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みかんの葉を食べる虫の正体は?アゲハからハダニまで代表的な害虫と対策を徹底解説!

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みかんの葉を食べる虫の正体は?【写真で特定】アゲハからハダニまで代表的な害虫と対策を徹底解説!
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大切に育てているみかんの木。ふと見ると、葉っぱに穴が開いていたり、何かのフンが落ちていたり…。「もしかして虫に食べられている?」と不安になりますよね。愛情を込めている分、ショックも大きいものです。でも、安心してください。原因となっている虫の正体を突き止め、正しく対処すれば、みかんの木を元気に育て、美味しい実を収穫することができます。

本記事では、みかんの葉を食べる代表的な虫の種類を、被害の症状別に写真付きで分かりやすく特定します。さらに、それぞれの生態に合わせた効果的な駆除方法から、そもそも虫を寄せ付けないための予防策まで、初心者の方でもすぐに実践できる内容を詳しく解説。農薬を使わない自然にやさしい対策も豊富に紹介しますので、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して取り組めます。この記事を読めば、あなたのみかんの木の悩みをきっと解決できるはずです。

目次

まずは特定!みかんの葉を食べる代表的な虫【被害症状別】

まずは特定!みかんの葉を食べる代表的な虫【被害症状別】

みかんの葉を食べる害虫は一種類ではありません。被害の状況をよく観察することで、原因となっている虫を特定しやすくなります。まずは、あなたの家のみかんの木に現れたサインと照らし合わせて、犯人を探し出しましょう。

本章では、被害の症状ごとに、考えられる代表的な害虫を紹介します。

  • 【葉を丸ごと食べる】アゲハチョウの幼虫(イモムシ・アオムシ)
  • 【葉に白い絵を描く】ミカンハモグリガ(エカキムシ)
  • 【葉がカスリ状に白くなる】ハダニ類
  • 【新芽に群がる】アブラムシ類
  • 【葉や枝に張り付く】カイガラムシ類
  • 【葉を食い荒らす】その他の害虫

【葉を丸ごと食べる】アゲハチョウの幼虫(イモムシ・アオムシ)

みかんの葉が明らかに食べられて減っている場合、最も可能性が高いのがアゲハチョウの幼虫です。ナミアゲハやクロアゲハなどの蝶が、みかんの木に卵を産み付けます。 孵化した幼虫は、驚くほどの食欲で葉を食べ尽くしてしまうことがあります。

幼虫は成長段階で見た目が大きく変わるのが特徴です。最初は鳥のフンのような白と黒の保護色をしていますが、脱皮を繰り返すと鮮やかな緑色のアオムシになります。 特に柔らかい新芽を好んで食べるため、新しい葉が次々となくなっていく場合は、この虫を疑いましょう。 数が多いと、木が丸裸にされてしまうこともあるため、特に若木の場合は注意が必要です。

指でつつくとオレンジ色の角(臭角)を出して、独特の匂いで威嚇することがあります。 見た目は可愛らしい蝶の幼虫ですが、みかんの木にとっては重大な害虫の一つなのです。

【葉に白い絵を描く】ミカンハモグリガ(エカキムシ)

葉の表面に、まるで白いペンで落書きしたような、くねくねと曲がりくねった線が現れたら、それはミカンハモグリガの仕業です。 その特徴的な食害の跡から「エカキムシ」や「ジカキムシ」という別名で呼ばれることもあります。

成虫は非常に小さな蛾で、みかんの若葉に卵を産み付けます。孵化した幼虫は葉の内部に潜り込み、葉肉を食べながら進んでいきます。 この食べ進んだ跡が、外から見ると白い線として見えるのです。被害が拡大すると、葉が縮れたり、光合成が妨げられて生育が悪くなったりします。 さらに、食害された部分から「かいよう病」などの病原菌が侵入しやすくなる二次被害も引き起こすため、見つけ次第早めの対策が肝心です。

【葉がカスリ状に白くなる】ハダニ類

葉の表面が、まるでホコリをかぶったように白っぽくなり、よく見ると細かい白い点々(カスリ状)が見られる場合、ハダニ類の発生が疑われます。ミカンハダニやナミハダニなどが代表的で、非常に小さいため肉眼での確認が難しい害虫です。

