60代を迎え、これからの人生をより豊かに、そして健康的に過ごしたいと願う女性は多いのではないでしょうか。そんな中で、ふと気になるのが「内臓脂肪」の存在です。若い頃とは違う体の変化を感じ、「もしかして内臓脂肪が増えているのかも?」と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。本記事では、60代女性の理想の内臓脂肪率から、無理なく続けられる食事や運動のコツまで、専門的な情報を分かりやすく解説します。健康的な毎日を送るためのヒントがきっと見つかるはずです。
あなたの内臓脂肪率は大丈夫?60代女性の理想と現実

60代になると、若い頃と同じ生活をしていても、なぜかお腹周りが気になってくる…そんな経験はありませんか?実はそれ、内臓脂肪が増えているサインかもしれません。ここでは、60代女性の理想的な内臓脂肪率と、なぜ年齢とともに内臓脂肪がつきやすくなるのか、その理由と対策について詳しく見ていきましょう。
この章では、以下の内容について解説します。
- 60代女性の理想の内臓脂肪率の目安は?
- なぜ60代になると内臓脂肪がつきやすくなるの?
- 内臓脂肪レベルの判定基準をチェック
- 自分の内臓脂肪率を測る方法
60代女性の理想の内臓脂肪率の目安は?
健康的な体を維持するために、まず知っておきたいのがご自身の内臓脂肪レベルです。体組成計などでよく目にする「内臓脂肪レベル」ですが、これは内臓脂肪の断面積をレベル化した数値です。大手メーカーのタニタでは、内臓脂肪レベルの判定基準を以下のように示しています。
- 9.5以下:標準
- 10.0~14.5:やや過剰
- 15.0以上:過剰
60代女性の場合、まずは「標準」である9.5以下を目指すのが理想と言えるでしょう。 レベルが10.0を超えると「やや過剰」とされ、生活習慣の見直しが推奨されます。 健康診断で腹囲が女性の場合90cm以上と測定された場合も、内臓脂肪が多い状態を示しているため注意が必要です。 ご自身の数値を把握し、健康管理の指標にすることが大切です。
なぜ60代になると内臓脂肪がつきやすくなるの?
60代になると内臓脂肪がつきやすくなるのには、いくつかの理由が関係しています。主な原因は、加齢による基礎代謝の低下と、女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。
基礎代謝とは、私たちが何もしなくても消費するエネルギーのことです。この基礎代謝は筋肉量に比例するため、年齢とともに筋肉が減少すると、基礎代謝も低下してしまいます。 その結果、若い頃と同じ量の食事を摂っていても、エネルギーが消費しきれずに脂肪として蓄積されやすくなるのです。
さらに、女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、内臓脂肪の蓄積を抑える働きがあります。 しかし、更年期を迎え閉経するとエストロゲンの分泌が急激に減少し、これまで皮下脂肪がつきやすかった女性も、内臓脂肪がたまりやすい体質へと変化していくのです。 このように、60代女性の体は、内臓脂肪がつきやすい条件が重なっている状態と言えます。
内臓脂肪レベルの判定基準をチェック
ご家庭の体組成計で測定できる「内臓脂肪レベル」は、ご自身の健康状態を手軽に把握できる便利な指標です。メーカーによって多少の違いはありますが、一般的に以下のように判定されます。
- 標準:9.5以下
- やや過剰:10.0~14.5
- 過剰:15.0以上
レベルが10以上になると、内臓脂肪の蓄積がやや過剰な状態であり、生活習慣病のリスクが高まり始めると考えられています。 特にレベル15以上は「過剰」と判定され、積極的に生活習慣を改善し、減量に取り組む必要があります。 定期的に内臓脂肪レベルを測定し、ご自身の体の変化を客観的に把握することが、健康維持の第一歩となります。
自分の内臓脂肪率を測る方法
自分の内臓脂肪の状態を知るには、いくつかの方法があります。最も手軽なのは、家庭用の体組成計を使用する方法です。 体組成計に乗るだけで、体重や体脂肪率と同時に内臓脂肪レベルを測定することができます。 日々の変化を手軽にチェックできるため、健康管理のモチベーション維持にも繋がります。
より正確な測定を希望する場合は、医療機関でCT検査を受けるという方法があります。 CT検査では、おへその高さの断面像を撮影し、内臓脂肪の面積を正確に算出することができます。 内臓脂肪面積が100㎠以上の場合、内臓脂肪型肥満と診断されます。
また、健康診断などで行われる腹囲の測定も、内臓脂肪蓄積の目安となります。 一般的に、女性では腹囲が90cm以上の場合、内臓脂肪型肥満が疑われます。 これらの方法を参考に、まずはご自身の現状を把握することから始めましょう。
