナー。高火力で効率よくお湯を沸かせますが、燃料の扱いや換気に注意が必要です。
  • その他:薪ストーブや七輪、ソーラークッカーなど、状況によっては活用できる方法もあります。

これらの方法について、次の章から詳しく解説していきます。

【方法別】お湯を沸かす手順とメリット・デメリット

災害時にお湯を沸かすための具体的な方法について、それぞれのメリット、デメリット、使い方、注意点を詳しく見ていきましょう。ご自身の環境や備えに合わせて、最適な方法を見つける参考にしてください。

カセットコンロ

家庭用としても普及しており、災害時にも非常に役立つアイテムです。操作が簡単で、比較的安全に扱えるのが大きな魅力と言えるでしょう。

メリット

  • 操作が簡単で、普段から使い慣れている人も多い。
  • 火力が安定しており、比較的短時間でお湯を沸かせる。
  • カセットボンベはコンビニやスーパーなどで入手しやすい。
  • 鍋やフライパンなど、様々な調理器具が使える。

デメリット

  • カセットボンベに使用期限がある(製造後約7年が目安)。
  • 屋内での使用は一酸化炭素中毒のリスクがあるため、十分な換気が必要。
  • カセットボンベの備蓄スペースが必要。
  • 低温下では火力が低下する場合がある(寒冷地仕様のボンベもある)。

使い方と注意点

  1. 平らで安定した場所にカセットコンロを設置します。
  2. カセットボンベの切り込み凹部とコンロの容器受けガイド凸部を合わせて正しくセットします。
  3. 器具栓つまみを「点火」の位置まで回し、「カチッ」と音がしたら点火を確認します。
  4. 火力を調整し、やかんや鍋を乗せてお湯を沸かします。
  5. 【最重要】屋内での使用時は、必ず窓を開けるなどして十分に換気を行ってください。一酸化炭素中毒は命に関わります。
  6. コンロを覆うような大きな鍋や鉄板は使用しないでください。ボンベが過熱し、爆発する危険があります。
  7. コンロを2台以上並べて使用しないでください。
  8. 使用後のボンベは、ガスを完全に使い切ってから、自治体の指示に従って廃棄してください。

おすすめカセットボンベの選び方・備蓄数

カセットボンベは、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。JISマークが表示されているものが安心です。備蓄数の目安としては、1人あたり1週間に3本程度と言われていますが、家族構成や想定される使用頻度に合わせて調整してください。冬場や温かい食事を重視する場合は、多めに備蓄しておくと安心です。使用期限も考慮し、定期的に買い替え(ローリングストック)することをおすすめします。

固形燃料

旅館の鍋料理などでよく使われる、コンパクトで備蓄に適した燃料です。専用の五徳(ゴトク)が必要になりますが、手軽に火を使える点がメリットです。

メリット

  • 非常にコンパクトで軽量なため、収納場所に困らない。
  • 長期保存が可能(アルミ箔で密閉されているものは特に長持ちする)。
  • 比較的安価で入手しやすい。
  • 使用方法が簡単(点火するだけ)。

デメリット

  • 火力がカセットコンロに比べて弱い。
  • 燃焼時間が短い(製品によるが、20~30分程度)。
  • 風に弱く、屋外での使用には風防が必要な場合がある。
  • 専用の五徳や、安定して置ける台が必要。
  • 燃焼時に特有のにおいがすることがある。
  • 屋内での使用は換気が必要。

使い方と注意点

  1. 燃えにくい素材の上(金属製のトレーなど)に、固形燃料用の五徳を安定して設置します。
  2. 固形燃料のアルミ箔を剥がし(または蓋を開け)、五徳の中央に置きます。
  3. マッチやライターで点火します。
  4. 五徳の上にやかんや鍋を乗せてお湯を沸かします。
  5. 【注意】固形燃料も燃焼時に一酸化炭素が発生するため、屋内では必ず換気を行ってください。
  6. 燃焼中はそばを離れず、火が消えるまで見守ってください。
  7. 燃料を追加する場合は、必ず火が消えてから行ってください。
  8. 使用後の燃えカスは、完全に冷めてから処理してください。

