名古屋大学教育学部附属高等学校、通称「名大附属高校」は、愛知県内でトップクラスの学力を誇る国立高校です。その偏差値や入学の難易度について気になっている方も多いのではないでしょうか。しかし、名大附属高校の魅力は単に学力だけではありません。
本記事では、名大附属高校の最新偏差値はもちろんのこと、「自由と自主」を重んじる独自の校風や、名古屋大学との連携による先進的な教育内容、そして気になる進学実績や受験対策まで、多角的に掘り下げて解説します。この記事を読めば、名大附属高校の全体像を深く理解し、あなたの志望校選びに役立つ情報がきっと見つかるでしょう。
名大附属高校の基本情報と最新偏差値

名古屋大学教育学部附属高等学校は、愛知県名古屋市に位置する国立の併設型中高一貫校です。その高い教育水準と独特の校風から、多くの受験生が憧れる学校として知られています。ここでは、学校の概要と最新の偏差値について詳しく見ていきましょう。
正式名称と学校概要
名大附属高校の正式名称は「名古屋大学教育学部附属高等学校」です。名古屋大学東山キャンパス内に位置しており、国立大学法人東海国立大学機構によって運営されています。この学校は、国立学校としては唯一の併設型中高一貫校という特徴を持っています。 中学校から入学した生徒はそのまま高校に進学できますが、高校からも外部生を募集しており、内部生と外部生が混合クラスで共に学ぶ環境が提供されています。
教育目標としては、「自由と自主を尊重し、個性と能力の伸長を目指す」ことを掲げています。 名古屋大学の附属校である強みを活かし、中等教育と高等教育の接続に力を入れている点も大きな特色です。
名大附属高校の最新偏差値と愛知県内での位置づけ
名大附属高校の偏差値は、年度や情報源によって多少の変動はありますが、概ね61から62程度とされています。 これは愛知県内の高校の中でも非常に高い水準であり、例えばあるランキングでは県内415件中48位、または392件中52位に位置するなど、トップクラスの難易度を誇ります。 この偏差値は、同校が求める学力レベルの高さを明確に示していると言えるでしょう。
愛知県内で名大附属高校を志望する受験生は、この高い偏差値を目標に、日々の学習に真剣に取り組む必要があります。特に、募集人数が少ないため、合格を勝ち取るためには徹底した受験対策と情報収集が不可欠です。
併設型中高一貫校としての特徴
名大附属高校は、国立大学法人で唯一の併設型中高一貫校です。 この形態により、中学校から高校へのスムーズな接続が可能となり、6年間を見通した一貫性のある教育プログラムが提供されています。 高校からの外部募集は少人数ですが、内部進学者と外部入学者が分け隔てなく同じクラスで学ぶため、多様な背景を持つ生徒たちが交流し、互いに刺激し合いながら成長できる環境があります。
小規模校であるため、生徒一人ひとりに対するきめ細やかな指導が期待できる点も大きなメリットです。 中高一貫教育の利点を最大限に活かし、生徒の個性や能力を伸ばすための様々なプログラムが組まれています。
名大附属高校の教育方針と自由な校風

