結婚式や格式高い式典など、特別な日に着用するモーニング。その装いを完璧にする上で、ネクタイの結び方は非常に大切な要素です。しかし、「普段ネクタイを結ぶ機会が少ない」「フォーマルな結び方がわからない」と不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。せっかくの晴れ舞台で、自信を持って臨みたいですよね。
本記事では、モーニングネクタイの基本的な知識から、誰でも簡単に実践できる結び方のコツ、そして品格ある装いを完成させるためのポイントまで、詳しく解説します。この記事を読めば、あなたも自信を持ってモーニングネクタイを結び、大切な一日を最高の装いで迎えられるでしょう。
モーニングネクタイの基本を知る

モーニングネクタイは、単なる装飾品ではありません。着用するシーンやマナーを理解することで、より一層その価値が高まります。ここでは、モーニングネクタイの基本的な特徴と、なぜ結び方が重要なのか、そして色や柄の決まりについて見ていきましょう。
モーニングネクタイとは?その特徴と着用シーン
モーニングネクタイは、昼間の正礼装であるモーニングコートに合わせるネクタイを指します。一般的には、白と黒のレジメンタルストライプ(斜め縞)が最も伝統的で格式高いとされています。また、シルバーグレーの無地や、同系色の織り柄が入ったものも着用可能です。
着用シーンとしては、主に結婚式での新郎新婦の父親や媒酌人、公式な式典や叙勲式などが挙げられます。 これらの場では、品格と敬意を示す装いが求められるため、ネクタイ選びとその結び方が非常に重要となるのです。昼間の着用が一般的で、日没まではモーニングコートを着用します。
なぜモーニングネクタイの結び方が重要なのか
モーニングネクタイの結び方は、全体の印象を大きく左右します。結び目がきれいに整っているか、ディンプル(くぼみ)が適切に作られているかによって、洗練された印象を与えるか、だらしない印象を与えるかが決まります。特に、結婚式のようなフォーマルな場では、細部にまで気を配ることが、着用者の品格を示すことにつながります。
また、モーニングコートはベストを着用するため、Vゾーンが小さくなります。この限られた空間で、ネクタイの結び目が大きすぎたり、小さすぎたりすると、全体のバランスが崩れてしまいます。適切な結び方を選ぶことで、シャツの襟元とネクタイの結び目の調和がとれ、より美しい着こなしが実現します。
モーニングネクタイの色や柄に決まりはある?
モーニングネクタイの色や柄には、いくつかの決まりがあります。最も伝統的で正式なのは、白と黒のレジメンタルストライプです。これは英国式の礼装文化にルーツを持ち、日本のフォーマルシーンにも深く根付いています。
その他には、シルバーグレーの無地や、同系色の織り柄もふさわしいとされています。 鮮やかな色や派手な柄のネクタイ、蝶ネクタイはモーニングコートには適していません。 結婚式で新郎新婦の父親が着用する場合、両家でネクタイの色柄を揃えることもありますが、あえて異なるものを選ぶ場合もあります。 ゲストとの被りを避けたい場合は、白黒の縞模様を選ぶと安心です。
モーニングネクタイの結び方ステップバイステップ

モーニングネクタイの結び方にはいくつかの種類がありますが、ここではフォーマルシーンにふさわしい代表的な結び方をご紹介します。初めての方でも安心して練習できるよう、一つひとつの進め方を丁寧に解説します。
最も一般的な結び方「プレーンノット」の進め方
プレーンノットは、最も基本的で簡単な結び方であり、ビジネスシーンからフォーマルシーンまで幅広く活用できます。結び目が比較的小さく、すっきりとした印象を与えるため、モーニングネクタイにも適しています。
- ネクタイを首にかけ、大剣(太い方)が左、小剣(細い方)が右に来るようにします。大剣を長めにとるのがコツです。
- 大剣を小剣の上に交差させます。この時、ネクタイの縫い目が首の右前に来るようにすると、きれいに見えます。
- 大剣を小剣の後ろに回し、左側へ持っていきます。