必要な道具(五徳など)

固形燃料を使用するには、専用の五徳が必須です。100円ショップやホームセンター、アウトドア用品店などで購入できます。また、燃料を置くための受け皿や、安定させるための台があるとより安全に使用できます。ポケットストーブと呼ばれる、折りたたみ式のコンパクトな五徳も便利です。

湯沸かしボックス(発熱剤)

火を使わずに安全にお湯を沸かせる画期的なアイテムです。水と化学反応する発熱剤を利用するため、火災や一酸化炭素中毒のリスクが極めて低いのが最大の特徴です。

メリット

  • 火を使わないため、火災や一酸化炭素中毒の心配がない。屋内や避難所など、火気厳禁の場所でも使用可能。
  • 操作が非常に簡単(水を入れるだけ)。
  • 煙やにおいが出ない。
  • コンパクトで持ち運びや備蓄がしやすい。

デメリット

  • 沸かせるお湯の量が限られている(製品による)。
  • 沸騰するほどの高温にはならない場合が多い(飲料用や食品の加熱には十分)。
  • 発熱剤は基本的に使い捨てのため、コストがかかる。
  • 発熱剤に使用期限がある場合がある。
  • 反応時に高温になるため、やけどに注意が必要。

使い方と注意点

  1. 製品の説明書に従い、専用袋や容器に発熱剤と水を入れます。(水を入れる場所を間違えないように注意)
  2. お湯を沸かしたい水(または温めたい食品)を、指定された袋や容器に入れます。
  3. 発熱剤を入れた袋や容器に、水を入れた袋や容器を入れ、口をしっかり閉じます。
  4. 化学反応が始まり、蒸気が出て温まります。指定された時間待ちます。
  5. 【注意】反応中は非常に高温になるため、絶対に素手で触らないでください。軍手などを使用しましょう。
  6. 蒸気でやけどしないように注意してください。
  7. 使用後の発熱剤や水は、製品の指示に従って適切に処理してください。
  8. 発熱剤は水に触れるとすぐに反応が始まるため、濡れた手で触らない、湿気の多い場所に保管しないなどの注意が必要です。

製品例

様々なメーカーから湯沸かしボックスや発熱剤セットが販売されています。「モーリアンヒートパック」や「バロクック」などが有名です。容量やセット内容が異なるため、用途に合わせて選びましょう。食品の加熱に特化した製品もあります。

アウトドア用バーナー

キャンプや登山で使用されるバーナーは、高火力で効率よくお湯を沸かせるのが特徴です。コンパクトな製品も多く、防災用としても活用できます。

メリット

  • 火力が強く、短時間でお湯を沸かせる。
  • コンパクトで軽量なモデルが多い。
  • アウトドア活動にも兼用できる。

デメリット

  • 燃料(ガス缶)の入手がカセットボンベほど容易ではない場合がある(特にOD缶)。
  • 操作に慣れが必要な場合がある。
  • 屋内での使用は換気が必須(一酸化炭素中毒のリスク)。
  • 製品によっては、安定性が低いものもある。
  • 初期費用が比較的高め。

使い方と注意点

  1. 平らで安定した場所にバーナーを設置します。
  2. 燃料缶(OD缶またはCB缶)を正しく接続します。
  3. 器具栓を開き、点火装置またはライターで点火します。
  4. 火力を調整し、クッカー(鍋)を乗せてお湯を沸かします。
  5. 【重要】屋内での使用は、カセットコンロ同様、十分な換気を行ってください。
  6. 燃えやすいものの近くで使用しないでください。
  7. 使用後は燃料缶を取り外し、バーナー本体が冷めてから収納してください。

燃料の種類(OD缶、CB缶)

アウトドア用バーナーの燃料には、主にOD缶(アウトドア缶)とCB缶(カセットボンベ缶)の2種類があります。OD缶はアウトドア用品店などで販売されており、寒冷地でも性能が低下しにくい特徴があります。CB缶はカセットコンロと同じもので、入手しやすいのがメリットです。バーナーによって使用できる燃料缶が異なるため、購入時に確認が必要です。CB缶を使用できるバーナーは、防災用としては燃料の汎用性が高く便利です。