名大附属高校は、その高い学力だけでなく、独自の教育方針と「自由」を重んじる校風で知られています。生徒一人ひとりの個性を尊重し、自律的な学びを促す環境は、他の高校とは一線を画す魅力と言えるでしょう。ここでは、その教育の特色について詳しく解説します。
自主性を重んじる教育理念
名大附属高校の教育理念の根幹にあるのは、生徒の自主性を最大限に尊重するという考え方です。 学校は生徒に過度な制約を課すのではなく、自ら考え、行動する力を育むことを重視しています。このため、校則は非常に緩やかであり、生徒たちは「自由闊達」な雰囲気の中で学校生活を送っています。 髪型や服装、アクセサリーなども個人の判断に委ねられており、高校生らしい範囲であれば基本的に自由が認められているのが特徴です。
このような環境は、生徒が自身の興味・関心に基づいて主体的に学びを深め、自己のキャリアを形成していく上で大きな助けとなります。 教員は生徒の挑戦を温かく見守り、支援する役割を担っています。
独自のカリキュラム「総合人間科」と「こころと身体の教育」
名大附属高校では、独自の教育プログラムとして「総合人間科」と「こころと身体の教育」(ソーシャルスキルプログラム)を教育の二本柱としています。 「総合人間科」は、ものごとの本質を理解し、科学的に思考・吟味する力を養うことを目的とした総合学習です。生徒たちは、自ら課題を発見し、解決に向けて深く考察する探究学習を実践します。
一方、「こころと身体の教育」は、多様な価値観を持つ他者と協同できる力や、変化に即応しながら生涯にわたって探究し続ける力を育むことを目指しています。 これらのカリキュラムを通じて、生徒たちは確かな基礎学力だけでなく、人間性豊かな自立した人間としての成長を遂げることが期待されています。
SSH・WWL指定校としての先進的な学び
名大附属高校は、文部科学省からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)およびWWL(ワールドワイドラーニング)の指定を受けている学校です。 SSH指定校としては、科学技術人材育成重点枠に研究開発指定されており、科学的な探究心を育むための高度な教育プログラムが提供されています。 また、WWL指定校として、国際的な視野を広げ、グローバル社会で活躍できる人材を育成するためのプログラムも豊富に用意されています。
これらの指定により、生徒たちは名古屋大学との連携による大学の講義受講や、グループでの研究活動など、通常の高校では体験できないような先進的で深い学びの機会を得ることができます。 まさに「未来のリーダー」を育成するための教育が実践されていると言えるでしょう。
宿題や校則、生徒の雰囲気
名大附属高校は、その「自由」な校風が特徴です。宿題は比較的少ないという声が多く、生徒が自分のペースで学習を進めることが奨励されています。 その分、自主的な学習習慣が強く求められる環境です。校則はほとんどないに等しいと言われるほど緩やかで、服装は基本的に自由であり、制服もありますが私服で登校する生徒も多く見られます。
生徒たちは個性的で、自分の好きなことに対して熱意を持って取り組む姿勢が見られます。 髪型やアクセサリー、メイクなども個人の判断に委ねられており、それぞれの個性を尊重する雰囲気が特徴です。 ただし、アルバイトは禁止されているため、学業に専念できる環境が整っています。 このような環境の中で、生徒たちは自らの興味・関心をとことん追求し、充実した高校生活を送っています。
名大附属高校の入学難易度と受験対策

名大附属高校は、愛知県内でもトップクラスの偏差値を誇り、その入学は非常に狭き門として知られています。ここでは、入学の難易度や、合格を勝ち取るための効果的な受験対策について詳しく解説します。
外部募集の少なさからくる高い競争率
名大附属高校は併設型中高一貫校であり、中学校からの内部進学者が大半を占めます。高校からの外部募集は少人数に限られているため、非常に高い競争率となります。 この募集人数の少なさが、偏差値の高さと相まって、入学の難易度を一層高めている要因です。愛知県内の高校ランキングでも上位に位置することからも、その競争の激しさがうかがえます。
限られた枠を勝ち取るためには、学力だけでなく、学校が求める生徒像を理解し、それに合わせた対策を講じることが重要です。
入試科目と選抜方法
名大附属高校の高校入試では、学力検査、作文、面接が実施されます。 学力検査は国語、数学、英語の3教科が中心となりますが、社会、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭の6教科については、学力検査の3教科とともに調査書によって審査が行われます。 つまり、日頃の学校での学習態度や成績も合否に大きく影響するということです。
特に、作文では思考力や創造性が、面接では表現力や主体性が見られます。 これらの選抜方法から、名大附属高校が単なる知識の量だけでなく、多角的な能力と人間性を重視していることが分かります。
合格のための効果的な受験対策
名大附属高校の合格を目指すには、計画的かつ多角的な受験対策が不可欠です。まず、学力検査対策としては、国語、数学、英語の主要3教科において、基礎学力の徹底と応用問題への対応力を養うことが重要です。過去問を繰り返し解き、出題傾向を把握しましょう。
また、作文対策では、論理的な思考力と表現力を磨く練習が必要です。日頃から様々なテーマについて自分の意見をまとめ、文章にする習慣をつけましょう。面接対策としては、学校の教育理念や特色を深く理解し、自身の個性や入学への熱意を具体的に伝えられるように準備することが大切です。 併せて、中学校での内申点も重視されるため、日々の授業にも真剣に取り組み、良い成績を維持するよう努めましょう。
併願校として検討される高校
名大附属高校を志望する受験生は、その高い難易度から、複数の高校を併願することが一般的です。併願校としてよく挙げられるのは、江南高校、春日井高校、一宮興道高校など、愛知県内の公立上位校です。 また、私立高校では、名古屋南高校、名古屋経済大学高蔵高校、椙山女学園高校、中京大学附属中京高校などが検討されることがあります。
これらの高校は、名大附属高校とは異なる特色や教育方針を持っているため、自身の学力レベルや将来の目標、学校生活で何を重視するかを考慮して、慎重に選択することが大切です。複数の選択肢を持つことで、受験のプレッシャーを軽減し、より良い進路選択につながるでしょう。
名大附属高校の進学実績と卒業後の進路

