地震や台風などの自然災害は、いつどこで起こるか分かりません。「備えあれば憂いなし」と言いますが、防災グッズをすべて揃えるとなると費用がかさむのが悩みどころですよね。そんな時、強い味方になってくれるのが100円ショップです。本記事では、百均で揃えられる防災グッズを徹底解説!最低限必要なものから、あると便利なアイテム、さらに100均グッズの注意点や、追加で備えたいものまで詳しくご紹介します。この記事を読めば、予算を抑えつつ、しっかりと災害に備えることができますよ。
百均で防災グッズは揃う?メリット・デメリットを解説
「百均の防災グッズって、本当に使えるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。結論から言うと、百均でも多くの役立つ防災グッズを揃えることは可能です。しかし、メリットとデメリットを理解した上で、賢く活用することが重要になります。
この章では、百均で防災グッズを揃える際のメリット・デメリット、そして専門店の商品との使い分けについて詳しく見ていきましょう。
- 百均で防災グッズを揃えるメリット
- 百均で防災グッズを揃えるデメリット・注意点
- 100均グッズと専門店のグッズ、どう使い分ける?
百均で防災グッズを揃えるメリット
百均で防災グッズを揃える最大のメリットは、何と言ってもその手軽さとコストパフォーマンスの高さです。多くのアイテムが110円(税込)で手に入るため、初期費用を大幅に抑えることができます。防災対策を始めたいけれど、何から手をつけていいか分からない、費用が心配…という方にとって、百均は最初のステップとして非常に有効な選択肢となるでしょう。
また、店舗数が多く、身近な場所で手軽に必要なものを買い揃えられる点も大きな魅力です。ダイソー、セリア、キャンドゥなど、大手チェーンなら品揃えも豊富で、防災コーナーが設けられている店舗も増えています。懐中電灯、ウェットティッシュ、簡易トイレ、軍手、ロープなど、基本的な防災アイテムの多くを見つけることができます。
さらに、少量ずつ買い足していけるのもメリットです。一度にすべて揃えようとすると大変ですが、百均なら「今日は衛生用品」「次回はライト類」というように、計画的に少しずつ備蓄を進めることができます。これにより、無理なく防災意識を高め、継続的な備えを習慣化しやすくなります。
百均で防災グッズを揃えるデメリット・注意点
手軽さが魅力の百均防災グッズですが、デメリットや注意点も存在します。まず挙げられるのが、品質や耐久性の問題です。安価である分、専門店で販売されている防災グッズと比較すると、性能が劣る場合があります。例えば、ライトの明るさや電池の持ち、簡易トイレの吸収性、レインコートの防水性などは、価格相応と考えた方が良いでしょう。命に関わるような重要なアイテム(例えば、長期保存可能な食料や水、高性能なラジオ、耐久性の高い寝袋など)は、信頼できる専門店での購入を検討することをおすすめします。
次に、品揃えの限界です。基本的なアイテムは揃いますが、特殊なものや専門的なグッズ(例えば、特定の持病に対応した医薬品、アレルギー対応食、高性能フィルター付きマスクなど)は、百均では見つけるのが難しい場合があります。また、店舗によって品揃えにばらつきがあるため、目的のものが必ず手に入るとは限らない点も考慮しておきましょう。
さらに、使用期限や保管方法にも注意が必要です。特にウェットティッシュや除菌シート、食品(もしあれば)などは、使用期限が短い場合があります。定期的にチェックし、必要に応じて交換するようにしましょう。また、電池なども自然放電するため、定期的な動作確認が欠かせません。
100均グッズと専門店のグッズ、どう使い分ける?
