家の周りや、時には室内で遭遇するムカデ。「もう二度と見たくない…」と、その対策に頭を悩ませていませんか?殺虫剤を使うのは少し抵抗がある、という方もいらっしゃるかもしれません。実は、爽やかな香りで知られるハーブ「ローズマリー」が、ムカデ対策に役立つ可能性があるのです。本記事では、ローズマリーがムカデになぜ効果的なのか、その具体的な使い方から育て方のコツ、そして万が一効かなかった場合の代替案まで、あなたのムカデに関する悩みを解決するために詳しく解説していきます。
なぜローズマリーがムカデ対策に効果的なの?

多くの人が料理やアロマで楽しむローズマリーの香り。実はこの香りこそが、ムカデを遠ざける秘密兵器なのです。なぜローズマリーの香りがムカデ対策になるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
- ムカデが嫌うローズマリーの香り成分「カンファー」
- 科学的根拠はある?ローズマリーの忌避効果
- ローズマリーはムカデ以外の害虫にも効果あり!
ムカデが嫌うローズマリーの香り成分「カンファー」
ローズマリーのすっきりとした強い香りには、「カンファー」という成分が含まれています。 このカンファーは、古くから衣類の防虫剤として使われてきた「樟脳(しょうのう)」の主成分でもあります。 ムカデはこのツンとした刺激的な香りを非常に嫌う性質があるため、ローズマリーを置いておくだけで、ムカデが寄り付きにくい環境を作ることが期待できるのです。 人間にとってはリラックス効果のある心地よい香りでも、ムカデにとっては近寄りたくない不快な匂いというわけです。
科学的根拠はある?ローズマリーの忌避効果
ローズマリーの虫除け効果は、単なる言い伝えだけではありません。その香り成分が害虫を忌避させる効果があることは、科学的な研究でも示唆されています。 ローズマリーから放出されるカンファーなどの揮発性有機化合物が、ムカデを含む多くの虫の嗅覚受容体に作用し、行動を抑制したり、その場から遠ざけたりする効果があると考えられています。 化学薬品を使わない自然由来の対策として、安心して試せるのが嬉しいポイントです。
ローズマリーはムカデ以外の害虫にも効果あり!
ローズマリーの嬉しい効果は、ムカデだけに留まりません。その香りは、蚊やハエ、アブラムシ、ダニ、さらにはゴキブリといった、多くの人が悩まされる害虫に対しても忌避効果が期待できます。 例えば、乾燥させたローズマリーを小袋に入れてクローゼットに吊るせば、衣類を食べる害虫から守ることができます。 庭に植えれば、家庭菜園の野菜をアブラムシから守る助けにもなるでしょう。 ムカデ対策をしながら、他の不快な虫も一緒に遠ざけることができる、まさに一石二鳥のハーブなのです。
【実践編】ムカデを寄せ付けない!ローズマリーの具体的な使い方

ローズマリーのムカデへの効果が分かったところで、次は具体的な使い方を見ていきましょう。庭に植える本格的な方法から、手軽に始められるスプレーや置き型の方法まで、あなたのライフスタイルに合わせて選べる様々な活用術をご紹介します。
- 庭に植えて侵入を防ぐ「天然のバリア」
- 手軽にできる!鉢植えローズマリーの活用法
- 効果を凝縮!ローズマリーを使った手作り虫除けスプレー
- 置くだけ簡単!ドライローズマリーや枝の活用法
庭に植えて侵入を防ぐ「天然のバリア」
最も効果的で長期的な対策の一つが、庭にローズマリーを植えることです。ムカデは屋外から室内に侵入してくるため、家の周りをローズマリーで囲むことで、天然のバリアを作ることができます。
植える場所のポイント(玄関周り、窓の下など)
ムカデの侵入経路となりやすい玄関や勝手口の周り、窓の下、通気口の近くなどに植えるのがおすすめです。 これらの場所にローズマリーの香りを漂わせることで、ムカデが家の中に入ってくるのを効果的に防ぐことができます。日当たりと風通しの良い場所を好むので、建物の南側や西側などが適しています。
複数植えることで効果アップ
ローズマリーを1株だけ植えるよりも、家の周りに複数株を点在させるように植えることで、香りのバリアがより強固になり、忌避効果が高まります。生垣のように植えたり、花壇の縁取りに利用したりと、ガーデニングを楽しみながらムカデ対策ができるのも魅力です。
