「MOS資格を取りたいけれど、どの参考書を選べばいいか分からない」「独学で合格できるか不安」と感じている初心者の方も多いのではないでしょうか。MOS(Microsoft Office Specialist)は、WordやExcelといったMicrosoft Office製品のスキルを客観的に証明できる国際資格です。
就職や転職、日々の業務効率向上に役立つため、取得を目指す価値は十分にあります。本記事では、MOS初心者が迷わずに参考書を選び、効果的に学習を進めるためのコツを徹底解説します。
MOS資格とは?取得するメリットと試験の基本

MOS(Microsoft Office Specialist)は、Microsoft Office製品の操作スキルを証明する国際資格です。Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookといった主要なアプリケーションごとに試験が用意されており、それぞれのスキルレベルに応じて「スペシャリスト(アソシエイト)」と「エキスパート」の2段階があります。
スペシャリストレベルは基本的な操作スキルを問われるのに対し、エキスパートレベルはより高度な機能を使いこなす応用力が求められます。
MOS資格を取得するメリットは多岐にわたります。まず、パソコンスキルを客観的に証明できる点が挙げられます。 履歴書に記載することで、就職や転職活動において自身のPCスキルを具体的にアピールできるでしょう。 多くの企業でOffice製品が使われているため、即戦力として評価されやすくなります。 また、資格取得の学習を通じて、Office製品の正しい操作方法や効率的な使い方を体系的に身につけられます。
これにより、日々の業務や作業の効率が向上し、資料作成の質も高まることが期待できます。 スキルアップは自信にもつながり、キャリア形成において大きな助けとなるでしょう。
初心者向けMOS参考書選びの重要ポイント

MOS資格の学習を始めるにあたり、自分に合った参考書を選ぶことは、スムーズな学習進め方と合格への近道となります。特に初心者の場合、数多くの参考書の中から最適な一冊を見つけるのは難しいものです。ここでは、初心者の方が参考書を選ぶ際に注目すべき重要なポイントをいくつかご紹介します。
対応バージョンとレベルを確認する
MOS試験は、Microsoft Officeのバージョン(例:2016、2019、365&2019)や、スペシャリスト(アソシエイト)とエキスパートのレベルによって出題範囲が異なります。 したがって、自分が受験する予定のバージョンとレベルに完全に一致した参考書を選ぶことが何よりも大切です。古いバージョンの参考書では、最新の試験内容に対応できない可能性があるため、必ず最新版を選ぶようにしましょう。
特に、Office 365は常に更新されるため、365&2019対応の参考書を選ぶと安心です。
解説の丁寧さと図解の豊富さ
初心者が独学で学習を進める上で、解説の分かりやすさは非常に重要です。操作手順が丁寧に説明されており、豊富な図解やスクリーンショットが掲載されている参考書を選ぶと、視覚的に理解しやすくなります。 文字ばかりで説明が抽象的な参考書では、操作につまずいた際に解決が難しく、学習意欲が低下してしまうかもしれません。
ステップバイステップで具体的な操作方法が示されているかを確認しましょう。
模擬試験プログラムの有無と内容
MOS試験は実技形式で行われるため、本番さながらの環境で練習できる模擬試験プログラムの有無は、参考書選びの大きな決め手となります。 多くの人気参考書には、CD-ROMやダウンロード形式で模擬試験プログラムが付属しています。 模擬試験が複数回分収録されており、自動採点機能や詳細な解説が付いているものを選ぶと、自分の弱点を把握し、効率的に復習を進められます。
試験形式である「マルチプロジェクト」に対応しているかどうかも確認しておくと良いでしょう。
評判とレビューを参考にする
実際にその参考書を使った人の声は、非常に参考になります。Amazonなどのオンラインストアや資格関連のブログで、レビューや評価をチェックしてみましょう。特に「初心者でも分かりやすかった」「模擬試験が本番に近かった」といった肯定的な意見が多い参考書は、安心して選べます。ただし、個人の学習スタイルによって合う合わないがあるため、複数のレビューを参考にし、自分に合いそうなものを見つけるのがコツです。
初心者におすすめのMOS参考書【主要出版社別】

