お子さんが38度の熱を出してなかなか下がらないと、親御さんはとても心配になりますよね。特に小学生のお子さんの場合、学校を休むことや、症状の悪化がないかなど、不安は尽きないものです。本記事では、小学生の38度の熱が長引く主な原因から、ご家庭でできる適切な対処法、そして「これは病院に行くべき？」と迷ったときの受診の目安まで、詳しく解説します。
お子さんの体調不良に寄り添い、安心して看病するための情報をお届けします。
小学生の38度の熱が下がらない主な原因
小学生のお子さんの熱が38度台で長引く場合、いくつかの原因が考えられます。発熱は体がウイルスや細菌と戦っている証拠ですが、その背景には様々な病気が隠れていることもあります。ここでは、熱が下がらない主な原因について詳しく見ていきましょう。
一般的なウイルス感染症
小学生の熱の多くは、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症が原因です。ウイルス感染症の場合、通常は数日で熱が下がることが多いですが、お子さんの免疫力やウイルスの種類によっては、熱が長引くことがあります。例えば、インフルエンザでは38度以上の熱が3～5日続くことが一般的で、まれに1週間以上続くケースもあります。
また、アデノウイルス感染症（プール熱）では、高熱が5日程度、長いと1週間続くこともあります。 RSウイルス感染症も発熱を引き起こしますが、小学生以上では比較的軽症で済むことが多いでしょう。 これらのウイルス感染症は、特効薬がない場合が多く、症状を和らげる対症療法が中心となります。
細菌感染症とその合併症
ウイルス感染症の他に、細菌感染症が原因で熱が長引くこともあります。例えば、中耳炎や肺炎、溶連菌感染症などが挙げられます。中耳炎は風邪をこじらせて発症することが多く、耳の痛みや熱が続くのが特徴です。 肺炎や気管支炎は、咳や呼吸困難を伴うことがあり、熱が長引く原因となります。 溶連菌感染症は、38度以上の発熱に加え、のどの痛み、発疹、リンパ節の腫れなどが現れる病気です。
これらの細菌感染症は、適切な抗菌薬による治療が必要となるため、長引く熱に加え、特定の症状が見られる場合は医療機関を受診することが大切です。
その他の病気や体調不良
稀ではありますが、ウイルスや細菌感染症以外の病気が熱の原因となっていることもあります。例えば、川崎病は、発熱に加えて唇の赤み、発疹、目の充血、リンパ節の腫れなどの特徴的な症状を伴う病気です。 また、膠原病や悪性腫瘍など、さらに稀な病気が長引く発熱の背景にある可能性もゼロではありません。 これらの病気は専門的な検査や治療が必要となるため、熱が長期間続く、または他の気になる症状が併発している場合は、早めに医療機関で相談することが重要です。
小学生の38度の熱が下がらない時の家庭での対処法
お子さんが38度の熱を出してなかなか下がらない時、ご家庭でできる対処法を知っておくことは、お子さんの苦痛を和らげ、回復を助ける上で非常に大切です。ここでは、具体的なホームケアのコツをご紹介します。
こまめな水分補給で脱水を防ぐ
発熱時は、汗をかいたり呼吸が荒くなったりすることで、体から多くの水分が失われやすくなります。脱水症状を防ぐために、こまめな水分補給が最も重要です。 水分は、湯冷ましや麦茶、子ども用のイオン飲料、経口補水液（医師の指示がある場合）など、お子さんが飲みやすいものであれば何でも構いません。 一度にたくさん飲ませるのではなく、少量ずつ頻繁に与えるようにしましょう。
特に、元気がない時や食欲がない時でも、水分だけはしっかり摂らせることが大切です。
体を冷やす・温めるタイミングと場所
熱が出た時の体温調整は、お子さんの状態に合わせて行うことが大切です。熱が上がり始め、手足が冷たく震えている時は、寒がっているので体を温めてあげましょう。 薄手の布団をかけたり、部屋を暖かくしたりして、体を冷やさないように心がけてください。熱が上がりきって手足が温かくなり、汗をかき始めたら、今度は熱を逃がすために薄着にしてあげましょう。
冷やす場合は、おでこよりも首筋、脇の下、太ももの付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすと効果的です。 氷嚢や水枕などを使い、お子さんが嫌がらない程度に冷やしてあげてください。
解熱剤の正しい使い方と注意点
解熱剤は、熱によるつらさを一時的に和らげるための薬であり、病気そのものを治すものではありません。 熱が上がりきる前に使用すると効果が薄れることがあるため、お子さんが手足が温かくなり、つらそうにしているタイミングで使用するのが良いでしょう。 解熱剤を使用する際は、医師や薬剤師の指示に従い、決められた用量と使用間隔（通常は5～6時間以上）を守ることが大切です。