名大附属高校は、名古屋大学の附属校でありながら、独自の教育方針に基づき、生徒の多様な進路を支援しています。ここでは、気になる進学実績と、卒業後の生徒たちがどのような道に進んでいるのかを見ていきましょう。
名古屋大学へのエスカレーター進学の有無
名古屋大学教育学部附属高等学校という名称から、名古屋大学へのエスカレーター式での進学を期待する声も聞かれます。しかし、実際には名古屋大学へのエスカレーター進学制度は存在しません。 生徒たちは、他の高校生と同様に、自らの学力と努力によって大学受験に挑むことになります。
この事実は、名大附属高校が単に大学への進学予備校ではなく、生徒一人ひとりの自主性を尊重し、自らの力で未来を切り拓く力を育むことを重視している教育方針の表れと言えるでしょう。
国公立大学を中心とした高い進学実績
名大附属高校は、難関大学への現役合格を目標に掲げたり、受験対策講座を積極的に行ったりする学校ではありません。 しかし、その進学実績は非常に優秀です。多くの生徒が、名古屋大学や名古屋市立大学をはじめとする国公立大学に進学しています。 これは、学校が提供する質の高い教育と、生徒たちの自主的な学習意欲の高さが結びついた結果と言えるでしょう。
2019年から2021年の主な大学合格実績を見ると、難関大学への合格者も多数おり、生徒たちが幅広い分野で活躍できる基礎を築いていることが分かります。 自由な校風の中で培われた探究心や思考力が、大学進学後も生徒たちの学びを支える力となっています。
多様な進路選択を支援する環境
名大附属高校は、特定の大学への進学を強く推奨するのではなく、生徒一人ひとりの興味や関心、将来の目標に応じた多様な進路選択を支援する環境が整っています。名古屋大学との連携プログラムを通じて、大学の講義を体験したり、研究活動に参加したりする機会が豊富にあります。
これにより、生徒たちは早い段階から自身の興味のある分野を深く探求し、将来の進路を具体的に考えることができます。 また、SSHやWWLといった先進的な教育プログラムも、生徒たちが自身の可能性を広げ、多様な分野で活躍するための土台を築く上で大きな役割を果たしています。 卒業生は、学問の世界だけでなく、社会の様々な分野で活躍しています。
充実した学校生活と施設・設備

名大附属高校は、学業だけでなく、生徒たちが充実した高校生活を送れるよう、様々な活動や恵まれた学習環境を提供しています。ここでは、活発な部活動や年間行事、そして最新の施設・設備についてご紹介します。
活発な部活動と生徒会活動
名大附属高校では、運動部から文化部まで、約25種類もの部活動やサークルが活発に活動しています。 中学生徒協議会と高校生徒協議会は独立して活動しており、生徒たちが主体的に学校運営に関わる機会も豊富です。 部活動は、生徒たちが学業以外の分野で自身の才能を伸ばし、仲間との絆を深める大切な場となっています。
特に、テニス部、バドミントン部、バスケットボール部、卓球部など、様々なスポーツに打ち込む生徒たちがいます。 また、家庭科サークル(カテサ)のように、先輩・後輩関係なく和気あいあいと活動するサークルもあり、生徒一人ひとりが自分に合った活動を見つけられる多様な選択肢が用意されています。
魅力的な年間行事「光粒祭」など
名大附属高校の年間行事は、生徒たちの学校生活を彩る魅力的なイベントが盛りだくさんです。中でも、文化祭である「光粒祭(こうりゅうさい)」は、生徒たちが企画・運営の中心となり、ダンスや歌、演劇などを披露する場として大いに盛り上がります。 有志によるステージ発表は、まるでフェスのような熱気で包まれると評判です。
その他にも、合唱・演劇コンクール、球技大会、水泳大会などの校内行事や、学年単位の遠足、林間学校、沖縄研究旅行といった校外行事も実施されています。 これらの行事は、生徒たちが仲間との協力や交流を通じて、かけがえのない思い出を作り、人間的に成長する貴重な機会となっています。
名古屋大学キャンパス内の恵まれた学習環境
名大附属高校は、名古屋大学東山キャンパス内に位置しており、学問を探究するにはこの上ない恵まれた環境にあります。 校舎は2014年にリフォームされており、非常にきれいで快適な学習空間が提供されています。 図書館は広くて過ごしやすいと評判で、生徒たちは豊富な蔵書に囲まれて自由に学習を進めることができます。
また、中学棟と高校棟に分かれた校舎の他に、視聴覚教室、生物・物理・化学などの実験室、書道・音楽・美術などの特別教室、体育館、プール、グランド、テニスコート、弓道場といった充実した施設・設備が整っています。 大学のキャンパス内という立地を活かし、大学の施設を利用した学習機会も得られるため、生徒たちは常に最先端の学びに触れることができます。
名大附属高校に関するよくある質問

