編み物の仕上げに欠かせない「とじ針」。いざ使おうと思ったら見当たらない…なんて経験はありませんか?この記事では、そんな時に役立つとじ針の代用品から、とじ針の選び方、基本的な使い方、さらにはおすすめのとじ針まで、編み物ライフを快適にする情報をたっぷりお届けします。初心者の方にも分かりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
とじ針がない!今すぐ使える代用品は?
「さあ、編み終わったパーツを繋げよう!」と思ったのに、とじ針が見当たらない…そんな緊急事態、ありますよね。でも大丈夫!身の回りにあるもので代用できる場合があります。ここでは、とじ針の代わりになるアイテムと、それぞれの使い方や注意点をご紹介します。
主な代用品としては、以下のものが挙げられます。
- ヘアピン(アメリカピン・Uピン)
- 安全ピン
- かぎ針
- つまようじ・竹串
- クリップ
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ヘアピン(アメリカピン・Uピン)で代用する
意外かもしれませんが、ヘアピンはとじ針の代用品として優秀です。特にアメリカピンは、毛糸を通す部分と編み地をすくう部分の役割を比較的果たしやすい形状をしています。Uピンも、曲線部分の処理などに活用できる場合があります。 ヘアピンの先端が丸いものを選べば、編み目を割ってしまうリスクも軽減できます。ただし、毛糸が細い場合や、編み目が詰まっている場合は通りにくいことも。また、ヘアピンの材質によっては毛糸が滑りやすい、あるいは引っかかりやすいことがあるので、慎重に扱いましょう。実際にヘアピンで編みぐるみのパーツをとじた例もあります。
安全ピンで代用する
安全ピンも、とじ針の代用品として使えます。 先端が尖っているので、編み目に通しやすいのがメリットです。ただし、その分、毛糸を割ってしまったり、編み地を傷つけてしまったりする可能性も。毛糸を通す穴がないため、糸端を安全ピンの針部分に巻き付けるようにして固定する必要があります。細い毛糸や滑りやすい毛糸には不向きかもしれません。あくまで応急処置として考え、長時間の使用やデリケートな作品への使用は避けた方が無難でしょう。
かぎ針で代用する
太めのかぎ針も、とじ針の代わりとして使えます。 かぎ針のフック部分を使って、糸端を編み目に引き込むようにして処理します。普段からかぎ針編みをしている方にとっては、扱いやすい方法かもしれません。ただし、とじ針のようにスムーズに糸を通すのは難しく、特に糸始末をきれいに仕上げるには慣れが必要です。編み目が詰まっていると、かぎ針のヘッドが通りにくいこともあります。
つまようじ・竹串で代用する
つまようじや竹串の先端に糸をテープなどで固定し、慎重に編み目に通すという方法も考えられます。しかし、これらの先端は尖っており、非常に折れやすいため、毛糸や編み地を傷めるリスクが高いです。また、糸を確実に固定するのが難しく、作業中に糸が外れてしまうことも。あくまで最終手段、他に何も見当たらない場合の応急処置程度に考えておきましょう。繊細な作業には全く向きません。
クリップで代用する
ゼムクリップのような細いクリップの先端を少し広げ、そこに毛糸を引っ掛けて編み目に通すという方法も考えられます。しかし、クリップの先端は毛糸を傷つけやすく、また毛糸を保持する力も弱いため、作業性は非常に低いと言わざるを得ません。こちらも、他の代用品が見つからない場合の、ごく一時的な代用として考えましょう。
とじ針の基本的な知識と選び方
いざという時の代用品も便利ですが、やはり編み物をするなら専用のとじ針を持っておくのがおすすめです。ここでは、とじ針の基本的な知識と、自分に合ったとじ針を選ぶためのポイントを解説します。
とじ針を選ぶ際の主なポイントは以下の通りです。
- 針先の形状
- 針の太さと長さ
- 素材
- セット内容
これらのポイントを押さえて、自分にぴったりのとじ針を見つけましょう。
とじ針とは?役割と重要性
とじ針とは、編み物の「とじ」「はぎ」「糸始末」に使われる、先端が丸く、糸を通す穴が大きい針のことです。 編み上げたパーツ同士を繋ぎ合わせたり(とじ・はぎ)、編み終わりの糸端を編み地の中に隠して始末したりする際に不可欠な道具です。 作品の仕上がりを左右する重要な役割を担っています。適切なとじ針を使うことで、編み目を割ることなくスムーズに作業でき、美しい仕上がりにつながります。
