「冬は寒いからゴキブリも出ないだろう」「暖房をつけなければ、電気代も節約できるし、ゴキブリ対策にもなるかも?」そんな風に考えていませんか?冬のあの嫌な虫との遭遇を避けるため、暖房を我慢している方もいるかもしれません。しかし、その考え、実は大きな間違いかもしれません。本記事では、冬の暖房とゴキブリの驚くべき関係と、本当に効果的な対策について、詳しく解説していきます。
【結論】暖房をつけなくてもゴキブリは出る!その理由とは?

早速結論からお伝えすると、冬に暖房をつけなくてもゴキブリに遭遇する可能性は十分にあります。「え、どうして?」と驚かれたかもしれませんね。その理由は、ゴキブリのたくましい生命力と、現代の住宅環境に隠されています。暖房をつけないという選択が、必ずしもゴキブリからの解放を意味するわけではないのです。
ゴキブリは冬眠しない!暖かい場所で越冬する驚きの生態
多くの人が誤解していますが、実はゴキブリは冬眠しません。 確かに、ゴキブリは寒さに弱く、気温が20℃を下回ると繁殖活動が鈍り、10℃以下ではほとんど活動できなくなります。 しかし、彼らは死滅するわけではなく、活動を停止して春を待つ「休眠」状態に入ったり、暖かい場所を見つけて生き延びたりするのです。 特に、近年の住宅は気密性や断熱性が高いため、屋外ほど気温が下がりません。そのため、家の中のどこかでじっと息を潜め、春の活動再開を待っている可能性があるのです。
具体的には、クロゴキブリなどは幼虫や卵の状態で越冬することが知られています。 卵は硬い殻(卵鞘)に守られているため、寒さにも比較的強いのが特徴です。つまり、冬の間にあなたが気づかないだけで、家の中には次世代のゴキブリがスタンバイしているかもしれない、ということです。
暖房がなくても暖かい?ゴキブリが好む意外な隠れ場所
「暖房をつけていないのだから、家の中に暖かい場所なんてないはず」と思うかもしれません。しかし、ゴキブリにとっては、人間が気づかないようなわずかな熱源でも快適な住処になり得ます。彼らが冬の間に潜んでいる可能性が高いのは、以下のような場所です。
- 冷蔵庫やテレビの裏: 家電製品は、稼働中に熱を発生させます。特に冷蔵庫のモーター部分は24時間365日熱を帯びているため、ゴキブリにとっては絶好の越冬場所です。
- パソコンやWi-Fiルーターの周り: これらも常に熱を持っているため、格好の隠れ家になります。
- 段ボールの中: 段ボールは保温性と保湿性に優れており、狭い隙間も多いため、ゴキブリが好む環境です。 宅配便などで外部から持ち込まれた段ボールに、卵が産み付けられているケースも少なくありません。
- 壁の中や天井裏、床下: 断熱材などがあるため、外気の影響を受けにくく、比較的温度が安定しています。
このように、家全体が寒くても、局所的に暖かい「ホットスポット」は多数存在します。ゴキブリはそうした場所を巧みに見つけ出し、冬を乗り切っているのです。
なぜ?冬にゴキブリが出現する3つの原因と主な侵入経路

冬に暖房をつけていなくてもゴキブリが現れるのは、彼らが活動できる環境が家の中に存在し、そこへたどり着くための経路があるからです。ここでは、冬にゴキブリが出現する主な原因と、彼らが利用する侵入経路について詳しく見ていきましょう。
本章では、以下の内容を解説します。
- 原因1:暖かさを求めての侵入
- 原因2:家電製品などの熱源
- 原因3:段ボールなどと一緒に持ち込み
- 要注意!ゴキブリの侵入経路一覧
原因1:暖かさを求めての侵入
冬になり外の気温が下がってくると、屋外にいたゴキブリは生き延びるために暖かい場所を探し始めます。その格好の避難場所が、人間の住む家なのです。たとえ暖房をつけていなくても、屋外に比べれば家の中は十分に暖かく、風雨をしのげます。わずかな隙間を見つけては屋内に侵入し、越冬しようと試みるのです。特に、家の周りに飲食店やゴミ置き場などがある場合は、より侵入されるリスクが高まります。
