秋になるとどこからともなく現れて、洗濯物にくっついたり、網戸に張り付いたりするカメムシ。あの独特の臭いに、毎年悩まされている方も多いのではないでしょうか。「殺虫剤は使いたくないけど、どうにかしてカメムシを遠ざけたい…」そんなお悩み、実は身近な植物で解決できるかもしれません。本記事では、カメムシが嫌う植物や、その効果的な使い方、さらには植物以外の対策まで、プロの視点で徹底的に解説します。この記事を読めば、もうカメムシの悪臭に怯える日々とはお別れです。
カメムシ対策の基本!まずは敵を知ることから

効果的な対策を行うためには、まず相手のことを知ることが重要です。カメムシがなぜ家に寄ってくるのか、その習性を理解することから始めましょう。彼らの好む環境や侵入経路を知ることで、より的確な対策を立てることができます。
この章では、以下の点について解説していきます。
- なぜカメムシは大量発生するの?
- カメムシが好む場所ともの
- カメムシの侵入経路はどこ?
なぜカメムシは大量発生するの?
秋になると急にカメムシを見かける機会が増えるのはなぜでしょうか。その主な原因は、越冬場所を探して移動してくるためです。カメムシは寒さに弱く、冬を越すために暖かくて狭い場所を求めて人家に集まってきます。
また、その年の気候もカメムシの発生数に大きく影響します。例えば、冬が暖かい「暖冬」の年は、越冬できるカメムシの数が増え、翌年の春から夏にかけて大量発生しやすくなります。 さらに、カメムシのエサとなるスギやヒノキの実が豊作の年は、それを食べて栄養を蓄えたカメムシが大量に繁殖し、秋になると越冬場所を求めて一斉に移動を始めるのです。 近年、地球温暖化の影響で暖冬傾向にあることや、森林整備の不足でスギやヒノキが増えていることも、カメムシの大量発生に拍車をかけていると考えられています。
カメムシが好む場所ともの
カメムシを寄せ付けないためには、彼らが好む環境を避けることが大切です。カメムシは以下のような場所やものを好む傾向があります。
- 日当たりの良い暖かい場所: カメムシは寒さが苦手なため、日当たりの良いベランдаや外壁など、暖かい場所に集まります。 特に南向きのベランダは絶好のスポットになってしまいます。
- 白い色や明るい色: カメムシは光に集まる習性があり、特に白や黄色などの明るい色を好みます。 そのため、白い洗濯物やシーツ、白い外壁などはカメムシを引き寄せる原因になります。
- 甘い香り: フローラル系やフルーツ系の甘い香りを好むとされています。 香りの強い柔軟剤を使用した洗濯物は、カメムシにとって魅力的な目印になってしまう可能性があります。
- 植物の周り: 当然ながら、エサとなる植物が豊富な場所を好みます。特に家庭菜園で育てているマメ科の植物(枝豆など)や、ナス、ピーマン、トマトなどはカメムシの好物です。 庭の雑草も隠れ家やエサ場になるため注意が必要です。
カメムシの侵入経路はどこ?
