「Wi-Fiが遅くてイライラする」「家族みんなで使うと途端に不安定になる」そんなお悩みはありませんか?もしかしたら、お使いのWi-Fi規格が原因かもしれません。現在主流のWi-Fi規格には「Wi-Fi 5」と「Wi-Fi 6」があり、それぞれに異なる特徴があります。本記事では、Wi-Fi 5とWi-Fi 6の具体的な違いを徹底的に比較し、あなたのインターネット環境に最適な選択をするための判断基準や選び方を詳しく解説します。
快適なネット環境を手に入れるための第一歩を、ここから始めましょう。
Wi-Fi5とWi-Fi6の基本的な違いを理解しよう

Wi-Fiは、私たちの生活に欠かせない無線通信技術です。スマートフォンやパソコンはもちろん、今やテレビやスマート家電まで、家中のあらゆるものがインターネットに繋がる時代になりました。しかし、その快適さを左右するのがWi-Fiの「規格」です。現在広く普及しているのは「Wi-Fi 5」と、より新しい「Wi-Fi 6」という規格で、それぞれに異なる特性を持っています。
これらの違いを理解することが、より良いWi-Fi環境を構築するための大切な第一歩となります。
Wi-Fi規格の進化と名称
Wi-Fiの規格は、米国電気電子学会(IEEE)が定めた「IEEE 802.11」という技術標準に基づいており、世代ごとに末尾のアルファベットが変わるのが特徴です。 以前は「11ac」や「11ax」といった正式名称が使われていましたが、Wi-Fi Allianceという業界団体が、より分かりやすくするために「Wi-Fi 5」「Wi-Fi 6」といった世代を示す名称を導入しました。
Wi-Fi 5は2013年に策定された「IEEE 802.11ac」を指し、Wi-Fi 6は2019年に登場した「IEEE 802.11ax」を指します。 新しい世代になるほど、通信速度や安定性、効率性が向上しているのが一般的です。
最大通信速度と対応周波数帯
Wi-Fi 5とWi-Fi 6の最も分かりやすい違いは、理論上の最大通信速度です。Wi-Fi 5の最大通信速度は6.9Gbpsですが、Wi-Fi 6では9.6Gbpsと、約1.4倍に高速化されています。 この速度向上により、4Kや8Kといった高画質な動画視聴、大容量のデータ通信を伴うオンラインゲームやオンライン会議などが、よりスムーズに行えるようになります。
また、対応する周波数帯も異なります。Wi-Fi 5は主に5GHz帯のみに対応していましたが、Wi-Fi 6は5GHz帯と2.4GHz帯の両方に対応している点が大きな違いです。 5GHz帯は電波干渉が少なく高速通信が可能ですが、障害物に弱い特性があります。一方、2.4GHz帯は障害物に強く遠くまで届きやすいものの、他の家電製品などからの電波干渉を受けやすいという特徴があります。
Wi-Fi 6では、この両方の周波数帯を状況に応じて切り替えて使用できるため、より安定した通信が実現できるのです。
Wi-Fi5とWi-Fi6の技術的な比較表
Wi-Fi 5とWi-Fi 6の主な違いを以下の表にまとめました。この表を見れば、それぞれの規格がどのような特徴を持っているのか、一目で理解できるでしょう。
| 項目 | Wi-Fi 5 (IEEE 802.11ac) | Wi-Fi 6 (IEEE 802.11ax) |
|---|---|---|
| 策定時期 | 2013年 | 2019年 |
| 最大通信速度(理論値) | 6.9Gbps | 9.6Gbps (約1.4倍高速) |
| 対応周波数帯 | 5GHz帯のみ | 2.4GHz帯 / 5GHz帯 |
| 主要技術 | MU-MIMO (ダウンリンクのみ) | OFDMA, MU-MIMO (アップリンク/ダウンリンク), TWT |
| セキュリティ規格 | WPA2 | WPA3 |
| 多台数接続時の効率 | 順番待ちが発生しやすい | 混雑に強く、同時接続に優れる |
| 省電力機能 | なし | TWTによる省電力化 |
Wi-Fi6がもたらす革新的なメリット

Wi-Fi 6は単に通信速度が速くなっただけでなく、現代の多様なインターネット利用シーンに合わせた革新的な技術が多数導入されています。これらの技術が、私たちのインターネット体験をより快適で安定したものに変えてくれるでしょう。特に、複数のデバイスを同時に接続する家庭や、オンラインゲーム、4K動画視聴など、高速で安定した通信が不可欠な用途でその真価を発揮します。
多台数接続に強いOFDMAの仕組み