針先の形状で選ぶ(丸型・シャープポイント)
とじ針の針先には、主に「丸型」と「シャープポイント(先曲がりタイプもあり)」の2種類があります。
丸型は、針先が丸くなっているため、毛糸を割りにくく、編み目を拾いやすいのが特徴です。 初心者の方や、一般的な毛糸の糸始末、パーツのはぎ合わせに適しています。多くのとじ針セットにはこのタイプが入っています。
一方、シャープポイントは、針先が少し尖っています。クロスステッチ用の針に似た形状で、糸を割って通したい場合や、目の詰まった編み地、細い糸の処理などに便利です。 先端が少し曲がっているタイプもあり、編み地をすくいやすいように工夫されています。
どちらが良いかは好みや用途によりますが、最初は丸型のものが扱いやすく、おすすめです。
針の太さと長さで選ぶ
とじ針には様々な太さと長さがあります。使用する毛糸の太さに合わせて選ぶのが基本です。 太い毛糸には太いとじ針、細い毛糸には細いとじ針を使います。毛糸に対して針が細すぎると糸が割れたり、針が太すぎると編み目が広がってしまったりする可能性があります。長さも、短いものから長いものまであり、手の大きさや作業のしやすさで選ぶと良いでしょう。一般的に、太い針ほど長くなる傾向があります。多くのメーカーが様々なサイズのセットを販売しているので、最初は数種類がセットになったものを購入すると便利です。
素材で選ぶ(金属製・プラスチック製)
とじ針の素材は、主に金属製とプラスチック製があります。
金属製は、耐久性が高く、滑りが良いのが特徴です。しっかりとした作りで、長く使えるものが多いでしょう。一般的なとじ針は金属製です。
プラスチック製は、軽くて扱いやすく、カラフルなものが多いのが特徴です。金属アレルギーの方でも安心して使えるというメリットもあります。太い号数のものや、子供向けの製品に見られることがあります。 ただし、金属製に比べると強度は劣る場合があります。
どちらも一長一短があるので、好みや用途に合わせて選びましょう。
セット内容で選ぶ(ケース付きなど)
とじ針は単品でも販売されていますが、複数のサイズがセットになったものが便利でおすすめです。 様々な太さの毛糸に対応できるだけでなく、紛失した際の予備にもなります。ケース付きのセットなら、保管や持ち運びにも便利です。 ケースのデザインが可愛いものや、マグネット付きで針をまとめやすいものなど、様々な工夫が凝らされた製品もあります。 初めてとじ針を購入する方は、まず基本的なサイズが揃ったセットを選ぶと良いでしょう。
とじ針の基本的な使い方と糸始末のコツ
とじ針を手に入れたら、次はその使い方をマスターしましょう。ここでは、基本的な糸の通し方から、編み物の仕上がりを格段にアップさせる糸始末のコツまで、分かりやすく解説します。
基本的な使い方とコツは以下の通りです。
- とじ針への糸の通し方
- 基本的な糸始末の方法
- 糸始末をきれいに仕上げるコツ
- 様々なとじ方・はぎ方
これらのポイントを押さえて、作品の完成度を高めましょう。
とじ針への糸の通し方
とじ針の穴は比較的大きいものの、毛糸の種類によっては通しにくいこともあります。そんな時は、いくつかのコツがあります。
まず、糸端を指でしっかりと撚り、細くすると通しやすくなります。それでも難しい場合は、糸端を少し折り曲げて輪にし、その輪を針穴に通す方法も有効です。また、市販の糸通し(スレダー)を使うのも確実な方法です。 糸通しには、ワイヤータイプや薄い金属板タイプなどがあります。中には、とじ針専用の糸通しが付属しているセットもあります。 どうしても通らない場合は、糸端に少量の木工用ボンドなどを薄く塗って乾かし、固めてから通すという裏技もありますが、編み地に影響が出ないよう注意が必要です。
基本的な糸始末の方法
編み終わりの糸始末は、作品の耐久性と美しさを保つために非常に重要です。基本的な手順は以下の通りです。
- 編み終わりの糸を15~20cmほど残して切ります。
- とじ針に糸を通します。
- 編み地の裏側の編み目に、数針分、糸をくぐらせます。この時、編み地の伸縮性を損なわないように、きつく引きすぎないように注意しましょう。
- 同じ場所を往復するように、さらに数針分糸をくぐらせると、よりしっかりと固定できます。
- 最後に、余った糸を編み地のきわでカットします。
糸を割るように通すと、よりほつれにくくなります。 糸始末の方向は、編み地の種類や糸の太さによって調整しましょう。