カメムシは、驚くほどわずかな隙間からでも家の中に侵入してきます。その平たい体は、2mm程度の隙間があれば通り抜けることが可能です。 主な侵入経路は以下の通りです。
- 網戸や窓サッシの隙間
- エアコンのドレンホースや配管の穴
- 換気扇や給排気口
- 洗濯物への付着
特に秋、越冬場所を探しているカメムシは、これらの隙間を見つけて巧みに侵入してきます。洗濯物を取り込む際に一緒に家の中に入れてしまうケースも非常に多いので、注意が必要です。
カメムシが嫌いな植物【ハーブ編】

ここからは、いよいよ本題であるカメムシが嫌いな植物をご紹介します。殺虫剤を使いたくない方にとって、植物の力を借りた対策は最も手軽で安心な方法の一つです。まずは、その強い香りでカメムシを遠ざける効果が期待できるハーブ類から見ていきましょう。
この章で紹介するハーブは以下の通りです。
- ミント・ハッカ
- ゼラニウム
- レモングラス
- ローズマリー
- キャットミント
- ヨモギ
ミント・ハッカ
カメムシ対策の植物として最も有名で効果が高いと言われているのが、ミントです。 ミントに含まれる「メントール」という成分の、あのスッとする爽やかな香りをカメムシは非常に嫌います。 特に香りが強いペパーミントや和ハッカがおすすめです。
ベランダや窓際にプランターで育てるだけで、風に乗って香りが広がり、カメムシが寄り付きにくくなります。 ミントは生命力が強く、初心者でも比較的簡単に育てられるのも嬉しいポイントです。ただし、地植えにすると繁殖力が強すぎて他の植物の生育を妨げてしまうことがあるため、プランターや鉢植えで管理するのが良いでしょう。
ゼラニウム
蚊よけのハーブとしても知られるゼラニウムですが、その独特の香りもカメムシ対策に効果が期待できます。特に「ローズゼラニウム」という品種は、バラに似た甘い香りの中に虫が嫌う「シトロネロール」という成分を含んでいます。
見た目も華やかで可愛らしい花を咲かせるため、ガーデニングを楽しみながら虫除けができる一石二鳥の植物です。日当たりの良い場所を好むので、ベランダや玄関先で育てるのにぴったり。カメムシだけでなく、他の害虫対策としても役立ってくれるでしょう。
レモングラス
その名の通り、レモンのような爽やかな香りが特徴のレモングラス。この香り成分である「シトラール」も、カメムシが嫌う香りの一つです。 タイ料理のトムヤムクンなどにも使われるハーブで、料理やお茶としても楽しむことができます。
イネ科の植物で、すっと伸びた葉が涼しげな印象を与えてくれます。日当たりと水はけの良い場所を好み、大きく育つと高さが1m以上になることも。鉢植えでも十分に育てられますが、大きめのプランターを用意してあげると良いでしょう。カメムシの侵入経路になりやすい窓際に置くのがおすすめです。
ローズマリー
すっきりとした強い香りが特徴のローズマリーも、カメムシが嫌うハーブの一つです。料理の香りづけやアロマなど、幅広い用途で親しまれています。乾燥に強く、丈夫で育てやすいことから、ガーデニング初心者にも人気のハーブです。
ローズマリーには立性と這性(ほふく性)の品種があり、植える場所によって選ぶことができます。例えば、玄関アプローチの脇に立性のものを植えたり、ベランダのプランターから這性のものを垂らしたりと、おしゃれに演出しながらカメムシ対策ができます。一年中緑の葉を楽しめる常緑低木なのも魅力です。
キャットミント
猫が好むハーブとして有名なキャットミント(ネペタ)ですが、実はカメムシを遠ざける効果も期待できます。 ラベンダーに似た青紫色の花を咲かせ、見た目にも美しいハーブです。ミントの仲間ですが、他のミントほど爆発的に増えることはなく、比較的管理しやすいのが特徴です。
日当たりの良い乾燥した場所を好み、丈夫で育てやすいです。花壇の縁取りや、カメムシ被害に遭いやすい野菜の近くに植える「コンパニオンプランツ」としても活用できます。 猫を飼っているご家庭では、猫が喜ぶ姿も見られるかもしれませんね。
ヨモギ
古くから薬草やお灸のもぐさとして利用されてきたヨモギも、カメムシ対策に役立ちます。 あの独特の強い香りが、カメムシを寄せ付けない効果を発揮します。非常に生命力が強く、一度根付くとどんどん広がるため、地植えにする際は場所に注意が必要です。