手軽にできる!鉢植えローズマリーの活用法
「庭はないけどムカデ対策をしたい」という方には、鉢植えのローズマリーがおすすめです。ベランダや玄関先など、好きな場所に移動できる手軽さが魅力です。
置き場所のコツ(室内、ベランダ)
鉢植えのローズマリーは、ムカデの侵入経路になりやすい玄関ドアの脇や、ベランダの窓際に置くと良いでしょう。 室内で楽しむ場合は、日当たりの良い窓辺が最適です。 ただし、ローズマリーは湿気を嫌うため、お風呂場のようなジメジメした場所に長期間置くのは避け、風通しの良い場所で管理することが大切です。 定期的にベランダに出して日光浴をさせてあげると元気に育ちます。
効果を凝縮!ローズマリーを使った手作り虫除けスプレー
ローズマリーの忌避成分を凝縮させた手作りスプレーは、ピンポイントで対策したい場所や、植物を置けない場所で活躍します。作り方はとても簡単なので、ぜひ試してみてください。
煮出して作る!ローズマリーウォータースプレーの作り方
生のローズマリーが手に入るなら、煮出して作るウォータースプレーがおすすめです。
- 鍋に水500mlと、軽く洗ったローズマリーの枝を数本入れ、火にかけます。
- 沸騰したら弱火にし、15分ほど煮出します。
- 火を止めて、そのまま冷まします。
- 冷めたらローズマリーを取り除き、スプレーボトルに移して完成です。
このスプレーを、網戸や窓のサッシ、玄関のドア周り、排水溝の周りなど、ムカデが侵入しそうな場所に吹きかけておきましょう。 天然成分100%なので、小さなお子様やペットがいるご家庭でも比較的安心して使えます。
エッセンシャルオイル(精油)を使ったスプレーの作り方
より手軽に作りたい場合は、ローズマリーのエッセンシャルオイル(精油)を使う方法もあります。
- スプレーボトルに無水エタノール10mlとローズマリーの精油を10~20滴入れてよく混ぜます。
- 精製水(または水道水)90mlを加えて、さらによく振り混ぜたら完成です。
使用前によく振ってから、気になる場所にスプレーしてください。精油を使うことで、より濃厚な香りのスプレーを作ることができます。
置くだけ簡単!ドライローズマリーや枝の活用法
剪定したローズマリーの枝や、乾燥させた葉も立派な虫除けアイテムになります。剪定した生の枝を数本束ねて、玄関や窓際に吊るしておくだけでも香りが広がり、忌避効果が期待できます。 また、乾燥させたローズマリーの葉をお茶パックや布袋に入れ、サシェ(香り袋)を作るのもおすすめです。 このサシェをタンスやクローゼット、靴箱、押し入れなど、湿気がこもりやすく虫が隠れそうな場所に置いておきましょう。手軽に作れて、見た目もおしゃれな虫除け対策です。
ローズマリーを元気に育てるための栽培のコツ

せっかくローズマリーでムカデ対策をするなら、元気に育ててたくさんの葉や枝を活用したいですよね。ローズマリーは非常に丈夫で育てやすいハーブですが、いくつかのポイントを押さえることで、より健康で香り高い株に育てることができます。
- ローズマリーの基本情報(種類、特徴)
- 日当たりと水やり
- 土選びと肥料
- 剪定のポイントと時期
ローズマリーの基本情報(種類、特徴)
ローズマリーは地中海沿岸が原産のシソ科の常緑低木です。 一年中緑の葉を茂らせ、品種によっては青や紫、ピンク、白のかわいらしい花を咲かせます。 大きく分けると、枝が上に伸びる「立性(りっせい)」、地面を這うように広がる「這性(ほふくせい)」、その中間の「半ほふく性」の3つのタイプがあります。 生垣のようにしたい場合は立性、ハンギングやグラウンドカバーにしたい場合は這性など、植える場所や用途に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。
日当たりと水やり
ローズマリーを元気に育てる最大のコツは、日当たりと風通しの良い場所で管理することです。 原産地の地中海沿岸のように、乾燥した環境を好みます。そのため、水のやりすぎは根腐れの原因になるので注意が必要です。鉢植えの場合は、土の表面が完全に乾いてから2~3日後にたっぷりと水を与えるくらいで十分です。 庭植えの場合は、一度根付いてしまえば、真夏の乾燥が続く時期以外は基本的に水やりの必要はありません。
