ネパールへの旅行や、ネパールの方との交流を深める中で、「ごちそうさまでした」と感謝の気持ちを伝えたいと考える方は多いのではないでしょうか。しかし、日本語の「ごちそうさまでした」に完全に一致するネパール語の表現は存在しないため、どのように伝えれば良いか迷ってしまうこともあるかもしれません。
本記事では、ネパール語で食事への感謝を伝える最も自然な方法や、ネパールの食文化における食事マナーを詳しく解説します。この記事を読めば、現地での食事の際に自信を持って感謝を伝えられるようになり、ネパールの方とのコミュニケーションがより豊かになるでしょう。
ネパール語で「ごちそうさまでした」は何と言う?正しい表現と発音

日本語の「ごちそうさまでした」は、食事を作ってくれた人や食材への感謝、そして食事を終えたことを表す独特の表現です。しかし、ネパール語にはこれに完全に合致する一語はありません。ネパールでは、食事への感謝を伝える際に、「ありがとう」という言葉や「美味しかった」という感想を伝えるのが一般的です。食事の後に感謝の気持ちを伝える際は、「Dhanyabad (धन्यवाद)」という言葉を使うのが最も適切でしょう。これは「ありがとう」を意味する一般的な表現で、食事の後だけでなく様々な場面で使われます。
基本の表現「Dhanyabad (धन्यवाद)」とその意味
ネパール語で「ありがとう」は「Dhanyabad (धन्यवाद)」と言います。 この言葉は、食事への感謝だけでなく、何か助けてもらった時や贈り物を受け取った時など、あらゆる感謝の場面で使える非常に便利なフレーズです。発音は「ダンネバード」に近いとされていますが、最初の「Dha」は「ダ」と「ハ」が混ざったような音、また「nya」は「ン」と「ヤ」が混ざる感じですが、「ネ」に近い発音で問題ありません。 親しい間柄では頻繁に使うと「いちいち言わなくていいよ」と言われることもあるほど、お互い助け合うのが当たり前という価値観が根付いている文化背景も理解しておくと良いでしょう。
食事の後に使う「ごちそうさまでした」の自然な言い回し
食事の後に「ごちそうさまでした」という気持ちを伝えたい場合、単に「Dhanyabad (धन्यवाद)」と言うだけでも十分伝わります。しかし、より具体的に食事への満足感や感謝を伝えたい場合は、「美味しかった」という言葉を付け加えるのが自然な言い回しです。例えば、「Mitho chha (मीठो छ)」は「美味しいです」という意味で、食事中に使う表現です。 食後に「美味しかった」と伝えたい場合は、「Mitho bhayo (मीठो भयो)」や「Mitho thiyo (मीठो थियो)」を使います。 「Mitho bhayo」は「美味しくなりました」というニュアンスで、食べた直後の感想を伝える際に適しています。 「Mitho thiyo」は「美味しかったです」という客観的な感想を伝える際に使われる表現です。 これらの表現を「Dhanyabad」と組み合わせて使うことで、より心のこもった感謝を伝えられるでしょう。
発音のコツと注意点
ネパール語の発音は、日本語にはない音がいくつか含まれるため、最初は難しく感じるかもしれません。特に「Dhanyabad (धन्यवाद)」の「Dh」や「ny」の音は、練習が必要です。カタカナ表記はあくまで目安であり、実際にネイティブの発音を聞いて真似るのが最も上達へのコツです。多くのオンラインリソースやアプリで音声付きのフレーズが提供されているので、活用してみることをおすすめします。また、ネパール語は日本語と文法が似ている部分も多いため、単語やフレーズを覚えることで、比較的スムーズに会話を楽しめるようになるでしょう。
ネパールの食文化と食事のマナー

ネパールでは、食事は単なる栄養補給の場ではなく、家族や友人との絆を深める大切な時間です。そのため、食事には独特のマナーや習慣が存在します。これらのマナーを理解し、尊重することで、現地の人々との関係をより良好に築くことができるでしょう。特に、食事の提供者への敬意や、食べ物を無駄にしないという考え方が根底にあります。
食事前の挨拶「いただきます」の表現