プランターで管理するのが無難でしょう。ヨモギの葉を刻んでお湯で煮出し、冷ましたものをスプレーボトルに入れて植物に噴霧する方法も効果的とされています。 日本全国どこにでも自生している身近な植物ですが、その力は侮れません。
カメムシが嫌いな植物【野菜・その他編】

カメムシ対策はハーブだけではありません。私たちが普段食べている野菜や、意外な植物にもカメムシを遠ざける力があります。家庭菜園を楽しみながら、自然にカメムシ対策ができるのは嬉しいですよね。ここでは、野菜やその他の植物をご紹介します。
この章で紹介する植物は以下の通りです。
- 唐辛子
- ニンニク
- 除虫菊
- コーヒー
唐辛子
料理のスパイスとしておなじみの唐辛子も、カメムシが非常に嫌う植物です。 唐辛子の辛味成分である「カプサイシン」の刺激的な匂いが、カメムシにとって強力な忌避剤となります。 実際に、市販の害虫忌避剤にも唐辛子エキスが使われているものが多くあります。
プランターで簡単に栽培でき、夏には可愛らしい実をつけます。収穫した唐辛子を乾燥させ、ネットなどに入れてベランダや窓際に吊るしておくだけでも効果が期待できます。 より効果を高めるためには、輪切りにしてから吊るすと、刺激成分が発散しやすくなります。
ニンニク
強烈な香りが特徴のニンニクも、カメムシ対策に有効です。 あの独特の匂いをカメムシは嫌います。ニンニクを植えるだけでなく、収穫したニンニクをネットに入れて吊るしたり、すりおろしたニンニクを水に混ぜてスプレーしたりする方法も効果的です。
ある農家では、ニンニクを焼酎に漬け込んだ液体を水で薄めて散布することで、カメムシだけでなくウンカも寄り付かなくなったという事例もあります。 家庭菜園で他の野菜と一緒に植えることで、害虫から作物を守るコンパニオンプランツとしても活躍してくれます。
除虫菊
その名の通り、虫除けの効果があることで知られる除虫菊。この花に含まれる天然の殺虫成分「ピレトリン」は、蚊取り線香の原料としても有名です。この成分はカメムシを含む多くの昆虫の神経系に作用し、麻痺させる効果があります。
マーガレットに似た可愛らしい白い花を咲かせるので、花壇を彩りながら虫除けができます。天然由来の成分なので、化学合成された殺虫剤に抵抗がある方にもおすすめです。ただし、猫にとっては有毒となる可能性があるため、猫を飼っているご家庭では注意が必要です。
コーヒー
意外かもしれませんが、コーヒーの香りもカメムシが苦手とするようです。 コーヒー豆を焙煎したときの、あの香ばしい燻製のような香りが忌避効果を持つと考えられています。普段飲んでいる濃さのコーヒーを冷ましてからスプレーボトルに入れ、植物の周りや網戸などに吹きかけるという手軽な方法です。
木酢液ほどの強い刺激はありませんが、定期的に散布することで効果が期待できます。 コーヒーかすを乾燥させて、容器に入れてベランダや玄関に置いたり、庭に撒いたりするのも良いでしょう。消臭効果も期待できるので一石二鳥です。
植物を置くだけでOK?効果を高める使い方

カメムシが嫌いな植物をただ置くだけでも一定の効果は期待できますが、少し工夫するだけでその効果を格段にアップさせることができます。植物の力を最大限に引き出し、より強固なカメムシバリアを築くためのコツをご紹介します。
この章では、以下の方法を解説します。
- 鉢植えで効果的に配置するコツ
- 自作ハッカ油スプレーでWブロック!作り方と注意点
- 唐辛子スプレーやニンニクスプレーも効果的
鉢植えで効果的に配置するコツ
カメムシが嫌いな植物を育てる際は、その配置が重要です。やみくもに置くのではなく、カメムシの侵入経路や習性を考えて戦略的に配置しましょう。
まず、カメムシの侵入経路となる窓やドアの周り、換気口の近くに置くのが基本です。 風上に置くことで、植物の香りが風に乗って広範囲に広がり、カメムシを寄せ付けにくくします。特にミントのような香りの強いハーブは、玄関の両脇やベランダの複数箇所に置くと効果的です。
また、ベランダでガーデニングや家庭菜園をしている場合は、カメムシが好きな植物(トマトやナスなど)の間に、嫌いな植物(ミントやマリーゴールドなど)を一緒に植える「コンパニオンプランツ」という方法も有効です。これにより、カメムシが目的の植物に近づくのを防ぐことができます。