現代では、スマートフォンやパソコンだけでなく、テレビ、スマート家電、ゲーム機など、たくさんの機器が同時にWi-Fiに接続されています。 Wi-Fi 5までの規格では、複数の機器が同時に通信しようとすると、通信が順番待ちになり、回線が混雑したり速度が低下しやすいという課題がありました。 しかし、Wi-Fi 6では「OFDMA(直交周波数分割多元接続)」という新しい技術が採用されています。
OFDMAは、一つの通信チャネルを細かく分割し、複数のデバイスが同時にデータを送受信できるようにする技術です。 これにより、まるで複数の車線がある道路のように、多くのデバイスが同時に通信しても混雑しにくく、スムーズで遅延のない通信が可能になります。
MU-MIMOの進化でさらに効率的に
「MU-MIMO(Multi-User Multiple Input Multiple Output)」も、Wi-Fi 6で大きく進化した技術の一つです。 Wi-Fi 5でもMU-MIMOは導入されていましたが、主にルーターからデバイスへのデータ送信(ダウンリンク)に限定されていました。 Wi-Fi 6では、ルーターからデバイスへの送信だけでなく、デバイスからルーターへのデータ送信(アップリンク)にも対応し、双方向での同時通信が可能になりました。
これにより、複数のデバイスが同時にデータを送受信する際の効率がさらに高まり、通信の安定性が向上します。
TWTによるデバイスの省電力化
Wi-Fi 6には「TWT(Target Wake Time)」という新しい省電力技術も導入されています。 これは、Wi-Fiルーターが子機(スマートフォンやパソコンなどのWi-Fi機器)と通信するタイミングを調整し、通信しない時間帯に子機のWi-Fi機能をスリープ状態にさせるものです。 TWTに対応したデバイスは、必要な時だけ通信を行うため、バッテリーの消費を抑え、駆動時間を延ばすことができます。
スマートフォンやタブレットなど、バッテリー駆動のデバイスを多く利用する方にとって、この機能は大きなメリットとなるでしょう。
WPA3でセキュリティがより強固に
インターネットを利用する上で、セキュリティは非常に重要な要素です。Wi-Fi 6では、従来のセキュリティ規格であるWPA2の後継となる最新規格「WPA3」が標準的に採用されています。 WPA3はWPA2の脆弱性を解消し、外部からの不正侵入や盗聴に対する安全性・堅牢性が大幅に向上しています。 これにより、より安全な通信が可能となり、大切なデータやプライバシーを保護する上で大きな安心感をもたらします。
Wi-Fi6への買い替えは必要?判断基準を解説

Wi-Fi 6のメリットは理解できたものの、「本当に自分の環境に買い替えが必要なのか?」と悩む方もいるかもしれません。Wi-Fi 6への買い替えは、現在のインターネット利用状況や、今後どのようにインターネットを使いたいかによって判断が分かれます。ここでは、買い替えを検討すべきケースと、現状維持でも問題ないケースを具体的に解説し、あなたの最適な選択を支援します。
こんな人はWi-Fi6への買い替えを検討すべき
もしあなたが以下のいずれかに当てはまるなら、Wi-Fi 6への買い替えを強くおすすめします。Wi-Fi 6は、特に多台数接続環境や高速・低遅延が求められる用途で大きな効果を発揮するからです。
- 家族など複数人で、同時にたくさんの機器(スマートフォン、PC、タブレット、ゲーム機、スマート家電など)をインターネットに接続する方。
- オンラインゲーム、4K/8K動画の視聴、VR/AR体験、ビデオ会議など、高速で安定した通信が不可欠な用途でストレスを感じている方。
- スマートホーム化を進めており、IoT機器の接続台数が多い、または今後増える予定の方。
- Wi-Fiルーターが古く、購入から5年以上経過している場合。
- Wi-Fiルーターの設置場所から離れた部屋で電波が届きにくいと感じている方。
Wi-Fi6に買い替えなくても良いケース
一方で、以下のような場合は、無理にWi-Fi 6に買い替える必要はないかもしれません。Wi-Fi 5でも十分快適に利用できる可能性が高いからです。
- インターネットに接続するデバイスが少なく、同時に利用することがほとんどない方。
- 主にウェブサイト閲覧やメール、SNSなど、比較的データ量の少ない用途でしかインターネットを使わない方。
- 契約しているインターネット回線(光回線など)の速度が遅く、Wi-Fiルーターだけを高性能にしても速度向上が見込めない場合。
