子育て中のパパママ、あるいはこれから親になる方、子どもに関わるお仕事をされている方の中には、「子育て心理アドバイザー」という資格に興味を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。子どもの心理や発達について専門的に学べる魅力的な資格ですが、気になるのは「合格率」や「難易度」ですよね。本記事では、子育て心理アドバイザー資格の合格率や難易度、試験内容、費用、取得するメリットについて詳しく解説します。
子育て心理アドバイザー資格の合格率は公表されていない
まず結論からお伝えすると、子育て心理アドバイザー資格の合格率は公表されていません 。資格を認定している一般社団法人 子どもの育ちと学びや、講座を提供しているユーキャンの公式サイトにも、合格率に関する具体的な数値は記載されていません 。そのため、「合格率〇〇%」という明確な数字を知ることはできません。
合格率が公表されていない理由はいくつか考えられます。比較的新しい資格であること（2022年6月認定開始）や、特定の講座修了者を対象とした認定試験であることなどが挙げられますが、正確な理由は不明です。
しかし、合格率が分からないからといって、資格取得を諦める必要はありません。合格率以外にも、資格の難易度を推測するヒントはいくつかあります。次の章で詳しく見ていきましょう。
子育て心理アドバイザー資格の難易度は低い？合格しやすい理由
合格率は非公表ですが、子育て心理アドバイザー資格は比較的難易度が低く、合格しやすい資格であると言われています 。子育てや子どもの心理について初めて学ぶ方でも、安心して挑戦できるでしょう 。その理由は以下の点が挙げられます。
- 理由1：在宅受験が可能
- 理由2：マークシート方式の試験
- 理由3：合格基準が70%以上
- 理由4：初心者向けの分かりやすい教材
- 理由5：充実したサポート体制（質問・添削）
理由1：在宅受験が可能
子育て心理アドバイザーの修了認定試験は、自宅で受験することができます 。わざわざ試験会場に足を運ぶ必要がないため、育児や仕事で忙しい方でも、自分の都合の良いタイミングでリラックスして試験に臨むことが可能です 。慣れた環境で受験できるのは、精神的な負担軽減にもつながります。
理由2：マークシート方式の試験
試験は全問マークシート方式です 。記述式の問題はないため、細かな知識を完璧に暗記する必要はありません 。テキストの内容をしっかり理解していれば、選択肢の中から正解を選び出すことができます。文章作成が苦手な方でも取り組みやすい形式です。
理由3：合格基準が70%以上
合格ラインは、全体の70％以上の正答と定められています 。満点を取る必要はなく、7割以上の得点で合格できるため、プレッシャーを感じすぎずに学習を進めることができます。万が一、基準点に満たなかった場合でも、再チャレンジが可能な点も安心材料です 。
理由4：初心者向けの分かりやすい教材
ユーキャンの講座で使用されるテキストは、イラストや写真が豊富で、子育て経験がない初心者でもイメージしやすいように工夫されています 。専門用語も分かりやすく解説されており、無理なく学習を進められると評判です 。副教材も充実しており、実践的な知識が身につきます 。
理由5：充実したサポート体制（質問・添削）
学習中に分からないことがあれば、1日に3回まで質問することができます 。経験豊富な講師が丁寧に回答してくれるため、疑問点をすぐに解消できます 。また、計3回の添削指導もあり、自分の理解度を確認しながら学習を進めることが可能です 。標準学習期間は3ヶ月ですが、最長6ヶ月までサポートを受けられるため、自分のペースで学習できます 。
子育て心理アドバイザー資格とは？基本情報を解説
ここで改めて、子育て心理アドバイザー資格の基本的な情報をおさらいしておきましょう。この資格は、子育てに関する専門知識とスキルを証明するものです。
- 認定団体：一般社団法人 子どもの育ちと学び
- 講座提供：ユーキャン
- 対象年齢：0歳～12歳の子ども
- 学習内容：発達心理学、年齢別の関わり方、子育ての悩み解決法など
認定団体：一般社団法人 子どもの育ちと学び
子育て心理アドバイザー資格は、一般社団法人 子どもの育ちと学びによって認定される民間資格です 。この法人は、保育・教育現場での経験が豊富な専門家や、公認心理師、臨床心理士などの資格を持つスペシャリストによって設立されました 。現場での実践に基づいた知識や技術が重視されています 。