自作ハッカ油スプレーでWブロック!作り方と注意点
植物を育てるのに加えて、ミントの成分を凝縮したハッカ油スプレーを併用すると、さらに強力な忌避効果を発揮します。 作り方はとても簡単で、ドラッグストアなどで手軽に材料を揃えることができます。
【ハッカ油スプレーの作り方】
- 用意するもの
- ハッカ油:10〜20滴
- 無水エタノール:10ml
- 水:90ml
- スプレーボトル(ポリスチレン(PS)製以外)
- 作り方
- スプレーボトルに無水エタノールとハッカ油を入れてよく混ぜ合わせます。
- 水を加えて、さらによく振って混ぜたら完成です。
このスプレーを、網戸や窓枠、玄関周り、ベランダの手すり、洗濯物を干す竿などに吹きかけておきましょう。 ハッカの香りは蒸発しやすいので、1日に数回、こまめにスプレーするのが効果を持続させるコツです。
【注意点】
- ハッカ油はポリスチレン(PS)を溶かす性質があるため、スプレーボトルはポリプロピレン(PP)製やポリエチレン(PE)製、ガラス製のものを選びましょう。
- 猫や小鳥などのペットがいるご家庭では、ハッカ油が体調不良の原因になることがあるため、使用は控えるか、ペットが近づかない場所で使用してください。
- 肌に直接スプレーする場合は、濃度を薄めにしてパッチテストを行ってから使用してください。
唐辛子スプレーやニンニクスプレーも効果的
ハッカ油スプレーと同様に、唐辛子やニンニクを使った自作スプレーもカメムシ対策に有効です。
【唐辛子スプレー】
タバスコを水で10倍程度に薄めたものをスプレーする方法が手軽です。 また、乾燥唐辛子を焼酎に1ヶ月ほど漬け込んだものを水で500倍程度に薄めて使う方法も強力です。 ただし、刺激が非常に強いため、目や皮膚にかからないよう注意し、風通しの良い場所で使用してください。
【ニンニクスプレー】
皮をむいて細かく切ったニンニク数片を、焼酎やホワイトリカーに数週間から半年ほど漬け込みます。 このニンニク液を水で数百倍に薄め、お好みで木酢液などを少し加えてスプレーします。 ニンニクの強烈な匂いがカメムシを遠ざけます。
これらの自作スプレーは、化学薬品を使わない自然な対策ですが、効果の持続時間は短めです。雨が降った後や、数日おきに定期的に散布し直すことが大切です。
植物対策と併用したい!カメムシを徹底的にブロックする方法

カメムシが嫌いな植物を植えたり、手作りスプレーを使ったりするだけでも効果はありますが、他の対策と組み合わせることで、より完璧なカメムシ対策が実現します。ここでは、物理的にカメムシの侵入を防いだり、カメムシが寄り付きにくい環境を作ったりする方法をご紹介します。
この章で紹介する方法は以下の通りです。
- 洗濯物の干し方を工夫する
- 侵入経路となる隙間を徹底的に塞ぐ
- 庭やベランダの掃除と手入れ
- 防虫ネットを活用する
洗濯物の干し方を工夫する
「洗濯物を取り込んだらカメムシがついていた…」という経験は、多くの人が最も避けたい事態でしょう。カメムシは白くて暖かい場所を好むため、外に干された洗濯物は絶好のターゲットになります。 いくつかの工夫で、この被害を最小限に抑えることができます。
- 白い服やシーツは部屋干しする: カメムシは特に白い色に集まりやすい性質があります。 対策を優先するなら、白っぽい洗濯物は室内で干すのが最も確実です。
- 香りの強い柔軟剤を避ける: フローラル系など甘い香りの柔軟剤はカメムシを引き寄せる可能性があります。 カメムシの多い時期は、無香料タイプのものを選ぶか、使用量を減らしてみましょう。
- 早めに取り込む: カメムシは午後から夕方にかけて活動が活発になる傾向があります。 洗濯物はなるべく午前中のうちに干し、乾いたらすぐに取り込むようにしましょう。
- 取り込む前によく振り払う: 洗濯物を取り込む際は、一枚一枚丁寧に振り、カメムシが隠れていないか確認する習慣をつけましょう。ただし、強く叩くと臭いを出すので、優しく払うのがコツです。
侵入経路となる隙間を徹底的に塞ぐ
カメムシはわずか2mmの隙間からでも侵入してきます。 家の中への侵入を物理的に防ぐことが、最も根本的な対策と言えるでしょう。家中の隙間をチェックし、徹底的に塞いでいきましょう。