百均グッズと専門店のグッズは、それぞれの特性を理解し、賢く使い分けることが重要です。すべてを百均で揃えようとしたり、逆にすべてを専門店で高価なものを買おうとしたりするのではなく、アイテムの重要度や使用頻度、求める性能に応じて選択しましょう。
例えば、ウェットティッシュ、ゴミ袋、軍手、タオル、レジャーシート、マスク、筆記用具、常備薬を入れるピルケースなど、消耗品や使用頻度が低いもの、基本的な機能があれば十分なものは、百均で揃えるのがコストパフォーマンス的に有利です。これらは数を揃えておくことも大切なので、安価に手に入る百均は適しています。
一方、懐中電灯(特にメインで使うもの)、モバイルバッテリー、ラジオ、長期保存水・食料、寝袋、ヘルメット、高品質な簡易トイレなど、安全性や性能、耐久性が求められるもの、命を守る上で重要な役割を果たすものは、信頼できる防災専門店やアウトドア用品店などで、品質を確かめて購入することをおすすめします。特にモバイルバッテリーは、容量偽装などの問題もあるため、信頼できるメーカーのものを選びましょう。
このように、「百均で十分なもの」と「専門店で備えるべきもの」をリストアップし、優先順位をつけて準備を進めるのが、賢い防災グッズの揃え方と言えるでしょう。
【最低限】百均で揃えるべき必須防災グッズリスト
災害時にまず必要となる、最低限の防災グッズ。その多くは百均でも揃えることができます。ここでは、「これだけは備えておきたい!」という必須アイテムをカテゴリー別にリストアップしました。まずはこれらのアイテムから揃え、徐々に充実させていくのがおすすめです。
以下のカテゴリーごとに、百均で手に入る具体的なグッズを見ていきましょう。
- 情報収集グッズ
- 衛生用品
- 避難・生活用品
- 応急処置グッズ
- その他(あると便利なもの)
情報収集グッズ
災害発生時、正確な情報を得ることは命を守るために不可欠です。停電時でも情報収集ができるように備えましょう。
- 携帯ラジオ: AM/FMが受信できる小型のもの。電池式が基本ですが、手回し充電機能付きも便利。(百均では簡易的なものが多い)
- 懐中電灯・ヘッドライト: LEDタイプが長持ちでおすすめ。予備電池も忘れずに。ヘッドライトは両手が空くので作業時に便利です。
- 予備電池: ラジオやライトに必要な種類の電池(単3、単4など)を多めに用意。使用推奨期限を確認しましょう。
- 筆記用具・メモ帳: 情報を書き留めたり、連絡先をメモしたりするのに必要。油性ペンもあると便利です。
百均のライトは明るさが十分でない場合もあるため、メインのライトは専門店での購入も検討し、百均のものは予備として複数用意しておくと安心です。
衛生用品
避難生活では衛生環境が悪化しやすく、感染症のリスクも高まります。体を清潔に保つためのアイテムは必須です。
- ウェットティッシュ・からだ拭きシート: 断水時にお風呂に入れない場合に役立ちます。ノンアルコールタイプもあると肌が弱い方も安心。
- 除菌ジェル・スプレー: 手指の消毒に。水が使えない状況で重宝します。
- マスク: 感染症予防や、粉塵・埃対策に。個包装タイプが衛生的でおすすめ。
- 歯磨きシート・マウスウォッシュ: 水がなくても口内を清潔に保てます。
- 携帯トイレ・簡易トイレ: 断水でトイレが使えなくなった場合に必須。凝固剤と処理袋がセットになったものを選びましょう。最低でも3日分、できれば1週間分あると安心です。(百均のものは吸収量が少ない場合もあるため注意)
- 生理用品: 女性は必須。普段使っているものを多めにストックしておきましょう。
- ゴミ袋(大小): ゴミをまとめるだけでなく、防寒や水の運搬、簡易的な雨具としても使える万能アイテム。黒色と半透明があると使い分けに便利です。
- ティッシュペーパー・トイレットペーパー: 普段から少し多めにストックしておく「ローリングストック」がおすすめです。
避難・生活用品
避難所での生活や、自宅で過ごす場合にも役立つアイテムです。
- 軍手: 瓦礫の撤去や片付け、防寒対策にも。滑り止め付きが便利。
- タオル(大小): 体を拭くだけでなく、防寒、止血、ろ過など多用途に使えます。速乾性のあるマイクロファイバータオルもおすすめ。
- レジャーシート・アルミシート: 床に敷いたり、雨風を防いだり、防寒対策に使えます。アルミシートは保温性が高いです。
- スリッパ・携帯用スリッパ: 避難所など、土足厳禁の場所で足元を保護するために役立ちます。
- ポリタンク・ウォーターバッグ: 給水所で水をもらう際に必要。折りたたみ式がコンパクトで便利です。
- 食品用ラップ: 食器に敷けば洗い物を減らせます。止血や保温、ロープ代わりにも。
