芝浦工業大学附属中学高等学校は、理工系教育に強みを持つ中高一貫校として、多くの受験生や保護者から注目を集めています。特に、その偏差値や入試の難易度は、志望校選びの重要な要素となるでしょう。本記事では、芝浦工業大学附属中学高等学校の偏差値情報から、具体的な入試対策、そして学校が持つ独自の魅力までを詳しく解説します。
お子様の将来を考え、最適な学校選びをしたいと願う保護者の皆様にとって、この記事が有益な情報源となることを願っています。
芝浦工業大学附属中学高等学校の偏差値

芝浦工業大学附属中学高等学校は、東京都江東区豊洲に位置する男女共学の私立中高一貫校です。2017年に板橋区から豊洲へ移転し、2021年度からは男女共学化されました。 芝浦工業大学の附属学校として、理工系教育に力を入れている点が大きな特徴です。
ここでは、中学校と高等学校それぞれの偏差値と、他校との比較を通じてその難易度を具体的に見ていきましょう。
中学校の偏差値と入試難易度
芝浦工業大学附属中学校の偏差値は、各模試によって多少の差はありますが、概ね59~65程度とされています。 「みんなの学校情報」によると、東京都内の中学校で64位、全国では131位に位置しており、都内でも上位の難易度を誇る学校と言えるでしょう。
特に、四谷大塚の「合不合判定テスト」では、合格可能性80%に必要な偏差値(Aライン80偏差値)が60〜62、合格可能性50%に必要な偏差値(Cライン50偏差値)が55〜57と示されています。 理数系に特化した教育内容から、理数系科目の得意な生徒が多く集まる傾向にあります。
高等学校の偏差値と入試難易度
芝浦工業大学附属高等学校の偏差値は、62~64程度と評価されています。 「みんなの高校情報」では、東京都内の高校で112位、全国では979位にランクインしており、都内私立高校の中でも難関レベルに位置付けられます。
この高い偏差値は、同校の教育の質の高さを反映しており、多くの生徒が難関大学へ進学している実績にも繋がっています。 理工系大学の附属校であるため、専門性の高い教育を求める優秀な生徒が多く受験する傾向にあるのが特徴です。
他校との偏差値比較
芝浦工業大学附属中学高等学校の偏差値を他の学校と比較すると、その位置づけがより明確になります。中学校では、三田国際学園中学校や巣鴨中学校などが偏差値の近い学校として挙げられます。 これらの学校も都内有数の進学校であり、芝浦工業大学附属中学校が競争の激しい環境にあることがわかります。
高等学校においても、同様に高い学力を持つ生徒が集まる学校と比較されることが多いです。理工系に特化した教育を志向する生徒にとっては、他の附属校や理数科を持つ高校が比較対象となるでしょう。学校選びの際には、単に偏差値だけでなく、教育内容や進学実績、学校の雰囲気なども総合的に考慮することが大切です。
芝浦工業大学附属中学高等学校の入試情報

芝浦工業大学附属中学高等学校への入学を目指す上で、入試情報は非常に重要です。ここでは、中学校と高等学校それぞれの募集要項や試験科目、そして効果的な入試対策のコツについて詳しく解説します。
最新の情報は学校の公式ウェブサイトや入試要項で必ず確認するようにしてください。
中学校の募集要項と試験科目
芝浦工業大学附属中学校の入試は、複数回実施されます。2026年度からは、従来の3教科入試から4教科入試(国語・算数・理科・社会)に変更される予定です。 また、社会では論述問題が出題されるようになり、国語・算数・理科の試験時間と配点も変更されます。
出願はWeb出願となり、受験票を印刷して試験当日に持参する必要があります。 受験料は25,000円ですが、複数回同時出願による割引制度も設けられています。 詳しい試験日程や募集人数については、学校の入試要項で確認することが不可欠です。
高等学校の募集要項と試験科目