むやみに使いすぎると、かえって体力を消耗させたり、他の症状を見逃したりする原因になることもあります。お子さんの様子をよく観察し、つらさを和らげるために必要な場合にのみ使用するようにしましょう。
食事の工夫と栄養補給
熱がある時は食欲が落ちやすいものですが、体力を維持するためには栄養補給も大切です。消化が良く、エネルギー源となる食べ物を選びましょう。 具体的には、おかゆやうどん、みそ汁、野菜スープ、すりおろしりんご、バナナ、ゼリー、プリン、ヨーグルト、豆腐、卵などがおすすめです。 脂っこいものや食物繊維の多いもの、消化に悪いお菓子などは胃腸に負担をかけるため避けるのが安心です。
無理に食べさせるのではなく、お子さんが食べられるものを少量ずつ与え、水分補給と合わせて栄養を摂るように心がけてください。
十分な安静と休養
発熱時は、体が病原体と戦うために多くのエネルギーを消費しています。そのため、十分な安静と休養が何よりも大切です。 無理に遊ばせたり、外出させたりすることは避け、静かな環境でゆっくり休ませてあげましょう。睡眠は体力の回復を早めるために非常に重要です。お子さんが眠りやすいように、室温や湿度を快適に保ち、静かに過ごせるように配慮してあげてください。
小学生の38度の熱が下がらない時に病院を受診する目安
お子さんの熱が下がらない時、「病院に行くべきか、もう少し様子を見るべきか」と悩む親御さんは多いでしょう。ここでは、病院を受診するタイミングや、特に注意が必要な症状について解説します。
すぐに受診すべき危険なサイン
以下のような症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診してください。これらは重篤な病気のサインである可能性があります。
- 呼びかけに反応が悪い、意識がはっきりしない、ぐったりしている
- 顔色が悪い、唇の色が青い
- 痙攣を起こした
- 息苦しそう、呼吸が速い、呼吸困難がある
- 水分がほとんど取れない、尿の回数や量が明らかに少ない、半日以上尿が出ない
- 激しい頭痛や腹痛を訴える
- 発疹が急に出た、または全身に広がっている
- 生後3ヶ月未満で38度以上の熱がある
- 熱が40度を超える高熱が続いている
- 熱がいったん下がった後、再び高熱が出た
これらの症状は、お子さんの命に関わる可能性もあるため、迷わず救急外来を受診するなど、迅速な対応が必要です。
数日続く場合の受診タイミング
上記のような緊急性の高い症状がなくても、熱が長引く場合は医療機関を受診しましょう。一般的に、38度以上の熱が4日以上続く場合は、風邪以外の原因や合併症の可能性も考えられるため、受診を検討する目安となります。 小学生の場合、3～5日目を一つの目安として、かかりつけ医に相談することをおすすめします。 また、熱以外の症状（咳、嘔吐、のどの痛みなど）がひどくなったり、お子さんの元気がない、機嫌が悪いといった状態が続く場合も、早めに受診することが大切です。
何科を受診すべきか
お子さんの発熱の場合、まずは小児科を受診するのが適切です。 小児科医は子どもの病気全般に詳しく、適切な診断と治療を行ってくれます。受診する際は、事前に病院に電話をして、発熱外来があるか、現在の症状を伝えて受診の必要性やタイミングを確認するとスムーズです。 また、いつから熱が出ているか、最高体温は何度か、他にどのような症状があるか、水分は摂れているかなど、お子さんの状態を詳しく伝えられるようにメモしておくと良いでしょう。
よくある質問
- Q1: 小学生の熱が38度で下がらないのはなぜですか？
- Q2: 子供の熱が下がらない時、冷やす場所はどこが効果的ですか？
- Q3: 子供の熱が3日以上続くのは大丈夫ですか？
- Q4: 小学生の熱が下がらない時、何を食べさせればいいですか？
- Q5: 子供の熱が下がらない時、解熱剤は使っていいですか？
- Q6: 子供の熱が下がらない時、何科を受診すべきですか？
- Q7: アデノウイルスで熱が下がらないのは何日くらい続きますか？
- Q8: インフルエンザで熱が下がらないのはなぜですか？
Q1: 小学生の熱が38度で下がらないのはなぜですか？
A1: 小学生の熱が38度で下がらない主な原因は、風邪やインフルエンザ、アデノウイルス、RSウイルスなどのウイルス感染症です。 また、中耳炎や肺炎、溶連菌感染症といった細菌感染症や、稀に川崎病などの他の病気が原因となっている可能性もあります。 お子さんの免疫力や病原体の種類によって、熱が長引くことがあります。