日本語の「いただきます」に直接対応するネパール語の表現は、残念ながらありません。ネパールでは、食事を始める際に特別な言葉を言う習慣は一般的ではありませんが、食事を出す人に対して「Dhanyabad (धन्यवाद)」と感謝を伝えたり、単に「Khana suru garau (食べ始めましょう)」と促したりすることがあります。また、食事の前に手を合わせるなど、宗教的な意味合いを持つ動作をする人もいます。食事の誘いを受けた際には、「Khana khanubho? (ご飯食べた?)」という挨拶が交わされることもあり、これは日本の「こんにちは」のような気軽な挨拶として使われることがあります。
食事中のタブーと気をつけたいこと
ネパールでの食事には、いくつか気をつけたいタブーがあります。まず、左手は不浄とされているため、食事の際に左手を使うのは避けるべきです。特に、手で食事をする文化があるため、右手を使うのがマナーとされています。また、自分の使った食器や食べ残しを他人に触れさせることも避けるべきです。これは「ジューチョ (jutho)」と呼ばれ、不浄とみなされます。食事中に音を立てて食べることは問題ありませんが、口に食べ物が入ったまま話すのは控えましょう。さらに、食事の提供者がいる場合、お皿が空になると次々と料理を盛ってくれることが多いため、もう十分な場合は「Pugyo (पुग्यो)」(もう十分です)や「Bhayo (भयो)」(もう結構です)と伝えることが大切です。
食事の誘いを受けた際の返答
ネパールでは、家庭に招かれて食事を振る舞われる機会も少なくありません。そのような場合、感謝の気持ちを込めて「Dhanyabad (धन्यवाद)」と伝え、喜んで受け入れる姿勢を示すことが大切です。もし都合が悪い場合は、丁寧にその旨を伝えましょう。食事の誘いを断る際も、相手の好意に感謝する言葉を添えることで、円滑な人間関係を保てます。ネパール人はおもてなしの心を大切にするため、招かれた際には積極的に交流を楽しむことが、彼らへの最高の感謝となるでしょう。
ネパール語の感謝の気持ちを伝える他のフレーズ

「Dhanyabad (धन्यवाद)」は「ありがとう」の基本的な表現ですが、状況に応じてより丁寧な言い方や、日常会話で使えるカジュアルな表現も存在します。これらのフレーズを使いこなすことで、より細やかな感謝の気持ちを伝えられるようになります。ネパールの方とのコミュニケーションを深める上で、感謝の表現は非常に重要な要素です。
「ありがとう」の基本的な言い方
最も一般的な「ありがとう」は、前述の通り「Dhanyabad (धन्यवाद)」です。 これはどんな場面でも使える万能な表現であり、日本語の「ありがとうございます」に近いニュアンスを持っています。 旅行中に何か助けてもらった時や、お店で買い物をした時など、様々な場面で積極的に使ってみましょう。ただし、親しい間柄では頻繁に使うと「いちいち言わなくていいよ」と言われることもあるため、状況を見極めることも大切です。
より丁寧な感謝の伝え方
より丁寧な感謝の気持ちを伝えたい場合は、「Dherai Dherai Dhanyabad (धेरै धेरै धन्यवाद)」と言います。 「Dherai (धेरै)」は「たくさん」「とても」という意味があり、これを重ねることで「本当にありがとうございます」という強い感謝の気持ちを表せます。 目上の人や、特に親切にしてもらった際などに使うと良いでしょう。また、「Tapai lai dherai dhanyabad (तपाईंलाई धेरै धन्यवाद)」は「あなたにとても感謝します」という意味で、相手に直接感謝を伝えたい場合に用いられます。
日常会話で使える感謝の表現
ネパールでは、日常会話において英語の「Thank you」が使われることも少なくありません。 特に若い世代や都市部では、カジュアルな場面で英語のフレーズが頻繁に用いられます。また、何かをしてもらった際に「Kahi chhaina (केही छैन)」(たいしたことないですよ)と返されることもありますが、これは「どういたしまして」というニュアンスで、相手が感謝を謙遜している表現です。 感謝の言葉だけでなく、相手の反応にも耳を傾けることで、よりスムーズなコミュニケーションが図れるでしょう。
ネパール旅行で役立つその他の基本会話フレーズ