放置は危険!内臓脂肪が引き起こす健康リスク

ぽっこりお腹の原因となる内臓脂肪ですが、その問題は見た目だけにとどまりません。実は、過剰に蓄積された内臓脂肪は、様々な病気の引き金となる「静かなる脅威」なのです。ここでは、内臓脂肪を放置することの危険性について、具体的に解説していきます。
この章では、以下の内容について解説します。
- 生活習慣病のリスクが高まる
- 見た目ではわからない「隠れ肥満」の恐怖
- 認知症との関連性も
生活習慣病のリスクが高まる
内臓脂肪の最も恐ろしい点は、生活習慣病の発症リスクを著しく高めることです。 内臓脂肪が過剰に蓄積すると、脂肪細胞から「悪玉」の生理活性物質が分泌されるようになります。 これらが、高血圧、脂質異常症(悪玉コレステロールの増加など)、高血糖といった状態を引き起こし、動脈硬化を促進させます。
動脈硬化が進行すると、血管が硬く、もろくなり、血液の通り道が狭くなります。その結果、心筋梗塞や脳卒中といった、命に関わる重大な病気につながる危険性が高まるのです。 内臓脂肪は、単なる脂肪の塊ではなく、病気を生み出す工場のようなものだと認識し、早期に対策を講じることが非常に重要です。
見た目ではわからない「隠れ肥満」の恐怖
「体重は標準だし、太っているようには見えないから大丈夫」と思っている方も注意が必要です。実は、体重やBMI(肥満度を示す体格指数)が標準でも、体脂肪率が高く、特に内臓脂肪が多い「隠れ肥満」の人が増えています。 60代女性の場合、加齢による筋肉量の減少で、体重は変わらなくても筋肉が脂肪に置き換わっているケースが少なくありません。
隠れ肥満は、見た目では分かりにくいため、自覚がないまま健康リスクを抱え込んでいる可能性があります。 筋肉が少なく脂肪が多い状態は、生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、転倒や骨折のリスクも高めてしまいます。 定期的に体組成計で体脂肪率や内臓脂肪レベルをチェックし、見た目だけでなく、体の中身にも目を向けることが大切です。
認知症との関連性も
近年、内臓脂肪の蓄積が認知症の発症リスクを高める可能性も指摘されています。内臓脂肪が増えることで引き起こされる高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病は、脳の血管にダメージを与え、動脈硬化を促進します。 これにより、脳の血流が悪化し、脳細胞の機能低下を招くことが、認知症の一因になると考えられています。
特に、アルツハイマー型認知症との関連も研究されており、内臓脂肪から分泌される悪玉物質が、脳に炎症を引き起こす可能性も示唆されています。 まだ研究途上の部分もありますが、将来の健康な脳を維持するためにも、内臓脂肪を適正にコントロールすることの重要性は、ますます高まっていると言えるでしょう。
【食事編】60代から始める!内臓脂肪を減らす食生活改善術

内臓脂肪を減らすためには、日々の食生活の見直しが欠かせません。しかし、60代からのダイエットは、無理な食事制限は禁物です。健康を維持しながら効果的に内臓脂肪を減らすための、賢い食事のコツをご紹介します。今日からすぐに実践できることばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。
この章では、以下の内容について解説します。
- 糖質・脂質は「質」と「量」を見直す
- 積極的に摂りたい栄養素(タンパク質・食物繊維)
- おすすめの食材と簡単レシピ
- お酒との上手な付き合い方
糖質・脂質は「質」と「量」を見直す
内臓脂肪を減らす食事の基本は、エネルギーの過剰摂取を抑えることです。特に、糖質と脂質の摂り方が重要なポイントになります。
まず糖質ですが、ご飯やパン、麺類などの主食を少し減らす「ゆるい糖質制限」から始めてみましょう。 全く摂らないのではなく、例えば夕食の主食を半分にする、お菓子や甘い飲み物を控えるといった工夫が効果的です。また、同じ糖質でも、血糖値の上昇が緩やかな玄米や全粒粉パン、そばなどを選ぶ「質の良い糖質」を意識することも大切です。
脂質についても、揚げ物や脂身の多い肉、洋菓子などに含まれる飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は控えめに。 一方で、青魚に含まれるEPAやDHA、オリーブオイルやナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸は、健康維持に役立つ「良い脂質」なので、適量を摂るように心がけましょう。量と質の両面から見直すことが、無理なく続けるコツです。
積極的に摂りたい栄養素(タンパク質・食物繊維)