- アルミホイル: ラップと同様に食器代わりにしたり、簡易的な調理器具として使ったりできます。
- 使い捨てカイロ: 冬場の避難生活や、低体温症の予防に。貼るタイプと貼らないタイプがあると便利。
- ロープ・紐: 洗濯物を干したり、物を固定したり、様々な用途に使えます。
- 布ガムテープ: メモを貼ったり、補修したり、多用途に使えます。油性ペンで文字も書けます。
- カッターナイフ・ハサミ: 梱包を開けたり、ロープを切ったりするのに必要。
- ライター・マッチ: 火を起こすために。防水ケースに入れておくと安心です。
- ホイッスル(笛): 瓦礫の下などに閉じ込められた際、助けを呼ぶために。少ない力で大きな音が出せるものが良いでしょう。
- 耳栓・アイマスク: 避難所など、周りの音や光が気になる環境で安眠するために役立ちます。
応急処置グッズ
災害時には怪我をする可能性もあります。簡単な手当てができるように、最低限の応急処置セットを用意しておきましょう。
- 絆創膏(各種サイズ): 切り傷やすり傷の手当てに。防水タイプもあると便利。
- 消毒液・消毒シート: 傷口の消毒に。
- 滅菌ガーゼ・包帯: 大きな傷の手当てや、患部の保護に。
- 三角巾: 骨折時の固定や、止血、吊り具として使えます。
- テープ(医療用): ガーゼや包帯の固定に。
- ピンセット・毛抜き: トゲを抜いたり、細かい作業をしたりするのに。
- 常備薬: 持病の薬、鎮痛剤、胃腸薬、風邪薬など、普段使っている薬を最低でも3日分、できれば1週間分用意。お薬手帳のコピーも一緒に入れておきましょう。
- 爪切り: 意外と忘れがちですが、衛生面で重要です。
百均のケースに必要なものをまとめて、オリジナルの救急セットを作るのもおすすめです。
その他(あると便利なもの)
必須ではありませんが、あると避難生活の質を向上させたり、ストレスを軽減したりするのに役立つアイテムです。
- 小銭(公衆電話用): 停電でキャッシュレス決済が使えなくなったり、携帯電話が繋がりにくくなったりした場合に備え、公衆電話用に10円玉や100円玉を用意しておくと安心です。
- ビニール袋(防臭袋): 生ゴミや使用済み簡易トイレの処理に。防臭効果のあるものがおすすめです。
- 油性ペン: 持ち物に名前を書いたり、伝言を残したりするのに便利。太字と細字があると使い分けられます。
- 折りたたみ傘・レインコート: 雨天時の避難や屋外での作業に。両手が空くレインコートがより安全です。百均のものは簡易的なので、しっかりしたものが一つあると安心。
- エアー枕・ネックピロー: 避難所など硬い床で寝る場合に、少しでも快適な睡眠をとるために役立ちます。
- 古いメガネ・コンタクトレンズ(予備): 普段使っているものが破損・紛失した場合に備えて。
- モバイルバッテリー: スマートフォンの充電に。百均でも販売されていますが、容量が小さいものが多いため、メインは専門店での購入を推奨します。
- 圧縮袋: 衣類やタオルなどをコンパクトに収納できます。
- 安全ピン: 衣類の補修や、布を留めるのに使えます。
- 簡易食器(紙皿・紙コップ・割り箸): 洗い物ができない状況で役立ちます。
これらのアイテムも、予算やリュックの容量に合わせて、百均で手軽に揃えられるものから追加していくと良いでしょう。
【店舗別】ダイソー・セリア・キャンドゥのおすすめ防災グッズ
大手100円ショップのダイソー、セリア、キャンドゥは、それぞれ品揃えに特色があります。防災グッズを探すなら、各店舗の特徴を知っておくと効率的です。ここでは、それぞれの店舗で見つけやすい、おすすめの防災関連グッズをご紹介します。
ただし、店舗の規模や時期によって品揃えは変動するため、あくまで参考としてご覧ください。
- ダイソーのおすすめ防災グッズ
- セリアのおすすめ防災グッズ
- キャンドゥのおすすめ防災グッズ
ダイソーのおすすめ防災グッズ
ダイソーは店舗数が多く、大型店も多いのが特徴です。防災コーナーを設けている店舗も多く、比較的防災グッズの種類が豊富で見つけやすい傾向にあります。
- 圧縮タオル: 水で戻すとタオルになるコンパクトなアイテム。複数個ストックしておくと便利。
- 多機能ツールナイフ: ナイフ、ハサミ、缶切りなどが一つになったもの。アウトドアコーナーで見つかることも。
- 折りたたみウォータータンク: 3L~10L程度の容量のものがあり、給水時に役立ちます。
- LEDランタン・ライト類: 種類が豊富で、吊り下げられるタイプや、置けるタイプなど、用途に合わせて選べます。電池式のものが中心です。
- 簡易トイレ: 凝固剤と処理袋がセットになったものが複数種類あります。