土選びと肥料
ローズマリーは水はけの良い土を好みます。 市販のハーブ用の土か、草花用培養土に軽石や赤玉土を混ぜて水はけを良くしたものを使うと良いでしょう。 もともと痩せた土地に自生している植物なので、肥料の与えすぎはかえって生育を悪くすることがあります。 植え付けの時に元肥を混ぜ込む程度で、その後の追肥はほとんど必要ありません。もし与える場合は、春と秋に控えめに与える程度にしましょう。
剪定のポイントと時期
ローズマリーは生育旺盛なので、定期的な剪定が必要です。剪定することで風通しが良くなり、病害虫の予防になるだけでなく、新しい枝の成長を促し、より多くの葉を収穫できます。 剪定の最適な時期は、花が咲き終わった後や、湿気が多くなる梅雨入り前です。 混み合っている枝や伸びすぎた枝を付け根から切り落としましょう。切り取った枝は、虫除けスプレーや料理、クラフトなどに有効活用できるので、無駄なく楽しむことができます。
ローズマリーだけじゃない!併用したいムカデ対策

ローズマリーはムカデ対策に有効な方法の一つですが、それだけで家への侵入を100%防ぐのは難しい場合もあります。より万全を期すためには、他の対策と組み合わせることが非常に重要です。ここでは、ローズマリーと併用することで効果を高めることができる対策をご紹介します。
- ローズマリーと相性の良い他のハーブ(ミント、ラベンダーなど)
- 物理的に侵入を防ぐ!家の隙間対策
- ムカデのエサとなる虫(ゴキブリなど)を駆除する
- 市販のムカデ駆除剤・忌避剤の活用
ローズマリーと相性の良い他のハーブ(ミント、ラベンダーなど)
ムカデが嫌う香りはローズマリーだけではありません。ハッカ(ミント)に含まれる「メントール」や、ラベンダーの香りなどもムカデは嫌います。 これらのハーブをローズマリーと一緒に庭やベランダで育てることで、香りの相乗効果が生まれ、より高い忌避効果が期待できます。 特にハッカ油は、スプレーにして使うと強力なムカデよけになるため、ローズマリースプレーと使い分けるのも良いでしょう。
物理的に侵入を防ぐ!家の隙間対策
ムカデは非常に体が平たく、数ミリのわずかな隙間からでも侵入してきます。 香りで寄せ付けない対策と同時に、物理的な侵入経路を断つことが不可欠です。
- 窓や網戸の隙間: 隙間テープを貼って塞ぐ。
- エアコンのドレンホース: ホースの先端に専用のキャップやストッキングを被せる。
- 通気口や換気扇: 目の細かいネットやフィルターを取り付ける。
- 壁のひび割れ: パテなどで埋める。
- 浴室やキッチンの排水口: 使わないときは蓋をしておく。
これらの対策を徹底するだけで、ムカデの侵入リスクを大幅に減らすことができます。
ムカデのエサとなる虫(ゴキブリなど)を駆除する
ムカデが家の中に侵入してくる大きな理由の一つに、エサの存在があります。ムカデはゴキブリやクモ、小さな昆虫などを捕食する肉食性です。 つまり、家の中にゴキブリなどの虫が多いと、それを目当てにムカデが引き寄せられてしまうのです。 ムカデ対策を万全にするためには、エサとなる害虫の駆除も同時に行いましょう。こまめな清掃で食べこぼしなどをなくし、ゴキブリ用の駆除剤を設置するなどして、ムカデにとって魅力のない家にすることが大切です。
市販のムカデ駆除剤・忌避剤の活用
ハーブや侵入経路対策を行っても、まだムカデの出現に悩まされる場合は、市販の駆除剤や忌避剤を頼るのも有効な手段です。家の周りに撒く粉剤タイプ、侵入経路にスプレーするタイプ、室内に置く毒餌タイプなど、様々な製品があります。
- 粉剤タイプ: 家の基礎に沿って帯状に撒くことで、屋外からの侵入を防ぎます。雨に強いタイプもあります。
- スプレータイプ: 窓のサッシや玄関など、ピンポイントで侵入を防ぎたい場所に便利です。
- 毒餌(どくえ)タイプ: ムカデが好むエサに殺虫成分を混ぜたもので、巣に持ち帰らせて駆除する効果が期待できるものもあります。
- 置き型忌避剤: ハーブの香りなどを利用した、殺虫成分不使用のタイプもあり、室内でも安心して使えます。
それぞれの製品の特長と使用上の注意をよく読み、状況に合わせて適切に活用しましょう。
よくある質問

ローズマリーの香りはどのくらい持続しますか?