糖質や脂質をコントロールする一方で、積極的に摂取したいのがタンパク質と食物繊維です。
タンパク質は、筋肉を作るための重要な材料です。 60代になると筋肉量が減少しやすいため、意識してタンパク質を摂ることが基礎代謝の維持につながります。 肉、魚、卵、大豆製品などを毎食取り入れ、筋肉を減らさない体づくりを目指しましょう。特に、脂質の少ない鶏むね肉やささみ、白身魚、豆腐などがおすすめです。
食物繊維は、糖質や脂質の吸収を穏やかにし、体外への排出を助ける働きがあります。 また、腸内環境を整え、便通を改善する効果も期待できます。野菜、きのこ、海藻類に豊富に含まれているので、毎日の食事にたっぷりと取り入れましょう。 食事の最初に食物繊維の多い野菜から食べる「ベジファースト」も、血糖値の急上昇を抑えるのに効果的です。
おすすめの食材と簡単レシピ
内臓脂肪を減らすために、日々の食事に取り入れたいおすすめの食材と、手軽に作れるレシピをご紹介します。
【おすすめ食材】
- 青魚(サバ、イワシ、サンマなど): EPAやDHAが豊富で、血液をサラサラにし、中性脂肪を減らす効果が期待できます。
- 大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など): 良質なタンパク質と食物繊維が豊富です。
- きのこ類: 低カロリーで食物繊維がたっぷり。
- 海藻類(わかめ、ひじきなど): 食物繊維やミネラルが豊富です。
- 緑黄色野菜: ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれます。
- お酢: 継続的な摂取で内臓脂肪を減らす効果が報告されています。
【簡単レシピ:サバ缶とキノコの和風炒め】
- しめじや舞茸など、お好みのキノコを食べやすくほぐす。
- フライパンにごま油を熱し、キノコを炒める。
- キノコがしんなりしたら、サバの水煮缶を汁ごと加える。
- 醤油とみりんで味を調え、最後に刻みネギを散らして完成。
このレシピは、良質なタンパク質とEPA・DHA、食物繊維を手軽に摂れる一品です。忙しい日でも簡単に作れるので、ぜひ試してみてください。
お酒との上手な付き合い方
お酒の飲み過ぎは、内臓脂肪を増やす大きな原因の一つです。アルコール自体が高カロリーであることに加え、食欲を増進させ、ついついおつまみを食べ過ぎてしまう傾向があります。
内臓脂肪を減らすためには、まず休肝日を設けることから始めましょう。週に2日以上お酒を飲まない日を作ることで、肝臓を休ませ、脂肪の分解を促すことができます。飲む場合は、糖質の多いビールや日本酒よりも、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を適量楽しむのがおすすめです。
また、おつまみには、揚げ物や濃い味付けのものではなく、冷奴や枝豆、野菜スティックなど、低カロリーでタンパク質や食物繊維が豊富なものを選びましょう。お酒は楽しく、そして賢く付き合うことが、健康的な体づくりには不可欠です。
【運動編】無理なく続く!60代女性におすすめの内臓脂肪撃退トレーニング

食事改善と並行して行いたいのが、適度な運動です。運動は、内臓脂肪を燃焼させるだけでなく、筋肉量を増やして基礎代謝を上げ、太りにくい体を作るために不可欠です。60代からでも安全に、そして楽しく続けられる運動をご紹介します。
この章では、以下の内容について解説します。
- まずは有酸素運動から始めよう(ウォーキング、スロージョギング)
- 基礎代謝を上げる簡単筋トレ
- 運動が苦手な人でもできる「ながら運動」
まずは有酸素運動から始めよう(ウォーキング、スロージョギング)
内臓脂肪を直接燃焼させるのに最も効果的なのが、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動です。 これらの運動は、体内に酸素を取り込みながら、脂肪をエネルギー源として消費します。
運動習慣のない方は、まずはウォーキングから始めてみましょう。背筋を伸ばし、少し大股で、腕を軽く振ってリズミカルに歩くのがコツです。1日20分〜30分程度から始め、慣れてきたら少しずつ時間や距離を延ばしていくと良いでしょう。
もう少し運動強度を上げたい方には、スロージョギングがおすすめです。おしゃべりできるくらいのゆっくりとしたペースで走ることで、膝や腰への負担を抑えながら、効率的に脂肪を燃焼させることができます。大切なのは、無理なく、そして継続することです。 気持ち良いと感じるペースで、楽しみながら続けていきましょう。
基礎代謝を上げる簡単筋トレ