- 大剣を前に巻きつけ、首元の輪の部分に下から通します。
- 手前のループに大剣を通し、下に引っ張ります。
- 結び目を整えながら、小剣を引き、結び目を持ち上げて形を完成させます。
結び目を締めるときは、右手の人差し指を大剣のループに差し込み、まっすぐになるように引っ張ると、きれいな三角形ができます。
よりフォーマルな「ウィンザーノット」の進め方
ウィンザーノットは、結び目が大きく左右対称になるのが特徴で、より格式高い印象を与えます。ワイドカラーやホリゾンタルカラーなど、襟の開きが大きいシャツと相性が良い結び方です。 習得には少し練習が必要ですが、そのエレガントな印象はフォーマルな場にぴったりです。
- ネクタイを首にかけ、大剣(太い方)が左、小剣(細い方)が右に来るようにします。大剣を長めにとります。
- 大剣を小剣の上に交差させます。
- 首元の輪に大剣を下から通し、上に引き上げます。
- 大剣を下に引き、右身頃の方に持っていきます。
- 大剣を小剣の下を通して左身頃の方へ持っていきます。
- 大剣を真ん中に持ってきて、巻き付けて結び目を作ります。
- 大剣を首元のループに下から通します。
- 大剣の先端を持ち、結び目に通して下に引っ張ります。
- 結び目を締め、形を整えます。
ウィンザーノットは結び目にボリュームが出るため、幅の広いネクタイや生地に厚みのあるネクタイは避けると良いでしょう。
結び目の印象を左右するディンプルの作り方
ディンプルとは、ネクタイの結び目の下部にできるくぼみのことです。これを作ることで、ネクタイに立体感が生まれ、より洗練されたおしゃれな印象を与えます。ディンプルは必ずしも必須ではありませんが、作るとより品格ある装いになります。
ディンプルを作るコツは、結び目を締める際に、人差し指でノットの下からネクタイの中心を軽く押さえ、くぼみを作ることです。 そのまま大剣と小剣を交互に引っ張り、ノットが逆三角形になるように親指と中指で根元を強めに押さえます。 高い位置からくぼみを入れると、崩れにくくなります。
ディンプルは、ネクタイの素材や厚みによって作りやすさが異なります。シルクのような柔らかい素材は作りやすく、ポリエステルなどの硬い素材は作りにくい傾向があります。何度か練習して、ご自身のネクタイで最もきれいに見えるディンプルの形を見つけてみてください。
結び方のよくある間違いと解決策

ネクタイを結ぶ際に、誰もが一度は経験するであろう悩みや間違いがあります。ここでは、モーニングネクタイを美しく着用するために、よくある問題とその解決策をご紹介します。
結び目が緩んでしまう時の対処法
結び目が緩んでしまうと、だらしない印象を与えかねません。特にモーニングネクタイは、一日中着用することも多いため、しっかりと結びたいものです。結び目が緩む主な原因は、結び方が不十分であるか、ネクタイの素材が滑りやすいことにあります。
対処法としては、まず結び目を締める際に、大剣と小剣を均等に、そしてしっかりと引っ張ることが大切です。特に、結び目の根元を親指と中指でしっかりと固定しながら、大剣をゆっくりと引き上げると、緩みにくくなります。また、ネクタイの素材によっては、滑り止め効果のあるネクタイピン(ジャケットを着用しない場合に限る)や、シャツの襟元にネクタイを固定するループを活用するのも良いでしょう。
ウィングカラーシャツの首元にあるループにネクタイを通すことで、収まりが良くなります。
長さのバランスが悪い時の調整方法
ネクタイの長さは、全体のバランスを決定する重要な要素です。一般的に、ネクタイの剣先はベルトのバックルに触れるか、少し上に来るくらいが適切とされています。 長すぎるとだらしなく見え、短すぎると子供っぽい印象を与えてしまいます。
長さのバランスが悪い場合は、結び始める前の大剣と小剣の長さを調整することから始めます。小剣を短めに設定すると、大剣が長くなり、その逆もまた然りです。何度か試着しながら、ご自身の体型やシャツの襟の開きに合わせて、最適な長さを見つける練習を重ねましょう。結び目を締めた後でも、小剣を引いたり、結び目を持ち上げたりすることで微調整が可能です。
