ネックレスやピアスをつけたら、急に肌がかゆくて赤くなってしまった…。それはもしかしたら、金属アレルギーのサインかもしれません。突然のつらい症状に、「今すぐなんとかしたい!」「薬局で買えるおすすめの塗り薬はないの?」と焦ってしまいますよね。ご安心ください。この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、金属アレルギーに使える市販の塗り薬を徹底的に解説します。症状や部位に合わせた選び方から、気になるステロイドの強さ、そして根本的な対策まで、この記事を読めば、あなたにぴったりの一本がきっと見つかります。
まず結論!金属アレルギーの塗り薬はどう選ぶ?症状別フローチャート

時間がない方のために、まずは結論から。金属アレルギーの塗り薬は、「症状の強さ」と「使用する部位」で選ぶのが基本です。かゆみや赤みの程度、かき壊してしまっているか、顔などのデリケートな部分か、といった点で最適な薬は異なります。以下のフローチャートで、あなたに合った薬のタイプを確認してみてください。
金属アレルギー塗り薬 選び方フローチャート
あなたの症状はどれに当てはまりますか?
赤みや腫れが強く、炎症がひどい
▼
ストロングランクのステロイド薬
短期間でしっかり炎症を抑える
かゆくてかき壊してしまった
▼
抗生物質配合のステロイド薬
化膿を防ぎながら炎症を鎮める
顔などデリケートな部分 or 症状が軽い
▼
ウィークランクのステロイド薬 or 非ステロイド薬
作用が穏やかで副作用のリスクが低い
このフローチャートはあくまで目安です。市販薬を5〜6日使用しても症状が改善しない場合や、症状が広範囲にわたる場合は、自己判断を続けずに必ず皮膚科を受診してくださいね。
【症状・強さ別】金属アレルギーにおすすめの市販塗り薬11選

ここからは、具体的な商品を見ながら、あなたに合った塗り薬を探していきましょう。ドラッグストアや薬局で購入できる、おすすめの市販薬を「炎症が強い方向け」「中程度の症状向け」「デリケートな部位向け」「ステロイドが苦手な方向け」「かき壊してしまった方向け」の5つのカテゴリに分けてご紹介します。
本章でご紹介する内容は以下の通りです。
- 【炎症が強い・腫れている方向け】ストロングランクのステロイド薬
- 【赤み・かゆみが中程度方向け】ミディアムランクのステロイド薬
- 【顔などデリケートな部位・軽い症状向け】ウィークランクのステロイド薬
- 【ステロイドが苦手な方向け】非ステロイド系の塗り薬
- 【かき壊してしまった方向け】抗生物質配合の塗り薬
【炎症が強い・腫れている方向け】ストロングランクのステロイド薬
赤みや腫れがひどく、強いかゆみを伴う場合は、市販薬で最もランクの高い「ストロング」のステロイド薬で、短期間に集中して炎症を抑えるのが効果的です。ただし、顔や陰部などのデリケートな部分への使用は避け、漫然と長期間使い続けないように注意しましょう。
商品名 | 特徴 | 有効成分 | 剤形 |
---|---|---|---|
リンデロンVs軟膏/クリーム (シオノギヘルスケア) | 医療用と同じ有効成分を配合。優れた抗炎症作用で、つらい症状をしっかり抑えます。軟膏とクリームの2タイプ。 | ベタメタゾン吉草酸エステル | 軟膏/クリーム |
ベトネベートN軟膏AS (第一三共ヘルスケア) | 抗炎症作用のあるステロイドに加え、化膿を防ぐ抗生物質を配合。かき壊してしまった患部にも使えます。 | ベタメタゾン吉草酸エステル、フラジオマイシン硫酸塩 | 軟膏 |
フルコートf (田辺三菱製薬) | 優れた抗炎症作用を持つステロイドと、細菌の増殖を抑える抗生物質を配合。ジュクジュクした患部にも、カサカサした患部にも効果的です。 | フルオシノロンアセトニド、フラジオマイシン硫酸塩 | 軟膏 |
【赤み・かゆみが中程度方向け】ミディアムランクのステロイド薬