その他の方法

上記以外にも、状況によっては活用できる湯沸かし方法があります。

薪・焚き火

燃料となる薪が確保でき、安全に火を起こせる場所があれば、焚き火でお湯を沸かすことも可能です。ただし、煙や火の粉による火災のリスク、煙による近隣への配慮が必要であり、都市部での実施は困難です。適切な知識と経験が求められます。

ソーラークッカー

太陽光を利用してお湯を沸かしたり調理したりする器具です。燃料が不要で環境に優しい反面、天候に左右され、時間がかかるというデメリットがあります。晴天時の昼間しか使えませんが、燃料の備蓄がない場合には有効な手段となり得ます。

七輪

炭を使ってお湯を沸かすことができます。カセットコンロや固形燃料と同様に、屋内での使用は一酸化炭素中毒のリスクがあるため、十分な換気が必要です。炭の火起こしや火力の調整には慣れが必要です。

防災時にお湯を沸かす際の最重要注意点

災害時にお湯を沸かすことは非常に重要ですが、安全への配慮を怠ると、火災や事故につながる危険性があります。普段とは異なる環境下であることを常に意識し、以下の点に最大限注意してください。

火の取り扱いと火災予防

最も注意すべきは火災です。特に、余震が続く可能性がある状況下では、火の取り扱いは慎重の上にも慎重を期す必要があります。

  • 燃えやすいものの近くで火を使わない(カーテン、衣類、紙類など)。
  • コンロやバーナーは、必ず平らで安定した場所に設置する。
  • 火を使っている間は、絶対にその場を離れない。
  • 消火用の水や、可能であれば消火器、火消しスプレーなどを近くに用意しておく。
  • 就寝前には必ず火を消す。

一酸化炭素中毒の危険性(換気!)

カセットコンロ、固形燃料、アウトドア用バーナー、七輪など、火を使う器具を屋内で使用する場合、一酸化炭素(CO)中毒のリスクが伴います。一酸化炭素は無色無臭で気づきにくく、吸い込むと頭痛、めまい、吐き気などを引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。

  • 屋内(テント内も含む)で火を使う際は、必ず2方向以上の窓を開けるなどして、常に十分な換気を行う。換気扇だけでは不十分な場合があります。
  • 車内での使用は絶対に避ける。
  • 少しでも体調に異変を感じたら、すぐに火を消して換気し、新鮮な空気を吸う。
  • 可能であれば、一酸化炭素チェッカー(警報器)を備えておくと安心です。

燃料の安全な保管方法

カセットボンベや固形燃料、ガス缶などの燃料は、適切に保管しないと事故の原因になります。

  • 直射日光の当たる場所や高温になる場所(暖房器具の近く、車内など)を避けて保管する。40℃以上の場所に置かないようにしましょう。
  • 湿気の少ない、子供の手の届かない場所に保管する。
  • カセットボンベはキャップをして、立てて保管する。
  • 使用期限を確認し、期限切れのものは使用しない。

やけど防止対策

お湯や加熱された器具によるやけどにも十分注意が必要です。

  • 熱いやかんや鍋を扱う際は、必ず鍋つかみや軍手、耐熱グローブを使用する。
  • お湯を注ぐ際は、安定した場所で行い、こぼさないように注意する。
  • 子供が不用意に近づかないように、置き場所や使用場所に配慮する。
  • 湯沸かしボックスなども、反応中は高温になるため注意する。

水の衛生管理

沸かしたお湯も、衛生的に管理することが大切です。

  • 清潔な容器で水を沸かす。
  • 沸騰したら、少なくとも1分以上(高地では3分以上)沸かし続けることで、より確実に殺菌できる。
  • 沸かしたお湯は、清潔な蓋付きの容器(保温ポットなど)に入れて保管し、早めに使い切る。
  • 一度口をつけたペットボトルなどの水を再加熱して飲むのは避ける(雑菌が繁殖している可能性があるため)。

