「赤ちゃんが寝返りを始めたけれど、このままで大丈夫なのだろうか?」「寝返り防止グッズは本当に必要なの?」と、多くの親御さんが不安を感じているのではないでしょうか。
赤ちゃんの成長は喜ばしいものですが、同時に新たな心配事も増えるものです。特に、寝返りを始めたばかりの時期は、SIDS(乳幼児突然死症候群)や窒息のリスクが気になりますよね。本記事では、赤ちゃんの寝返りに関する疑問を解消し、安心して見守るための情報と安全な寝かせ方について徹底解説します。赤ちゃんの健やかな成長をサポートするための具体的なコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
赤ちゃんの寝返り防止は本当にいらない?時期別の考え方

赤ちゃんの寝返りについて、「防止すべきか、見守るべきか」という疑問は、赤ちゃんの成長段階によって考え方が異なります。特に、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを考慮すると、時期に応じた適切な対応が大切です。
一般的に、赤ちゃんが寝返りを始める時期は生後3ヶ月から10ヶ月頃と個人差が大きいですが、目安としては生後5〜6ヶ月が多いとされています。しかし、早い子では3ヶ月頃から、遅い子では7〜8ヶ月、あるいは10ヶ月頃に始めることもあります。焦らず、赤ちゃんのペースを尊重することが重要です。
新生児期から首すわり前:寝返り防止が重要な理由
新生児期から首がすわる前の赤ちゃんは、まだ自分の力で頭を持ち上げたり、体の向きを変えたりすることができません。この時期にうつ伏せになってしまうと、顔が寝具に埋もれてしまい、窒息のリスクが非常に高まります。また、SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクも高まるため、この時期は
必ず仰向けで寝かせることが推奨されています
。 寝返り防止クッションなどの使用を検討する親御さんもいるかもしれませんが、これらはかえって窒息のリスクを高める可能性があるため、使用しない方が安全です。
首すわり後から寝返り開始:見守りが必要な時期
首がすわり、手足を活発に動かすようになる生後3〜4ヶ月頃から、赤ちゃんは寝返りの兆候を見せ始めます。腰をひねったり、足を上げたりする動作が増え、横向きになることもあります。 この時期は、まだ寝返りが完全に定着していないため、仰向けで寝かせても、気づいたら横向きやうつ伏せになっていることがあります。赤ちゃんが自分で仰向けに戻る「寝返り返り」ができるようになるまでは、うつ伏せになっていたら仰向けに戻してあげることが大切です。
特に、柔らかい布団やぬいぐるみなどが顔を覆ってしまうと窒息の危険があるため、睡眠環境を整えることが重要になります。
寝返りが定着したら:防止がいらない理由と安全対策
赤ちゃんが自分で自由に寝返りができるようになり、さらにうつ伏せから仰向けに戻る「寝返り返り」もマスターしたら、無理に寝返りを防止する必要はありません。 この時期になると、赤ちゃんは自分で呼吸しやすいように頭を動かしたり、体勢を調整したりする力が備わってきます。 厚生労働省も、自由に寝返りができるようになった赤ちゃんはSIDSのリスクが下がるとの見解を示しています。
しかし、引き続き安全な睡眠環境を整えることは不可欠です。顔が埋もれるような柔らかい寝具や、口や鼻を塞ぐ可能性のあるものは置かないように注意しましょう。
赤ちゃんが寝返りを始めたら知っておきたい安全な睡眠環境の整え方

赤ちゃんが寝返りを始めると、行動範囲が広がり、思わぬ事故につながる可能性も出てきます。特に睡眠中の事故を防ぐためには、安全な睡眠環境を整えることが非常に重要です。親御さんが安心して赤ちゃんを見守れるよう、具体的な対策を知っておきましょう。