- 現在使用しているWi-Fi 5ルーターで特に不満を感じていない方。
Wi-Fi 6の恩恵を最大限に受けるには、ルーターだけでなく、接続するスマートフォンやパソコンなどの端末側もWi-Fi 6に対応している必要があります。 もし対応デバイスが少ない場合は、買い替えのメリットを感じにくいかもしれません。
自宅のインターネット環境を見直すコツ
Wi-Fi 6への買い替えを検討する前に、まずは自宅のインターネット環境全体を見直すことが大切です。以下の点をチェックしてみましょう。
- インターネット回線の速度:契約している光回線などの速度が、Wi-Fi 6の性能を活かせるだけの速度(例:1Gbps以上)であるか確認しましょう。
- LANケーブルの規格:ルーターとONU(光回線終端装置)などを繋ぐLANケーブルが、Wi-Fi 6の速度に対応した「CAT6A」以上の規格であるか確認しましょう。
- Wi-Fiルーターの設置場所:ルーターは家の中心付近に設置し、障害物(壁や家具など)を避けることで、電波の届きやすさが向上します。
- デバイスのWi-Fi 6対応状況:お使いのスマートフォンやPCがWi-Fi 6に対応しているか確認しましょう。
これらの点を見直すことで、Wi-Fi 6導入の有無にかかわらず、インターネット環境の改善に繋がることがあります。
Wi-Fi6ルーターの選び方と導入のコツ

いざWi-Fi 6ルーターを導入しようと思っても、多くの製品が市場に出回っており、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。Wi-Fi 6ルーターを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえることで、ご自身の環境に最適な一台を見つけることができます。ここでは、ルーター選びの重要なコツと、導入時の注意点について解説します。
対応デバイスの確認が重要
Wi-Fi 6ルーターの性能を最大限に引き出すには、接続するスマートフォンやパソコン、タブレットなどのデバイスもWi-Fi 6に対応している必要があります。 もちろん、Wi-Fi 6ルーターはWi-Fi 5やWi-Fi 4といった古い規格のデバイスとも互換性があるため、接続自体は可能です。 しかし、その場合はデバイスが対応する古い規格での通信となるため、Wi-Fi 6の高速性や安定性の恩恵を十分に受けられません。
新しいルーターを購入する前に、お手持ちの主要デバイスがWi-Fi 6に対応しているか、必ず確認するようにしましょう。
設置場所と通信範囲を考慮する
Wi-Fiルーターの性能は、設置場所や住宅の構造によって大きく左右されます。ルーターを選ぶ際には、ご自宅の広さや間取り、壁の素材などを考慮し、適切な通信範囲を持つモデルを選ぶことが大切です。 広い家や複数階建ての住宅では、より強力な電波を持つモデルや、複数のルーターを連携させて広範囲をカバーする「メッシュWi-Fi」機能に対応したモデルがおすすめです。
また、ルーターのアンテナ数も通信速度や安定性に影響します。 多くのルーターは2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯を利用しますが、さらに5GHz帯をもう一つ加えた「トライバンド」対応モデルは、多数のデバイスを同時に接続しても通信の混雑を解消しやすいというメリットがあります。
メッシュWi-Fi機能の活用
広い家や電波が届きにくい部屋がある場合、メッシュWi-Fi機能は非常に有効な解決策となります。メッシュWi-Fiとは、複数のWi-Fi機器(ルーターやサテライト)を連携させ、家全体に均一で強力なWi-Fiネットワークを構築するシステムです。 これにより、ルーターから離れた場所でも安定した高速通信が可能になり、家中のどこにいても快適にインターネットを利用できるようになります。
特に、オンライン会議中に場所を移動したり、家中でスマート家電を多数利用したりする家庭では、メッシュWi-Fiの導入を検討する価値は十分にあります。
よくある質問

- Wi-Fi6EやWi-Fi7との違いは何ですか?
- Wi-Fi6ルーターは高価ですか?
- Wi-Fi6対応ルーターに買い替えたら必ず速くなりますか?
- Wi-Fi6のメリットを最大限に活かすにはどうすれば良いですか?
- 古いデバイスでもWi-Fi6ルーターを使えますか?
Wi-Fi6EやWi-Fi7との違いは何ですか?
