「裄丈」という言葉をご存存じでしょうか?洋服のサイズ選びで耳にする機会は少ないかもしれませんが、実は着こなしの印象を大きく左右する大切な要素です。特にオンラインでの購入が増えた今、試着なしで自分にぴったりの服を見つけるには、裄丈の知識が欠かせません。
本記事では、女性の平均裄丈を身長別に詳しく解説し、正しい測り方や、裄丈が合わない場合の服選びのコツをご紹介します。この記事を読めば、もうサイズ選びで悩むことはありません。あなたにぴったりの一着を見つけるための参考にしてください。
裄丈とは?袖丈との違いを理解しよう

洋服のサイズ表記にはさまざまな種類があり、それぞれが服のフィット感や見た目に影響を与えます。その中でも「裄丈(ゆきたけ)」は、特にシャツやジャケット、コートなどのトップスを選ぶ際に重要な寸法です。まずは、裄丈が具体的にどの部分を指すのか、そして混同しやすい「袖丈」との違いについて理解を深めましょう。
裄丈の基本的な定義
裄丈とは、首の後ろの中心から肩先を通り、手首のくるぶしまで測った長さを指します。この長さは、洋服を着用した際の腕の長さや袖のフィット感を決める大切な要素です。特にワイシャツやスーツなど、体型に合わせたサイズ選びが重要なアイテムでは、裄丈に注目することが失敗を減らすコツになります。
裄丈の読み方は「ゆきたけ」で、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、自分の裄丈を知っておくことで、より快適でおしゃれな着こなしが実現できます。
袖丈との明確な違い
裄丈とよく似た言葉に「袖丈(そでたけ)」がありますが、これらは測り始める位置が異なります。袖丈は、肩先から袖口までの長さを指すのに対し、裄丈は首の後ろの中心から測り始めるのが特徴です。
つまり、裄丈は肩幅の半分と袖丈を足した長さとイメージすると分かりやすいでしょう。この違いを理解することで、サイズ表記を見たときに、どの部分の長さを示しているのかを正確に判断できるようになります。
女性の平均裄丈はどのくらい?身長別の目安

自分の裄丈が平均と比べてどうなのか、また身長によってどのくらいの裄丈が目安になるのかを知ることは、服選びにおいて非常に役立ちます。ここでは、女性の身長別に一般的な平均裄丈の目安をご紹介します。ただし、これはあくまで目安であり、個人の体型や肩幅、腕の長さによって差があることを念頭に置いてください。
身長150cm台の平均裄丈
身長150cm台の女性の場合、平均的な裄丈は63cmから68cm程度が目安とされています。例えば、身長150cmであれば64cm~67cm、155cmであれば65cm~68cmといった範囲が一般的です。この身長帯の方は、小柄な方向けのブランドやSサイズ、Mサイズの洋服を選ぶ際に、裄丈の表記をしっかり確認することが大切です。
特に、既製服では袖が長すぎたり短すぎたりすることがあるため、自分の正確な裄丈を知っておくと、よりフィット感のある服を選べます。
身長160cm台の平均裄丈
身長160cm台の女性は、平均的な裄丈が66cmから70cm程度になることが多いです。例えば、身長160cmであれば66cm~69cm、165cmであれば67cm~70cmが目安となります。この身長帯は、一般的なMサイズやLサイズの洋服が多く展開されていますが、ブランドによって裄丈の基準が異なるため注意が必要です。
特に、腕の長さは個人差が大きいため、身長が同じでも裄丈が異なることはよくあります。そのため、購入前に必ずサイズ表で裄丈を確認する習慣をつけましょう。
身長170cm台以上の平均裄丈
身長170cm台以上の女性の場合、平均裄丈は68cmから72cm以上が目安となります。高身長の方は、既製服の裄丈が短く感じることが多いため、トールサイズ展開のあるブランドや、裄丈が長めに作られているデザインを選ぶと良いでしょう。
また、オーダーメイドやセミオーダーのサービスを利用することも、自分にぴったりの裄丈の服を手に入れる有効な方法です。袖が短いと手首が出すぎてしまい、バランスが悪く見えることがあるため、適切な裄丈を選ぶことで全体の印象がぐっと良くなります。
自分の裄丈を知る重要性
平均裄丈を知ることは参考になりますが、最も大切なのは「自分の正確な裄丈」を把握することです。なぜなら、同じ身長でも肩幅や腕の長さには個人差があるため、平均値が必ずしも自分に当てはまるとは限らないからです。
自分の裄丈を正しく測っておけば、オンラインショッピングでの失敗を減らし、試着なしでも自信を持って服を選べるようになります。また、服の種類によって理想的な裄丈の長さが異なる場合もあるため、後述する測り方を参考に、一度自分の裄丈を測ってみることをおすすめします。