赤ちゃんが寝返りを始めたら、ベビーベッドの柵を常に上げておく、大人用ベッドやソファに一人にしない、床に危険なものを置かないなど、転落や誤飲を防ぐための対策が欠かせません。 また、寝具の選び方や、うつ伏せ寝への対応も大切なポイントです。
SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクと寝返りの関係
SIDS(乳幼児突然死症候群)は、それまで元気だった赤ちゃんが、何の予兆もなく睡眠中に突然亡くなってしまう原因不明の病気です。SIDSを完全に予防する方法は確立されていませんが、いくつかの
発症リスクを高める要因が指摘されており、その一つがうつ伏せ寝です
。 厚生労働省は、医学的な理由でうつ伏せ寝を勧められている場合を除き、1歳になるまでは仰向けで寝かせることを推奨しています。 寝返りができるようになっても、寝かしつけの際は仰向けにすることが大切です。
うつ伏せ寝は危険?寝返り後の対応
赤ちゃんが自分で寝返りをしてうつ伏せになった場合、特に寝返り返りがまだできない時期は、窒息のリスクに注意が必要です。 赤ちゃんがうつ伏せで寝ていたら、そっと仰向けに戻してあげましょう。 しかし、寝返り返りができるようになれば、赤ちゃんは自分で体勢を調整できるため、無理に仰向けに戻す必要はないとされています。
ただし、顔が埋もれるような柔らかい寝具や、口や鼻を塞ぐ可能性のあるものは、引き続き寝床から取り除くことが重要です。
安全な寝具選びのポイント
赤ちゃんの安全な睡眠環境を確保するためには、寝具選びも重要な要素です。柔らかすぎる敷布団やマットレスは、赤ちゃんの顔が沈み込み、窒息のリスクを高める可能性があります。
赤ちゃんには、固めの敷布団やマットレスを選ぶようにしましょう
。 また、枕の使用はSIDSのリスクを高める可能性があるため、1歳までは使用を避けるのがおすすめです。 掛け布団も、軽くて通気性の良いものを選び、赤ちゃんの顔を覆ってしまわないよう注意が必要です。 ベビーベッドを使用する場合は、柵をしっかりと上げ、赤ちゃんが挟まれないように隙間がないか確認しましょう。
寝返り防止グッズは本当に必要?その効果と注意点
「寝返り防止クッション」や「寝返り防止ベルト」といったグッズは、赤ちゃんがうつ伏せになるのを防ぐ目的で販売されています。しかし、これらのグッズは、かえって窒息などの事故につながる危険性があるため、
使用は推奨されていません
。 アメリカでは、寝返り防止用枕が原因で窒息死の事例が報告され、使用中止が呼びかけられています。 日本の消費者庁も、寝返り防止クッションの使用には注意を呼びかけています。 もし使用する場合は、必ず大人が見守れる昼間の短時間にとどめ、夜間や目を離す際には使用しないようにしましょう。 最も大切なのは、グッズに頼るのではなく、安全な睡眠環境を整え、赤ちゃんから目を離さないことです。
赤ちゃんの寝返りに関するよくある質問

赤ちゃんの寝返りに関して、多くの親御さんが抱える疑問や不安を解消するため、よくある質問とその回答をまとめました。正しい知識を持つことで、安心して赤ちゃんの成長を見守ることができるでしょう。
- 寝返り防止クッションは使ってもいいですか?
- 寝返りしてうつ伏せで寝ていたら、仰向けに戻すべきですか?
- 寝返り練習は必要ですか?
- 寝返りが遅いのは心配いりませんか?
- 夜中に何度も寝返りして起きてしまいます。どうすればいいですか?
寝返り防止クッションは使ってもいいですか?
寝返り防止クッションは、窒息などの事故につながる危険性があるため、
使用はおすすめできません
。 アメリカでは、寝返り防止用枕が原因で窒息死の事例が報告され、使用中止が呼びかけられています。 日本の消費者庁も注意喚起を行っています。 もし使用を検討している場合は、リスクを十分に理解し、大人が見守れる昼間の短時間のみに限定し、夜間や目を離す際には使用しないようにしましょう。 最も安全なのは、クッションなどの物を寝床に置かないことです。
寝返りしてうつ伏せで寝ていたら、仰向けに戻すべきですか?