「ストロングランクは少し強すぎるかも」と感じる方や、中程度の赤み・かゆみには「ミディアム」ランクのステロイド薬が適しています。体幹部や手足など、比較的皮膚の厚い部位におすすめです。
商品名 | 特徴 | 有効成分 | 剤形 |
---|---|---|---|
ロコイドA軟膏 (福井製薬) | 医療現場でも広く使われている成分を配合。皮膚炎、かぶれ、かゆみなどに幅広く効果を発揮します。 | ヒドロコルチゾン酪酸エステル | 軟膏 |
オイラックスPZリペアクリーム (第一三共ヘルスケア) | アンテドラッグステロイド成分が炎症を鎮め、かゆみ止め成分が素早くかゆみを抑えます。アラントインが荒れた肌の修復を助けます。 | プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、クロタミトン、アラントインなど | クリーム |
【顔などデリケートな部位・軽い症状向け】ウィークランクのステロイド薬
顔や首すじ、お子様への使用など、皮膚が薄くデリケートな部位には、作用が最も穏やかな「ウィーク」ランクのステロイド薬を選びましょう。軽い赤みやかゆみの初期症状にも適しています。副作用のリスクが低いのが特徴ですが、効果もマイルドです。
商品名 | 特徴 | 有効成分 | 剤形 |
---|---|---|---|
コートf MD軟膏 (田辺三菱製薬) | 赤ちゃんから大人まで使える、穏やかな効き目のステロイド薬。無香料・無着色で、デリケートな肌にも使いやすいです。 | プレドニゾロン | 軟膏 |
オイラックスA (第一三共ヘルスケア) | 穏やかなステロイド成分に加え、かゆみ止め成分や組織修復成分などを配合。かゆみ、かぶれに幅広く対応します。 | ヒドロコルチゾン酢酸エステル、クロタミトン、アラントインなど | クリーム |
【ステロイドが苦手な方向け】非ステロイド系の塗り薬
「ステロイドは副作用が心配…」という方には、非ステロイド系の塗り薬という選択肢もあります。炎症を抑える作用はステロイドに比べて穏やかですが、かゆみを鎮める成分や抗炎症成分が配合されており、軽い症状であれば十分に対応可能です。
商品名 | 特徴 | 有効成分 | 剤形 |
---|---|---|---|
イハダ プリスクリードD (資生堂薬品) | 2つの抗炎症成分が、赤みやブツブツを鎮めます。弱酸性・無香料・無着色で、素肌と同じ弱酸性。顔にも使いやすいです。 | ウフェナマート、グリチルリチン酸二カリウム | エッセンスタイプ |
キュアレアa (小林製薬) | 抗炎症成分ウフェナマートと、かゆみを鎮めるジフェンヒドラミンを配合。赤みやかゆみを伴うかぶれに効果的です。 | ウフェナマート、ジフェンヒドラミン | 軟膏/クリーム |
【かき壊してしまった方向け】抗生物質配合の塗り薬
かゆみに耐えきれず、ついかき壊してしまった…。そんな時は、細菌感染(化膿)を防ぐことが重要です。ステロイド成分に加えて抗生物質が配合された塗り薬を選びましょう。炎症を抑えながら、傷口からの二次感染を防ぎます。
商品名 | 特徴 | 有効成分 | 剤形 |
---|---|---|---|
テラ・コートリル軟膏a (JNTLコンシューマーヘルス) | 優れた抗炎症作用のステロイドと、2種類の抗生物質を配合。化膿を伴う湿疹・皮膚炎に高い効果を発揮します。 | ヒドロコルチゾン、オキシテトラサイクリン塩酸塩、ポリミキシンB硫酸塩 | 軟膏 |
クロマイ-P軟膏AS (第一三共ヘルスケア) | 2種類の抗生物質と、穏やかなステロイドを配合。化膿した患部を治し、じゅくじゅくした傷にも、カサカサの傷にも使えます。 | クロラムフェニコール、フラジオマイシン硫酸塩、プレドニゾロン | 軟膏 |
そもそも金属アレルギーの塗り薬って?基本の知識

自分に合いそうな薬が見つかったところで、塗り薬に関する基本的な知識を深めておきましょう。成分や剤形について理解することで、より適切に薬を選び、効果的に使えるようになります。