鏡で全身を確認し、美しいバランスになるように調整してください。
モーニングネクタイ着用時のその他の大切なポイント
モーニングネクタイを着用する際には、結び方だけでなく、他のアイテムとの組み合わせや、レンタルに関する情報も知っておくと安心です。ここでは、品格ある装いを完成させるための追加のポイントをご紹介します。
シャツやベストとの相性
モーニングコートには、ウィングカラーシャツを合わせるのが最も正式なスタイルです。 シャツの色は白無地が基本で、織り柄や地模様は避けるべきです。 胸にフリルやひだがあるタイプはタキシード専用なので、モーニングコートには適していません。
ベストは、モーニングコートと共布の黒か、シルバーグレーを着用するのが一般的です。 慶事ではシルバーグレーを合わせることで、モーニングコートの色とコントラストが生まれ、ドレッシーな印象をプラスできます。 ベストのボタンは一番下まで全て留めるのがマナーです。 シャツの袖口は、ジャケットから1cm前後見えるように調整すると美しいです。
モーニングネクタイはレンタルできる?
モーニングコートを着用する機会は限られているため、ネクタイを含めた一式をレンタルする方も多いでしょう。多くのレンタルサービスでは、モーニングコート一式に加えて、ネクタイ、サスペンダー、アームバンド、ポケットチーフ、手袋、カフス、タイピンなどがセットになっています。
レンタルを利用する際は、ネクタイの色柄が選べるか、サイズ調整が可能かなどを事前に確認することが大切です。 また、式場やレンタルショップによっては、小物のセットを購入できる場合もありますが、比較的高価な場合もあるため、ネットショップでの購入も検討してみると良いでしょう。 レンタル期間や返却方法についても、事前に確認しておくとスムーズです。
よくある質問

モーニングネクタイはどんな場面で着用しますか?
モーニングネクタイは、昼間の正礼装であるモーニングコートに合わせるもので、主に結婚式での新郎新婦の父親や媒酌人、公式な式典、叙勲式などで着用します。 日没までの昼間の着用が一般的です。
ディンプルは必ず作るべきですか?
ディンプルは必須ではありませんが、作るとネクタイに立体感が生まれ、より洗練されたおしゃれな印象を与えます。 品格ある装いを求めるなら、ぜひ挑戦してみてください。
ネクタイの長さはどのくらいが適切ですか?
ネクタイの剣先は、ベルトのバックルに触れるか、少し上に来るくらいが適切とされています。 長すぎず、短すぎず、バランスの取れた長さを心がけましょう。
モーニングネクタイを自分で結ぶのは難しいですか?
普段ネクタイを結ぶ機会が少ない方にとっては、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、プレーンノットのような基本的な結び方は、何度か練習すれば誰でも習得できます。 動画などを参考にしながら、繰り返し練習することが上達への近道です。
まとめ
- モーニングネクタイは昼間の正礼装であるモーニングコートに合わせる。
- 結婚式での新郎新婦の父親や公式な式典で着用する。
- 最も伝統的な色は白と黒のレジメンタルストライプ。
- シルバーグレーの無地や織り柄も着用可能。
- 鮮やかな色や派手な柄、蝶ネクタイは避ける。
- 結び方はプレーンノットが最も一般的で簡単。
- ウィンザーノットはよりフォーマルで左右対称な結び目。
- ディンプルはネクタイに立体感を与え、洗練された印象を高める。
- 結び目が緩む場合は、しっかりと締め、必要に応じてネクタイピンを活用する。
- ネクタイの長さはベルトのバックルに触れる程度が適切。
- モーニングコートにはウィングカラーシャツを合わせる。
- シャツの色は白無地が基本。
- ベストは黒かシルバーグレーを着用する。
- モーニングネクタイはレンタルも可能。
- レンタル時は色柄やサイズ、期間を確認する。
- 練習を重ねれば誰でもきれいに結べるようになる。