有酸素運動と合わせて行いたいのが、筋力トレーニングです。筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、じっとしていても消費されるエネルギー量が増えるため、脂肪がつきにくく、リバウンドしにくい体になります。
60代女性におすすめなのが、スクワットです。スクワットは、「キング・オブ・トレーニング」とも呼ばれ、お尻や太ももといった大きな筋肉を効率よく鍛えることができます。椅子につかまりながら行うなど、安全に配慮して行いましょう。
【簡単スクワット】
- 足を肩幅に開いて立つ。
- 椅子に座るようなイメージで、ゆっくりと腰を落とす。この時、膝がつま先より前に出ないように注意する。
- 太ももが床と平行になるくらいまで下げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る。
まずは10回を1セットとし、1日に2〜3セット行うことを目標にしましょう。無理のない範囲で、正しいフォームを意識することが大切です。
運動が苦手な人でもできる「ながら運動」
「運動する時間をわざわざ作るのは難しい」「運動自体が苦手」という方もいらっしゃるでしょう。そんな方におすすめなのが、日常生活の中に運動を取り入れる「ながら運動」です。
例えば、
- テレビを見ながら、かかとの上げ下げ運動をする(ふくらはぎの筋肉を鍛える)。
- 歯を磨きながら、つま先立ちをする。
- 料理をしながら、お腹に力を入れて姿勢を正す(体幹を意識する)。
- エスカレーターやエレベーターではなく、階段を使う。
といった小さな工夫の積み重ねが、消費カロリーを増やし、筋力低下を防ぐことにつながります。特別な運動でなくても、こまめに体を動かす意識を持つことが、内臓脂肪を溜めない体づくりの第一歩です。これなら、今日からでも始められそうですね。
【生活習慣編】食事・運動だけじゃない!内臓脂肪を溜めない暮らしのコツ

内臓脂肪を減らすためには、食事や運動だけでなく、日々の生活習慣全体を見直すことが大切です。睡眠やストレス管理といった、一見すると直接関係なさそうなことでも、実は内臓脂肪の蓄積に大きく影響しています。ここでは、健康的な体づくりのための、暮らしのヒントをご紹介します。
この章では、以下の内容について解説します。
- 質の良い睡眠でホルモンバランスを整える
- ストレスはこまめに発散しよう
- 定期的な健康チェックを忘れずに
質の良い睡眠でホルモンバランスを整える
意外に思われるかもしれませんが、睡眠不足は内臓脂肪を増やす原因になります。 睡眠が不足すると、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が減少し、逆に食欲を高めるホルモン「グレリン」が増加してしまいます。これにより、ついつい食べ過ぎてしまい、カロリーオーバーにつながりやすくなるのです。
また、睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、代謝を低下させる原因にもなります。内臓脂肪を効果的に減らすためには、1日7時間程度の質の良い睡眠を確保することが理想です。寝る前にスマートフォンやパソコンを見るのを控え、リラックスできる環境を整えるなど、安眠のための工夫を取り入れてみましょう。
ストレスはこまめに発散しよう
ストレスもまた、内臓脂肪の蓄積と深く関わっています。 私たちはストレスを感じると、「コルチゾール」というホルモンを分泌します。このコルチゾールは、血糖値を上昇させ、インスリンの過剰分泌を招くことで、脂肪を溜め込みやすくする働きがあります。
特に、慢性的なストレスはコルチゾールの分泌を常に高い状態にしてしまうため、注意が必要です。趣味に没頭する時間を作る、友人とのおしゃべりを楽しむ、ゆっくりお風呂に浸かる、軽い運動をするなど、自分なりのストレス解消法を見つけ、こまめに発散することが大切です。心と体の健康は、密接につながっているのです。
定期的な健康チェックを忘れずに
60代からは、体の変化に気を配り、定期的に健康状態をチェックすることが非常に重要です。年に一度は必ず健康診断を受け、血圧、血糖値、コレステロール値、そして腹囲などを確認しましょう。 これらの数値は、内臓脂肪の蓄積度合いや、関連する生活習慣病のリスクを客観的に示してくれます。
また、家庭用の体組成計や血圧計を活用し、日々の体の変化を記録するのもおすすめです。数値を記録することで、生活習慣の改善効果が目に見えて分かり、モチベーションの維持にもつながります。自分の体を正しく知り、適切なケアを続けることが、10年後、20年後の健康を守る鍵となります。
よくある質問

ここでは、内臓脂肪に関するよくある質問にお答えします。皆さんの疑問や不安を解消する手助けになれば幸いです。
内臓脂肪はどのくらいの期間で減らせますか?