本章でご紹介する内容は以下の通りです。
- 塗り薬の主成分「ステロイド」とは?強さのランク一覧
- 「軟膏」と「クリーム」どっちがいい?剤形の選び方
- 塗り薬だけじゃない!かゆみが強い時は「飲み薬」の併用も
塗り薬の主成分「ステロイド」とは?強さのランク一覧
金属アレルギーによる皮膚炎の治療では、「ステロイド外用薬(塗り薬)」が中心となります。ステロイドは、もともと体内の副腎という臓器で作られるホルモンを人工的に合成したもので、優れた抗炎症作用を持ち、赤み、腫れ、かゆみなどの症状を強力に抑え込みます。
「ステロイド」と聞くと、「副作用が怖い」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、医師や薬剤師の指示に従い、適切な強さのものを適切な期間・量で使用すれば、非常に効果的で安全性の高い薬です。特に塗り薬は、飲み薬に比べて全身への影響が少ないのが特徴です。
ステロイド外用薬は、その作用の強さによって以下の5段階にランク分けされています。
- ストロンゲスト (Strongest) – 最も強い【処方薬のみ】
- ベリーストロング (Very Strong) – 非常に強い【処方薬のみ】
- ストロング (Strong) – 強い【市販薬あり】
- ミディアム (Medium) – 普通【市販薬あり】
- ウィーク (Weak) – 弱い【市販薬あり】
ドラッグストアなどで購入できる市販薬は、「ストロング」「ミディアム」「ウィーク」の3つのランクです。症状の強さや使用部位に合わせて、適切なランクを選ぶことが大切です。
「軟膏」と「クリーム」どっちがいい?剤形の選び方
塗り薬には主に「軟膏」と「クリーム」の2つのタイプ(剤形)があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、患部の状態や使用感の好みによって使い分けるのがおすすめです。
剤形 | メリット | デメリット | おすすめの患部 |
---|---|---|---|
軟膏 | ・刺激が少ない ・保湿力、保護力が高い ・ジュクジュクした患部にも使える | ・ベタつきがある | 乾燥した患部、ジュクジュクした患部、皮膚が敏感な部位 |
クリーム | ・伸びが良く、広範囲に塗りやすい ・ベタつきが少ない | ・軟膏より刺激を感じることがある ・ジュクジュクした患部には不向きな場合も | 広範囲の患部、毛の多い部位、夏場などベタつきが気になる時 |
どちらを選べば良いか迷った場合は、刺激が少なく汎用性の高い「軟膏」から試してみるのが良いでしょう。
塗り薬だけじゃない!かゆみが強い時は「飲み薬」の併用も
塗り薬を使ってもかゆみが治まらない、かゆくて夜も眠れない…。そんな時は、抗ヒスタミン成分配合の「飲み薬」を併用するのも一つの手です。
アレルギー反応が起こると、体内で「ヒスタミン」という物質が放出され、これがかゆみの原因となります。抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンの働きをブロックすることで、体の内側からつらいかゆみを鎮めてくれます。
市販の飲み薬には、「アレルギール錠」や「レスタミンコーワ糖衣錠」などがあります。ただし、眠気が出やすいという副作用があるため、服用後は車の運転などを控える必要があります。最近では眠くなりにくい第2世代の抗ヒスタミン薬(「アレグラFX」「アレジオン」など)も市販されていますので、ライフスタイルに合わせて薬剤師に相談してみましょう。
金属アレルギーの塗り薬を使う際の注意点

市販薬は手軽に購入できて便利ですが、安全に、そして効果的に使用するためにはいくつかの注意点があります。正しい使い方をマスターして、症状を速やかに改善させましょう。
本章でご紹介する内容は以下の通りです。
- 塗る量や回数は?正しい使い方
- 5〜6日使っても改善しない場合は皮膚科へ
- オロナインやワセリンは使える?