Wi-Fi 6Eは、Wi-Fi 6の拡張版で、従来の2.4GHz帯と5GHz帯に加えて、新たに「6GHz帯」という周波数帯が利用できるようになった規格です。 6GHz帯は他のWi-Fiや家電製品からの電波干渉が少なく、より高速で安定した通信が期待できます。 一方、Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)は、Wi-Fi 6Eのさらに次世代の規格で、最大通信速度はWi-Fi 6の約4.8倍となる46Gbpsにまで向上しています。
「MLO(Multi-Link Operation)」や「320MHz幅の帯域幅」といった新技術により、さらなる高速化と低遅延、多台数接続時の安定性強化が図られています。 ただし、Wi-Fi 6EやWi-Fi 7に対応するルーターやデバイスはまだ少なく、価格も高価な傾向にあります。
Wi-Fi6ルーターは高価ですか?
Wi-Fi 6ルーターは、登場当初に比べて価格が下がってきており、現在では幅広い価格帯の製品が販売されています。 エントリーモデルであれば5,000円程度から購入できるものもあり、性能と価格のバランスに優れていると言えるでしょう。 ただし、高性能なモデルや多機能なモデル(メッシュWi-Fi対応、トライバンド対応など)は、それに伴い価格も高くなる傾向があります。
ご自身の予算と必要な機能を見極めて選ぶことが大切です。
Wi-Fi6対応ルーターに買い替えたら必ず速くなりますか?
Wi-Fi 6対応ルーターに買い替えることで、理論上は通信速度が向上し、安定性も高まります。 しかし、必ずしも体感できるほど速くなるわけではありません。速度向上のためには、以下の点も重要です。
- 接続するデバイス(スマートフォン、PCなど)もWi-Fi 6に対応していること。
- 契約しているインターネット回線(光回線など)の速度が十分であること。
- ルーターとONUなどを繋ぐLANケーブルが適切な規格であること。
- ルーターの設置場所が適切であること。
これらの条件が揃って初めて、Wi-Fi 6の性能を最大限に引き出すことができます。
Wi-Fi6のメリットを最大限に活かすにはどうすれば良いですか?
Wi-Fi 6のメリットを最大限に活かすには、以下の点を意識しましょう。
- Wi-Fi 6対応デバイスを使用する:スマートフォン、PC、タブレット、スマート家電など、可能な限りWi-Fi 6に対応したデバイスを揃えることが重要です。
- 高速なインターネット回線を契約する:光回線など、1Gbps以上の高速回線を契約することで、Wi-Fi 6の性能を活かせます。
- 適切なWi-Fi 6ルーターを選ぶ:ご自宅の広さや接続台数、利用目的に合ったルーターを選びましょう。メッシュWi-Fiやトライバンド対応モデルも検討の価値があります。
- ルーターの設置場所を工夫する:家の中心付近に設置し、障害物を避けることで電波が届きやすくなります。
- LANケーブルの規格を確認する:ルーターとモデム・ONU間はCAT6A以上のLANケーブルを使用しましょう。
古いデバイスでもWi-Fi6ルーターを使えますか?
はい、古いデバイスでもWi-Fi 6ルーターを使うことは可能です。Wi-Fi規格には「下位互換性」があるため、Wi-Fi 6ルーターはWi-Fi 5やWi-Fi 4といった古い規格のデバイスとも問題なく接続できます。 ただし、その場合、通信速度や安定性などの性能は、デバイスが対応している古い規格の範囲内となります。
Wi-Fi 6のメリットを享受するためには、デバイス側もWi-Fi 6に対応していることが望ましいです。
まとめ
- Wi-Fi 6はWi-Fi 5の次世代規格で、2019年に登場しました。
- 最大通信速度はWi-Fi 5の約1.4倍、9.6Gbpsに向上しています。
- Wi-Fi 6は2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応し、安定性が高まります。
- OFDMA技術により、多台数接続時の混雑に強く、通信がスムーズです。
- MU-MIMOが進化し、双方向での同時通信効率が向上しました。
- TWT機能により、接続デバイスのバッテリー消費を抑えられます。
- 最新のセキュリティ規格WPA3に対応し、安全性が強化されています。
- オンラインゲームや4K動画視聴が多い方は、Wi-Fi 6への買い替えがおすすめです。
- 多数のスマート家電を利用する家庭も、Wi-Fi 6のメリットを享受できます。
- Wi-Fi 6の性能を活かすには、対応デバイスと高速回線が必要です。
- ルーター選びでは、家の広さや接続台数を考慮しましょう。
- メッシュWi-Fi機能は、広い家での電波問題を解決します。
- Wi-Fi 6EやWi-Fi 7はさらに高速ですが、まだ対応機器が少ないです。
- 古いデバイスでもWi-Fi 6ルーターは使えますが、性能は旧規格に準じます。
- LANケーブルはCAT6A以上がWi-Fi 6の速度を引き出すコツです。