原因2:家電製品などの熱源
前述の通り、家の中には暖房以外にも熱を発生させるものがたくさんあります。冷蔵庫、テレビ、パソコン、給湯器などは、ゴキブリにとって快適な暖房器具のようなもの。 これらの家電の周りは、冬でもゴキブリが活動・繁殖できる温度が保たれている可能性があります。特に、飲食店などで問題になることが多いチャバネゴキブリは寒さに非常に弱いですが、こうした暖かい環境下では冬でも繁殖を繰り返すことができるため、注意が必要です。
原因3:段ボールなどと一緒に持ち込み
冬のゴキブリ侵入で意外と多いのが、荷物と一緒に知らず知らずのうちに持ち込んでしまうケースです。特に注意したいのが段ボールです。 段ボールの波状の隙間は、暖かく湿度も保たれるため、ゴキブリが卵を産み付けるのに最適な場所。通販などで届いた段ボールに卵が付着していて、家の中で孵化してしまうという悲劇は後を絶ちません。冬だからと油断せず、届いた段ボールはすぐに解体して処分することが大切です。
要注意!ゴキブリの侵入経路一覧
ゴキブリは、成虫でも数ミリ、幼虫なら1ミリ以下の隙間でも通り抜けることができます。 あなたの家にも、気づかないうちに彼らの「高速道路」が開通しているかもしれません。主な侵入経路をチェックして、今すぐ対策を始めましょう。
【ゴキブリの主な侵入経路】
- 玄関・窓・網戸の隙間: ドアの下の隙間や、閉まっているはずの窓や網戸のわずかな歪みから侵入します。
- 換気扇・通気口: キッチンやお風呂、トイレの換気扇は、外と直接つながっているため、格好の侵入経路です。
- エアコンのドレンホース: 室外機の横から出ている、結露水を排出するためのホースです。ここから室内に侵入するケースが非常に多いです。
- 配管周りの隙間: キッチンや洗面台、洗濯機の排水管が床や壁を貫通する部分には、隙間ができがちです。
- 壁のひび割れ: 外壁の小さなひび割れなども見逃せません。
暖房をつけないだけでは不十分!プロが教える冬のゴキブリ対策完全ロードマップ

「暖房をつけなくてもゴキブリは出る」という事実を知って、少しがっかりされたかもしれません。しかし、ご安心ください。冬はゴキブリの活動が鈍く、潜んでいる場所も限定的なため、実は対策を行うのに最適な季節なのです。 ここでは、夏に大量発生させないための、冬にこそやるべきゴキブリ対策を3つのステップでご紹介します。
本章では、以下の内容を解説します。
- STEP1:【侵入させない】徹底的な入り口封鎖術
- STEP2:【繁殖させない】家の中の楽園化を防ぐ
- STEP3:【遭遇したら】冷静に対処する駆除方法
STEP1:【侵入させない】徹底的な入り口封鎖術
まず最も重要なのは、ゴキブリを家の中に一匹たりとも入れないことです。前の章で確認した侵入経路を、徹底的に塞いでいきましょう。
- 隙間を塞ぐ: 窓やドアの隙間には隙間テープを貼りましょう。配管周りの隙間や壁のひび割れは、パテを使って埋めてしまいます。これらはホームセンターや100円ショップで手軽に購入できます。
- ドレンホース対策: エアコンのドレンホースの先端には、専用の防虫キャップを取り付けましょう。ストッキングやネットを輪ゴムで留めるだけでも効果があります。
- 換気口フィルター: 換気扇や通気口には、専用のフィルターを取り付けると、虫の侵入を防ぎつつ換気ができます。
- 排水口: 使わないときは排水口のフタを閉める、目の細かいネットをかけるなどの対策が有効です。
STEP2:【繁殖させない】家の中の楽園化を防ぐ
万が一侵入を許してしまっても、ゴキブリが住み着き、繁殖できない環境を作ることが重要です。ポイントは「餌を与えない」「隠れ家を与えない」の2つです。