- 隙間テープを活用する: 網戸と窓サッシの間にできる隙間は、ホームセンターなどで売っている「隙間テープ」を貼ることで簡単に塞ぐことができます。
- エアコンの配管穴を埋める: エアコンの配管が壁を貫通する部分に隙間がある場合、そこも絶好の侵入経路です。「配管用パテ」で隙間をしっかりと埋めましょう。
- 換気口にフィルターを貼る: 24時間換気システムの給気口や換気扇も要注意です。専用のフィルターや、網戸用のネットをカットして貼り付けることで、虫の侵入を防ぐことができます。
これらの対策は、カメムシだけでなく他の害虫の侵入防止にも繋がるため、ぜひ実践してみてください。
庭やベランダの掃除と手入れ
庭やベランダが雑草だらけだったり、落ち葉が溜まっていたりすると、そこがカメムシの絶好の隠れ家や越冬場所になってしまいます。 こまめに掃除をして、カメムシが住み着きにくい環境を維持することが大切です。
特に、ツル性の植物やマメ科の植物はカメムシが好むため、庭に生えている場合は定期的に手入れをしましょう。 刈り取った雑草もそのまま放置せず、すぐに片付けることが重要です。 ベランダに置いているプランターの周りも清潔に保ち、枯れた葉などはこまめに取り除きましょう。カメムシにとって居心地の悪い、すっきりとした環境を心がけることが、結果的にカメムシを遠ざけることに繋がります。
防虫ネットを活用する
家庭菜園を楽しんでいる方にとって、カメムシは作物をダメにしてしまう厄介な害虫です。特に、枝豆やトマト、ピーマンなどを育てている場合は、防虫ネットで物理的にガードするのが最も効果的です。
プランター全体を覆えるような、目の細かいネットを選びましょう。 支柱を立ててトンネル状にネットをかけることで、葉や茎にネットが直接触れるのを防ぎ、植物の成長を妨げません。また、洗濯物を干す際に、物干し竿ごと覆うことができる大型の洗濯物干しネットも市販されています。 これを使えば、白いシャツなどを外に干す際も安心です。
【注意】カメムシ対策でやりがちなNG行動

カメムシに遭遇すると、パニックになってついやってしまいがちな行動があります。しかし、その行動が被害をさらに拡大させてしまうことも。ここでは、カメムシ対策で絶対にやってはいけないNG行動を解説します。
この章で解説するNG行動は以下の通りです。
- 掃除機で吸うのは絶対ダメ!
- 叩いて潰すのも悪臭の原因に
- 甘い香りの柔軟剤は避ける
掃除機で吸うのは絶対ダメ!
目の前に現れたカメムシを、手っ取り早く掃除機で吸い込んでしまおうと考える人がいるかもしれませんが、これは絶対にやってはいけない方法です。
掃除機に吸い込まれる際、カメムシは身の危険を感じて強烈な悪臭を放ちます。その臭いが掃除機の排気口から部屋中に拡散され、大惨事を引き起こします。 さらに、掃除機の内部に臭いが染み付いてしまい、その後使うたびに悪臭が漂うという最悪の事態になりかねません。カメムシを見つけても、決して掃除機は使わないでください。
叩いて潰すのも悪臭の原因に
ガムテープで貼り付けたり、ティッシュで叩き潰したりするのもNGです。カメムシの悪臭は、外部からの刺激や危険を感じた時に分泌される防御液です。 そのため、叩き潰すという強い刺激を与えれば、ほぼ確実に悪臭を放ちます。
もし室内でカメム-シを見つけた場合は、刺激しないようにそっとティッシュなどで捕まえ、ビニール袋に入れて口を固く縛って捨てるか、そっと外に逃がしてあげるのが良いでしょう。ペットボトルで自作した捕獲器(カメムシホイホイ)で、下に落とすように捕まえるのも有効な方法です。
甘い香りの柔軟剤は避ける
前述の通り、カメムシは甘い香りを好む傾向があります。 特に、秋の行楽シーズンに向けて、お気に入りのフローラル系やフルーツ系の香りの柔軟剤を使いたくなるかもしれませんが、それがカメムシを呼び寄せる原因になっている可能性があります。
カメムシが大量発生している時期は、なるべく無香料の柔軟剤を選んだり、香りが控えめな製品を選んだりするのが賢明です。せっかくきれいに洗った洗濯物が、カメムシのせいで台無しにならないように、香りの選び方にも少しだけ注意を払ってみましょう。
よくある質問

カメムシが好きな植物は何ですか?
