「スリムPCに合うグラボが欲しいけれど、どれを選べば良いか分からない」「ロープロファイルグラボの性能って実際どうなの?」と悩んでいませんか?小型のパソコンは省スペースで魅力的ですが、グラフィック性能の強化は一筋縄ではいきません。一般的なグラフィックボードはサイズが大きく、スリムPCには物理的に搭載できないケースがほとんどです。
本記事では、そんな悩みを解決するために、ロープロファイルグラボの基礎知識から、失敗しない選び方、主要モデルの性能比較、そして目的別のおすすめモデルまでを徹底解説します。あなたのスリムPCが、より快適な環境へと生まれ変わるための情報がここにあります。
ロープロファイルグラボとは?小型PCに最適な理由

ロープロファイルグラボは、その名の通り「背が低い」グラフィックボードを指します。一般的なグラフィックボードと比較して、基板の高さが半分程度に抑えられているのが特徴です。このコンパクトな設計が、限られたスペースしかない小型PCやスリムPCに最適な理由となっています。
スリムPCやHTPCに欠かせない存在
スリムPCやHTPC(Home Theater PC)は、そのコンパクトな筐体ゆえに、搭載できるパーツのサイズに厳しい制限があります。特にグラフィックボードは、高性能なものほど大型化する傾向にあるため、通常のモデルでは物理的に収まりません。そこで活躍するのがロープロファイルグラボです。これらのグラボは、省スペース設計により、スリムなPCケースにも無理なく収まるように作られています。
通常グラボとのサイズの違い
通常サイズのグラフィックボードは、ブラケット(PCケースに固定するための金属部分)の高さが約12cmであるのに対し、ロープロファイルグラボのブラケットは約8cmと大幅に低く設計されています。 また、基板自体の長さも短く作られているモデルが多く、PCケース内部の限られた空間を有効活用できます。この物理的なサイズの差が、スリムPCへの搭載を可能にする最大の要因です。
ロープロファイルグラボを選ぶメリット・デメリット

ロープロファイルグラボは小型PCに最適な選択肢ですが、その特性ゆえにメリットとデメリットが存在します。これらを理解することで、あなたの用途に合った最適なグラボ選びができるでしょう。
メリット:省スペース、省電力、静音性
最大のメリットは、やはりその省スペース性です。 スリムタワー型やキューブ型といった小型PCケースにも搭載できるため、設置場所を選ばず、デスク周りをすっきりと保てます。また、多くのロープロファイルグラボは消費電力が低く抑えられており、補助電源なしで動作するモデルが豊富です。
これにより、電源ユニットの容量が小さいPCでも安心して導入できます。さらに、冷却ファンが小型であったり、ファンレス設計のモデルも存在するため、静音性を重視するHTPC用途にも適しています。
デメリット:性能の限界と選択肢の少なさ
一方で、デメリットも存在します。物理的なサイズが小さいため、大型の冷却機構を搭載しにくく、高性能なGPUチップを搭載することが難しい傾向にあります。そのため、同世代の通常サイズのグラボと比較すると、どうしても性能面で劣ることが多いです。 特に最新のAAAタイトルを高設定でプレイしたい場合や、プロレベルの動画編集を行う場合には、性能不足を感じるかもしれません。
また、市場に出回っているモデルの種類も、通常サイズのグラボに比べて少ないという点も考慮が必要です。
失敗しないロープロファイルグラボの選び方

ロープロファイルグラボを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。これらを押さえることで、後悔のないグラボ選びができるでしょう。
PCケースと電源ユニットとの互換性を確認するコツ
まず最も重要なのは、お使いのPCケースに物理的に収まるか、そして電源ユニットがグラボの消費電力に対応できるかです。グラボの高さ、長さ、そして占有スロット数(1スロットか2スロットか)を必ず確認しましょう。特にスリムPCの場合、2スロット占有のグラボは入らないこともあります。また、グラボの製品仕様に記載されている「推奨電源ユニット容量」をチェックし、現在の電源ユニットで対応できるか、あるいは交換が必要かを判断することが大切です。
用途に合わせた性能とVRAM容量の選び方
グラボの性能は、その用途によって求められるレベルが大きく異なります。Web閲覧や動画視聴、ビジネス用途であれば、エントリークラスのGT710やGT1030で十分でしょう。軽めのゲームやフルHDでの動画編集を考えているなら、GTX1650やRX6400が選択肢に入ります。さらに高画質でのゲームプレイや本格的なクリエイティブ作業には、RTX3050やRTX4060といったモデルを検討することになります。
VRAM(ビデオメモリ)容量も重要で、高解像度や複雑な処理を行うほど、より多くのVRAMが必要になります。
消費電力と補助電源の有無をチェック
多くのロープロファイルグラボは、PCI Expressスロットからの給電のみで動作する「補助電源不要」タイプです。これは、消費電力が75W以下に抑えられているためです。 電源ユニットの容量が小さいスリムPCにとっては、この補助電源不要モデルが非常に重要となります。もし補助電源が必要なモデルを選ぶ場合は、電源ユニットに適切なコネクタがあるか、十分な容量があるかを事前に確認しましょう。
冷却性能と静音性のバランスを考える
小型PCケースは内部のエアフローが限られているため、グラボの冷却性能は非常に重要です。ファンが1つのシングルファンモデルや、ファンレスモデルは静音性に優れますが、冷却性能は控えめです。より高い性能を求めるならデュアルファンやトリプルファンを搭載したモデルがおすすめですが、その分騒音も大きくなる可能性があります。
アイドル時にファンが停止する「セミファンレス機能」を搭載したモデルであれば、普段使いでの静音性を確保しつつ、高負荷時にはしっかりと冷却してくれるため、快適に利用できるでしょう。
価格とコストパフォーマンスを見極める
ロープロファイルグラボの価格帯は、性能によって大きく異なります。最新の高性能モデルは比較的高価ですが、数年前のモデルやミドルレンジのモデルであれば、手頃な価格で見つかることもあります。自分の予算と、求める性能のバランスを考慮して選びましょう。中古品も選択肢の一つですが、動作保証やサポートの有無をよく確認し、信頼できる販売元から購入することが大切です。
長く使うことを考えれば、多少予算を上げてでも、将来性のあるモデルを選ぶのも一つの考え方です。
主要ロープロファイルグラボの性能比較