- 餌を断つ:
- 食べ物のカスや生ゴミはゴキブリの大好物です。調理後はすぐに片付け、生ゴミは蓋付きのゴミ箱に捨てましょう。
- 食品は密閉容器に入れて保管し、床や棚に食べこぼしがないかこまめにチェックしてください。
- シンク周りの水滴も、ゴキブリにとっては貴重な水分補給源です。夜寝る前には拭き取っておきましょう。
- 隠れ家をなくす:
- 段ボールや新聞紙は溜め込まずにすぐに処分しましょう。 これらはゴキブリの巣になりやすいだけでなく、卵が持ち込まれる原因にもなります。
- 部屋を整理整頓し、ゴキブリが隠れやすい物陰を減らすことも大切です。特に、長期間動かさない家具の裏などは要注意です。
STEP3:【遭遇したら】冷静に対処する駆除方法
対策をしていても、ゴキブリに遭遇してしまうことはあります。その時に備えて、正しい駆除方法を知っておきましょう。
- 殺虫スプレー: 見つけたゴキブリを直接退治するのに最も手軽で効果的です。 ゴキブリの逃げ道を予測し、回り込むように噴射するのがコツです。
- ベイト剤(毒餌): 「ブラックキャップ」などに代表される、食べさせて巣ごと駆除するタイプの殺虫剤です。ゴキブリが好みそうな場所(冷蔵庫の下、シンク下、洗濯機パンなど)に複数設置するのが効果的です。 冬は活動範囲が狭いため、潜伏場所の近くに置くと効率よく駆除できます。
- くん煙剤: 部屋の隅々まで薬剤を行き渡らせ、隠れているゴキブリを追い出して駆除します。 ただし、卵には効果がない場合が多いため、卵が孵化するタイミング(2~3週間後)を見計らって再度使用すると、より効果が高まります。
ちょっと待って!暖房をつけない生活がもたらす健康への影響

ゴキブリ対策のために暖房をつけない、という選択肢を考えている方もいるかもしれません。しかし、その選択は、ゴキブリを避ける以上のリスクを伴う可能性があることを知っておく必要があります。ここでは、暖房を使わない生活が私たちの健康に与える影響について考えてみましょう。
本章では、以下の内容を解説します。
- 光熱費節約以外のデメリット
- 寒さが引き起こす健康リスク(低体温症・ヒートショックなど)
光熱費節約以外のデメリット
冬に暖房をつけない生活は、確かに電気代やガス代の節約につながります。 しかし、その一方で様々なデメリットも存在します。まず、単純に「寒い」ということは、日々の活動意欲を低下させ、生活の質(QOL)を下げてしまう可能性があります。 また、寒さで体がこわばり、血行が悪くなることで、肩こりや腰痛が悪化することも考えられます。 さらに、室温が低いと洗濯物が乾きにくくなったり、結露によってカビが発生しやすくなったりと、衛生面での問題も出てきます。
寒さが引き起こす健康リスク(低体温症・ヒートショックなど)
より深刻なのが、健康への直接的な影響です。特に注意したいのが「低体温症」と「ヒートショック」です。
- 低体温症: 雪山での遭難などで起こるイメージが強いですが、実は室内でも発生するリスクがあります。 暖房のない寒い部屋で長時間過ごしていると、自覚がないままに体温が奪われ、体の機能が低下してしまうのです。特に高齢者や体温調節機能が未熟な乳幼児は注意が必要です。
- ヒートショック: 暖かいリビングから寒い脱衣所や浴室へ移動した際など、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす現象です。 冬場の入浴中の死亡事故の多くは、このヒートショックが原因とされています。家全体が寒い状態だと、このリスクはさらに高まります。
WHO(世界保健機関)は、冬の室温として18℃以上を強く勧告しています。 ゴキブリ対策も大切ですが、ご自身やご家族の健康を守ることを最優先に考え、適切な室温管理を心がけましょう。
冬のゴキブリ対策に関するよくある質問