お湯を沸かすために必要な「水」の確保方法

お湯を沸かすには、当然ながら元となる「水」が必要です。災害時には断水することも多く、水の確保は死活問題となります。お湯を沸かすためだけでなく、生命維持に不可欠な水の確保方法について、日頃から備えておくことが重要です。

飲料水の備蓄(量と期間の目安)

最も基本的な備えは、飲料水の備蓄です。

  • 量の目安:大人1人あたり1日3リットル(飲料用+調理用)を目安とします。
  • 期間の目安:最低でも3日分、可能であれば1週間分以上の備蓄が推奨されています。大規模災害の場合は、支援が届くまで時間がかかることも想定しましょう。
  • 種類:長期保存可能なミネラルウォーターや保存水を用意します。ペットボトルが一般的ですが、ウォーターサーバーの備蓄用ボトルなども活用できます。
  • 保管場所:直射日光を避け、冷暗所に保管します。分散して保管しておくと、家屋の倒壊などのリスクに対応できます。
  • ローリングストック:賞味期限が近いものから消費し、買い足していく「ローリングストック法」を実践すると、常に新しい水を備蓄できます。

生活用水の確保(風呂の残り湯、雨水など)

飲料水とは別に、トイレを流したり、体を拭いたりするための生活用水も必要になります。

  • 風呂の残り湯:普段から浴槽に水を溜めておく習慣をつけると、災害時に生活用水として活用できます(飲用は不可)。
  • 雨水:清潔な容器で雨水を溜めれば、生活用水として利用できます。煮沸やろ過をすれば飲用も可能ですが、衛生面には十分注意が必要です。
  • 給湯器や貯水タンクの水:機種によっては、タンク内の水を生活用水として取り出せる場合があります。取扱説明書を確認しておきましょう。

給水所の利用

断水が長引く場合、自治体によって給水所が開設されます。

  • お住まいの自治体のウェブサイトや広報誌などで、災害時の給水拠点を確認しておきましょう。
  • 給水所へ水を受け取りに行くための容器(ポリタンク、清潔なペットボトルなど)を用意しておくとスムーズです。キャリーカートがあると運搬が楽になります。
  • 給水所の情報は、ラジオや防災無線、自治体のSNSなどで発信されることが多いので、情報収集手段も確保しておきましょう。

携帯用浄水器の活用

携帯用浄水器があれば、川の水や雨水、風呂の残り湯などをろ過して飲料水に変えることができます。

  • 様々なタイプの浄水器(ストロー型、ボトル型、ポンプ型など)があります。フィルターの性能(除去できる物質や細菌の種類)や処理能力を確認して選びましょう。
  • 備蓄水が尽きた場合や、避難先で水を確保する必要がある場合に非常に役立ちます。
  • ただし、海水や化学物質で汚染された水は浄水できない場合が多いので注意が必要です。使用前には必ず取扱説明書を確認してください。

【状況別】おすすめの湯沸かし方法

災害時の状況は様々です。自宅で被災した場合、避難所にいる場合、屋外で過ごさなければならない場合など、置かれた環境によって最適な湯沸かし方法は異なります。ここでは、いくつかの状況別に、おすすめの方法とその理由を解説します。

屋内(換気可能)の場合

自宅が無事で、窓を開けるなどして十分な換気ができる状況であれば、カセットコンロが最も使いやすくおすすめです。

  • 理由:操作が簡単で火力が安定しており、普段使っている鍋ややかんで効率よくお湯を沸かせます。カセットボンベも比較的入手しやすいです。
  • 注意点:繰り返しになりますが、換気は絶対に行ってください。一酸化炭素中毒のリスクを常に意識しましょう。
  • 次点:固形燃料も使用可能ですが、火力が弱いため時間はかかります。換気は同様に必要です。

屋外の場合

庭や駐車場など、屋外でお湯を沸かす場合は、選択肢が広がります。

  • おすすめ:アウトドア用バーナーは火力が強く、風にも比較的強いため効率的です。カセットコンロも風防があれば使用できます。
  • 状況次第:安全な場所が確保できれば、焚き火や七輪も可能です。ただし、火の管理や煙に十分注意が必要です。
  • 注意点:風が強い日は火の粉が飛ばないように注意し、安定した場所に器具を設置してください。