カメムシ対策として嫌いな植物を植えるのと同時に、好きな植物を庭やベランダから遠ざけることも重要です。カメムシは特定の科の植物を好む傾向があります。特に、マメ科(枝豆、大豆など)、セリ科(ニンジン、パセリ、コリアンダーなど)、ナス科(トマト、ピーマン、ナスなど)の植物はカメムシの大好物です。 また、ミカンなどの柑橘類の果樹にもよく集まります。家庭菜園でこれらの作物を育てている場合は、防虫ネットを張るなどの厳重な対策が必要です。
ミントを植えてもカメムシが減らないのはなぜですか?
「ミントを植えたのに効果がない」と感じる場合、いくつかの原因が考えられます。 一つは、ミントの生育状況が悪いケースです。株が弱っていたり、葉が少なかったりすると、カメムシを忌避するほどの強い香りを放つことができません。日当たりや水やりなど、適切な環境で元気に育てることが大切です。もう一つは、ミント以外のカメムシが好む要因が多すぎるケースです。例えば、すぐ近くにカメムシの好物である植物があったり、雑草が生い茂っていたりすると、ミントの効果が半減してしまいます。ミントだけに頼るのではなく、総合的な対策を心がけましょう。
カメムシの臭いが手や服についてしまったらどうすればいいですか?
万が一、カメムシの臭いがついてしまった場合、水で洗うだけではなかなか落ちません。カメムシの臭い成分は油に溶けやすい性質を持っています。そのため、オリーブオイルやサラダ油、クレンジングオイルなどを手に馴染ませてから、石鹸や洗剤で洗い流すと効果的です。 服についてしまった場合は、界面活性剤入りの洗剤で洗うか、スチームアイロンの蒸気を当てることで、臭い成分を分解・揮発させることができます。
カメムシの卵を見つけたらどうすればいいですか?
カメムシは春から秋にかけて、葉の裏や洗濯物などに卵を産み付けます。 卵は緑色やクリーム色で、十数個が規則正しく固まって産み付けられているのが特徴です。見つけたら、葉ごと切り取るか、ガムテープなどに貼り付けて取り除き、ビニール袋に入れてしっかりと口を縛って捨てましょう。卵を潰すと臭いを発することがあるので、なるべく潰さないように注意してください。洗濯物に付いていた場合は、ヘラやカードのようなものでそっと剥がし取ります。
おすすめのカメムシ駆除グッズはありますか?
どうしてもカメムシを駆除しなければならない場面では、専用のグッズを使うのが安全で確実です。おすすめは、凍結タイプの殺虫スプレーです。 マイナス85℃などの超低温でカメムシを瞬間的に凍らせて動きを止めます。殺虫成分を含んでいないため、室内や洗濯物の近くでも比較的安心して使え、悪臭を放つ前に駆除できるのが最大のメリットです。 その他、カメムシ専用の殺虫剤も効果が高いですが、使用場所や注意事項をよく読んでから使いましょう。
まとめ

- カメムシは暖冬やエサの増加で大量発生する。
- 暖かい場所、白い色、甘い香りを好む。
- 2mmの隙間があれば家の中に侵入する。
- ミントはカメムシ対策に最も効果的なハーブ。
- ゼラニウムやレモングラスの香りも嫌う。
- 唐辛子やニンニクも強力な忌避効果を持つ。
- 植物はカメムシの侵入経路に置くと効果的。
- ハッカ油スプレーの併用で効果がアップする。
- 唐辛子やニンニクのスプレーも自作可能。
- 洗濯物は白いものを避け、早めに取り込む。
- 隙間テープで物理的に侵入を防ぐことが重要。
- 庭やベランダを清潔に保ち、隠れ家をなくす。
- 掃除機で吸うのは悪臭が広がるため絶対NG。
- 臭いはオイルで落とすのが効果的。
- 駆除には凍結スプレーがおすすめ。