Q. ゴキブリは何℃から活動が鈍くなりますか?
A. ゴキブリの活動は気温に大きく左右されます。一般的に、気温が20℃を下回ると繁殖活動が鈍くなり、10℃以下になると活動が著しく低下します。 しかし、これはあくまで活動が鈍くなるだけで、死滅するわけではありません。暖房の効いた室内や家電の裏など、20℃以上が保たれている場所では冬でも活動・繁殖することが可能です。
Q. こたつやホットカーペットでもゴキブリは寄ってきますか?
A. はい、寄ってくる可能性は十分にあります。こたつやホットカーペットは、ゴキブリにとって格好の暖房器具です。特にこたつの中は、暖かく暗くて狭いため、絶好の隠れ家となります。食べ物のカスなどが落ちていれば、餌場と寝床が一体化した楽園になってしまいます。こたつやカーペットの周りは常に清潔に保ち、定期的に掃除をすることが大切です。
Q. 冬にゴキブリの赤ちゃんを見つけました。どうすればいいですか?
A. 冬にゴキブリの赤ちゃん(幼虫)を見つけた場合、家の中で繁殖している可能性が非常に高いと考えられます。 1匹見つけたら、見えない場所にはさらに多くの幼虫や卵が潜んでいると覚悟すべきです。 まずは見つけた個体を殺虫剤などで確実に駆除し、その後、くん煙剤を使用して家全体に潜むゴキブリを一掃することをおすすめします。卵にはくん煙剤が効きにくいことがあるため、2~3週間後にもう一度使用すると、孵化した幼虫も駆除できて効果的です。
Q. マンションと一戸建てで対策は変わりますか?
A. 基本的な対策(清掃、侵入経路の封鎖、駆除剤の使用)はマンションも一戸建て変わりません。 ただし、集合住宅であるマンションの場合、注意点がいくつかあります。例えば、自分の部屋だけ対策をしても、隣の部屋や上下階、共用部から侵入してくる可能性があります。また、ベランダが隣家と繋がっている場合は、そこが侵入経路になることも。一戸建ての場合は、床下や天井裏、庭など、ゴキブリが潜む場所が多岐にわたるため、より広範囲のチェックが必要です。
Q. 冬にくん煙剤を焚くのは効果がありますか?
A. はい、冬にくん煙剤を使用するのは非常に効果的です。冬はゴキブリの活動範囲が夏に比べて狭く、暖かい場所に集まっている傾向があります。 そのため、くん煙剤を使用することで、潜んでいるゴキブリを効率よく駆除することができます。夏の大量発生を未然に防ぐためにも、ゴキブリの活動が鈍い冬のうちにくん煙剤でリセットしておくことは、賢い対策と言えるでしょう。
まとめ

- 冬に暖房をつけなくてもゴキブリは出る可能性がある。
- ゴキブリは冬眠せず、暖かい場所で越冬する。
- 家電の裏や段ボールの中などが冬の隠れ家になる。
- 冬のゴキブリは屋外からの侵入や荷物への付着が原因。
- 侵入経路は玄関や窓の隙間、ドレンホースなど様々。
- 冬はゴキブリ対策に最適な季節である。
- 対策の基本は「侵入させない」「繁殖させない」。
- 隙間テープやパテで侵入経路を物理的に塞ぐことが重要。
- 餌となるゴミや、巣となる段ボールを放置しない。
- 遭遇したら殺虫スプレーやベイト剤で駆除する。
- 冬のくん煙剤は潜伏するゴキブリに効果的。
- 暖房なし生活は低体温症などの健康リスクを伴う。
- WHOは冬の室温として18℃以上を推奨している。
- 赤ちゃんゴキブリの発見は繁殖のサイン。
- 健康を第一に考え、適切な室温管理とゴキブリ対策を両立させることが大切。