ネパールでの滞在をより充実させるためには、食事の感謝以外にもいくつかの基本的な会話フレーズを覚えておくと非常に役立ちます。現地の人々との簡単なコミュニケーションは、旅の楽しさを格段に高め、思わぬ出会いや体験につながることもあります。言葉の壁を少しでも乗り越えることで、より深くネパールの文化に触れることができるでしょう。
挨拶の言葉
ネパールで最も重要な挨拶は「Namaste (नमस्ते)」です。 これは「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」「さようなら」「ありがとう」など、様々な場面で使える非常に便利な言葉です。 両手を胸の前で合わせて軽くお辞儀をしながら言うと、より丁寧な印象を与えます。 また、より丁寧な挨拶として「Namaskar (नमस्कार)」もあります。 どちらも覚えておくと良いでしょう。
- Namaste (नमस्ते) ナマステ:こんにちは、おはよう、こんばんは、さようなら、ありがとう
- Namaskar (नमस्कार) ナマスカール:より丁寧な挨拶
自己紹介のフレーズ
現地の人と知り合う際に役立つ自己紹介のフレーズも覚えておきましょう。自分の名前を伝えたり、相手の名前を尋ねたりすることで、会話のきっかけを作れます。ネパール語の文法は日本語と似ている部分があるため、単語を入れ替えるだけで様々な表現が可能です。
- Mero naam ~ ho (मेरो नाम ~ हो) メロ ナム ~ ホ:私の名前は~です。
- Tapai ko naam ke ho? (तपाईंको नाम के हो?) タパイコ ナム ケ ホ?:あなたの名前は何ですか?
- Ma Japani hun (म जापानी हुँ) マ ジャパニ フン:私は日本人です。
買い物で使えるフレーズ
市場やお店での買い物は、ネパール旅行の醍醐味の一つです。値段を尋ねたり、欲しいものを伝えたりする際に役立つフレーズを覚えておくと、スムーズに買い物を楽しめるでしょう。
- Yo kati ho? (यो कति हो?) ヨ カティ ホ?:これはいくらですか?
- Dherai mahango chha (धेरै महँगो छ) デレイ マハンゴ ツァ:とても高いです。
- Chahidaina (चाहिदैन) チャヒダイナ:いりません。
よくある質問

- ネパール語で「美味しい」は何と言いますか?
- ネパールで食事をする際、手で食べても良いですか?
- ネパール語で「またね」は何と言いますか?
- ネパール語の「こんにちは」は?
- ネパール語で「乾杯」は何と言いますか?
- ネパール語の「はい」「いいえ」は?
- ネパール語の「お元気ですか」は?
- ネパール語の「おやすみなさい」は?
- ネパール語の「さようなら」は?
- ネパール語の「すみません」は?
ネパール語で「美味しい」は何と言いますか?
ネパール語で「美味しい」は「Mitho chha (मीठो छ)」と言います。 食事中に「美味しいですか?」と聞かれたら「Mitho chha」と答えるのが一般的です。 食後に「美味しかった」と伝えたい場合は、「Mitho bhayo (मीठो भयो)」や「Mitho thiyo (मीठो थियो)」という表現を使います。 「Dherai mitho chha (धेरै मीठो छ)」は「とても美味しいです」という意味で、感謝の気持ちを強調したいときに使えます。
ネパールで食事をする際、手で食べても良いですか?
はい、ネパールでは手で食事をするのが一般的な習慣です。特にダルバート(豆のスープとご飯)などの伝統的な料理は、右手を使って食べるのがマナーとされています。ただし、左手は不浄とされているため、食事の際には絶対に使わないように注意しましょう。
ネパール語で「またね」は何と言いますか?
ネパール語で「またね」は「Pheri bhetaula (फेरि भेटौला)」と言います。 これは「また会いましょう」という意味合いで、友人や知人との別れの際に使われるカジュアルな表現です。 また、万能な挨拶である「Namaste (नमस्ते)」も、さようならの意味で使われることがあります。
ネパール語の「こんにちは」は?