- アルミ保温シート: 体に巻くことで体温低下を防ぎます。薄くて軽いのでリュックに入れやすい。
- モバイルバッテリー(300円~): 110円ではありませんが、比較的安価なモバイルバッテリーも販売されています。ただし、容量は少なめなので過信は禁物です。
- 各種衛生用品: ウェットティッシュ、除菌シート、マスク、絆創膏など、基本的な衛生用品は一通り揃います。
ダイソーは実用的なアイテムが多く、防災の基本となるグッズを揃えやすいのが強みと言えるでしょう。
セリアのおすすめ防災グッズ
セリアは、おしゃれでデザイン性の高い商品が多いのが特徴です。防災グッズも、普段使いできそうなデザインのものや、コンパクトで携帯しやすいものが比較的見つかります。
- 携帯用ミニトイレ: ドライブやアウトドアにも使える、コンパクトな携帯トイレ。
- 防犯ブザー: 女性や子供の安全対策に。キーホルダータイプなどもあります。
- ID・パスワード管理ノート: 災害時にはネットサービスのパスワードなどが必要になることも。アナログで記録しておくと安心。
- おしゃれなデザインのポーチやケース類: 救急セットや衛生用品などをカテゴリー別にまとめ、分かりやすく収納するのに便利です。
- コンパクトなLEDライト: キーホルダー型のものなど、携帯しやすい小型ライトが見つかります。
- モノトーンデザインのグッズ: ゴミ袋やウェットティッシュなども、シンプルなデザインのものが多く、インテリアに馴染みやすい。
- トラベルグッズコーナーの活用: 圧縮袋、ミニボトル、アイマスクなど、防災にも役立つトラベルグッズが豊富です。
セリアでは、防災グッズをスマートに持ち運びたい、整理したいというニーズに応えるアイテムが見つかりやすいでしょう。
キャンドゥのおすすめ防災グッズ
キャンドゥも、ダイソーやセリアと同様に基本的な防災グッズは揃います。他店にはないオリジナル商品や、少し変わった便利グッズが見つかることもあります。
- サバイバルシート(アルミブランケット): 保温効果の高いシート。コンパクトで軽量です。
- ヘッドライト: 両手が空くので、避難時や作業時に便利。
- 多機能ホイッスル: 笛に加えて、ミニライトや方位磁石などが付いているタイプも。
- エアー枕・ネックピロー: 避難所での睡眠をサポート。
- 各種電池: アルカリ電池やマンガン電池など、必要な種類の電池を揃えられます。
- 食品用ラップ・アルミホイル: 様々なサイズや長さのものが揃っています。
- 滑り止め付き軍手: 作業時の安全性を高めます。
- レインコート: 簡易的なものが多いですが、急な雨に対応できます。
キャンドゥは、基本的なアイテムに加え、+αの便利グッズを探してみるのも面白いかもしれません。各店舗を回り、それぞれの強みを活かして防災グッズを揃えていくのがおすすめです。
100均だけでは不十分?追加で備えたい防災グッズ
百均は防災グッズを揃える上で非常に役立ちますが、それだけですべての備えが万全になるわけではありません。特に、命や健康に直結するアイテム、長期間の避難生活を支えるアイテムについては、品質や性能を重視し、専門店での購入や、よりしっかりとした準備が必要です。
ここでは、百均グッズに加えて、別途備えておくべき重要な防災グッズを紹介します。
- 食料・飲料水
- 重要な医薬品・持病の薬
- モバイルバッテリー(大容量)
- 寝袋・エアーマット
- ヘルメット・防災頭巾
- 簡易トイレ(高品質なもの)
食料・飲料水
最低でも3日分、推奨は1週間分の備蓄が必要です。百均でもお菓子や缶詰などが手に入りますが、長期保存には向きません。
- 飲料水: 1人1日3Lを目安に、長期保存可能なミネラルウォーターを備蓄しましょう。ペットボトルのまま保管できるものが便利です。
- 非常食: アルファ米、缶詰(パン、おかず)、レトルト食品、乾麺、栄養補助食品など、調理不要で食べられるものや、簡単な調理で食べられるものをバランス良く用意します。アレルギー対応食が必要な方は、必ず専用のものを準備してください。
- カセットコンロ・ボンベ: 温かい食事を作るために必要。ボンベも多めにストックしておきましょう。
食料や水は、ローリングストック法(普段の生活で消費しながら買い足していく方法)を取り入れると、無理なく備蓄でき、期限切れも防ぎやすくなります。
重要な医薬品・持病の薬
百均の救急セットはあくまで応急処置用です。持病のある方は、かかりつけ医に相談の上、処方薬を最低でも1週間分、できればそれ以上用意しておきましょう。災害時には医療機関が機能停止したり、薬の入手が困難になったりする可能性があります。
