「最近、生理前になると抜け毛が増える気がする…」「お風呂の排水溝にたまる髪の毛の量に驚いてしまう…」そんな悩みを抱えていませんか？女性にとって髪は大切なもの。毎月のように繰り返される抜け毛に、不安やストレスを感じている方も少なくないでしょう。もしかして、何か病気なのではと心配になるかもしれません。
しかし、生理前に髪が抜けるのは、多くの女性が経験する自然な現象の一つなのです。本記事では、なぜ生理前に髪が抜けるのか、その原因を詳しく解説し、今日からすぐに実践できる対策法までご紹介します。この記事を読めば、あなたの不安はきっと軽くなるはずです。
生理前に髪が抜ける…これって異常？
シャンプーのたびに指に絡みつく髪の毛や、ドライヤー後の床に落ちた髪の毛を見て、ため息をついてしまう…そんな経験はありませんか？特に生理前になると抜け毛が増えると感じる方は多く、これは月経前症候群（PMS）の症状の一つとして考えられています。 結論から言うと、生理前に一時的に抜け毛が増えること自体は、過度に心配する必要はありません。 これは、女性の体内で起こるホルモンバランスのダイナミックな変化が関係している自然な現象なのです。
多くの女性が同じような経験をしており、あなた一人だけの悩みではありません。ただし、抜け毛の量が明らかに異常だと感じたり、生理が終わっても抜け毛が減らなかったり、部分的にごそっと抜けるような場合は、他の原因が隠れている可能性もあります。 まずは、なぜ生理前に髪が抜けるのか、そのメカニズムを正しく理解することから始めましょう。
なぜ生理前に髪が抜けるの？主な3つの原因
生理前に抜け毛が増えるのには、いくつかの理由が複雑に絡み合っています。主な原因を知ることで、漠然とした不安が解消され、適切な対策をとることができます。ここでは、代表的な3つの原因について詳しく見ていきましょう。
- 女性ホルモンバランスの乱れ
- 頭皮の血行不良
- ストレスや生活習慣の乱れ
女性ホルモンバランスの乱れ
女性の心と体に大きな影響を与える「女性ホルモン」。これには、「エストロゲン（卵胞ホルモン）」と「プロゲステロン（黄体ホルモン）」の2種類があります。 この二つのホルモンは、生理周期に合わせて分泌量が変動し、髪の毛の健康にも深く関わっています。
髪の成長を促進し、ハリやコシのある美しい髪を保つ働きがあるのが「エストロゲン」です。 「髪の毛の美容液」とも言えるこのホルモンは、生理後から排卵前にかけて分泌のピークを迎えます。 この時期は髪の調子が良いと感じる方が多いでしょう。
一方、生理前に分泌が増えるのが「プロゲステロン」です。 このホルモンは皮脂の分泌を活発にする作用があるため、頭皮がベタついたり、毛穴が詰まりやすくなったりします。 頭皮環境が悪化すると、健康な髪が育ちにくくなり、抜け毛につながってしまうのです。
そして、生理前は、髪の成長を支えるエストロゲンが減少し、皮脂分泌を促すプロゲステロンが増加するという、髪にとっては少し過酷な時期にあたります。 このホルモンバランスの急激な変化が、生理前の抜け毛の最も大きな原因と考えられています。
頭皮の血行不良
健康な髪を育てるためには、頭皮に十分な栄養と酸素を届けることが不可欠です。その大切な役割を担っているのが血液。しかし、生理前は体が冷えやすく、血行不良に陥りがちです。
血行が悪くなると、髪の毛を作り出す「毛母細胞」に栄養が届きにくくなります。 栄養不足になった毛母細胞は活発に働けなくなり、髪が細くなったり、成長しきる前に抜けてしまったりするのです。 また、生理中は経血とともに鉄分が失われやすいため、貧血気味になる方も少なくありません。 鉄分は血液中の酸素を運ぶヘモグロビンの材料となるため、鉄分不足は頭皮の酸欠を招き、抜け毛を悪化させる一因となります。
ストレスや生活習慣の乱れ
生理前は、イライラしたり、気分が落ち込んだり、精神的に不安定になりやすい時期でもあります。 このような精神的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて血行不良を引き起こします。 結果として頭皮への栄養供給が滞り、抜け毛につながるのです。
また、生理前は食欲が増したり、甘いものが無性に食べたくなったりすることはありませんか？ 糖分や脂質の多い食事に偏ると、皮脂の過剰分泌を招き、頭皮環境を悪化させる原因になります。 さらに、睡眠不足もホルモンバランスを乱す大きな要因です。 このように、生理前に起こりがちな心と体の変化が、生活習慣の乱れにつながり、巡り巡って抜け毛を増やしてしまうことがあるのです。