芝浦工業大学附属高等学校の入試には、推薦入試と一般入試があります。推薦入試の募集人数は男女25名、一般入試も男女25名です。 推薦入試の出願要件としては、中学卒業見込みで本校を第一志望とする者、心身ともに健康で他の生徒の模範となる者、そして調査書の英語・数学・理科の5段階評定の合計が12以上、9教科合計が35以上などの条件があります。
一般入試の試験科目は、国語、数学、英語の3教科が基本です。 推薦入試、一般入試ともにWeb出願が基本となりますが、推薦入試ではWeb手続きの他に期間内に出願書類の提出が必要です。 詳細は学校の入試要項で確認しましょう。
入試対策のコツ
芝浦工業大学附属中学高等学校の入試を突破するためには、計画的かつ効果的な対策が求められます。中学校入試においては、2026年度からの4教科入試への変更に対応し、社会の論述対策も視野に入れる必要があります。
理数系に強みを持つ学校であるため、算数と理科は特に重点的に学習することが大切です。過去問を繰り返し解き、出題傾向を把握するとともに、時間配分の練習も行いましょう。高等学校入試では、英語・数学・国語の基礎学力をしっかりと固めることが重要です。特に数学は、応用問題にも対応できる力を養う必要があります。
また、学校説明会やオープンキャンパスに積極的に参加し、学校の雰囲気や教育内容を肌で感じることも、モチベーション維持や志望理由を明確にする上で役立ちます。
芝浦工業大学附属中学高等学校の教育内容と魅力

芝浦工業大学附属中学高等学校は、その独自の教育内容と充実した環境で、多くの生徒を惹きつけています。特に、芝浦工業大学との連携による理工系教育は、他校にはない大きな魅力です。ここでは、その具体的な教育内容と、学校が提供する魅力的な学習環境について掘り下げていきます。
将来、科学技術分野で活躍したいと考える生徒にとって、この学校は理想的な学びの場となるでしょう。
芝浦工業大学との連携教育
芝浦工業大学附属中学高等学校の最大の魅力の一つは、芝浦工業大学との密接な連携教育です。 中学生のうちから大学の先生や学生から直接ものづくりの講座を受けたり、最先端の工学技術を体験できる機会が豊富に用意されています。
高校入学生向けの特別講座「Arts and Tech」では、1年次から3年次まで芝浦工業大学の教授や大学生・大学院生のサポートのもと、ものづくりを体験します。 これは、高校での学習内容が大学や社会とどのように繋がっているのかを体感できる貴重な機会です。 高大一貫で理工系人材を育成する、国内でも数少ない学校として、その教育は高く評価されています。
理工系教育の特色
同校は、科学、技術、工学、芸術、数学を総合的に学ぶ「STEAM教育」を実践しています。 科学的・数学的な思考力を身につけ、技術・工学・芸術的なアプローチを総合的に使いこなせる人材の育成を目指しています。 中学1年生から多くのITツールを体験できるプログラムが用意されており、「何を学んだか」よりも「何ができるようになったか」を重視するPBL(Project Based Learning)授業も取り入れられています。
中学課程では「SHIBAURA探究(工学探究)」を柱とし、高校では芝浦工業大学の7つの学問分野(SIT7)をベースにした独自の探究活動を展開しています。 中学ではアイデア出しまでがミッションですが、高校ではプロトタイプの実装と検証までを目指すなど、段階的に専門性を深めていく進め方です。
充実した施設と学習環境
芝浦工業大学附属中学高等学校は、2017年に豊洲へ移転したこともあり、非常に綺麗で充実した施設が特徴です。 広大なグラウンド、全国レベルの弓道部が練習する弓道場、屋上にはゴルフ・野球・サッカーの練習場など、多様な部活動に対応できる設備が整っています。