また、鎮痛剤、胃腸薬、風邪薬などの常備薬も、普段から使い慣れているものを、家族の人数や状況に合わせて準備しておくと安心です。お薬手帳のコピーも忘れずに防災リュックに入れておきましょう。
モバイルバッテリー(大容量)
スマートフォンは情報収集や連絡手段として不可欠ですが、停電時には充電できません。百均のモバイルバッテリーは容量が小さいものが多く、スマートフォンのフル充電が難しい場合があります。
最低でもスマートフォンを2~3回フル充電できる10000mAh以上の大容量モバイルバッテリーを、信頼できるメーカーから購入することをおすすめします。ソーラー充電機能付きのものや、複数ポートがあるものも便利です。定期的に充電し、いつでも使える状態にしておきましょう。
寝袋・エアーマット
避難所での生活は、硬い床での雑魚寝になることも少なくありません。体温維持と睡眠の質の確保は、体力の消耗を防ぎ、健康を維持するために非常に重要です。
百均のアルミシートだけでは、特に冬場や寒い地域では不十分な場合があります。保温性の高い寝袋(シュラフ)や、床からの冷気を遮断し、クッション性のあるエアーマットを用意しておくと、避難生活の負担を大幅に軽減できます。アウトドア用品店などで、季節や使用環境に合ったものを選びましょう。
ヘルメット・防災頭巾
地震発生時、落下物から頭部を守ることは命を守る上で最も重要です。百均ではヘルメットや本格的な防災頭巾は販売されていません。
衝撃吸収性などの安全基準を満たしたヘルメットや、難燃性の素材で作られた防災頭巾を、人数分用意しましょう。特に就寝中に地震が発生した場合、すぐに手に取れる場所に置いておくことが大切です。職場や学校だけでなく、自宅にも備えておくことを強く推奨します。
簡易トイレ(高品質なもの)
百均の簡易トイレは手軽ですが、吸収量や防臭効果が十分でない場合があります。特に長期間の使用や、家族など複数人で使用する場合は、吸収量が多く、防臭効果の高い、しっかりとした作りの簡易トイレを備えておくと安心です。
凝固剤と処理袋がセットになったものや、便座付きのものなど、様々なタイプがあります。最低でも1人あたり1日5回分を目安に、1週間分程度の備蓄が推奨されています。衛生的な環境を保つことは、感染症予防の観点からも非常に重要です。
【状況別】百均防災グッズの選び方ポイント
必要な防災グッズは、家族構成や生活環境によって異なります。百均でグッズを選ぶ際にも、それぞれの状況に合わせた工夫が必要です。ここでは、一人暮らし、女性、赤ちゃん・子供がいる場合、高齢者がいる場合に分けて、選び方のポイントを解説します。
基本的な防災グッズに加えて、それぞれの状況で特に役立つアイテムを百均で探してみましょう。
- 一人暮らしの場合
- 女性の場合
- 赤ちゃん・子供がいる場合
- 高齢者がいる場合
一人暮らしの場合
一人暮らしの場合、すべての準備を自分一人で行う必要があります。また、災害時に助けを求めにくい状況も考えられるため、より入念な備えが求められます。
- コンパクトさ重視: 収納スペースが限られている場合が多いため、折りたたみ式のグッズや圧縮袋などを活用し、コンパクトにまとめましょう。
- 連絡手段の確保: モバイルバッテリーは必須。家族や友人との連絡先リスト(紙)も用意しておきましょう。
- 情報収集ツール: 小型ラジオやライトは必ず準備。電池の予備も忘れずに。
- 防犯対策: ホイッスルや防犯ブザーを携帯し、避難所のプライバシー確保のために大きめのストールやタオル、アイマスク、耳栓なども役立ちます。
- 最低限の食料・水: 少なくとも3日分は自力で生活できるよう備蓄。ローリングストックを心がけましょう。
- 救急セット: 自分で手当てできるよう、基本的なものは揃えておきましょう。
百均グッズを上手に活用し、無理のない範囲で、しかし確実に備えを進めることが大切です。
女性の場合
女性は、衛生面や防犯面で特に配慮が必要なアイテムがあります。普段から使い慣れているものや、安心できるものを選びましょう。
- 生理用品: 最も重要なアイテムの一つ。普段使っているものを、最低でも1~2周期分多めにストックしておきましょう。ナプキンだけでなく、タンポンや月経カップなども選択肢に。
- おりものシート: 下着を替えられない状況でも、清潔を保つのに役立ちます。
- デリケートゾーン用ウェットシート: 水が使えない時に便利。
- 防犯ブザー・ホイッスル: 避難時や避難所での安全確保のために携帯しましょう。
- 中身が見えない袋: 使用済み生理用品や下着などを捨てる際に必要。防臭効果のあるものがおすすめです。
- ヘアゴム・ヘアブラシ: 髪をまとめておくと衛生的で、作業の邪魔にもなりません。