今すぐ始められる！生理前の抜け毛対策5選
生理前の抜け毛はホルモンバランスによる影響が大きいとはいえ、普段の生活を見直すことで、症状を和らげることが可能です。 憂鬱な時期を少しでも快適に過ごすために、今日からできる5つの対策をご紹介します。無理なく続けられるものから試してみてくださいね。
- 栄養バランスの取れた食事を心がける
- 質の高い睡眠を確保する
- 上手なストレス解消法を見つける
- 頭皮に優しいヘアケアを実践する
- 体を温めて血行を促進する
栄養バランスの取れた食事を心がける
美しい髪は、体の中から作られます。特に意識して摂りたいのが、髪の主成分であるタンパク質、そして髪の成長をサポートするビタミンやミネラルです。 赤身の肉や魚、卵、大豆製品などから良質なタンパク質をしっかり摂りましょう。
また、女性ホルモンと似た働きをする「大豆イソフラボン」も積極的に摂りたい栄養素です。 豆腐や納豆、豆乳などを食事に取り入れるのがおすすめです。 さらに、血行を促進するビタミンE（ナッツ類、アボカドなど）や、頭皮の健康を保つビタミンB群（豚肉、レバーなど）、貧血予防に欠かせない鉄分（ほうれん草、ひじきなど）もバランス良く摂取することを心がけましょう。 加工食品や糖分の多い食事は控えめにし、バランスの取れた食事で髪の土台をしっかり作ることが大切です。
質の高い睡眠を確保する
睡眠中は、髪の成長に欠かせない「成長ホルモン」が最も多く分泌されるゴールデンタイムです。 睡眠不足が続くと、ホルモンバランスが乱れ、自律神経にも影響が出て血行が悪くなるなど、髪にとって良いことはありません。
毎日決まった時間に寝て、起きる習慣をつけ、体内リズムを整えましょう。寝る前にスマートフォンやパソコンを見るのは、ブルーライトが脳を覚醒させてしまうため避けるのがベター。リラックスできる音楽を聴いたり、温かいハーブティーを飲んだりして、心と体を落ち着かせてから布団に入るようにすると、質の高い睡眠につながります。
上手なストレス解消法を見つける
ストレスは抜け毛の大敵です。 生理前は特にストレスを感じやすくなるため、自分なりの解消法を見つけておくことが重要です。 激しい運動よりも、ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの軽い運動がおすすめ。 血行が促進され、気分転換にもなります。
また、好きな香りのアロマを焚いたり、ゆっくりお風呂に浸かったり、趣味に没頭する時間を作ったりするのも良いでしょう。 「何もしない」時間を作ることも、時には大切です。心と体をリラックスさせ、ストレスを上手に受け流す工夫をしてみましょう。
頭皮に優しいヘアケアを実践する
生理前は頭皮がデリケートになりがちな時期です。 普段使っているシャンプーが刺激に感じられることもあるかもしれません。洗浄力の強いシャンプーは避け、アミノ酸系などの低刺激なものを選ぶのがおすすめです。
シャンプーをする際は、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。血行が促進され、リラックス効果も期待できます。また、髪へのダメージが大きいカラーリングやパーマは、ホルモンバランスが安定している生理後に行うのがベストです。 どうしてもこの時期に施術したい場合は、美容師さんに相談し、頭皮の状態を見てもらいながら行うようにしましょう。
体を温めて血行を促進する
体の冷えは血行不良を招き、頭皮への栄養供給を妨げます。 特に生理前は体が冷えやすいので、意識的に温める工夫をしましょう。シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるのがおすすめです。血行が良くなるだけでなく、リラックス効果も高まります。
また、適度な運動も血行促進に効果的です。 激しい運動は必要なく、ウォーキングやストレッチなど、心地よく続けられるものを取り入れましょう。服装も、体を締め付けるものは避けて、ゆったりとした暖かい服装を心がけてください。生姜や根菜類など、体を温める食材を食事に取り入れるのも良い方法です。
それでも改善しない…病院に行くべき？
セルフケアを試しても抜け毛が減らない、あるいは「明らかに量が多い」「一部分だけが薄くなっている」など、不安が続く場合は、一度専門の医療機関に相談することをおすすめします。 生理前の抜け毛だと思っていたら、実は別の病気が隠れている可能性もゼロではありません。