また、大きな机で広く使える階段教室や、様々なソフトが入ったコンピュータ室、3つの実験室など、学習環境も充実しています。 自習室やカフェテリアも放課後に利用でき、生徒が集中して学習に取り組める環境が提供されています。 豊洲駅から徒歩約7分、新豊洲駅から徒歩約1分というアクセスも魅力の一つです。
卒業後の進路と進学実績
芝浦工業大学附属中学高等学校の卒業生は、芝浦工業大学への推薦入学制度がある一方で、他大学への進学も積極的に支援されています。 芝浦工業大学にない学部(医歯薬系など)や、より上位の理系・文系分野への進学を志す生徒にも対応できる環境が整っており、高い合格実績を誇ります。
過去3年間の実績では、国公立大学や早慶上理、GMARCHなどの難関私立大学への合格者も多数輩出しています。 特に、理工系教育で培われる論理的思考力や批判的思考力は、理系・文系を問わず有用な力となり、多様な進路選択を可能にしています。 2年生からはコース選択があり、学力選抜での他大学進学を考える生徒向けの受験コースも用意されています。
芝浦工業大学附属中学高等学校の学費と奨学金制度

芝浦工業大学附属中学高等学校への入学を検討する際、学費は重要な要素の一つです。ここでは、入学金や授業料といった初年度納入金、そして利用可能な奨学金制度について詳しく解説します。
経済的な側面も考慮しながら、お子様にとって最適な教育環境を選ぶための参考にしてください。
入学金・授業料について
芝浦工業大学附属中学高等学校の初年度納入金は、中学校と高等学校で若干異なります。中学校の場合、入学手続時に約69万円(入学金28万円を含む)が必要となり、年間授業料は約55万円、施設設備費は約26万円です。 高等学校の場合も、入学金は28万円、授業料は49万6千円、その他諸経費がかかります。
授業料や施設設備費は4期に分けて納入する進め方です。 また、学年費は学年によって金額が異なり、在学中に消費税率等の経済的変動により変更になる可能性もあります。 高校では、2年次に海外教育旅行費用(2024年度は約43万5千円)が別途必要となる点も考慮しておきましょう。 入学時には学校指定のタブレットPC(約15万3千円)の購入も必要です。
奨学金制度の利用方法
芝浦工業大学附属中学高等学校の公式ウェブサイトでは、具体的な奨学金制度に関する詳細な情報は確認できませんでした。しかし、一般的に私立学校では、独自の奨学金制度を設けている場合や、国の教育ローン、地方自治体の奨学金制度などが利用できることがあります。
学費に関する支援制度について詳しく知りたい場合は、直接学校の事務室に問い合わせるのが最も確実な方法です。また、各自治体や民間の団体が提供する奨学金制度も多数存在するため、ご自身の居住地の教育委員会や、日本学生支援機構などのウェブサイトで情報を調べることもおすすめします。
芝浦工業大学附属中学高等学校に関するよくある質問

芝浦工業大学附属中学高等学校について、受験生や保護者の方々からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。学校生活や進路に関する疑問を解決し、より深く学校を理解するための助けとなるでしょう。
内部進学の状況はどうですか?
芝浦工業大学附属中学高等学校は、芝浦工業大学の附属校であるため、芝浦工業大学への推薦入学制度があります。 高校から入学する生徒は、芝浦工業大学への推薦入学を目指すコースに所属し、理工系・ものづくり教育やグローバル教育に特化したカリキュラムで学びます。 ただし、他大学への一般入試突破を目指すカリキュラムではない点に注意が必要です。
内部進学を希望する生徒が多い一方で、一貫生の中には外部受験を希望する生徒も一定数おり、高校2年生からは特別クラスで学習する機会も提供されています。 芝浦工業大学への推薦進学状況は、年度によって変動がありますが、多くの生徒が附属大学へ進学しています。
男女比はどのくらいですか?