講座提供：ユーキャン
資格取得に必要な講座は、通信教育大手のユーキャンが提供しています 。ユーキャンは長年の教育ノウハウを持ち、初心者でも分かりやすい教材開発や充実したサポート体制に定評があります 。
対象年齢：0歳～12歳の子ども
この資格で学ぶ内容は、0歳から12歳までという幅広い年齢の子どもを対象としています 。乳幼児期から学童期までの子どもの心身の発達段階に応じた知識や関わり方を体系的に学ぶことができます 。兄弟姉妹がいる場合や、長期的な視点で子育てを考えたい場合に役立ちます 。
学習内容：発達心理学、年齢別の関わり方、子育ての悩み解決法など
講座では、子どもの発達心理学の基礎から、年齢ごとの具体的な関わり方、しつけ、遊び、生活習慣、よくある子育ての悩み（イヤイヤ期、反抗期、学習の問題など）への対処法まで、実践的な知識とスキルを幅広く学びます 。これにより、子どもの個性や発達段階に合わせた適切なサポートができるようになります 。
子育て心理アドバイザー資格を取得する方法【ユーキャン講座】
子育て心理アドバイザー資格を取得するには、ユーキャンの通信講座を受講し、修了認定試験に合格する必要があります 。具体的な流れを見ていきましょう。
- 受講申し込み
- 教材と学習内容
- 学習期間とサポート
- 添削課題の提出
- 修了認定試験（在宅）
- 資格認定
受講申し込み
まずはユーキャンの公式サイトや電話、郵送などで「子育て心理アドバイザー講座」に申し込みます 。申し込み後、教材が一式送られてきます。
教材と学習内容
送られてくる教材は以下の通りです 。
- メインテキスト3冊（乳幼児編、児童編など）
- 副教材（発達段階目安表、年齢別遊びブック、子育てQ&Aブック、子育て支援DVDなど）
- ガイドブック
- 添削関連書類一式
メインテキストで基礎知識を学び、副教材で実践的なスキルや悩み解決のヒントを得ます。DVDでは、しつけや遊びの様子が動画で確認できるため、より具体的に理解を深めることができます 。
学習期間とサポート
標準学習期間は3ヶ月ですが、サポート期間は最長6ヶ月まであります 。自分のペースで学習を進めることができ、忙しい方でも安心です。期間内であれば、質問や添削指導などのサポートを何度でも利用できます 。
添削課題の提出
学習を進める中で、計3回の添削課題を提出します 。提出された課題は講師によって採点・添削され、アドバイスとともに返却されます。これにより、自分の理解度を確認し、弱点を克服することができます。
修了認定試験（在宅）
全ての添削課題を提出し終えたら、いよいよ修了認定試験です。試験は自宅で、好きなタイミングで受験できます 。マークシート方式で、合格基準は70%以上の正答です 。テキストを見ながら解答することはできませんが、落ち着いて取り組めば十分に合格可能なレベルです。
資格認定
修了認定試験で基準点をクリアすれば、晴れて「子育て心理アドバイザー」として認定されます 。資格取得を証明する認定証は、希望者のみ有料で発行されます 。資格取得者の情報は、認定団体である一般社団法人 子どもの育ちと学びに提供されます 。
子育て心理アドバイザー資格の取得にかかる費用
資格取得を目指す上で、費用は重要なポイントです。ユーキャンの子育て心理アドバイザー講座の受講費用は以下の通りです 。
- 一括払い：34,000円（税込）
- 分割払い：月々3,140円 × 11回払い（総計 34,540円（税込））
※2024年5月時点の情報です。最新の情報はユーキャン公式サイトでご確認ください。
費用に含まれるもの
上記の受講費用には、以下のものが含まれています 。
- 教材一式（テキスト、副教材、DVDなど）
- 添削指導
- 質問対応
- 修了認定試験の受験料
- 消費税
基本的に、追加費用なしで資格取得まで目指せると考えて良いでしょう。
認定証発行費用（別途）
注意点として、資格取得を証明する認定証の発行は別途有料（希望者のみ）となります 。認定証が必要な場合は、合格後に別途申し込みと支払いが必要です。
子育て心理アドバイザー資格を取得するメリット
子育て心理アドバイザー資格を取得することには、多くのメリットがあります。単に知識が増えるだけでなく、日々の生活や仕事にも良い影響が期待できます。
- メリット1：子育てへの自信と安心感
- メリット2：子どもとの良好な関係構築
- メリット3：子育ての悩み解決スキル向上
