「男はつらいよ」シリーズのファンにとって、旅情を誘う寅さんの足跡は特別なものです。本記事では、数あるロケ地の中でも、シリーズ第3作『男はつらいよ フーテンの寅』の舞台となった三重県湯の山温泉に焦点を当てて徹底解説します。寅さんが駆け巡った懐かしい風景を巡るロケ地巡りから、湯の山温泉が誇る豊かな自然、心温まるグルメ、そして旅の疲れを癒やす温泉情報まで、あなたの旅をより深く、感動的なものにするための全てをご紹介します。映画の世界観に浸りながら、湯の山温泉の魅力を存分に味わう旅へ出かけましょう。
国民的映画『男はつらいよフーテンの寅』と湯の山温泉の深い縁

日本中に愛される国民的映画「男はつらいよ」シリーズ。その中でも、第3作『男はつらいよ フーテンの寅』の舞台として選ばれたのが、三重県菰野町に位置する湯の山温泉です。この作品は1970年に公開され、主人公である車寅次郎が湯の山温泉の旅館で番頭として働く姿が描かれました。寅さんの人情味あふれる言動や、マドンナとの切ない恋模様が、湯の山温泉の美しい自然や温泉街の風情と見事に調和し、多くの観客の心に深く刻み込まれています。
映画の中では、寅さんが旅館の番頭として、持ち前の口八丁手八丁で騒動を巻き起こしながらも、人々の心を惹きつける様子が生き生きと描かれています。湯の山温泉は、寅さんの人間的な魅力が最大限に発揮された場所の一つと言えるでしょう。映画公開から50年を迎えた2020年には、湯の山温泉街に「湯の山ロケ地資料館」がオープンし、当時の撮影風景を伝える貴重な写真や資料が展示され、ファンにとっては聖地巡礼の拠点となっています。
寅さんの足跡を辿る!湯の山温泉ロケ地巡りスポット徹底解説

『男はつらいよ フーテンの寅』の舞台となった湯の山温泉には、映画に登場した数々のロケ地が点在しています。寅さんの名シーンを思い出しながら、その足跡を辿る旅は、映画ファンにとって忘れられない体験となるでしょう。ここでは、特に印象的なロケ地スポットをご紹介します。
御在所ロープウエイ
映画の中で、寅さんが子どもたちと無邪気に遊ぶシーンや、ゴンドラの中から美しい景色を眺めるシーンが撮影されたのが、日本最大級の規模を誇る御在所ロープウエイです。全長2,161m、高低差780mを約12分で結び、ゴンドラからは伊勢平野や伊勢湾、知多半島までを一望できる絶景が広がります。四季折々の表情を見せる御在所岳の自然は、映画の感動をより一層深めてくれることでしょう。特に紅葉の季節は、山全体が錦絵のように色づき、息をのむ美しさです。
大石橋と定五郎橋(蒼滝橋)
信夫と染奴の恋物語が描かれたシーンで登場するのが大石橋です。この橋の周辺は、三滝川の清流と豊かな緑に囲まれ、映画のロマンチックな雰囲気を今に伝えています。また、寅さんが橋から落っこちてしまう決闘シーンの舞台となった定五郎橋(蒼滝橋)も、かつてのロケ地の一つでした。残念ながら、定五郎橋は2020年に架け替えに伴い取り壊されてしまいましたが、その面影は湯の山温泉の歴史の中に息づいています。
元和風旅館翠月(映画では餃子店)
寅さんが信夫と喧嘩する印象的なシーンが撮影されたのが、元和風旅館翠月です。映画の中では餃子店として登場し、染子が働く姿が描かれていました。現在は閉館していますが、映画の舞台となった場所を訪れることで、当時の寅さんたちの息遣いを感じられるかもしれません。涙橋からも近い場所に位置しており、合わせて巡るのがおすすめです。
旧三交湯の山温泉バス停と近鉄湯の山温泉駅周辺
おいちゃん夫婦が湯の山温泉に旅行に来た際に、番頭として働く寅さんと出会うシーンが撮影されたのが、旧三交湯の山温泉バス停です。また、寅さんとマドンナお志津との切ない別れのシーンは、近鉄湯の山温泉駅周辺で撮影されました。現在の近鉄湯の山温泉駅周辺は、複合温泉リゾート「アクアイグニス」があるなど、当時とは風景が変わっていますが、映画の記憶を辿ることは可能です。
涙橋
信夫が運転するバイクが坂道を上っていくシーンの背景として登場するのが涙橋です。この橋は県道577号線上にあり、湯の山ロケ地資料館からもほど近い場所に位置しています。多くの俳人や歌人が川の流れを楽しんだとされる風光明媚な場所であり、その名の由来は、湯女が湯治客と涙を流して別れを惜しんだことから来ていると言われています。映画に登場するだけでなく、湯の山温泉の歴史と情緒を感じられるスポットです。
湯の山ロケ地資料館で作品の世界に浸る
2020年7月、映画公開50周年を記念して湯の山温泉街にオープンしたのが「湯の山ロケ地資料館」です。ここでは、御在所ロープウエイや湯の山温泉のバス停など、各地で行われたロケの様子を撮影した貴重な写真20点や、作品にまつわる新聞・雑誌記事などが展示されています。映画を撮影した当時の様子を記録した貴重な資料は、ファンにとって必見の場所であり、作品の世界観に深く浸ることができます。入館料は無料で、水曜日が休館日です.
映画の舞台だけじゃない!湯の山温泉の豊かな自然と癒やしスポット