- スキンケア用品(試供品など): 環境の変化で肌荒れしやすくなることも。普段使っているものの試供品やミニサイズがあると安心。
- 鏡(コンパクトミラー): 最低限の身だしなみや、目のゴミを取る際などに役立ちます。
- ストール・大きめのタオル: 授乳ケープ代わりや、着替え時の目隠し、防寒対策など多用途に使えます。
百均でも、ポーチやミニボトルなどを活用して、これらのアイテムをコンパクトにまとめておくと良いでしょう。
赤ちゃん・子供がいる場合
赤ちゃんや小さな子供がいる家庭では、大人とは別に、子供専用の備えが必要です。アレルギーや発達段階に合わせた準備を心がけましょう。
- 粉ミルク・液体ミルク: 哺乳瓶がなくても飲める液体ミルクは特に便利。月齢に合わせた量をストック。
- 哺乳瓶・消毒グッズ: 洗浄や消毒が難しい状況も想定し、使い捨て哺乳瓶や、水を使わない消毒グッズ(ミルトンなど)も検討。
- 離乳食・ベビーフード: 子供の月齢やアレルギーに合わせたものを、普段から少し多めにストック。
- おむつ・おしりふき: サイズに注意し、多めに準備。普段使っているメーカーのものが安心です。防臭袋も必須。
- 抱っこ紐・おんぶ紐: 避難時に両手が空き、子供の安全を確保できます。
- 子供用の薬・体温計: 解熱剤や保湿剤など、かかりつけ医に相談して準備。
- 着替え・防寒具: 子供は体温調節が苦手なので、多めに用意。
- おもちゃ・絵本: 不安な状況下で、子供の心を落ち着かせるために役立ちます。音の出ないものを選びましょう。
- 母子手帳のコピー: 子供の健康情報を把握するために重要。
- 子供用マスク: 小さなサイズのマスクを用意。
百均のおもちゃや、子供が好きなキャラクターのグッズなども、ストレス軽減に役立つかもしれません。
高齢者がいる場合
高齢者は、体力的な負担や、持病、常用薬などに特に配慮が必要です。普段の生活状況を考慮し、必要なものを準備しましょう。
- 常用薬・持病の薬: 最も重要。かかりつけ医と相談し、十分な量を確保。お薬手帳とそのコピーも必須。
- 入れ歯洗浄剤・ケース: 普段使っているものを忘れずに。
- 老眼鏡・補聴器(予備電池も): 破損や紛失に備え、予備があると安心。
- 杖・歩行補助具: 普段使っているもの。避難経路によっては使いにくい場合もあるため注意。
- 大人用紙おむつ・尿取りパッド: 必要な方は多めに準備。
- 柔らかい食事・介護食: 嚥下(えんげ)能力に合わせたものを用意。おかゆや刻み食のレトルトなど。
- 座布団・クッション: 硬い床での負担を軽減。
- 携帯ラジオ(操作が簡単なもの): 情報収集のために。文字が大きい、ボタンが少ないなど、使いやすいものを選びましょう。
- 緊急連絡カード: 持病やアレルギー、緊急連絡先などを記載したもの。
- 温かい飲み物(粉末など): 体を温め、安心感を与える効果も。
百均の老眼鏡や、滑り止めシート、クッションなども活用できるでしょう。本人が使いやすいもの、分かりやすいものを選ぶことが大切です。
百均グッズを使った防災リュックの作り方
防災グッズを揃えたら、それらを「非常持ち出し袋」としてリュックサックなどにまとめておくことが重要です。いざという時にすぐに持ち出せるよう、準備しておきましょう。百均のアイテムを上手に活用すれば、機能的な防災リュックを作ることができます。
ここでは、リュックの選び方からパッキングのコツ、そして定期的な見直しについて解説します。
- リュックの選び方
- パッキングのコツ
- 定期的な見直しと入れ替え
リュックの選び方
防災リュックは、避難時に必要なものを入れて持ち運ぶためのものです。以下の点を考慮して選びましょう。
- 容量: 一般的に、男性は30L~40L、女性は20L~30L程度が目安とされますが、入れるものや体力に合わせて選びましょう。大きすぎると重くなり、避難の妨げになる可能性もあります。
- 種類: 両手が空くリュックサックタイプが基本です。アウトドア用や登山用のリュックは、丈夫で背負いやすく、ポケットが多いなど機能的なのでおすすめです。百均でもリュックは販売されていますが、耐久性や防水性の面では専門店で購入する方が安心です。
- 機能性:
- 防水性・撥水性: 雨天時の避難も考慮し、防水性の高い素材や、レインカバー付きのものが望ましいです。百均の防水スプレーを併用するのも良いでしょう。
- 耐久性: ある程度の重さに耐えられる、丈夫な作りのものを選びましょう。肩紐や背中部分にクッション性があると、負担が軽減されます。
- ポケットの数: 外側や内側にポケットが多いと、小物を整理しやすく、すぐに取り出したいものを分けて収納できます。