塗る量や回数は?正しい使い方
塗り薬の効果を最大限に引き出すには、適切な量を塗ることが重要です。少なすぎると効果が十分に得られず、多すぎても副作用のリスクが高まるだけです。
塗る量の目安として「フィンガーチップユニット(FTU)」という考え方があります。これは、大人の人差し指の第一関節までチューブから薬を絞り出した量(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分の面積に塗るのに適した量とされています。
ティッシュペーパーが軽く付着するくらいが、適度に塗れているサインです。ベタベタしすぎるのは塗りすぎ、すぐにサラサラになるのは少なすぎると考えましょう。塗る回数は、通常1日数回、商品の指示に従ってください。症状が良くなってきたら、回数や量を減らしていきます。
5〜6日使っても改善しない場合は皮膚科へ
市販薬は、あくまでセルフケアの範囲で対応できる症状に使うものです。以下の場合は、自己判断での使用を中止し、速やかに皮膚科を受診してください。
- 市販薬を5〜6日間使用しても、症状が全く改善しない、または悪化する
- 症状が広範囲に広がっている(目安として、手のひら2〜3枚分以上)
- かゆみや痛みが非常に強く、日常生活に支障が出ている
- ジュクジュクして化膿している範囲が広い
- 原因が金属アレルギーなのかはっきりしない
専門医の診断を受けることで、より強力な処方薬を使えたり、アレルギーの原因を特定する検査(パッチテスト)を受けられたりします。
オロナインやワセリンは使える?
ご家庭の常備薬としておなじみの「オロナインH軟膏」や「ワセリン」。金属アレルギーの症状に使えるのでしょうか?
- オロナインH軟膏:主成分は殺菌・消毒成分です。湿疹(かぶれ)への使用は添付文書で禁止されており、金属アレルギーによる炎症を抑える効果はないため、使用は避けましょう。
- ワセリン:皮膚の表面に油分の膜を作り、乾燥や外部の刺激から肌を保護する役割があります。治療効果はありませんが、症状が落ち着いた後の保湿ケアや、金属が直接肌に触れるのを防ぐ保護膜として使うことはできます。ただし、症状が出ている最中に塗ると、かえって悪化させる可能性もあるため注意が必要です。
やはり、金属アレルギーによる炎症には、抗炎症作用のあるステロイド薬や非ステロイド性抗炎症薬が配合された医薬品を選ぶのが基本です。
もう繰り返さない!金属アレルギーの予防と対策

塗り薬で症状が治まっても、原因となる金属に触れ続ければ、また同じ症状を繰り返してしまいます。つらい症状を繰り返さないためには、根本的な予防と対策が何よりも大切です。
本章でご紹介する内容は以下の通りです。
- 原因となる金属を特定する(パッチテスト)
- アレルギーを起こしにくい金属を選ぶ
- 汗対策とスキンケアを徹底する
- 金属に直接触れない工夫(コーティング剤など)
原因となる金属を特定する(パッチテスト)
「自分はどの金属にアレルギーがあるんだろう?」それを正確に知るためには、皮膚科で「パッチテスト」を受けるのが最も確実な方法です。
パッチテストでは、原因となりやすい金属の試薬を染み込ませたシールを背中などに貼り、数日後の皮膚の反応を観察します。これにより、アレルギーの原因物質を特定することができます。原因がわかれば、その金属を避けるという具体的な対策が取れるようになります。
アレルギーを起こしにくい金属を選ぶ
金属アレルギーは、汗などの体液によって金属が溶け出し、イオン化して体内に侵入することで起こります。そのため、汗で溶け出しにくい、イオン化しにくい金属を選ぶことが重要です。
- アレルギーを起こしやすい金属:ニッケル、コバルト、クロム、パラジウムなど(安価なアクセサリーのメッキによく使われます)
- アレルギーを起こしにくい金属:チタン、サージカルステンレス(SUS316L)、プラチナ(Pt900以上)、純金(K24)、ジルコニウムなど
アクセサリーなどを購入する際は、デザインだけでなく素材をしっかり確認する習慣をつけましょう。「ニッケルフリー」や「金属アレルギー対応」と表示されている商品を選ぶのも良い方法です。
汗対策とスキンケアを徹底する
汗は金属アレルギーの最大の引き金です。特に夏場やスポーツをする際は、こまめに汗を拭き取り、肌を清潔に保つことを心がけましょう。アクセサリーは汗をかく場面では外すのが賢明です。
また、皮膚のバリア機能が低下していると、アレルゲンが侵入しやすくなります。日頃から保湿ケアをしっかり行い、健康な肌状態を保つことも、アレルギー予防につながります。
金属に直接触れない工夫(コーティング剤など)
どうしても身につけたいアクセサリーや、ベルトのバックル、腕時計の裏蓋など、肌に触れる金属部分には、金属アレルギー防止用のコーティング剤を塗るという方法もあります。透明な樹脂で金属表面をコーティングし、金属が直接肌に触れるのを防ぎます。
また、衣類で隠れる部分であれば、金属の裏側に絆創膏や布を貼るだけでも効果があります。少しの工夫で、アレルギーのリスクを減らすことができます。
よくある質問

ここでは、金属アレルギーの塗り薬に関して、多くの方が抱く疑問にお答えします。
金属アレルギーの塗り薬はどこで買えますか?