ローズマリーの香りの持続期間は、使用方法によって異なります。庭や鉢植えに植えている場合は、植物が生きている限り香りは持続しますが、風向きや天候によって香りの強さは変化します。剪定した生の枝を吊るす場合は、数日から1週間程度で徐々に香りが弱くなります。ドライハーブのサシェは、数週間から1ヶ月ほど香りが持続しますが、時々揉んで香りを立たせると効果的です。手作りスプレーは、使用するたびに香りが広がりますが、効果の持続時間は数時間程度なので、こまめにスプレーし直すのがおすすめです。
ローズマリーを置いてもムカデが出てくるのですが、なぜですか?
ローズマリーを設置してもムカデが出現する場合、いくつかの原因が考えられます。まず、ローズマリーの量が少なく、家全体をカバーできるほどの香りが広がっていない可能性があります。また、香りが届かない侵入経路が他にあるのかもしれません。家の周りの隙間を再点検してみましょう。さらに、ムカデのエサとなるゴキブリなどが家の中に多くいると、強い香りを乗り越えてでも侵入してくることがあります。ローズマリーだけに頼るのではなく、侵入経路の封鎖やエサとなる虫の駆除など、他の対策と組み合わせることが重要です。
ペット(犬や猫)や子供がいる家庭でローズマリーを使っても安全ですか?
ローズマリーは、一般的に犬や猫にとって毒性はないとされています。 そのため、庭に植えたり、鉢植えを置いたり、煮出して作ったスプレーを使用したりする分には、大きな問題はないと考えられています。ただし、エッセンシャルオイル(精油)は成分が凝縮されているため、ペットが直接舐めたり、肌に付着したりしないよう注意が必要です。特に猫は精油の成分を分解する能力が低いため、使用は慎重に行うべきです。また、妊娠中の方やてんかんの持病がある方は、ローズマリーの摂取や精油の使用を控えた方が良いとされていますのでご注意ください。
室内でムカデに遭遇してしまった時の対処法は?
室内でムカデに遭遇したら、慌てず冷静に対処しましょう。素手で触るのは絶対に避けてください。最も安全で確実なのは、ムカデ用の殺虫スプレーを使用することです。 スプレーがない場合は、熱湯をかけるのも非常に効果的です。 ムカデは熱に弱いため、50℃以上のお湯で駆除できます。火ばさみや厚手のゴム手袋をした上でトングなどで捕獲し、熱湯をかけると良いでしょう。叩いて駆除する場合は、頭部を狙うのが弱点ですが、反撃されるリスクもあるため注意が必要です。
ムカデに噛まれた時の応急処置はどうすればいいですか?
万が一ムカデに噛まれてしまったら、すぐに処置を行うことが重要です。ムカデの毒は熱に弱い性質があるため、43~46℃程度の少し熱めのお湯で患部を洗い流すのが最も効果的です。 このとき、石鹸を使ってよく洗い流しましょう。毒を口で吸い出すのは絶対にやめてください。洗浄後は、抗ヒスタミン成分を含むステロイド軟膏を塗り、患部を冷やします。 強い痛みや腫れ、めまい、吐き気などの全身症状が出た場合や、過去に噛まれてアレルギー反応が出たことがある場合は、アナフィラキシーショックの危険性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。
まとめ

- ローズマリーの香り成分「カンファー」はムカデが嫌う。
- 庭や鉢植えで育てると天然の虫除けバリアになる。
- ムカデの侵入経路(玄関、窓際)に置くのが効果的。
- 手作りスプレーは網戸やサッシへの使用に便利。
- 剪定した枝や乾燥葉もサシェとして活用できる。
- ローズマリーは日当たりと水はけの良い場所を好む。
- 水のやりすぎは根腐れの原因になるため注意が必要。
- ムカデ以外の害虫(蚊、ゴキブリなど)にも効果が期待できる。
- 他のハーブ(ミント等)との併用で効果が高まる。
- 侵入経路を物理的に塞ぐ対策も非常に重要。
- エサとなるゴキブリなどを駆除することも大切。
- 市販の駆除剤や忌避剤との併用も有効な手段。
- ペットがいる家庭でも比較的安全に使えるが精油には注意。
- ムカデに噛まれたら43℃以上のお湯で洗い流す。
- 症状がひどい場合は速やかに病院を受診すること。