- 反射材: 夜間の避難時に、車のライトなどに反射して存在を知らせる反射材が付いていると安全性が高まります。百均の反射シールやキーホルダーを後付けするのも有効です。
リュック自体はしっかりしたものを選び、中に入れるアイテムに百均グッズを活用するのが賢明です。
パッキングのコツ
防災リュックは、ただ詰め込むだけでなく、いざという時に使いやすいように工夫してパッキングすることが大切です。
- 重いものは上に、背中側に: 水や食料など重いものは、リュックの上部、かつ背中に近い位置に入れると、重心が安定し、背負った時の負担が軽減されます。
- 軽いものは下に、外側に: 衣類やタオルなど軽いもの、かさばるものは下部や外側のポケットに入れます。
- 使用頻度の高いものは取り出しやすい場所に: ライト、ホイッスル、救急セット、雨具、タオルなどは、すぐに取り出せるように上部や外ポケットに入れましょう。
- カテゴリー別に袋分けする: 百均のポーチやチャック付き袋、圧縮袋などを活用し、「衛生用品」「救急セット」「衣類」「貴重品」など、カテゴリー別に分けて収納すると、中身が整理され、必要なものを探しやすくなります。袋に中身を明記しておくとさらに分かりやすいです。
- 隙間を有効活用する: タオルや衣類などを隙間に詰めると、荷物が安定し、型崩れを防げます。
- 防水対策: 衣類や書類、電子機器など、濡らしたくないものは、ビニール袋や防水ケースに入れてからリュックにしまいましょう。
- 詰め込みすぎない: リュックの重さは、体重の10%~20%程度が目安と言われています。実際に背負ってみて、無理なく歩ける重さにとどめましょう。すべてを一つのリュックに入れようとせず、貴重品は別の小さなバッグに入れるなどの工夫も有効です。
パッキングが終わったら、一度背負って歩いてみて、重さやバランスを確認しましょう。
定期的な見直しと入れ替え
防災リュックは、作って終わりではありません。最低でも半年に1回、できれば3ヶ月に1回程度は中身を確認し、メンテナンスを行うことが非常に重要です。
- 使用期限・消費期限のチェック:
- 食料・飲料水: 期限が近いものは、普段の食事で消費し、新しいものと入れ替えます(ローリングストック)。
- 医薬品・衛生用品: ウェットティッシュや消毒液、絆創膏なども使用期限があります。期限切れのものは交換しましょう。
- 電池: ライトやラジオに入れてある電池は、定期的に動作確認を行い、予備電池も使用推奨期限を確認します。液漏れしていないかもチェックしましょう。
- 季節に合わせた入れ替え: 夏場は冷却グッズや虫除け、冬場はカイロや防寒具を追加するなど、季節に合わせて中身を調整します。
- 家族構成や状況の変化に対応: 子供の成長に合わせて衣類やおむつのサイズを変えたり、引っ越しなどで連絡先が変わったりした場合も、情報を更新しましょう。
- リュック本体の状態確認: 破れやほつれ、ファスナーの不具合などがないか確認します。
見直しの日を決めておくと、忘れずに実施できます。例えば、「防災の日(9月1日)」や「年末大掃除の時」など、定期的なイベントと結びつけるのがおすすめです。この見直し作業を通じて、防災意識を常に高く保つことができます。
よくある質問
百均で防災グッズを揃えるにあたって、多くの方が疑問に思う点をまとめました。
100均の防災グッズだけで本当に大丈夫ですか?
結論から言うと、100均のグッズだけでは万全とは言えません。 懐中電灯、ウェットティッシュ、軍手、ゴミ袋、簡易食器など、多くの基本的なアイテムは100均で十分に揃えることができます。しかし、長期保存食・水、性能の高いラジオやライト、モバイルバッテリー、寝袋、ヘルメット、高品質な簡易トイレなど、命や健康に直結する重要なアイテムについては、品質や耐久性の観点から、防災専門店やアウトドア用品店などで信頼できる製品を選ぶことを強く推奨します。100均グッズはあくまで「補助的」「基本的な備え」と捉え、重要なものは別途しっかり備えるという考え方が大切です。
防災グッズはどこに保管すればいいですか?
非常持ち出し袋(防災リュック)は、玄関や寝室など、家の中で最も避難しやすい場所に保管するのが基本です。地震などで家が歪んでもドアが開けられるよう、玄関の近くに置くのが理想的です。また、就寝中に災害が発生した場合に備え、寝室にもライトやスリッパ、ホイッスルなどを置いておくと安心です。備蓄品(水、食料、カセットコンロなど)は、一箇所にまとめず、複数の場所に分散して保管する「分散備蓄」が推奨されます。例えば、キッチン、押し入れ、物置、車のトランクなどに分けておくことで、家屋の倒壊などで一部が取り出せなくなっても、他の場所から持ち出せる可能性が高まります。
防災グッズの使用期限は?