Q2: 子供の熱が下がらない時、冷やす場所はどこが効果的ですか？
A2: 子供の熱が下がらない時に体を冷やす場合、首筋、脇の下、太ももの付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすのが効果的です。 これらの場所を冷やすことで、冷えた血液が全身を巡り、体温を下げる助けになります。おでこを冷やすのは気持ちが良いですが、体温を下げる効果はあまり期待できません。
Q3: 子供の熱が3日以上続くのは大丈夫ですか？
A3: 子供の熱が3日以内に収まる場合は、一般的な風邪が原因である可能性が高いです。 しかし、38度以上の熱が4日以上続く場合は、風邪以外の原因や合併症の可能性も考えられるため、医療機関を受診することが推奨されます。 特に、元気がない、水分が取れないなどの症状がある場合は、早めの受診が必要です。
Q4: 小学生の熱が下がらない時、何を食べさせればいいですか？
A4: 小学生の熱が下がらない時は、消化が良く、エネルギーやたんぱく質を補給できる食べ物がおすすめです。 具体的には、おかゆ、うどん、みそ汁、野菜スープ、すりおろしりんご、バナナ、ゼリー、プリン、ヨーグルト、豆腐、卵などが良いでしょう。 脂っこいものや食物繊維の多いものは避け、お子さんが食べられるものを少量ずつ与えてください。
Q5: 子供の熱が下がらない時、解熱剤は使っていいですか？
A5: 解熱剤は、熱によるつらさを一時的に和らげるために使用できますが、病気そのものを治す薬ではありません。 お子さんがつらそうにしている時に、医師や薬剤師の指示に従って使用しましょう。熱が上がりきる前に使うと効果が薄れることがあるため、手足が温かくなり、暑がっているタイミングで使用するのが良いとされています。
使用間隔は5～6時間以上空けるようにしてください。
Q6: 子供の熱が下がらない時、何科を受診すべきですか？
A6: 子供の熱が下がらない時は、小児科を受診するのが適切です。 小児科医は子どもの病気全般に詳しく、適切な診断と治療を行ってくれます。受診前に病院に電話で相談し、発熱外来の有無や受診のタイミングを確認するとスムーズです。
Q7: アデノウイルスで熱が下がらないのは何日くらい続きますか？
A7: アデノウイルス感染症の場合、高熱が5日程度続くのが特徴で、長い場合は1週間ほど熱が下がらないこともあります。 のどの痛みや目の充血を伴うことも多く、特に乳幼児では重症化することもあるため注意が必要です。
Q8: インフルエンザで熱が下がらないのはなぜですか？
A8: インフルエンザで熱が下がらない原因としては、熱が上がりきる前に解熱剤を使用してしまい効果が薄れている、抗インフルエンザ薬の服用タイミングが遅れた、または途中で服用を止めてしまったなどが考えられます。 また、インフルエンザ自体が3～5日、まれに1週間以上熱が続く病気であるため、回復に時間がかかっている可能性もあります。
まとめ
- 小学生の38度の熱が下がらない場合、風邪やインフルエンザ、アデノウイルス、RSウイルスなどのウイルス感染症が主な原因です。
- 中耳炎、肺炎、溶連菌感染症などの細菌感染症や、稀に川崎病などの他の病気の可能性もあります。
- 発熱時は脱水予防のため、こまめな水分補給が最も重要です。
- 熱が上がりきって体が熱い時は薄着にし、首筋、脇の下、太ももの付け根を冷やすと効果的です。
- 解熱剤は病気を治す薬ではなく、つらさを和らげるための一時的なものです。
- 解熱剤は医師の指示に従い、熱が上がりきったタイミングで適切な用量・間隔で使用しましょう。
- 熱がある時は、おかゆやうどんなど消化の良いものを少量ずつ与え、栄養補給を心がけてください。
- 十分な安静と休養は、お子さんの体力の回復を早めるために不可欠です。
- 呼びかけに反応が悪い、痙攣、息苦しさ、水分が取れないなどの危険なサインがあればすぐに医療機関を受診してください。
- 38度以上の熱が4日以上続く場合や、元気がない、機嫌が悪い状態が続く場合も受診を検討しましょう。
- お子さんの発熱は小児科を受診するのが適切です。
- 受診前には病院に電話で相談し、症状や受診のタイミングを確認するとスムーズです。
- お子さんの体温や症状、水分摂取量などを記録しておくと、診察時に役立ちます。
- 発熱は体が病原体と戦う防御反応であり、慌てずに落ち着いて対応することが大切です。
- 親御さんが不安を感じる場合は、些細なことでも医療機関に相談しましょう。