ハダニは葉の裏側に寄生し、汁を吸って生活しています。 被害が進むと、葉緑素が抜けて光合成ができなくなり、木全体の元気がなくなってしまいます。 その結果、果実が大きくならなかったり、糖度が上がらなかったりといった品質低下につながることも。 乾燥した環境を好み、特に梅雨明けから夏にかけて繁殖が活発になります。繁殖スピードが非常に速く、あっという間に数が増えるため、早期発見と対策が重要です。

【新芽に群がる】アブラムシ類

春先、みかんの木に芽吹いたばかりの柔らかい新芽や、葉の裏に緑色や黒色の小さな虫がびっしりと群がっていたら、それはアブラムシです。ミカンクロアブラムシやワタアブラムシなど、様々な種類が存在します。

アブラムシは植物の汁を吸って加害し、新芽の成長を妨げます。 それだけでなく、排泄物である甘い「甘露(かんろ)」が原因で、葉や枝が黒いススで覆われたようになる「すす病」を誘発します。 すす病は光合成を妨げ、みかんの木の生育をさらに悪化させる原因となります。また、ウイルス病を媒介することもあり、注意が必要です。 アブラムシは繁殖力が非常に高く、気づいた時には大群になっていることも少なくありません。

【葉や枝に張り付く】カイガラムシ類

葉や枝、幹に白や茶色の硬い殻のようなものや、綿のようなものが付着していたら、それはカイガラムシです。ヤノネカイガラムシやイセリアカイガラムシなど多くの種類が知られています。 成虫になると足が退化し、一箇所に固着して動かなくなるため、虫だと気づきにくいかもしれません。

カイガラムシもアブラムシと同様に植物の汁を吸い、木を弱らせます。 固い殻(カイガラ)に覆われているため薬剤が効きにくく、一度発生すると駆除が難しい厄介な害虫です。 また、アブラムシと同じく甘露を排泄し、すす病の原因にもなります。 大量に発生すると、枝が枯れたり、最悪の場合は木全体が枯死することもあるため、見つけたらすぐに対処する必要があります。

【葉を食い荒らす】その他の害虫

上記以外にも、みかんの葉を食べる害虫は存在します。

  • ゴマダラカミキリ: 幼虫が幹の内部を食い荒らし、木を枯らしてしまうこともある非常に危険な害虫です。成虫も葉や若い枝を食べます。
  • ハマキムシ類: 幼虫が糸を吐いて葉を綴り合わせ、その中で葉を食べます。
  • コナジラミ類: 小さな白い虫で、葉の裏に寄生して汁を吸います。アブラムシ同様、すす病の原因となります。

これらの害虫も、みかんの木の生育に悪影響を及ぼします。日頃から木の様子をよく観察し、異変に早く気づくことが大切です。


【初心者でも安心】農薬を使わない!みかんの虫対策

【初心者でも安心】農薬を使わない!みかんの虫対策

「害虫は駆除したいけど、できれば農薬は使いたくない…」そう考える方は多いのではないでしょうか。特に家庭で食べるために育てているみかんなら、なおさらです。ここでは、化学農薬に頼らない、環境にも人にも優しい対策方法をご紹介します。

これらの方法は、害虫の発生初期や数が少ない場合に特に有効です。根気強く続けることで、大きな効果が期待できます。

  • 見つけ次第、手で取り除く(物理的駆除)
  • 天敵の力を借りる(生物的防除)
  • 虫が嫌がる環境を作る(耕種的防除)
  • 自作できる!自然由来のスプレー

見つけ次第、手で取り除く(物理的駆除)

最もシンプルで確実な方法が、害虫を見つけ次第、手や割り箸などで捕殺することです。アゲハの幼虫やハマキムシなど、比較的大きくて目に見える虫に効果的です。

葉の裏や新芽の先など、害虫が隠れやすい場所をこまめにチェックする習慣をつけましょう。 アブラムシやハダニのように小さな虫が密集している場合は、その葉や枝ごと切り取って処分するのも一つの手です。カイガラムシは歯ブラシなどでこすり落とすのが効果的。地道な作業ですが、被害の拡大を確実に防ぐことができます。

天敵の力を借りる(生物的防除)