糸始末をきれいに仕上げるコツ
糸始末をきれいに仕上げるためには、いくつかのコツがあります。
まず、糸を隠す場所は、できるだけ目立たない編み地の裏側や縫い代部分を選びましょう。また、糸をくぐらせる際は、編み地の表に響かないように、裏側のループだけを拾うようにすると綺麗に仕上がります。糸の引き加減も重要で、きつすぎると編み地が引きつれてしまい、緩すぎると糸が浮いてしまいます。適度な力加減を心がけましょう。複数の糸始末がある場合は、一箇所に集中させず、分散させると厚みが出にくくなります。最後にスチームアイロンを軽く当てると、編み目が落ち着き、糸始末も馴染みやすくなります(素材によってはアイロン不可の場合もあるので注意が必要です)。
様々なとじ方・はぎ方(メリヤスはぎ、すくいとじなど)
編み上げたパーツ同士をつなぎ合わせる際には、様々な「とじ方」や「はぎ方」があります。代表的なものには以下のようなものがあります。
- メリヤスはぎ(かぶせはぎ):メリヤス編みの編み端同士を、編み目が繋がっているように見せる方法です。肩のはぎなどによく使われます。
- すくいとじ:編み地の端のループをすくってとじ合わせる方法です。脇や袖下など、縫い代を作るようにとじ合わせる場合に用います。縦方向、横方向、カーブなど、様々な場所に使えます。
- 引き抜きとじ:かぎ針を使って、2枚の編み地を引き抜き編みでとじ合わせる方法です。比較的簡単で、しっかりとしたとじ目になります。
- 巻きかがり:2枚の編み地を重ねて、巻き込むように縫い合わせる方法です。
これらの技法は、作品の種類やデザインによって使い分けられます。編み物の本やインターネットで詳しい方法がたくさん紹介されているので、作品に合わせて習得していくと良いでしょう。とじ方・はぎ方次第で作品のクオリティが大きく変わるため、丁寧に作業することが大切です。
とじ針はどこで買える?おすすめメーカーと100均情報
とじ針は、手芸店はもちろん、最近では100円ショップでも手軽に購入できるようになりました。ここでは、代表的なとじ針メーカーや、100均での取り扱い状況についてご紹介します。
主な購入場所とメーカーは以下の通りです。
- 手芸店・オンラインショップ(クロバー、ハマナカ、チューリップなど)
- 100円ショップ(ダイソー、セリア、キャンドゥなど)
それぞれの特徴を見ていきましょう。
手芸店・オンラインショップ(クロバー、ハマナカ、チューリップなど)
手芸専門店やオンラインショップでは、様々なメーカーのとじ針が豊富に揃っています。代表的なメーカーとしては、クロバー(Clover)、ハマナカ(Hamanaka)、チューリップ(Tulip)などが挙げられます。 これらのメーカーの製品は、品質が高く、針先の仕上げや使いやすさにこだわって作られています。様々なサイズや種類のセット商品も充実しており、初心者から上級者まで幅広く対応しています。 例えば、クロバーの「ニューカラーとじ針セット」や「とじ針セット CHIBI」などは人気があります。 チューリップは広島針のメーカーとしても知られ、毛糸を通しやすい大きな針穴と糸割れしにくい丸い針先が特徴のとじ針を製造しています。
オンラインショップでは、Amazonや楽天市場などの大手通販サイトでも手軽に購入できます。 各メーカーの公式サイトや、手芸専門のオンラインショップもチェックしてみると良いでしょう。
100円ショップ(ダイソー、セリア、キャンドゥなど)
最近では、ダイソー、セリア、キャンドゥといった100円ショップでもとじ針セットが販売されています。 「毛糸とじ針」として、数種類の太さの針がセットになっていることが多いです。 100円という手軽な価格で入手できるため、編み物を始めたばかりの方や、とりあえず試してみたいという方には嬉しい選択肢です。品質は専門メーカー品に劣る場合もありますが、日常的な使用には十分という声も聞かれます。 ダイソーでは「とじ針(毛糸用、3本セット)」といった商品名で販売されています。 セリアでも同様に毛糸用とじ針セットが見つかります。 キャンドゥのオンラインショップでも「毛糸とじ針 3P」として取り扱いがあります。 店舗によって品揃えが異なる場合があるので、お近くの店舗で確認してみてください。
よくある質問
ここでは、とじ針やその代用品に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
とじ針の代用品として一番おすすめなのは何ですか?