芝浦工業大学附属中学高等学校は、2021年度から男女共学化されました。 共学化以降、女子生徒の受け入れも積極的に行われており、女子受験生のためのガイドも用意されています。 女子生徒の割合はまだ男子生徒に比べて少ないかもしれませんが、年々増加傾向にあると考えられます。 実際に、2025年3月卒業生では、女子26名全員が理系進学という実績もあります。
学校生活では、男女が協力して探究活動に取り組む場面も多く、多様な視点から学びを深めることができるでしょう。
部活動は盛んですか?
芝浦工業大学附属中学高等学校では、運動部と文化部ともに活発な部活動が行われています。 運動部には、卓球部、バレーボール部、バスケットボール部、弓道部、野球部、剣道部、サッカー部、バドミントン部、ゴルフ部、テニス部、水泳部などがあります。 特に水泳部は、1993年に全国中学校体育大会競泳400m継泳で優勝した実績を持つ強豪です。
文化部には、理科部、音楽部、鉄道研究部、美術部、吹奏楽部、電子技術研究部、工作技術研究部、歴史研究部、ESS部などがあり、生徒たちは自主的に活動に取り組んでいます。 充実した施設を活用し、生徒たちは学業だけでなく、部活動を通して心身を鍛え、豊かな学校生活を送っています。
学校説明会やイベントはありますか?
芝浦工業大学附属中学高等学校では、受験生や保護者向けに学校説明会や公開行事を定期的に開催しています。 中学入試説明会や高校入試説明会、SHIBAURA DAY(オープンキャンパス)、施設見学会など、様々なイベントが年間を通して実施されています。
これらのイベントは、学校の教育内容や雰囲気を直接知る貴重な機会です。多くの場合、事前予約が必要となるため、学校の公式ウェブサイトで日程や予約方法を確認し、早めに申し込むことをおすすめします。 イベントに参加することで、学校の魅力を肌で感じ、志望校選びの決定に役立てることができるでしょう。
併願校としてどのような学校が考えられますか?
芝浦工業大学附属中学高等学校を志望する生徒の併願校としては、同様に理工系教育に力を入れている学校や、大学附属の学校が考えられます。中学校の場合、偏差値が近い三田国際学園中学校や巣鴨中学校などが比較対象となることがあります。
高等学校の場合も、理数科を持つ高校や、他の大学附属高校が併願候補となるでしょう。また、共学化が進んだことで、女子生徒にとっては、以前は選択肢になかった理系に強い共学校も視野に入ってくるかもしれません。学校選びの際には、お子様の学力レベル、興味関心、将来の目標などを総合的に考慮し、複数の学校を比較検討することが大切です。
まとめ
- 芝浦工業大学附属中学校の偏差値は59~65程度で、都内でも上位の難易度です。
- 芝浦工業大学附属高等学校の偏差値は62~64程度で、都内私立高校の難関レベルに位置します。
- 中学校入試は2026年度から4教科入試(国語・算数・理科・社会)に変更されます。
- 高等学校入試には推薦入試と一般入試があり、Web出願が基本です。
- 芝浦工業大学との連携による理工系教育が大きな魅力です。
- STEAM教育を実践し、科学技術を通して社会貢献できる人材を育成しています。
- 豊洲移転後の校舎は新しく、充実した施設が整っています。
- 卒業生は芝浦工業大学だけでなく、難関国公立・私立大学へも進学しています。
- 中学校の初年度納入金は約69万円(入学金含む)、授業料は約55万円です。
- 高等学校の入学金は28万円、授業料は49万6千円です。
- 奨学金制度については学校への直接問い合わせが確実です。
- 2021年度から男女共学化され、女子生徒も積極的に受け入れています。
- 運動部・文化部ともに活発で、水泳部には全国優勝の実績があります。
- 学校説明会やオープンキャンパスが定期的に開催されています。
- 併願校としては、理工系や大学附属の学校が候補になります。
- 豊洲駅から徒歩圏内でアクセスも良好です。