赤ちゃんが寝返りをしてうつ伏せで寝ていた場合、
「寝返り返り(うつ伏せから仰向けに戻る動き)」ができるかどうかで対応が変わります
。 寝返り返りがまだできない時期であれば、窒息のリスクがあるため、気づいたらそっと仰向けに戻してあげましょう。 しかし、寝返り返りができるようになり、赤ちゃんが自分で体勢を調整できるようになったら、無理に仰向けに戻す必要はありません。 この時期になると、赤ちゃんは自分で呼吸しやすいように頭を動かすことができるようになります。 ただし、寝具が柔らかすぎないか、顔を覆うものがないかなど、安全な睡眠環境が整っていることを確認することが重要です。
寝返り練習は必要ですか?
寝返りの時期には個人差が大きく、無理に練習させる必要はありません。 赤ちゃんが興味を示し、自分で体をひねろうとするなどの兆候が見られたら、遊びの延長としてサポートしてあげると良いでしょう。 例えば、好きなおもちゃを少し離れたところに置いて興味を促したり、体をひねる動作を優しくサポートしたりする方法があります。
赤ちゃんの機嫌が良い時に、無理のない範囲で行うことが大切です。 寝返りをしないまま、ずり這いやハイハイに移行する赤ちゃんもいるため、焦らず見守りましょう。
寝返りが遅いのは心配いりませんか?
赤ちゃんの寝返りの時期には大きな個人差があります。生後3ヶ月から10ヶ月程度と幅広く、6ヶ月健診で寝返りができていなくても、他の発達に問題がなければ過度に心配する必要はありません。 体重が重めの赤ちゃんや、あまり動きたがらない赤ちゃんは、寝返りが遅くなる傾向があるとも言われています。 大切なのは、赤ちゃんのペースを尊重し、焦らず見守ることです。
もし、寝返り以外の発達にも気になる点がある場合は、かかりつけの小児科医や保健師に相談してみましょう。
夜中に何度も寝返りして起きてしまいます。どうすればいいですか?
夜中に赤ちゃんが何度も寝返りをして起きてしまうのは、親御さんにとっても大変なことです。まず、
寝返りしやすい環境が整っているか確認しましょう
。 例えば、掛け布団が重すぎると寝返りが打ちにくく、体が圧迫されて目覚める原因になることがあります。 軽くて通気性の良い掛け布団に変える、室温を快適に保つ、パジャマの素材を見直すなども有効です。 また、日中の活動量を増やして、適度に体を動かすことで、夜間の睡眠が深まることもあります。 赤ちゃんが寝返りをしてうつ伏せになっても、寝返り返りができるのであれば、すぐに仰向けに戻さず、しばらく様子を見ることも一つの方法です。 ただし、顔が埋もれるような危険なものがないか、常に安全な睡眠環境を確保することが前提です。 改善が見られない場合は、小児科医や専門家に相談して、個別の状況に合わせたアドバイスをもらうと良いでしょう。
まとめ
- 赤ちゃんの寝返り時期は生後3ヶ月から10ヶ月と個人差が大きい。
- 新生児期から首すわり前はSIDSや窒息のリスクが高いため仰向け寝が必須。
- 首すわり後、寝返り返りができるまではうつ伏せになったら仰向けに戻す。
- 寝返り返りができれば、無理に寝返りを防止する必要はない。
- SIDS予防のため、1歳までは仰向け寝が推奨されている。
- 柔らかい敷布団やマットレス、枕は窒息リスクを高めるため避ける。
- 赤ちゃんには固めの敷布団やマットレスを選ぶのが安全。
- 寝返り防止クッションやベルトは窒息の危険があるため使用しない。
- ベビーベッドの柵は常に上げ、大人用ベッドやソファに一人にしない。
- 床に危険なものを置かない、誤飲防止の対策を徹底する。
- 寝返り練習は必須ではなく、赤ちゃんのペースに合わせて遊びの延長で。
- 寝返りが遅くても、他の発達に問題がなければ心配しすぎない。
- 夜中に何度も寝返りで起きる場合は、寝具や室温を見直す。
- 不安な場合は、小児科医や保健師に相談することが大切。
- 最も重要なのは、常に安全な睡眠環境を確保し、赤ちゃんを見守ること。