ヘアピン(特にアメリカピン)やかぎ針が比較的代用しやすいでしょう。 ヘアピンは毛糸を通す部分と針先がある程度とじ針に近い形状をしており、かぎ針は糸を引っ掛けて引き抜くという動作で糸始末が可能です。ただし、どちらも専用のとじ針に比べると作業性は劣ります。あくまで応急処置と考え、本格的に編み物をするなら専用のとじ針を用意することをおすすめします。
100均のとじ針でも十分使えますか?
日常的な使用であれば、100均のとじ針でも十分に使えるという意見が多いです。 数種類のサイズがセットになっているものが多く、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。ただし、針先の仕上げや耐久性など、品質面では専門メーカー品に劣る可能性はあります。頻繁に編み物をする方や、より高品質な道具を求める方は、手芸専門メーカーの製品を検討すると良いでしょう。
とじ針の号数はどのように選べばいいですか?
とじ針の号数(太さ)は、使用する毛糸の太さに合わせて選びます。 一般的に、毛糸のラベルに使用針の目安が記載されているので、それを参考にしましょう。太い毛糸には太いとじ針、細い毛糸には細いとじ針が適しています。初心者の方には、まず数種類の太さが入ったセットを購入し、編む毛糸に合わせて使い分けるのがおすすめです。 極太の毛糸には10号~12号、並太なら13号~15号、中細なら17号、極細なら20号あたりが目安とされていますが、メーカーによって多少異なります。
毛糸の処理はとじ針なしでもできますか?
かぎ針を使ったり、糸端を結んで処理したりする方法も考えられますが、仕上がりの美しさや耐久性を考えると、とじ針(または適切な代用品)を使うのが望ましいです。 とじ針を使わずに糸始末をすると、糸端がほつれやすくなったり、結び目が目立ってしまったりすることがあります。特に、身につけるものや長く使いたい作品の場合は、丁寧な糸始末が重要です。
とじ針がない時、毛糸の始末はどうすればいいですか?
前述の通り、ヘアピン、安全ピン、かぎ針などで代用することができます。 それぞれ一長一短があるので、手元にあるもので試してみてください。どうしても適切な代用品がない場合は、糸端をきつめに結んでから、編み地の裏側にできるだけ目立たないように通すという方法もありますが、解けやすいので注意が必要です。やはり、できるだけ早くとじ針を入手するか、代用品の中でも比較的使いやすいものを選ぶことをおすすめします。
とじ針の代用品は安全ピンでも大丈夫?
安全ピンもとじ針の代用品として使えますが、注意が必要です。 先端が尖っているため編み目に通しやすい反面、毛糸を割ったり編み地を傷めたりする可能性があります。また、毛糸を通す穴がないため、糸端を巻き付けて固定する必要があり、作業性はあまり良くありません。あくまで一時的な代用として考え、デリケートな素材や作品への使用は避けた方が無難です。
まとめ
- とじ針がない時はヘアピンやかぎ針で代用可能。
- 安全ピンやつまようじも使えるが注意が必要。
- とじ針は針先の形状(丸型・シャープ)で選ぶ。
- 毛糸の太さに合わせて針の太さを選ぶのが基本。
- 金属製とプラスチック製の素材がある。
- 複数サイズ入りのセットが便利でおすすめ。
- 糸通しを使うと毛糸を針に通しやすい。
- 糸始末は編み地の裏側に丁寧に隠す。
- きつく引きすぎず、緩すぎない力加減が重要。
- メリヤスはぎ、すくいとじなど様々な技法がある。
- クロバー、ハマナカ、チューリップなどが代表的メーカー。
- ダイソー、セリアなど100均でも購入可能。
- 100均のとじ針も日常使いには十分。
- 号数は毛糸のラベルを参考に選ぶ。
- 美しい仕上げには丁寧な糸始末が不可欠。