内臓脂肪は皮下脂肪に比べて代謝が活発で、比較的「つきやすく、落としやすい」という特徴があります。 食事改善や運動などの生活習慣の見直しを始めれば、早い人では2週間から1ヶ月程度で効果を実感し始めることができます。 もちろん個人差はありますが、例えば3〜6ヶ月で体重の3%を減らすことを目標にすると、内臓脂肪も減少し、高血糖や高血圧などの検査数値の改善も期待できます。 大切なのは、短期間で結果を求めすぎず、無理のないペースで継続することです。
サプリメントは効果がありますか?
「内臓脂肪を減らす」とうたわれたサプリメントや特定保健用食品(トクホ)は数多く販売されています。 これらに含まれる成分(例:茶カテキン、酢酸など)には、脂肪の吸収を抑えたり、脂肪の燃焼を助けたりする働きが報告されているものもあります。 しかし、サプリメントはあくまでも食事や運動といった基本的な生活習慣の改善を補助するものと考えるべきです。 サプリメントだけに頼るのではなく、まずは健康的な生活習慣を確立することが最も重要です。利用する際は、効果や安全性をよく確認し、かかりつけ医に相談することも検討しましょう。
体重は変わらないのに内臓脂肪だけ増えることはありますか?
はい、体重が変わらなくても内臓脂肪が増えることは十分にあり得ます。これは「隠れ肥満」と呼ばれる状態で、特に加齢による筋肉量の減少が主な原因です。 筋肉が減って脂肪が増えると、体重計の数値は同じでも、体の中身は脂肪の割合が高い状態になります。 60代女性は、女性ホルモンの減少も相まって内臓脂肪がつきやすくなるため、体重だけでなく、定期的に体組成計で内臓脂肪レベルや体脂肪率をチェックすることが大切です。
内臓脂肪を減らすのに効果的な飲み物はありますか?
内臓脂肪を減らすサポートが期待できる飲み物はいくつかあります。代表的なものは以下の通りです。
- 緑茶: 含まれるカテキンが脂肪の分解・燃焼を促進します。
- コーヒー: カフェインがエネルギー消費を高める助けになります。
- お酢ドリンク: 主成分の酢酸が内臓脂肪の減少を助けるという報告があります。
- トマトジュース: リコピンなどの成分が血中の中性脂肪を減らすのを助けると言われています。
- 特定保健用食品(トクホ)の飲料: 脂肪の吸収を抑えるなどの効果が認められた成分が含まれています。
ただし、これらの飲み物を飲むだけで内臓脂肪が劇的に減るわけではありません。 バランスの取れた食事や運動と組み合わせることが大切です。
更年期と内臓脂肪は関係ありますか?
はい、深く関係しています。女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、内臓脂肪が蓄積するのを防ぐ働きがあります。 更年期を迎えて閉経すると、このエストロゲンの分泌が大幅に減少するため、それまで皮下脂肪がつきやすかった女性も、急に内臓脂肪がつきやすい体質に変化します。 「更年期太り」や「中年太り」の大きな原因の一つが、このホルモンバランスの変化による内臓脂肪の増加なのです。
内臓脂肪レベルが10なのはやばいですか?
内臓脂肪レベルが「10」というのは、多くの体組成計メーカーの基準で「標準」から「やや過剰」へと移行する境界線上の数値です。 「やばい」と深刻に捉える必要はまだありませんが、内臓脂肪が蓄積し始めているサインと受け止め、生活習慣を見直す良い機会と捉えるべきです。この段階で食事や運動に気を配ることで、将来の健康リスクを大きく減らすことができます。放置すれば、レベルはさらに上昇し、生活習慣病のリスクも高まっていくため、早めの対策がおすすめです。
まとめ

- 60代女性の理想の内臓脂肪レベルは9.5以下が目安です。
- 加齢と女性ホルモン減少で内臓脂肪はつきやすくなります。
- 内臓脂肪は生活習慣病や認知症のリスクを高めます。
- 見た目が痩せていても隠れ肥満の可能性があります。
- 食事は糖質・脂質の「量と質」を見直すことが重要です。
- 筋肉を維持するためタンパク質を積極的に摂りましょう。
- 食物繊維は糖や脂質の吸収を穏やかにしてくれます。
- 食事の最初に野菜を食べる「ベジファースト」が効果的です。
- 運動はウォーキングなどの有酸素運動から始めましょう。
- スクワットなどの筋トレで基礎代謝を上げることが大切です。
- 日常生活でこまめに動く「ながら運動」も有効です。
- 質の良い睡眠は食欲をコントロールするホルモンを整えます。
- ストレスは内臓脂肪を溜め込む原因になるので発散しましょう。
- 定期的な健康診断で自分の体の状態を把握することが大切です。
- 内臓脂肪は比較的落としやすいので諦めずに継続しましょう。