湯の山温泉は「男はつらいよ」のロケ地としてだけでなく、開湯1300年以上の歴史を誇る由緒ある温泉地であり、その豊かな自然と多彩な観光スポットも大きな魅力です。映画の世界観を堪能した後は、湯の山温泉ならではの癒やしと感動を体験してみてはいかがでしょうか。
日本最大級の空中散歩!御在所ロープウエイの絶景
前述の通り、御在所ロープウエイは映画のロケ地でもありますが、それ以上に湯の山温泉を代表する絶景スポットとして知られています。ゴンドラから見下ろす伊勢平野や伊勢湾の眺望は圧巻で、特に秋の紅葉シーズンは、山肌が燃えるような赤や黄色に染まり、息をのむ美しさです。冬には樹氷や雪景色が広がり、四季折々の表情を楽しむことができます。運が良ければ、野生のカモシカに出会えることもあります。
登山も楽しめる御在所岳と周辺の自然
御在所ロープウエイでアクセスできる御在所岳(標高1212m)は、登山初心者から上級者まで楽しめる多様なコースが整備されています。夏は平地よりも10度ほど涼しく、避暑地としても人気です。山頂からは360度のパノラマが広がり、伊勢湾や知多半島、鈴鹿山脈の雄大な景色を堪能できます。また、周辺には三滝川の清流が流れ、渓谷美も楽しめます。自然の中でリフレッシュしたい方にはぴったりの場所です。
美と癒やしの複合リゾート「アクアイグニス」
近鉄湯の山温泉駅の近くに位置する「アクアイグニス」は、「癒やし」と「食」をテーマにした複合温泉リゾートです。源泉かけ流しの片岡温泉をはじめ、有名シェフが手掛けるレストランやパティスリー、ベーカリーなどが集結しています。日帰り入浴も可能で、美しい庭園を眺めながらゆったりと温泉に浸かり、美味しい食事を楽しむことができます。特に女性に人気の高い「美人の湯」としても評判で、心身ともにリフレッシュできるでしょう.
巨岩奇岩が織りなす景観「大石公園」と「三嶽寺」
湯の山温泉街からの散策に最適な大石公園には、日本一大きいと言われる御影石があり、巨岩や奇岩が数多く見られます。三滝川の渓流と木々が織りなす美しい景観は、訪れる人々を魅了します。また、近くには僧兵たちの拠点だったとされる三嶽寺があります。現在は折鶴伝説の恋結びの社寺として知られ、毎年早春には「折鶴祈願奉納」、10月には「僧兵まつり」が行われます。歴史と自然が融合した、見どころの多いスポットです。
湯の山温泉で味わう!心温まる絶品グルメと名物料理