避難所の場合

体育館などの避難所では、火気の使用が制限されていることがほとんどです。

  • 最有力:湯沸かしボックス(発熱剤)が最も適しています。火を使わないため安全で、周囲に迷惑をかける煙やにおいもありません。
  • その他:保温ポットにお湯を入れて持参する、自治体や支援団体からの提供を待つ、といった方法も考えられます。
  • 注意点:避難所のルールを必ず確認し、それに従ってください。勝手な火の使用は絶対にやめましょう。

燃料が限られている場合

カセットボンベや固形燃料などの備蓄が少ない、または入手が困難な場合は、燃料を節約する方法や代替手段を考える必要があります。

  • 節約術:保温性の高い鍋や魔法瓶を活用し、一度沸かしたお湯を長時間保温する。調理時間を短縮できるフリーズドライ食品などを活用する。
  • 代替手段:晴れていればソーラークッカーを活用する。湯沸かしボックスを備蓄しておく。
  • 水の節約:同時に、限りある水を有効活用することも重要です。

あると便利!お湯を沸かす関連防災グッズ

お湯を沸かす方法と合わせて、関連するグッズを備えておくと、災害時の湯沸かしがより安全かつスムーズになります。必須ではありませんが、「あると便利」なアイテムをご紹介します。

耐熱性の高いやかん・鍋

直接火にかけるため、耐熱性は重要です。アウトドア用のクッカーセットは、コンパクトに収納でき、直火にかけられるものが多く便利です。ステンレス製やチタン製のものが丈夫で衛生的です。注ぎ口が付いているケトルタイプは、お湯を注ぎやすく安全です。

保温ポット・水筒

一度沸かしたお湯を保温しておけるポットや水筒があれば、燃料の節約になります。温かい飲み物をすぐに飲めるというメリットもあります。魔法瓶タイプは保温効果が高くおすすめです。家族の人数に合わせて適切な容量のものを選びましょう。

温度計

特に赤ちゃんのミルクを作る際には、お湯の温度管理が重要です。70℃以上のお湯で溶かす必要があるため、料理用などの温度計があると正確な温度が分かり安心です。湯沸かしボックスなど、沸騰しない方法でお湯を作る場合にも、温度を確認するのに役立ちます。

軍手・耐熱グローブ

熱いやかんや鍋を持つ際、また湯沸かしボックスなどを扱う際に、やけどを防ぐために必須とも言えるアイテムです。軍手でも代用できますが、より耐熱性の高いグローブがあると安心感が増します。滑り止めが付いていると、さらに安全です。

火消しスプレー・消火器

万が一、火が燃え移ってしまった場合に備えて、初期消火できるアイテムがあると安心です。家庭用の小型消火器や、エアゾールタイプの簡易消火スプレーなどがあります。使い方を確認し、すぐに取り出せる場所に置いておきましょう。

よくある質問

カセットコンロは室内で使っても大丈夫?

十分な換気を行えば使用可能ですが、推奨はされていません。一酸化炭素中毒のリスクがあるため、必ず窓を2方向以上開けるなど、空気が入れ替わる状態を確保してください。閉め切った室内やテント内、車内での使用は絶対にやめてください。可能であれば屋外で使用するのが最も安全です。

カセットボンベの使用期限は?

多くのメーカーでは、製造日から約7年を目安としています。ボンベの底に製造年月日が記載されているので確認しましょう。期限を過ぎたボンベは、ガス漏れやサビによる劣化の可能性があるため、使用しない方が安全です。ローリングストック法で定期的に入れ替えることをおすすめします。

固形燃料はどこで買える?

ホームセンター、100円ショップ、スーパーのアウトドア用品コーナー、インターネット通販などで購入できます。様々な燃焼時間や入数の製品がありますので、用途に合わせて選びましょう。専用の五徳も一緒に探すと良いでしょう。

湯沸かしボックスは何回使える?