害虫を食べてくれる「天敵」を味方につける方法です。例えば、アブラムシやハダニの天敵であるテントウムシは、益虫として知られています。 庭にテントウムシが好むような花(キク科やセリ科の植物など)を植えておくと、自然と集まってきてくれるかもしれません。

ただし、天敵を増やすためには、むやみに殺虫剤を使わないことが大前提です。殺虫剤は害虫だけでなく、こうした益虫も殺してしまいます。自然の生態系のバランスを活かした、持続可能な対策と言えるでしょう。

虫が嫌がる環境を作る(耕種的防除)

害虫が発生しにくい環境を整えることも、非常に重要な対策です。これは予防にもつながります。

  • 剪定: 枝が混み合っていると風通しが悪くなり、病害虫の温床になります。適切に剪定して、風通しと日当たりを良くしましょう。 これだけで、カイガラムシやアブラムシの発生をかなり抑えることができます。
  • 適切な施肥: 窒素分が多すぎる肥料は、葉を茂らせすぎてしまい、アブラムシなどの害虫を呼び寄せる原因になります。肥料は適量を守り、バランス良く与えることが大切です。
  • 清掃: 落ち葉や枯れ枝をそのままにしておくと、病原菌や害虫の越冬場所になってしまいます。庭は常に清潔に保ちましょう。

自作できる!自然由来のスプレー

家庭にあるもので、手軽に害虫対策用のスプレーを作ることができます。化学薬品を使わないので安心です。

  • 牛乳スプレー: 牛乳を水で薄めてスプレーし、乾かします。牛乳の膜がアブラムシやハダニを窒息させる効果が期待できます。散布後は、腐敗を防ぐために水で洗い流しましょう。
  • 石けん水スプレー: 無添加の石鹸や台所用中性洗剤を数滴、水で薄めて作ります。 これもアブラムシなどの体を覆って窒息させる効果があります。使用する際は、植物に影響がないか、目立たない部分で試してからにしましょう。
  • 木酢液・竹酢液: 木炭や竹炭を作る際に出る煙を液体にしたものです。独特の香りで害虫を寄せ付けにくくする効果(忌避効果)が期待できます。規定の倍率に薄めて使用します。

これらの方法は、農薬に比べて効果は穏やかですが、こまめに続けることで害虫の数をコントロールすることが可能です。

どうしても駆除できない場合に!農薬を使った対策

どうしても駆除できない場合に!農薬を使った対策

害虫が大量発生してしまい、手作業での駆除や自然由来のスプレーでは追いつかない…。そんな時は、最終手段として農薬の使用を検討します。農薬は正しく使えば非常に効果的ですが、選び方や使い方を間違えると、植物を傷めたり、益虫まで殺してしまったりする可能性があります。ここでは、農薬を使う際のポイントを解説します。

農薬を使用する際は、必ず製品のラベルをよく読み、記載されている使用方法、希釈倍率、使用回数などを厳守してください。

  • 農薬選びのポイントと注意点
  • 害虫別・おすすめの農薬
  • 農薬散布の正しい方法とタイミング

農薬選びのポイントと注意点

まず大切なのは、「みかん(柑橘類)」に登録のある農薬を選ぶことです。 野菜用など、他の作物用の農薬は使えません。園芸店やホームセンターで農薬を購入する際は、必ず適用作物を確認しましょう。

また、農薬には様々な種類があります。

  • 殺虫剤: 虫を直接殺す効果があります。即効性のあるものから、効果が長く続くものまで様々です。
  • 殺菌剤: 病気の原因となる菌を殺す薬です。すす病やかいよう病の対策に使います。
  • 殺虫殺菌剤: 殺虫と殺菌の両方の効果を併せ持った便利なタイプです。

注意点として、同じ系統の農薬を続けて使用すると、害虫がその薬に対する抵抗性を持ってしまい、効きにくくなることがあります。 系統の異なる複数の農薬を、順番に使う「ローテーション散布」を心がけましょう。