まずは、婦人科か皮膚科を受診しましょう。婦人科では、ホルモンバランスの乱れが原因であるかを調べ、必要であれば低用量ピルなどのホルモン治療を提案してくれることがあります。 皮膚科では、頭皮の状態を専門的に診察し、女性の薄毛（FAGAなど）の可能性を判断してくれます。 どちらを受診すればよいか迷う場合は、まずかかりつけの婦人科に相談してみるのが良いでしょう。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも大切です。
よくある質問
生理前の抜け毛はいつまで続きますか？
生理前の抜け毛は、ホルモンバランスの変動が原因で起こる一時的なものであることがほとんどです。 一般的には、生理が始まると女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が徐々に回復してくるため、抜け毛も自然と落ち着いてきます。 生理後から排卵日にかけては、髪のコンディションが最も良くなる「美髪期」とも言われています。 もし生理が終わっても抜け毛が続くようであれば、他の原因も考えられるため、一度医療機関に相談することをおすすめします。
1日に何本くらい抜けるのが普通ですか？
健康な人でも、髪にはヘアサイクル（毛周期）があり、1日に50本から100本程度の髪の毛は自然に抜けています。 そのため、生理前はこれよりも少し多めに抜けることがあります。ただし、明らかに100本を大幅に超える量が毎日続いたり、以前と比べて急激に抜け毛が増えたと感じたりする場合は注意が必要です。 排水溝にたまる髪の量や、枕につく髪の毛の量を意識して見ておくと、変化に気づきやすいかもしれません。
ピルを飲むと抜け毛は改善しますか？
低用量ピルは、女性ホルモンの量をコントロールして排卵を抑制する薬です。ホルモンバランスを安定させる効果があるため、PMSの症状緩和の一環として、生理前の抜け毛が改善する可能性はあります。 ただし、ピルの種類や個人差によって効果は異なり、逆に飲み始めに抜け毛が増えると感じる人もいます。ピルの服用を検討する場合は、必ず婦人科医に相談し、メリットとデメリットをよく理解した上で決定することが重要です。
おすすめのシャンプーはありますか？
生理前は頭皮が敏感になっているため、洗浄力がマイルドなアミノ酸系やベタイン系のシャンプーがおすすめです。 これらのシャンプーは、頭皮に必要な皮脂を奪いすぎず、優しく洗い上げてくれます。また、シリコンは髪の指通りを良くするものですが、毛穴に詰まることを心配される方はノンシリコンタイプを選ぶのも良いでしょう。香りが強いものは気分が悪くなる可能性もあるため、無香料や天然アロマの優しい香りのものを選ぶと、リラックス効果も得られて一石二鳥です。
抜け毛予防に効果的な食べ物はありますか？
髪の健康を保つためには、バランスの取れた食事が基本です。 特に、髪の主成分であるタンパク質（肉、魚、卵、大豆製品）、髪の生成を助ける亜鉛（牡蠣、レバー、ナッツ類）、血行を促進する鉄分（ほうれん草、ひじき）は積極的に摂りたい栄養素です。 また、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボン（豆腐、納豆など）も、ホルモンバランスを整える助けになります。 これらの食材を日々の食事にバランスよく取り入れることが、抜け毛予防につながります。
まとめ
- 生理前の抜け毛は多くの女性が経験する自然な現象。
- 主な原因は女性ホルモンバランスの乱れ。
- エストロゲンの減少とプロゲステロンの増加が影響。
- 頭皮の血行不良も抜け毛の一因。
- ストレスや生活習慣の乱れも関係している。
- 対策の基本はバランスの取れた食事。
- 髪の主成分タンパク質や亜鉛、鉄分を意識する。
- 質の高い睡眠で成長ホルモンの分泌を促す。
- 自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切。
- 頭皮に優しいアミノ酸系シャンプーがおすすめ。
- 体を温めて血行を促進する工夫をする。
- カラーやパーマは生理後がベストタイミング。
- 抜け毛がひどい、続く場合は婦人科や皮膚科へ。
- 一人で悩まず専門家に相談する勇気も必要。
- 正しい知識とセルフケアで不安を解消できる。