- メリット4：仕事（保育・教育分野など）でのスキルアップ
- メリット5：就職・転職時のアピールポイント
- メリット6：副業や情報発信への活用
メリット1：子育てへの自信と安心感
子どもの発達や心理に関する正しい知識を体系的に学ぶことで、漠然とした子育ての不安が軽減されます 。なぜ子どもがそのような行動をとるのか理解できるようになり、「これでいいのかな？」という迷いが減り、自信を持って子どもと向き合えるようになります 。
メリット2：子どもとの良好な関係構築
子どもの年齢や発達段階に合わせた適切なコミュニケーション方法や関わり方を学べます 。子どもの気持ちに寄り添い、個性を尊重した対応ができるようになることで、親子関係がより良好になります 。叱り方や褒め方（勇気づけ）の具体的な方法も学べるため、効果的なしつけにもつながります 。
メリット3：子育ての悩み解決スキル向上
イヤイヤ期、反抗期、友達とのトラブル、学習意欲の低下など、子育てには様々な悩みがつきものです。講座では、これらの具体的な悩みに対する解決策やヒントを学ぶことができます 。理論だけでなく実践的なノウハウが身につくため、問題に直面した際に冷静かつ適切に対応できるようになります 。
メリット4：仕事（保育・教育分野など）でのスキルアップ
保育士、幼稚園教諭、ベビーシッター、学童スタッフ、子育て支援センタースタッフなど、子どもと関わる仕事をしている方にとっては、専門性を高める大きな武器となります 。子どもの発達や心理への理解が深まることで、より質の高い保育や教育を提供できるようになり、保護者からの信頼も得やすくなります 。
メリット5：就職・転職時のアピールポイント
子育て心理アドバイザー資格は、履歴書に記載することができます 。特に保育・教育関連の職種や、子育て支援を行う企業・団体への就職・転職活動において、子どもに関する知識や学習意欲をアピールする材料となります 。子育て経験と合わせて、強みとして伝えることができるでしょう。
メリット6：副業や情報発信への活用
取得した知識やスキルを活かして、子育てに関するライターとして記事を執筆したり、SNSで情報発信したりする道も開けます 。自身の経験と専門知識を組み合わせることで、説得力のあるコンテンツを作成でき、副業や将来的な起業につながる可能性もあります 。子育て中の親に向けたセミナーや相談会を開催することも考えられます 。
子育て心理アドバイザー資格の注意点・デメリット
多くのメリットがある一方で、子育て心理アドバイザー資格には注意しておきたい点や、人によってはデメリットと感じる可能性のある点も存在します。
- 注意点1：民間資格であること
- 注意点2：資格だけで就職が決まるわけではない
- 注意点3：費用がかかること
注意点1：民間資格であること
子育て心理アドバイザーは、国家資格ではなく民間資格です 。保育士や幼稚園教諭のような、特定の職業に就くために必須となる資格ではありません。そのため、資格の社会的認知度や信頼性という点では、国家資格に劣る可能性があります。
注意点2：資格だけで就職が決まるわけではない
前述の通り民間資格であり、比較的取得しやすい難易度であるため、この資格を持っているだけで必ずしも就職・転職が有利になるとは限りません 。特に専門職（保育士など）を目指す場合は、別途必要な資格を取得する必要があります。あくまで、自身のスキルアップや知識の証明、アピールポイントの一つとして捉えるのが良いでしょう。
注意点3：費用がかかること
資格取得には、ユーキャンの講座受講料として3万円以上の費用がかかります 。決して安い金額ではないため、本当に自分に必要な資格か、費用対効果をよく考えてから申し込むことが大切です。分割払いも可能ですが、総額は一括払いより少し高くなります 。
子育て心理アドバイザーと他の類似資格との比較
子育てや子どもの心理に関する資格は、子育て心理アドバイザー以外にもいくつか存在します。ここでは、代表的な類似資格との違いを簡単に比較してみましょう。
- 認定子育てアドバイザーとの違い
- 子育て心理カウンセラーとの違い
- 保育士・幼稚園教諭との違い
- その他の子育て・心理系資格
認定子育てアドバイザーとの違い
特定非営利活動法人 日本子育てアドバイザー協会が認定する資格です 。協会が実施する養成講座（オンラインまたは対面）を受講し、最終日の認定テスト（適性検査・筆記試験）に合格する必要があります 。合格率は80～90%前後とされています 。受講料は13万円～と、子育て心理アドバイザーよりも高額です 。より対面でのカウンセリングスキルや実践的な活動（協会からの派遣など）に重きを置いている可能性があります 。