防災グッズには使用期限や消費期限が設定されているものが多くあります。特に注意が必要なのは、食料、飲料水、医薬品、ウェットティッシュ、電池、カイロなどです。非常食や水は3年~5年以上の長期保存が可能なものが多いですが、必ず期限を確認しましょう。医薬品も期限切れのものは効果がなかったり、体に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。電池は使用推奨期限があり、自然放電もするため、定期的な確認が必要です。防災リュックや備蓄品は、最低でも半年に1回は見直しを行い、期限が近いものは交換するようにしましょう。
ローリングストックとは何ですか?
ローリングストックとは、普段から使っている食料品や日用品を少し多めに買い置きしておき、使った分だけ買い足していく備蓄方法です。例えば、缶詰やレトルト食品、カップ麺、飲料水、トイレットペーパー、ティッシュペーパーなどを対象に行います。常に一定量の備蓄を保ちながら、古いものから消費していくため、食品ロスを防ぎ、無理なく備蓄を続けられるメリットがあります。特別な非常食だけでなく、普段食べ慣れているものを備蓄できるため、災害時にも普段に近い食生活を送ることができ、精神的な負担軽減にも繋がります。
防災セットは買った方がいいですか?
市販の防災セットは、専門家が必要なアイテムを選定しており、一通り揃っているため、防災対策の第一歩として非常に便利です。何から揃えれば良いか分からない方や、時間がない方にはおすすめです。ただし、セット内容は画一的なものが多く、自分の家族構成や状況に合わないアイテムが入っていたり、逆に必要なものが入っていなかったりする場合もあります。また、品質も様々です。購入する場合は、中身をよく確認し、自分に必要なものを追加したり、不要なものを除いたりしてカスタマイズすることが重要です。100均グッズをうまく活用して、市販のセットを補強するのも良い方法です。
100均以外でおすすめの防災グッズはありますか?
100均以外で備えておきたい、おすすめの防災グッズは多数あります。特に重要なのは以下のものです。
- 大容量モバイルバッテリー: スマホの充電に必須。10000mAh以上を目安に。
- 高性能なLEDランタン・ヘッドライト: 明るさ、持続時間、防水性などを重視。
- 多機能ラジオ: 手回し充電、ソーラー充電、USB充電、ライト、サイレン機能などがあると便利。
- 長期保存可能な飲料水・非常食: 最低3日分、できれば1週間分。アレルギー対応も確認。
- 寝袋・エアーマット: 避難所での睡眠の質を向上。保温性、クッション性を確認。
- ヘルメット・防災頭巾: 頭部保護のために必須。安全基準を確認。
- 高品質な簡易トイレ: 吸収量、防臭効果が高いもの。
- カセットコンロ・ボンベ: 温かい食事のために。
これらは、防災専門店、アウトドア用品店、ホームセンターなどで購入できます。価格だけでなく、品質や性能をよく比較検討して選びましょう。
防災グッズは何日分用意すればいいですか?
一般的に、最低でも3日分、大規模災害に備えるなら1週間分の備蓄が推奨されています。これは、災害発生後、支援物資が届くまでには時間がかかることや、ライフライン(電気、ガス、水道)の復旧に時間がかかることを想定しているためです。特に食料、飲料水、簡易トイレ、常備薬などは、この期間を目安に準備しましょう。ただし、これはあくまで最低限の目安であり、地域の状況や家族構成、備蓄スペースなどを考慮して、可能な範囲で備えを充実させることが望ましいです。
まとめ
- 百均でも多くの基本的な防災グッズは揃えられる。
- メリットは手軽さと安さ、デメリットは品質や耐久性の限界。
- ウェットティッシュ、ゴミ袋、軍手などは百均で十分。
- ライト、ラジオ、モバイルバッテリーなどは専門店推奨。
- 最低限必要なのは情報収集、衛生、生活、応急処置グッズ。
- ダイソー、セリア、キャンドゥそれぞれに特色がある。
- 食料・水、薬、大容量バッテリーは別途しっかり備蓄。
- 寝袋、ヘルメット、高品質トイレも重要。
- 一人暮らし、女性、子供、高齢者など状況別に工夫が必要。
- 防災リュックは丈夫で背負いやすいものを選ぶ。
- パッキングは重いものを上に、カテゴリー別に袋分け。
- リュックの中身は最低半年に1回は見直し、入れ替え。
- 使用期限・消費期限のチェックを忘れずに。
- ローリングストック法で無理なく備蓄を継続。
- 市販の防災セットは中身を確認しカスタマイズする。