正しい裄丈の測り方で失敗を防ぐ

自分にぴったりの服を選ぶためには、正確な裄丈を知ることが不可欠です。ここでは、メジャーを使った正しい裄丈の測り方について、準備するものから具体的な手順まで詳しく解説します。一人で測る場合と、誰かに手伝ってもらう場合の両方のコツをお伝えしますので、ぜひ実践してみてください。
準備するものと測る際のポイント
裄丈を測るために必要なものは、以下の通りです。
- メジャー
- 鏡(一人で測る場合)
- 筆記用具とメモ(測定値を記録するため)
測る際のポイントは、以下の3点です。
- リラックスした姿勢で測る: 腕に力を入れず、自然に下ろした状態で測りましょう。
- 正確な始点と終点を確認する: 首の後ろの中心(頸椎点)から測り始め、手首のくるぶし(手首の骨が出っ張っている部分)までを終点とします。
- 左右両方を測る: 左右の腕の長さが異なる場合があるため、両方を測って長い方を基準にするのがおすすめです。
これらのポイントを押さえることで、より正確な裄丈を把握できます。
一人で測る方法
一人で裄丈を測るのは少し難しいかもしれませんが、鏡を使えば可能です。以下の手順で測ってみましょう。
- 背筋を伸ばし、自然な姿勢で鏡の前に立ちます。
- 首を少し前に傾けると、首の後ろの付け根に骨が出っ張っている部分(頸椎点)があります。ここがメジャーの始点です。
- メジャーの端を頸椎点に当て、もう一方の腕を自然に下ろします。
- メジャーを肩のラインに沿わせ、肩先を通って、手首のくるぶしまで伸ばします。
- 鏡を見ながら、手首のくるぶしが隠れるか、少し出る程度の位置で長さを読み取ります。
もし途中でメジャーがずれてしまう場合は、まず頸椎点から肩先までを測り、次に肩先から手首のくるぶしまでを測って、その二つの長さを合計する方法も有効です。
誰かに測ってもらう方法
最も正確に裄丈を測るには、誰かに手伝ってもらうのが一番です。以下の手順で測ってもらいましょう。
- 測ってもらう人に、背筋を伸ばして自然な姿勢で立ってもらいます。腕は力を抜いて、軽く下ろした状態にしてください。
- 測る人は、被測定者の首の後ろの中心(頸椎点)にメジャーの端を当てます。
- メジャーを肩のラインに沿わせ、肩先を通って、手首のくるぶしまで一直線に伸ばします。
- 手首のくるぶしが隠れるか、少し出る程度の位置で長さを読み取ります。
この方法であれば、メジャーがずれにくく、より正確な裄丈を測定できます。紳士服専門店やアパレルショップでも、スタッフが裄丈を測ってくれるサービスがあるため、不安な場合は利用を検討するのも良いでしょう。
裄丈が合わない時の服選びと対処法

自分の裄丈を正確に把握しても、既製服ではなかなかぴったりのものが見つからないこともあります。裄丈が合わない服は、見た目の印象を損ねたり、着心地が悪かったりすることがあります。ここでは、裄丈が短い場合と長い場合の印象の違い、通販サイトでの選び方のコツ、そしてお直しという選択肢について解説します。
裄丈が短い場合の印象と選び方
裄丈が短い服は、手首が露出しすぎたり、袖が突っ張ったりして、「服に着られている」ような印象や、だらしない印象を与えてしまうことがあります。特にビジネスシーンでは、ワイシャツの袖がジャケットから出ないのはマナー違反とされることもあります。
裄丈が短いと感じる場合は、以下の点を意識して服を選びましょう。
- サイズ表記をよく確認する: 同じMサイズでも、ブランドによって裄丈の長さは大きく異なります。必ずサイズ表の裄丈の数値を確認しましょう。
- 長めの裄丈を選ぶ: 普段よりワンサイズ上を選ぶか、裄丈が長めに作られているデザインを探すのも一つの方法です。
- 七分袖やロールアップデザインを選ぶ: あえて手首を見せるデザインの服を選ぶことで、裄丈の短さをカバーできます。
手首を見せることで華奢な印象を与えることもできますが、意図しない短さは避けるべきです。
裄丈が長い場合の印象と選び方
逆に裄丈が長すぎる服は、袖が手の甲にかかりすぎたり、だらしなく見えたりする可能性があります。特にジャケットやコートでは、袖が長すぎると重たい印象を与え、全体のバランスが悪く見えてしまうことがあります。
裄丈が長いと感じる場合は、以下の点を考慮して服を選びましょう。
- ジャストサイズを意識する: 袖が手の甲にかかりすぎない、手首のくるぶしが隠れるか少し出る程度の長さが理想的です。
- 袖口のデザインに注目する: 袖口にゴムが入っていたり、リブ仕様になっていたりする服は、多少裄丈が長くても調整しやすい場合があります。