害虫別・おすすめの農薬

害虫の種類によって、効果的な農薬は異なります。ここでは代表的なものをいくつか紹介します。

  • アブラムシ・コナジラミ: 浸透移行性(植物が薬を吸収し、汁を吸った虫を駆除するタイプ)の殺虫剤が効果的です。「ベニカ水溶剤」や「ダントツ水溶剤」などがあります。
  • ハダニ類: ハダニ専用の殺ダニ剤を使います。「コロマイト水和剤」や「ダニ太郎」など、多くの種類があります。 ハダニは薬剤抵抗性を持ちやすいので、ローテーション散布が特に重要です。
  • カイガラムシ類: 幼虫が発生する時期(主に6月頃)が駆除のチャンスです。成虫には効きにくいですが、冬の間に「マシン油乳剤」を散布することで、越冬している成虫や卵を窒息させて駆除できます。
  • ミカンハモグリガ・アゲハの幼虫: 「アファーム乳剤」や「スピノエースフロアブル」などが有効です。

※農薬の登録内容は変更されることがあります。使用前には必ず最新の情報を確認してください。

農薬散布の正しい方法とタイミング

農薬の効果を最大限に引き出し、安全に使うためには、散布方法とタイミングが重要です。

  • 散布の時間帯: 風のない、晴れた日の午前中が最適です。日中の高温時や、雨が降りそうな時は避けましょう。
  • 散布の仕方: 害虫が潜んでいる葉の裏側にも、薬液がまんべんなくかかるように丁寧に散布します。 葉から薬液がしたたり落ちるくらい、たっぷりと散布するのがコツです。
  • タイミング: 害虫が発生し始める初期段階で散布するのが最も効果的です。 大量発生してからでは、駆除に手間がかかります。定期的な観察で発生を早期に察知しましょう。
  • 安全対策: 農薬を散布する際は、マスク、ゴーグル、手袋、長袖長ズボンを着用し、薬剤を吸い込んだり皮膚に付着したりしないよう、十分に注意してください。

虫を寄せ付けない!みかんの木を健康に保つ予防法

虫を寄せ付けない!みかんの木を健康に保つ予防法

害虫対策で最も大切なのは、発生してからの駆除よりも「そもそも害虫を発生させない」ことです。日頃の管理を見直し、みかんの木自体を健康に育てることで、害虫が寄り付きにくい環境を作ることができます。ここでは、誰でもできる効果的な予防法をご紹介します。

病害虫に強い木を育てることが、美味しいみかん作りへの一番の近道です。

  • 適切な剪定で風通しを良くする
  • 防虫ネットやトラップを活用する
  • 肥料の与え方を見直す
  • 定期的な観察を習慣にする

適切な剪定で風通しを良くする

みかんの木の健康管理において、剪定は非常に重要な作業です。 枝や葉が密集して内部が蒸れると、カイガラムシやアブラムシなどの害虫にとって絶好の隠れ家となり、病気の原因菌も繁殖しやすくなります。

冬の休眠期(2月~3月頃)に、内側に向かって伸びる枝や、枯れた枝、混み合っている枝などを中心に切り落としましょう。 これにより、木全体の風通しと日当たりが格段に良くなります。太陽の光が木の内部まで届くようになると、植物自体の抵抗力が高まり、病害虫の発生を抑えることができます。ただし、切りすぎは木を弱らせる原因にもなるので、全体のバランスを見ながら行いましょう。

防虫ネットやトラップを活用する

物理的に害虫の侵入を防ぐのも効果的な方法です。特に、アゲハチョウやカミキリムシなどの飛んでくる成虫に対して有効です。

  • 防虫ネット: 木がまだ小さい場合や、鉢植えで育てている場合は、木全体を目の細かい防虫ネットで覆うことで、蝶などが卵を産み付けるのを防ぐことができます。
  • 粘着トラップ: アブラムシやコナジラミなどの飛ぶ虫は、黄色に引き寄せられる性質があります。市販の黄色い粘着シートを木の近くに吊るしておくことで、これらの害虫を捕獲し、発生初期に数を減らすことができます。

これらの方法は、農薬を使わずに特定の害虫の侵入を防ぐことができる、環境に優しい予防策です。

肥料の与え方を見直す

みかんの木を元気に育てるために肥料は不可欠ですが、与え方には注意が必要です。特に、窒素(N)成分の多い肥料を過剰に与えるのは禁物です。

窒素は葉を育てる成分ですが、多すぎると葉が柔らかく、大きく茂りすぎてしまいます。こうした柔らかい葉は、アブラムシなどの害虫にとって格好のごちそう。結果的に、害虫を呼び寄せてしまうことになります。 肥料は、窒素・リン酸・カリがバランス良く配合されたものを選び、製品に記載された適量を守って与えるようにしましょう。木の健康状態を維持することが、害虫への抵抗力を高めることにつながります。