旅の楽しみの一つといえば、その土地ならではの美味しい食事です。湯の山温泉とその周辺地域には、三重の豊かな自然が育んだ食材を活かした絶品グルメが豊富にあります。寅さんもきっと舌鼓を打ったであろう、心温まる料理の数々を堪能しましょう。
三重の豊かな食材を活かした郷土料理
湯の山温泉が位置する三重県は、海の幸、山の幸に恵まれた食材の宝庫です。特に、伊勢志摩地方で有名な「てこね寿司」は、新鮮なカツオなどの魚を醤油ベースのタレに漬け込み、酢飯と合わせた郷土料理で、ぜひ味わっていただきたい一品です。また、「伊賀牛」や「松阪牛」といったブランド牛も有名で、そのとろけるような肉質は格別です。さらに、冬には「浦村かき」などの牡蠣料理も楽しめます。地元の旬の食材をふんだんに使った会席料理を提供する旅館も多く、旅の思い出を彩ってくれることでしょう.
湯の山温泉ならではの喫茶店やレストラン
湯の山温泉街には、地元に密着した温かい雰囲気の喫茶店やレストランが点在しています。例えば、近鉄湯の山温泉駅の一つ手前の大羽根園駅を過ぎてすぐの場所にある「トミー(喫茶)」は、どこか懐かしい雰囲気の中で、ハンバーグ定食や焼肉定食、焼きそば定食など、ボリューム満点のメニューが楽しめるお店です。また、御在所ロープウエイ山麓駅の横には、湯の山温泉名物の「大石焼」のお店「喜楽堂」があり、散策途中の小腹を満たすのに最適です。中之島公園のそばにある「Cafe suimei」では、渓流の音を聞きながら食事や休憩を楽しめます。これらの個性豊かなお店で、湯の山温泉ならではの食体験をしてみてはいかがでしょうか。
湯の山温泉へのアクセス方法とおすすめ宿泊・日帰り温泉情報

湯の山温泉への旅を計画する上で、アクセス方法や宿泊、日帰り温泉の情報は欠かせません。ここでは、主要な交通手段と、旅の疲れを癒やすおすすめの施設をご紹介します。
車・電車・バス、最適なアクセス方法
湯の山温泉へのアクセスは、主に車、電車、バスの3つの方法があります。
- 車でのアクセス: 東名阪自動車道「四日市IC」または新名神高速道路「菰野IC」から国道477号線を経由して向かうのが一般的です。名古屋方面からは約1時間程度でアクセス可能で、道中も比較的スムーズです。
- 電車でのアクセス: 近鉄名古屋駅から近鉄四日市駅で乗り換え、近鉄湯の山温泉駅まで約1時間30分です。湯の山温泉駅から温泉街までは、三重交通バスで約10分、または徒歩でもアクセス可能です.
- バスでのアクセス: 名古屋からは、名鉄バスセンターから三重交通が運行する高速バス「名古屋湯の山高速線」が便利です。約1時間20分で湯の山温泉バス停に到着します。高速バスを利用すると、御在所ロープウェイの往復乗車券が割引になるクーポンがもらえる場合もあります。
紅葉シーズンは交通渋滞が予想されるため、時間に余裕を持った計画が大切です。また、冬季は路面の凍結や通行止めに注意が必要です。
旅の疲れを癒やす!湯の山温泉のおすすめ宿泊施設
湯の山温泉には、大小様々な旅館やホテルがあり、それぞれ趣向を凝らしたサービスを提供しています。旅のスタイルに合わせて、お好みの宿を選ぶことができます。
- 旅館寿亭: 湯の山温泉きっての老舗旅館で、文人貴人に愛された高級旅館としても知られています。日本庭園を有し、非日常を味わえることでリピーターも多い宿です。
- ホテル湯の本: 御在所ロープウエイ山麓駅まで徒歩1分という好立地が魅力です。露天風呂からは伊勢湾や名古屋市街まで見渡せる絶景が楽しめます。
- 鹿の湯ホテル: 大自然の中に佇む隠れ宿で、近鉄湯の山温泉駅からの送迎サービスも利用できます。畳敷きの露天風呂からは御在所岳を眺めながら、ゆったりと温泉を満喫できます。
これらの他にも、彩向陽、希望荘、三峯園、湯元グリーンホテルなど、魅力的な宿泊施設が多数あります。各施設の口コミやサービス内容を比較検討し、最高の滞在を計画しましょう。
気軽に立ち寄れる日帰り温泉施設
宿泊せずに気軽に温泉を楽しみたい方には、日帰り入浴が可能な施設も充実しています。湯の山温泉の泉質はアルカリ性ラジウム泉で、「美人の湯」としても評判なので、女性にもおすすめです。
- アクアイグニス片岡温泉: 源泉かけ流しの天然温泉で、美しいデザインの浴場が特徴です。
- ホテル湯の本: 宿泊者以外も日帰り入浴が可能です。絶景露天風呂を日帰りで楽しめるのは嬉しいポイントです。
- 湯の山温泉グリーンホテル: 平日800円、土日祝900円で日帰り入浴が可能です。
旅館寿亭や鹿の湯ホテルでも日帰りプランを提供している場合がありますので、事前に確認することをおすすめします。湯めぐりを楽しみながら、心身ともにリフレッシュするのも良いでしょう。
よくある質問