子育て心理カウンセラーとの違い
一般社団法人 子育て心理カウンセラー協会が認定する民間資格です 。こちらも協会指定の講座（教室または在宅DVD）を受講し、認定試験に合格する必要があります 。試験の合格率は98%と非常に高く、テキスト等の持ち込みも可能なため、難易度は低いと言えます 。子育て中の母親の悩み相談やメンタルヘルスケアに特化している点が特徴です 。
保育士・幼稚園教諭との違い
保育士と幼稚園教諭は、国家資格です 。保育園や幼稚園で働くために必須となる資格であり、取得には指定の養成学校を卒業するか、国家試験に合格する必要があります 。子育て心理アドバイザーは、これらの資格を補完する知識・スキルとして役立ちますが、これらに代わるものではありません。
その他の子育て・心理系資格
他にも、チャイルドカウンセラー 、児童発達支援士 、ベビーシッター関連資格 、食育関連資格 、アンガーマネジメント関連資格 など、様々な民間資格が存在します。また、心理系の資格としては、臨床心理士 、認定心理士 、メンタル心理カウンセラー など、より専門性の高い資格もあります。自分の目的や興味に合わせて、最適な資格を選ぶことが重要です。
子育て心理アドバイザー資格に関するよくある質問
ここでは、子育て心理アドバイザー資格に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1. 子育て経験がなくても取得できますか？
はい、取得できます。 ユーキャンの講座は、子育て経験がない方や初心者でも基礎からスムーズに学べるように設計されています 。イラストや写真が豊富なテキストで、具体的なイメージを持ちやすいのが特徴です 。
Q2. 標準学習期間（3ヶ月）で終えられなくても大丈夫ですか？
はい、大丈夫です。 標準学習期間は3ヶ月ですが、サポート期間は最長6ヶ月まであります 。自分のペースで学習を進めることができ、期間内であれば質問や添削指導などのサポートを受けられます 。
Q3. 試験に落ちたらどうなりますか？
万が一、修了認定試験で合格基準点（70%）に満たなかった場合でも、サポート期間内であれば再試験を受けることが可能です 。諦めずに再チャレンジできます。
Q4. 資格は履歴書に書けますか？
はい、書けます。 資格名は「子育て心理アドバイザー」、認定団体は「一般社団法人 子どもの育ちと学び」と記載するのが一般的です。特に子どもと関わる仕事を目指す場合にアピールポイントとなります 。
Q5. 資格取得後の仕事にはどんなものがありますか？
保育士、幼稚園教諭、ベビーシッター、子育て支援センタースタッフ、学童指導員など、既存の子ども関連職でのスキルアップに役立ちます 。また、子育てに関するライター、セミナー講師、SNSでの情報発信、相談業務などで副業や独立を目指すことも可能です 。
Q6. 独学でも取得できますか？
いいえ、独学での資格取得はできません 。子育て心理アドバイザー資格は、ユーキャンの指定講座を受講し、修了認定試験に合格することで認定される仕組みになっています 。
Q7. ユーキャン以外で取得できますか？
いいえ、現在のところ、子育て心理アドバイザー資格を取得できるのはユーキャンの講座のみです 。類似の資格は他の団体からも提供されていますが、「子育て心理アドバイザー」という名称の資格はユーキャンでのみ取得可能です。
まとめ
- 子育て心理アドバイザー資格の合格率は公表されていない。
- 合格率は不明だが、難易度は比較的低いとされる。
- 在宅受験、マークシート方式、合格基準70%などが理由。
- 資格はユーキャンの通信講座受講・修了で取得できる。
- 標準学習期間は3ヶ月、サポート期間は6ヶ月。
- 費用は一括払いで34,000円（税込）。
- 0歳～12歳の子どもの発達心理や関わり方を学ぶ。
- 子育てへの自信向上、親子関係改善に役立つ。
- 保育・教育分野の仕事でのスキルアップにつながる。
- 履歴書に記載でき、就職・転職でアピール可能。
- 副業や情報発信など、活用の幅は広い。
- 民間資格であり、国家資格ではない点に注意。
- 資格だけで就職が決まるわけではない。
- 認定証の発行は別途有料（希望者のみ）。
- 独学やユーキャン以外での取得は不可。