MOSの参考書は数多く出版されていますが、特に初心者の方に人気があり、高い評価を得ているのは、主にFOM出版と日経BP社のものです。ここでは、それぞれの出版社の代表的な参考書シリーズと、その特徴をご紹介します。
FOM出版(富士通エフ・オー・エム)の「よくわかるマスター」シリーズ
FOM出版の「よくわかるマスター」シリーズは、MOS対策の定番中の定番として知られています。 多くのパソコン教室や専門学校でも採用されており、その信頼性は非常に高いです。 このシリーズの最大の強みは、出題範囲を完全に網羅した丁寧な解説と、豊富な実習問題にあります。 初心者でもつまずきにくいよう、操作手順が細かく、図解を多用して説明されているため、視覚的に理解しやすいのが特徴です。
また、本番さながらの模擬試験プログラムが付属していることが多く、試験形式に慣れるための練習を十分に積めます。 模擬試験は複数回分収録されており、自動採点機能や詳細な解説で、自分の弱点を効率的に克服できます。 Word、Excel、PowerPointなど、各アプリケーションのスペシャリストレベルからエキスパートレベルまで、幅広いラインナップが揃っています。
日経BP社の「MOS攻略問題集」シリーズ
日経BP社の「MOS攻略問題集」シリーズも、MOS対策として非常に人気が高いです。 このシリーズは、実践的な問題演習に特化している点が大きな特徴と言えるでしょう。 実際の試験形式であるマルチプロジェクトに対応した問題が豊富に収録されており、繰り返し解くことで操作力を確実に高められます。
解説も丁寧で分かりやすく、動画解答が用意されているものもあり、より深く知識を深められる工夫がされています。 特に、ある程度の基礎知識がある方や、問題演習を通じて実践力をつけたい方におすすめです。 FOM出版の参考書で基礎を固めた後に、日経BP社の問題集で演習量を増やすという使い方も効果的です。
その他の出版社のおすすめ参考書
- 「エクセル兄さんが教える 世界一わかりやすいMOS教室」シリーズ(翔泳社など): 人気Excel YouTuberが執筆しており、イラストが多く初心者にも分かりやすいと評判です。 模擬テストが付属していない場合があるため、別途問題集との併用を検討すると良いでしょう。
- 「ゼロから合格! MOS対策テキスト&問題集」シリーズ: 基礎から丁寧に解説されており、模擬問題の充実度も高く、独学で合格を目指す方から支持されています。
- 「この1冊で合格! 西尾パソコン教室のMOS」シリーズ: 全章に動画解説のQRコードが付いており、スマートフォンなどで見ながら操作することで理解を深められます。 模擬試験プログラムもダウンロード可能です。
MOS初心者のための効果的な勉強方法

適切な参考書を選んだら、次は効果的な勉強方法で学習を進めることが大切です。特にMOSは実技試験なので、ただ知識を詰め込むだけでなく、実際に手を動かす練習が欠かせません。ここでは、初心者の方が独学でMOS合格を目指すための具体的な勉強方法をご紹介します。
学習計画を立てて継続する
MOSの学習を始める前に、まずは具体的な学習計画を立てましょう。いつまでにどの科目を合格したいのか、1日にどれくらいの時間を学習に充てられるのかを明確にすることが重要です。一般的に、MOSスペシャリストレベル1科目あたり30時間から60時間程度の勉強時間が必要と言われています。 受験日から逆算して、無理のない範囲で学習スケジュールを組み、毎日少しずつでも継続することが合格へのコツです。
短期集中で取り組むことで、モチベーションを維持しやすくなります。
参考書と問題集を繰り返し活用する
選んだ参考書をただ一度読むだけでなく、繰り返し活用することが大切です。まずは参考書を読み込み、Officeソフトを実際に操作しながら手順を確認しましょう。 その後、章末問題や付属の問題集を解いて、理解度をチェックします。間違えた問題や理解が曖昧な部分は、再度参考書に戻って確認し、完全に理解できるまで繰り返しましょう。
特に、MOS試験では普段使わないような機能や独特の言い回しが出題されることもあるため、問題集で慣れておくことが重要です。
模擬試験で本番に慣れる
模擬試験は、MOS学習において最も重要な要素の一つです。 付属の模擬試験プログラムを積極的に活用し、本番と同じ時間制限の中で問題を解く練習を重ねましょう。 模擬試験を繰り返すことで、試験の形式や時間配分に慣れるだけでなく、自分の弱点や苦手な操作を明確にできます。 模擬試験で間違えた問題は、必ず解説を読み込み、再度操作を練習して克服しましょう。
合格基準は1000点満点中700点前後が目安とされていますが、できるだけ高得点を目指すことが大切です。
つまづいた時の対処法
独学で学習を進めていると、どうしても理解できない部分や操作につまずくことがあるかもしれません。そんな時は、一人で抱え込まずに、以下のような方法を試してみましょう。
- インターネットで検索する: 分からない操作や用語は、Googleなどで検索すると、多くの情報や解説動画が見つかります。
- 参考書の動画解説を利用する: 最近の参考書には、動画解説のQRコードやダウンロードサービスが付いているものも多いです。 実際に操作している様子を見ることで、理解が深まることがあります。
- パソコン教室やオンライン講座を検討する: どうしても独学が難しいと感じたら、パソコン教室やオンライン講座の利用も有効な選択肢です。 専門の講師から直接指導を受けることで、効率的に学習を進められます。
MOS試験の申し込みから受験までの流れ