- 『男はつらいよ』で湯の山温泉が登場するのは何作目ですか?
- 湯の山温泉のロケ地資料館はどこにありますか?
- 湯の山温泉は「美人の湯」と聞きましたが、泉質はどのようなものですか?
- 湯の山温泉から御在所ロープウエイへのアクセスは?
- 湯の山温泉周辺で日帰り入浴できる施設はありますか?
『男はつらいよ』で湯の山温泉が登場するのは何作目ですか?
湯の山温泉が登場するのは、「男はつらいよ」シリーズの第3作『男はつらいよ フーテンの寅』です。この作品は1970年に公開されました。
湯の山温泉のロケ地資料館はどこにありますか?
湯の山温泉のロケ地資料館は、三重県菰野町の湯の山温泉街にあります。2020年7月に映画公開50周年を記念してオープンしました。
湯の山温泉は「美人の湯」と聞きましたが、泉質はどのようなものですか?
湯の山温泉の泉質はアルカリ性ラジウム泉です。この泉質は肌に良いとされ、「美人の湯」として評判です。
湯の山温泉から御在所ロープウエイへのアクセスは?
湯の山温泉街から御在所ロープウエイ山麓駅へは、徒歩圏内、またはバスでアクセスできます。多くの宿泊施設がロープウエイに近い場所に位置しています。
湯の山温泉周辺で日帰り入浴できる施設はありますか?
はい、湯の山温泉周辺には日帰り入浴が可能な施設が複数あります。例えば、アクアイグニス片岡温泉、ホテル湯の本、湯の山温泉グリーンホテルなどが日帰り入浴を受け付けています。
まとめ

- 湯の山温泉は『男はつらいよ フーテンの寅』の舞台です。
- 寅さんが旅館の番頭として活躍する姿が描かれました。
- 映画は1970年に公開されたシリーズ第3作です。
- 御在所ロープウエイは寅さんのロケ地であり絶景スポットです。
- 大石橋や涙橋も映画に登場する風情ある場所です。
- 元和風旅館翠月は映画では餃子店として描かれました。
- 湯の山ロケ地資料館で当時の撮影風景を鑑賞できます。
- 湯の山温泉は開湯1300年以上の歴史を持つ温泉地です。
- 泉質はアルカリ性ラジウム泉で「美人の湯」として知られます。
- 御在所岳では登山や四季折々の自然を楽しめます。
- アクアイグニスは癒やしと食の複合リゾートです。
- 大石公園には巨岩奇岩が点在し渓流美も魅力です。
- 三嶽寺は恋結びの社寺として親しまれています。
- 三重の郷土料理や地元の喫茶店でグルメを堪能できます。
- 車、電車、バスでアクセス可能で、日帰り温泉も充実しています。