ネパール語で「こんにちは」は「Namaste (नमस्ते)」です。 この言葉は、朝昼晩いつでも使える便利な挨拶で、「おはよう」「こんばんは」「さようなら」「ありがとう」といった意味も持ち合わせています。 両手を合わせて軽くお辞儀をするのが丁寧な形です。
ネパール語で「乾杯」は何と言いますか?
ネパール語には、日本語の「乾杯」に直接対応する言葉は一般的ではありません。お酒を飲む際には、英語の「Cheers (チアーズ)」が使われたり、特別な場では「Jai Nepal (ジャイ ネパール)」(ネパール万歳)といった言葉が使われることもあります。
ネパール語の「はい」「いいえ」は?
ネパール語で「はい」は「Ho (हो)」 、「いいえ」は「Hoina (होइन)」 と言います。 質問に対して肯定・否定の返事をする際に使われる基本的な言葉です。
ネパール語の「お元気ですか」は?
ネパール語で「お元気ですか」は「Tapai lai kasto chha? (तपाईंलाई कस्तो छ?)」 や「Sanchai chha? (सन्चै छ?)」 と言います。 返事をする際は「Sanchai chhu (सन्चै छु)」(元気です) と答えるのが一般的です。
ネパール語の「おやすみなさい」は?
ネパール語で「おやすみなさい」は「Subha ratri (शुभ रात्री)」と言います。 これは直訳すると「良い夜を」という意味で、寝る前に使う挨拶です。 ただし、万能な挨拶である「Namaste (नमस्ते)」も、夜の別れの際に使われることがあります。
ネパール語の「さようなら」は?
ネパール語で「さようなら」は、状況によっていくつかの表現があります。最も一般的なのは、やはり「Namaste (नमस्ते)」です。 また、「Pheri bhetaula (फेरि भेटौला)」(また会いましょう) や、カジュアルな場面では英語の「Bye-bye (バイバイ)」も使われます。
ネパール語の「すみません」は?
ネパール語で「すみません」は、状況によって使い分けが必要です。謝罪の「ごめんなさい」は「Maaph garnuhos (माफ गर्नुहोस्)」 ですが、呼びかけの「すみません」は「Sunnus na (सुन्नुस् न)」 や英語の「Excuse me (エクスキューズミー)」が使われることが多いです。 道を尋ねる際や店員を呼ぶ際などには、「Excuse me」を使うのが無難でしょう。
まとめ

- ネパール語に「ごちそうさまでした」の直接的な表現はない。
- 食事への感謝は「Dhanyabad (धन्यवाद)」で伝えるのが一般的。
- 「Dhanyabad」は「ありがとう」を意味する万能な言葉。
- 食事の後に「美味しかった」と付け加えるのが自然。
- 「Mitho bhayo (ミーと バヨ)」や「Mitho thiyo (ミーと ティヨ)」が「美味しかった」の表現。
- ネパールでは右手で食事をするのがマナー。
- 左手は不浄とされ、食事には使わない。
- 自分の使った食器や食べ残しを他人に触れさせない。
- お腹がいっぱいの時は「Pugyo (プギョ)」や「Bhayo (バヨ)」と伝える。
- 食事前の「いただきます」に直接対応する言葉はない。
- 挨拶は「Namaste (नमस्ते)」が最も重要で万能。
- より丁寧な感謝は「Dherai Dherai Dhanyabad (デレイ デレイ ダンネバード)」。
- 自己紹介には「Mero naam ~ ho (メロ ナム ~ ホ)」を使う。
- 買い物では「Yo kati ho? (ヨ カティ ホ?)」で値段を尋ねる。
- 「はい」は「Ho (ホ)」、「いいえ」は「Hoina (ホイナ)」。
- 「お元気ですか」は「Sanchai chha? (サンツァイ チャ?)」。
- 「おやすみなさい」は「Subha ratri (スバ ラットリ)」。
- 呼びかけの「すみません」は「Excuse me」や「Sunnus na (スンヌス ナ)」。