MOS資格の学習を進める中で、試験の申し込みから受験までの流れを把握しておくことは、計画的な学習に役立ちます。ここでは、一般的なMOS試験の進め方について解説します。
試験科目の選択と受験バージョンの決定
まず、どのOfficeアプリケーション(Word、Excel、PowerPointなど)の資格を取得したいか、そしてどのバージョン(2016、2019、365&2019など)で受験するかを決定します。 自分の現在のスキルレベルや、将来的に活かしたい業務内容に合わせて選びましょう。一般的には、WordとExcelのスペシャリストレベルから始める方が多いです。
試験方式と会場の選択
MOS試験には、「全国一斉試験」と「随時試験」の2つの方式があります。 全国一斉試験は決められた日程で実施されますが、随時試験は全国の試験会場でほぼ毎日実施されており、自分の都合の良い日時を選んで受験できます。 随時試験の方が柔軟性が高く、多くの受験者が利用しています。 試験会場は、オデッセイコミュニケーションズの公式サイトで検索できます。
受験の申し込みと支払い
受験する科目、バージョン、試験方式、会場、日時が決まったら、オデッセイコミュニケーションズの公式サイトから申し込みを行います。受験料は科目やレベルによって異なり、一般レベルで10,780円(税込)、上級レベルで12,980円(税込)が目安です(2025年5月1日以降の価格改定により変動する可能性あり)。
学生割引が適用される場合もあるので、対象者は確認してみましょう。 支払いはクレジットカードやコンビニ払いなどが利用できます。
試験当日の準備と受験
試験当日は、指定された持ち物(身分証明書など)を忘れずに持参し、時間に余裕を持って会場に到着しましょう。試験はパソコンを使った実技形式で、画面の指示に従って操作を行います。 合否は試験終了後すぐに画面に表示されるため、その場で結果が分かります。 合格した場合は、後日デジタル認定証が発行されます。
よくある質問

MOSは独学で合格できますか?
はい、MOSは独学で合格を目指せる資格です。 多くの合格者が独学で学習を進めています。市販の参考書や問題集を効果的に活用し、模擬試験を繰り返し行うことで、十分に合格レベルに到達できます。 ただし、パソコンの基本操作に慣れていない方や、学習のモチベーション維持が難しいと感じる方は、パソコン教室や通信講座の利用も検討すると良いでしょう。
MOSの勉強時間はどれくらい必要ですか?
MOSの勉強時間は、個人のパソコンスキルや学習経験によって大きく異なります。一般的には、スペシャリストレベル1科目あたり30時間から60時間程度が目安とされています。 パソコン操作に慣れている方であれば数週間から1ヶ月程度、初心者の方であれば1日1時間程度の学習で2~3ヶ月程度を見込むと良いでしょう。
エキスパートレベルはさらに高度な内容が問われるため、40時間から80時間程度の学習時間が必要となることがあります。
MOSのバージョンはどれを選べばいいですか?
MOSのバージョンは、ご自身が普段使用しているOffice製品のバージョン、または今後使用する予定のバージョンに合わせて選ぶのがおすすめです。現在主流となっているのは「Microsoft 365 & Office 2019」対応の試験です。 最新のバージョンで取得しておけば、長く活用できるでしょう。古いバージョンのOfficeしか持っていない場合は、そのバージョンに対応した参考書を選び、試験に臨むことになります。
MOSは意味ないって本当ですか?
「MOSは意味ない」という意見を聞くこともあるかもしれませんが、これは誤解です。 MOSは、Microsoft Office製品のスキルを客観的に証明できる国際資格であり、就職・転職活動でのアピールポイントや、業務効率の向上に役立つ実用的な資格です。 確かに、IT系の高度な職種ではMOSだけでは不十分とされることもありますが、事務職や営業職など、多くの職種でパソコンスキルは必須であり、MOSは基礎的なPCスキルを証明する上で非常に有効です。
資格取得を目的とするだけでなく、実務で活かせるスキルを身につける意識を持つことが大切です。
MOSの試験対策講座は必要ですか?
MOSの試験対策講座が必要かどうかは、個人の学習スタイルやパソコンスキルによって異なります。独学で十分な学習時間を確保でき、分からない点を自分で解決できる方であれば、必ずしも講座は必要ありません。 しかし、パソコン操作に自信がない方、効率的に学習を進めたい方、学習のモチベーション維持に不安がある方にとっては、パソコン教室や通信講座の利用が有効な選択肢となります。
講座では、専門の講師から直接指導を受けられたり、質問できる環境があったりするため、安心して学習を進められます。
まとめ
- MOSはWordやExcelなどのOfficeスキルを証明する国際資格です。
- 就職・転職に有利で、業務効率向上にもつながります。
- 初心者向けの参考書選びでは、バージョンとレベルの確認が重要です。
- 解説の丁寧さや図解の豊富さ、模擬試験の有無も確認しましょう。
- FOM出版の「よくわかるマスター」シリーズは定番で初心者におすすめです。
- 日経BP社の「MOS攻略問題集」は問題演習に特化しています。
- 学習計画を立て、毎日継続することが合格のコツです。
- 参考書と問題集を繰り返し解き、実際に手を動かす練習が大切です。
- 模擬試験を積極的に活用し、本番に慣れて弱点を克服しましょう。
- MOSは独学で合格可能ですが、不安なら講座の利用も検討できます。
- 1科目あたりの勉強時間は30~60時間が目安です。
- 受験するOfficeのバージョンに合わせた参考書を選びましょう。
- 「MOSは意味ない」は誤解で、実用性の高い資格です。
- 試験は随時実施されており、自分の都合に合わせて受験できます。
- 合格基準は1000点満点中700点前後が目安です。