- お直しを検討する: 本当に気に入った服であれば、袖丈のお直しを検討するのも良い方法です。後述のお直しについて参考にしてください。
特にコート類は、インナーを着込むことを考慮して、実際の裄丈よりも少し余裕を持ったサイズ感がおすすめです。
通販サイトでのサイズ選びのコツ
オンラインショッピングでは試着ができないため、サイズ選びに不安を感じる方も多いでしょう。しかし、いくつかのコツを押さえれば、失敗を減らせます。
- 詳細なサイズスペックを確認する: 多くの通販サイトでは、着丈、身幅、肩幅、そして裄丈などの詳細なサイズが記載されています。自分の測定値と照らし合わせて選びましょう。
- 着用モデルの情報を参考にする: モデルの身長や着用サイズ、体型が記載されている場合は、自分と似た体型のモデルの着画を参考にするとイメージが湧きやすくなります。
- レビューや口コミをチェックする: 実際に購入した人の感想は、サイズ感に関する貴重な情報源です。「袖が長めだった」「思ったより短かった」といったコメントがないか確認しましょう。
- 返品・交換ポリシーを確認する: 万が一サイズが合わなかった場合に備え、返品や交換が可能かどうか、その条件を事前に確認しておくことが大切です。
これらのコツを活用することで、通販での服選びの成功率を高められます。
お直しやリメイクという選択肢
本当に気に入った服や、長く愛用したい大切な服であれば、裄丈のお直しやリメイクを検討するのも良い選択肢です。特に、ジャケットやコート、スーツのワイシャツなどは、数センチの違いで印象が大きく変わるため、お直しが効果的です。
- 専門業者に相談する: 洋服のお直し専門店や、購入したアパレルショップの補正サービスを利用しましょう。プロの技術で、自分にぴったりの裄丈に調整してもらえます。
- 費用と期間を確認する: お直しの内容によって費用や期間は異なります。事前に見積もりを取り、納得した上で依頼しましょう。
- リメイクで新たな魅力を: 裄丈が長すぎるトップスを七分袖にリメイクしたり、袖口にデザインを加えたりすることで、服に新たな魅力を与えることも可能です。
お直しは、服を長く大切に着るための賢い方法です。
服の種類による裄丈の考え方

裄丈の長さは、服の種類によって理想的なバランスが異なります。カジュアルなトップスとフォーマルなアウターでは、求められるフィット感や見た目の印象が変わるため、それぞれのアイテムに合わせた裄丈の考え方を知っておくことが大切です。ここでは、主要な服の種類ごとに裄丈のポイントを解説します。
ジャケットやコートの裄丈
ジャケットやコートの裄丈は、全体の印象を左右する重要な要素です。一般的に、袖口が手首のくるぶしを覆うか、少し手の甲にかかる程度の長さが理想とされています。特にビジネスシーンで着用するジャケットの場合、中に着るワイシャツの袖が1~2cm程度見えるのが美しいとされています。
コートの場合は、中に厚手のセーターなどを着込むことを想定し、実際の裄丈よりも少し余裕を持たせたサイズ感がおすすめです。袖が長すぎるとだらしなく見え、短すぎると寒々しい印象になるため、バランスの取れた長さ選びが重要です。
シャツやブラウスの裄丈
シャツやブラウス、特にワイシャツは、裄丈がサイズ選びの基準となることが多いアイテムです。ワイシャツの裄丈は、腕を自然に下ろした状態で、袖口が手首のくるぶしを隠し、手の甲に少しかかる程度が理想的です。
ジャケットを着用する際は、ジャケットの袖口からワイシャツの袖が1~2cm程度出るのが美しいバランスとされています。ブラウスの場合、デザインによって裄丈の考え方は多様ですが、ビジネスシーンでは手首が隠れる長さが無難です。カジュアルなブラウスであれば、あえて短めを選んで手首を見せたり、ロールアップしたりする着こなしも楽しめます。
ニットやカットソーの裄丈
ニットやカットソーなどのカジュアルなトップスは、比較的裄丈の自由度が高いアイテムです。しかし、それでも適切な長さを選ぶことで、よりおしゃれな着こなしができます。
- ジャストサイズ: 手首のくるぶしが隠れる程度の長さは、どんなスタイルにも合わせやすく、すっきりとした印象を与えます。
- 長め(萌え袖): 袖が手の甲にかかる「萌え袖」は、可愛らしい印象を与えますが、あまりに長すぎるとだらしなく見えることもあるため、バランスが大切です。
- 短め(七分袖など): 手首を見せることで、華奢な印象や抜け感を演出できます。特に春夏のトップスや、重ね着をする際に効果的です。
ニットやカットソーは伸縮性があるため、多少の裄丈の誤差は許容範囲ですが、自分の好みの着こなしに合わせて長さを選ぶことが満足度を高めるコツです。
よくある質問

裄丈はなぜ重要なのでしょうか?