定期的な観察を習慣にする

最も基本的で、かつ最も重要な予防法が、毎日みかんの木の様子を気にかけることです。 水やりのついでに、葉の裏や新芽、枝の付け根などを軽くチェックするだけでも構いません。

「葉の色がおかしいな」「何か黒い点々があるぞ」「小さな虫がいないか?」など、日々の小さな変化に気づくことができれば、害虫が発生したとしても、ごく初期の段階で対処することができます。 被害が小さいうちなら、手で取り除くだけで十分な場合も多いのです。大切なみかんの木との対話を楽しみながら、健康状態をチェックしてあげましょう。

【時期別】みかんの害虫対策カレンダー

【時期別】みかんの害虫対策カレンダー

みかんの害虫は、一年中同じように発生するわけではありません。季節によって活動が活発になる虫の種類は異なります。年間の対策スケジュールを把握しておくことで、先回りして効果的な予防や駆除を行うことができます。

ここでは、季節ごとの主な注意点と対策をまとめました。お住まいの地域の気候によって多少のずれはありますが、ぜひ参考にしてください。

  • 春(3月~5月):新芽を守る重要な時期
  • 夏(6月~8月):害虫の活動が最も活発に
  • 秋(9月~11月):収穫前の最終チェック
  • 冬(12月~2月):越冬する害虫への対策

春(3月~5月):新芽を守る重要な時期

暖かくなり、みかんの木が新しい芽を出し始めるこの時期は、害虫対策において非常に重要です。 越冬から目覚めた害虫たちが、柔らかい新芽を狙って活動を開始します。

  • 注意すべき害虫: アブラムシ類アゲハチョウ(産卵)、そうか病などの病気
  • 対策のポイント:
    • 新芽をこまめに観察し、アブラムシがいないかチェックする。見つけたら初期のうちに駆除する。
    • アゲハチョウが飛来し、葉に卵(黄色い小さな粒)を産み付けていないか確認する。
    • 病気の予防のため、開花前に薬剤散布を検討する。

この時期の対策が、一年間の被害を左右すると言っても過言ではありません。

夏(6月~8月):害虫の活動が最も活発に

気温と湿度が上がる夏は、多くの害虫にとって最も活動しやすい季節です。繁殖スピードも速まり、被害が一気に拡大する可能性があります。

  • 注意すべき害虫: ミカンハモグリガハダニ類カイガラムシ類(幼虫)、カミキリムシ
  • 対策のポイント:
    • ミカンハモグリガによる葉の「お絵かき」が増えてきます。被害葉が多い場合は薬剤散布も検討します。
    • 乾燥する日が続くとハダニが発生しやすくなります。葉の裏に霧吹きで水をかける「葉水」も予防に効果的です。
    • カイガラムシの幼虫が発生する時期。この時期は薬剤が効きやすいので、発生が見られる場合は駆除のチャンスです。
    • カミキリムシの成虫を見かけたら捕殺し、株元におがくずのようなものがないかチェックします。

秋(9月~11月):収穫前の最終チェック

気温が下がり始め、害虫の活動も少しずつ落ち着いてきますが、油断は禁物です。収穫を目前に控えた果実を守るための大切な時期です。

  • 注意すべき害虫: ハダニ類カメムシ類、アゲハチョウの幼虫
  • 対策のポイント:
    • 秋に増える「秋ダニ」は果実に被害を与えることがあります。葉の様子を引き続き観察しましょう。
    • カメムシが飛来し、果実の汁を吸うことがあります。見つけ次第、捕殺しましょう。
    • アゲハチョウは年に数回発生するため、この時期も幼虫に注意が必要です。

冬(12月~2月):越冬する害虫への対策

多くの害虫は活動を停止しますが、卵や成虫の姿で木の枝や樹皮の隙間で越冬しています。この時期の対策は、翌春の害虫発生を抑えるために非常に効果的です。

  • 注意すべき害虫: カイガラムシ類ハダニ類の卵や成虫
  • 対策のポイント:
    • 落葉期に、カイガラムシやハダニの駆除に効果的な「マシン油乳剤」を散布します。 これは越冬中の害虫を油の膜で覆い窒息させるもので、薬剤抵抗性がつきにくいのが利点です。
    • 枯れ枝や不要な枝を整理する「冬期剪定」を行い、害虫の隠れ場所を減らし、風通しを良くしておきましょう。

よくある質問

よくある質問

ここでは、みかんの木の害虫に関して、多くの方が抱く疑問にお答えします。

みかんの葉に白い粉がついているのは何ですか?