湯沸かしボックス本体(袋や容器)は繰り返し使える製品もありますが、中の発熱剤は基本的に1回使い切りです。使用後は、製品の指示に従って廃棄してください。交換用の発熱剤のみ販売されている場合もあります。

電気ケトルは防災時に使える?

停電時には使えません。電気ケトルは日常的には非常に便利ですが、電気がなければお湯を沸かすことはできません。防災用としては、電気を使わない湯沸かし方法を備えておく必要があります。ポータブル電源があれば使用可能ですが、消費電力が大きい点に注意が必要です。

お湯を沸かすのにかかる時間は?

水の量、元の水温、使用する器具の火力、気温などによって大きく異なります。一般的に、カセットコンロやアウトドア用バーナーは火力が強いため比較的早く(500mlで数分程度)、固形燃料は火力が弱いため時間がかかります。湯沸かしボックスも製品によりますが、15~30分程度かかることが多いです。

赤ちゃん用のミルクを作るには?

70℃以上のお湯が必要です。カセットコンロなどで沸騰させたお湯を少し冷ますか、湯沸かしボックスを使用する場合は温度を確認する必要があります。温度計があると正確で安心です。衛生面に十分注意し、清潔な器具を使用してください。液体ミルクを備蓄しておくと、お湯がなくてもすぐに授乳できて便利です。

ペットボトルを直接温めてもいい?

推奨されません。ペットボトルは熱に弱いものが多く、直接火にかけたり、高温のお湯を入れたりすると変形したり、有害な物質が溶け出す可能性があります。必ず耐熱性のあるやかんや鍋に移し替えてから温めてください。

お風呂のお湯は飲める?

飲用には適していません。入浴剤が入っていなくても、人の皮脂や雑菌などが混入している可能性があるため、飲まないでください。生活用水(トイレを流す、洗濯するなど)として活用しましょう。どうしても飲料水がない場合は、携帯用浄水器でろ過するか、布などでゴミを取り除いた上で十分に煮沸する必要がありますが、推奨される方法ではありません。

雨水は沸かせば飲める?

清潔な容器で受けた雨水であれば、煮沸消毒すれば飲むことは可能です。ただし、大気中の汚染物質や、屋根などを伝って集めた場合はゴミや鳥の糞などが混入している可能性もあるため、そのまま飲むのは危険です。可能であれば布などでろ過してから、しっかりと沸騰させてください。携帯用浄水器を使うのがより安全です。

災害時 お湯 何度?

用途によりますが、飲料用やアルファ米などを作る場合は、基本的に沸騰(100℃)させるのが望ましいです。殺菌効果が高まります。赤ちゃんのミルクは70℃以上が必要です。体を拭いたり、食器を洗ったりする場合は、火傷しない程度の温度(40℃~50℃程度)でも十分役立ちます。

災害時 お湯 沸かせない どうする?

お湯を沸かす手段がない場合は、常温の水で戻せる非常食(水戻し餅など)や、そのまま食べられる缶詰、栄養補助食品などを活用しましょう。飲料水はそのまま飲み、体を清潔に保つためにはウェットティッシュやドライシャンプーなどが役立ちます。液体ミルクも有効な備えです。

まとめ

  • 災害時にお湯は飲料、食事、衛生、暖房に不可欠。
  • カセットコンロは手軽だが換気必須。
  • 固形燃料はコンパクトで備蓄向きだが火力弱い。
  • 湯沸かしボックスは火を使わず安全性が高い。
  • アウトドア用バーナーは高火力だが燃料注意。
  • 屋内での火気使用は一酸化炭素中毒に最大注意。
  • 必ず十分な換気を行うこと。
  • 火災予防のため、燃えやすいものを遠ざける。
  • 燃料は高温・多湿を避け、安全に保管する。
  • やけど防止に軍手や耐熱グローブを使用する。
  • 飲料水は1人1日3L目安で最低3日分備蓄。
  • 生活用水として風呂の残り湯などを活用。
  • 給水所の場所と情報収集手段を確認しておく。
  • 携帯用浄水器があると水の選択肢が広がる。
  • 状況(屋内、屋外、避難所)に応じて最適な方法を選ぶ。
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