本記事で紹介した市販の塗り薬は、全国のドラッグストアや薬局で購入できます。一部の医薬品は、薬剤師による説明が必要な「要指導医薬品」や「第1類医薬品」に分類されるため、薬剤師がいるカウンターで相談して購入してください。どの薬を選べばよいか迷った際は、症状を伝えて薬剤師に相談するのが最も確実です。
子供でも使える金属アレルギーの塗り薬はありますか?
はい、あります。子供の皮膚は大人よりも薄くデリケートなため、作用の穏やかな薬を選ぶ必要があります。「ウィーク」ランクのステロイド薬や、非ステロイド系の薬が適しています。「コートf MD軟膏」のように、赤ちゃんから使えると明記されている商品を選ぶとより安心です。ただし、自己判断で長期間使用せず、症状が改善しない場合は小児科や皮膚科を受診してください。
病院で処方される薬との違いは何ですか?
一番大きな違いは、ステロイドの強さのランクです。市販薬は「ストロング」までですが、皮膚科ではさらに強力な「ベリーストロング」や「ストロンゲスト」ランクのステロイド薬が処方されることがあります。また、症状に合わせて抗アレルギー薬の飲み薬や保湿剤などが組み合わせて処方されることもあります。症状が重い場合や市販薬で改善しない場合は、病院で適切な診断と治療を受けることが重要です。
金属アレルギーは治りますか?
残念ながら、一度発症した金属アレルギーを体質から完全に治すことは、現在の医療では難しいとされています。アレルギーは、体の免疫システムが特定の金属を「異物」として記憶してしまうことで起こるためです。しかし、塗り薬で症状を抑えたり、原因となる金属を避けることで、症状を出さずに快適に生活することは十分に可能です。
塗り薬が効かない場合はどうすればいいですか?
市販の塗り薬を5〜6日使用しても効果が見られない、あるいは悪化するようであれば、すぐに使用を中止して皮膚科を受診してください。考えられる理由としては、①症状に対して薬の強さが足りていない、②金属アレルギーではなく別の皮膚疾患である、③かき壊しなどによる細菌感染を併発している、などが挙げられます。専門医による正しい診断が、的確な治療への第一歩です。
まとめ

- 金属アレルギーの塗り薬は症状の強さと部位で選ぶ。
- 強い炎症には「ストロング」ランクのステロイド薬。
- かき壊した場合は「抗生物質配合」の薬を選ぶ。
- 顔などデリケートな部位には「ウィーク」ランクが基本。
- ステロイドが苦手な方向けに非ステロイド薬もある。
- ステロイドには5段階の強さがあり市販薬は3段階。
- 軟膏は保護力が高く、クリームはべたつきが少ない。
- かゆみが強い時は「抗ヒスタミン薬」の飲み薬併用も有効。
- 塗る量はFTU(フィンガーチップユニット)が目安。
- 5〜6日使用しても改善しない場合は皮膚科を受診する。
- オロナインはNG、ワセリンは保護目的で使用可能。
- 根本対策は原因金属を避けることが最も重要。
- 原因特定には皮膚科での「パッチテスト」が有効。
- チタンやサージカルステンレスはアレルギーを起こしにくい。
- 汗対策と保湿ケアで皮膚のバリア機能を保つことが予防になる。