白い粉のようなものが付着している場合、いくつかの原因が考えられます。一つは「うどんこ病」というカビが原因の病気です。葉の表面にうどんの粉をまぶしたように見えます。もう一つは「コナジラミ」や一部の「カイガラムシ」の分泌物や虫本体である可能性です。 葉をよく観察し、虫がいるかどうかを確認してください。病気の場合は殺菌剤、虫の場合は殺虫剤での対処が必要です。

みかんの木にアリがたくさんいるのはなぜですか?

アリ自体がみかんの木を直接加害することはほとんどありません。しかし、アリがたくさん集まっている場合、その木にアブラムシやカイガラムシが発生しているサインです。これらの害虫は、お尻から「甘露」という甘い蜜を出します。アリはこの甘露が大好きで、集まってくるのです。 アリは甘露をもらう代わりに、アブラムシの天敵であるテントウムシなどを追い払ってしまうこともあります。アリを見かけたら、アブラムシなどがいないか葉の裏などをよく探してみてください。

アゲハの幼虫は駆除しないとダメですか?

美しい蝶になるアゲハの幼虫を駆除することに、抵抗を感じる方もいるかもしれません。 もし、みかんの木が大きく、幼虫の数が1~2匹程度であれば、食害もそれほど気にならないかもしれません。その場合は、そのまま成長を見守ってあげるという選択肢もあります。 しかし、木がまだ小さかったり、幼虫が大量に発生して葉がほとんど食べられてしまったりする場合は、木の生育に深刻な影響が出るため、残念ですが駆除する必要があります。

虫除けに木酢液は効果がありますか?

木酢液や竹酢液は、殺虫効果はほとんどありませんが、その独特の燻製のような香りで害虫を寄せ付けにくくする「忌避効果」が期待できます。定期的に散布することで、害虫の予防につながる可能性があります。また、土壌の微生物を活性化させる効果もあるとされています。ただし、効果は穏やかで持続性も高くないため、こまめな散布が必要です。使用する際は、必ず規定の倍率に薄めてから使ってください。

室内で育てているみかんにも虫はつきますか?

はい、室内で育てていても虫がつく可能性はあります。窓やドアから侵入したり、新しい土や他の植物についてきたりすることがあります。特に、ハダニやカイガラムシは、室内のような乾燥しがちで風通しの悪い環境でも発生しやすい害虫です。室内だからと油断せず、屋外で育てる場合と同様に、定期的に葉の裏などをチェックしてあげることが大切です。

まとめ

まとめ
  • みかんの葉を食べる虫はアゲハ幼虫、ハモグリガ、ハダニなど様々です。
  • 被害の状況を観察すれば、原因の虫を特定できます。
  • アゲハ幼虫は葉を丸ごと食べ、成長すると緑色になります。
  • ハモグリガは葉に白い絵のような食害跡を残します。
  • ハダニは葉を白っぽくし、カスリ状の斑点をつけます。
  • アブラムシは新芽に群がり、すす病の原因になります。
  • カイガラムシは枝葉に固着し、薬剤が効きにくいです。
  • 対策の基本は、手で取るなどの物理的駆除です。
  • 農薬を使わない対策として、天敵利用や自作スプレーがあります。
  • 害虫が大量発生した場合は、適切な農薬の使用も有効です。
  • 農薬は「みかん」に登録があるものを選び、用法を守りましょう。
  • 予防の鍵は、剪定による風通しの改善です。
  • 防虫ネットや粘着トラップも予防に役立ちます。
  • 害虫の発生は季節によって異なり、時期に合わせた対策が重要です。
  • 日々の観察が、害虫の早期発見・早期駆除につながります。
みかんの葉を食べる虫の正体は?【写真で特定】アゲハからハダニまで代表的な害虫と対策を徹底解説!

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