- 名大附属高校の学費はどのくらいですか?
- 名大附属高校の制服はありますか?
- 名大附属高校の男女比はどのくらいですか?
- 名大附属高校から名古屋大学へは推薦で進学できますか?
- 名大附属高校のオープンキャンパスはいつ開催されますか?
- 名大附属高校の入試倍率はどのくらいですか?
- 名大附属高校に合格するために必要な内申点の目安は?
名大附属高校の学費はどのくらいですか?
名大附属高校は国立高校であるため、私立高校と比較して学費は抑えられています。具体的な授業料や諸費用については、学校の公式ウェブサイトや募集要項で確認することをおすすめします。一般的に、国立高校の授業料は公立高校と同程度か、それに準ずる水準です。
名大附属高校の制服はありますか?
名大附属高校には制服がありますが、校則が非常に緩やかなため、私服での登校も認められています。 生徒たちは、自身の個性を尊重し、高校生らしい服装であれば自由に選択できる環境です。 制服を着用したい生徒もいれば、私服で過ごす生徒もいるため、「なんちゃって制服」を着用しても浮くことはないという声もあります。
名大附属高校の男女比はどのくらいですか?
名大附属高校は男女共学の学校です。 中学校の入学者の選抜では、男女各40名が決定されるとされています。 高校からの募集においても、男女比のバランスが考慮されることが一般的ですが、具体的な男女比のデータは年度によって変動する可能性があります。学校の雰囲気を知るためには、オープンキャンパスなどで直接確認するのが良いでしょう。
名大附属高校から名古屋大学へは推薦で進学できますか?
名大附属高校から名古屋大学へのエスカレーター式での推薦進学制度は設けられていません。 名古屋大学の附属校ではありますが、生徒たちは一般の大学受験と同様に、自らの学力で名古屋大学をはじめとする各大学の入試に挑戦します。ただし、名古屋大学との連携プログラムを通じて、大学の学びを体験する機会は豊富にあります。
名大附属高校のオープンキャンパスはいつ開催されますか?
名大附属高校のオープンキャンパスや学校説明会は、例年夏から秋にかけて開催されることが多いです。2025年度の高等学校説明会・オープンキャンパスは、9月と11月に中学3年生を対象に開催される予定です。 最新の情報や詳細な日程については、学校の公式ウェブサイトの「入学案内」ページを定期的に確認することをおすすめします。
名大附属高校の入試倍率はどのくらいですか?
名大附属高校の入試倍率は、年度や募集区分(一般募集、帰国生徒募集、特別推薦枠募集など)によって変動します。高校からの外部募集人数が少ないため、倍率は比較的高くなる傾向にあります。具体的な倍率については、過去の入試結果が学校の公式ウェブサイトや教育情報サイトで公開されている場合がありますので、そちらで確認してください。
名大附属高校に合格するために必要な内申点の目安は?
名大附属高校の入試では、学力検査だけでなく、調査書(内申点)も選抜の重要な要素となります。 合格に必要な内申点の目安は、情報源によって多少異なりますが、内申点37程度、偏差値59~62という情報もあります。 内申点は、中学校での9教科の成績で決まるため、日頃から全ての教科に真剣に取り組み、良い成績を維持することが合格への大切な一歩となります。
まとめ

- 名大附属高校の偏差値は61~62で愛知県トップクラスの難易度です。
- 正式名称は名古屋大学教育学部附属高等学校です。
- 国立大学法人唯一の併設型中高一貫校です。
- 高校からの外部募集は少人数で競争率が高いです。
- 「自由と自主」を重んじる校風が特徴です。
- 校則は緩やかで、服装なども個人の判断に委ねられています。
- 独自のカリキュラム「総合人間科」と「こころと身体の教育」があります。
- SSH・WWL指定校として先進的な学びを提供しています。
- 名古屋大学との連携による多様な学習機会があります。
- 入試は学力検査、作文、面接、調査書で総合的に判断されます。
- 名古屋大学へのエスカレーター進学制度はありません。
- 国公立大学を中心とした高い進学実績を誇ります。
- 約25種類の部活動やサークルが活発に活動しています。
- 文化祭「光粒祭」など年間行事が充実しています。
- 名古屋大学キャンパス内の恵まれた施設・設備が魅力です。