裄丈は、洋服を着用した際の見た目の印象や着心地に大きく影響するため重要です。適切な裄丈の服は、身体にフィットし、洗練された印象を与えます。逆に裄丈が合わないと、だらしなく見えたり、動きにくかったりすることがあります。特にビジネスシーンやフォーマルな場では、裄丈の長さがマナーとして重視されることも少なくありません。
既製服の裄丈はどのように表示されていますか?
既製服のサイズ表記はブランドによって異なりますが、多くの場合はサイズ表に「裄丈」としてセンチメートル(cm)で記載されています。特にワイシャツなどでは、首周り(衿周り)と裄丈の長さを基準に「41-84」のように表記されることもあります。オンラインストアでは、商品の詳細ページで確認できることが多いです。
裄丈が短いとどのような印象になりますか?
裄丈が短いと、手首が露出しすぎたり、袖が突っ張ったりして、服が小さく見えたり、だらしない印象を与えたりすることがあります。特にジャケットやコートの場合、袖が短すぎると寒々しい印象や、服に着られているような不格好な印象を与えてしまう可能性があります。
裄丈が長いとどのような印象になりますか?
裄丈が長いと、袖が手の甲にかかりすぎたり、袖口がもたついたりして、だらしなく見えたり、重たい印象を与えたりすることがあります。特に着物の場合は、必要以上に袖が長いと不恰好に見えることがあります。カジュアルな服では「萌え袖」として可愛らしい印象を与えることもありますが、バランスが重要です。
裄丈を測る際に注意すべき点はありますか?
裄丈を測る際は、以下の点に注意しましょう。まず、腕に力を入れず、自然に下ろした状態で測ることが大切です。また、首の後ろの中心から肩先を通り、手首のくるぶしまでを一直線に測ります。左右の腕の長さが異なる場合があるため、両方を測って長い方を基準にすると良いでしょう。一人で測るのが難しい場合は、誰かに手伝ってもらうか、洋服を平置きして測る方法もあります。
まとめ
- 裄丈は首の後ろの中心から肩先を通って手首のくるぶしまでの長さです。
- 袖丈は肩先から袖口までの長さで、裄丈とは測り始める位置が異なります。
- 女性の平均裄丈は身長によって異なり、150cm台で63-68cm、160cm台で66-70cmが目安です。
- 身長170cm台以上では68-72cm以上が平均的な裄丈の目安となります。
- 自分の正確な裄丈を知ることは、服選びの失敗を防ぐ上で非常に重要です。
- 裄丈を測る際は、メジャーを使い、リラックスした姿勢で首の後ろの中心から手首のくるぶしまで測ります。
- 一人で測る場合は鏡を使い、誰かに測ってもらうとより正確な値が得られます。
- 裄丈が短い服は、だらしない印象や服に着られている印象を与えがちです。
- 裄丈が長い服は、重たい印象や不格好に見えることがあります。
- 通販サイトで服を選ぶ際は、詳細なサイズスペックや着用モデル、レビューを参考にしましょう。
- 気に入った服の裄丈が合わない場合は、お直しやリメイクも有効な選択肢です。
- ジャケットやコートは、ワイシャツの袖が1~2cm出る程度が理想的な裄丈です。
- シャツやブラウスは、手首のくるぶしが隠れる程度の長さが一般的です。
- ニットやカットソーは、着こなしの好みで裄丈の自由度が高いアイテムです。
- 適切な裄丈の服を選ぶことで、着こなしが格段に洗練されます。