ここでは、現在市場で入手可能な主要なロープロファイルグラボについて、その性能を比較していきます。あなたの用途に最適なモデルを見つけるための参考にしてください。
- エントリーモデル:GT710、GT1030
- ミドルレンジ:GTX1650、RX6400
- ハイエンド:RTX3050、RTX4060、Intel Arc A380
- ゲーム用途での性能比較
- 動画編集・クリエイティブ用途での性能比較
エントリーモデル:GT710、GT1030
GeForce GT 710は、最も基本的なグラフィックボードの一つです。 主にCPU内蔵グラフィックスよりも多くのディスプレイ出力が必要な場合や、古いPCのグラフィック性能を最低限強化したい場合に選ばれます。動画再生支援機能はありますが、3Dゲームには不向きです。ファンレスモデルも多く、完全に無音で運用したい場合に適しています。
GeForce GT 1030は、GT 710よりも一段上の性能を持ちます。 フルHDでの動画視聴や、軽めのオンラインゲームであれば快適に動作します。補助電源不要で消費電力も低く、多くのスリムPCに搭載しやすいモデルです。 HTPCとして高画質動画をスムーズに再生したい場合などにおすすめです。
ミドルレンジ:GTX1650、RX6400
GeForce GTX 1650 (ロープロファイル版)は、スリムPCでのゲーミングを現実的にする人気のモデルです。 多くのタイトルを1080p解像度で、設定を調整すれば快適にプレイできます。消費電力は75W程度で、補助電源不要のモデルがほとんどです。 NVIDIAのエンコーダー「NVENC」を搭載しているため、ゲーム配信や動画編集にも一定の性能を発揮します。
Radeon RX 6400 (ロープロファイル版)は、GTX 1650の競合モデルとして登場しました。 消費電力は53W程度とさらに低く、省電力性に優れています。 ゲーム性能はGTX 1650と同等か、タイトルによっては若干上回ることもあります。 ただし、ハードウェアエンコードの対応状況がGTX 1650とは異なる点に注意が必要です。
ハイエンド:RTX3050、RTX4060、Intel Arc A380
GeForce RTX 3050 (ロープロファイル版 6GB)は、RTXシリーズの機能を小型PCにもたらすモデルです。 エントリーレベルながらもレイトレーシングやDLSSに対応しており、対応ゲームでの画質向上やフレームレートの改善が期待できます。 補助電源不要で、GTX 1650やRX 6400よりも高いゲーム性能を発揮します。
比較的最近登場したモデルであり、スリムPCで最新技術を体験したい方におすすめです。
GeForce RTX 4060 (ロープロファイル版)は、現在ロープロファイルグラボの中で最も高いゲーミング性能を誇るモデルの一つです。 1080pはもちろん、設定次第では1440pでのゲーミングも視野に入ります。最新のDLSS 3にも対応し、対応ゲームでは大幅な性能向上が見込めます。
ただし、消費電力はRTX 3050よりも高くなるため、電源ユニットの確認は必須です。
Intel Arc A380 (ロープロファイル版)は、Intelが投入したエントリークラスのディスクリートGPUです。 ハードウェアエンコード性能に優れており、動画編集用途での選択肢となります。 ゲーム性能はGTX 1650やRX 6400と同等か、タイトルによっては劣ることもありますが、ドライバーの成熟により改善される可能性も秘めています。
8K出力に対応するモデルもあり、多画面出力にも強みを発揮します。
ゲーム用途での性能比較
ゲーム用途では、一般的にRTX 4060 (LP)が最も高性能で、次いでRTX 3050 (LP)が続きます。GTX 1650 (LP)とRX 6400 (LP)は同程度の性能帯に位置し、多くのフルHDゲームを中~高設定でプレイ可能です。 RX 6400は消費電力が低い点が魅力ですが、GTX 1650は幅広いゲームで安定した動作が期待できます。
GT 1030やGT 710は、軽すぎるゲームやレトロゲーム以外ではゲーミングには不向きです。
動画編集・クリエイティブ用途での性能比較
動画編集やクリエイティブ用途では、エンコード・デコード性能が重要になります。NVIDIAのGeForceシリーズは、その優れたハードウェアエンコーダー「NVENC」により、動画編集ソフトとの相性が良いとされています。特にGTX 1650以上であれば、ある程度の快適な作業が可能です。 RTX 3050やRTX 4060は、さらに高速な処理能力と、AIを活用した機能で作業効率を高めてくれます。
Intel Arc A380もハードウェアエンコードに強みを持つため、動画編集を主目的とする場合は検討する価値があります。
目的別!おすすめロープロファイルグラボ

あなたのパソコンの用途に合わせて、最適なロープロファイルグラボを選びましょう。ここでは、いくつかの目的別に具体的なおすすめモデルを紹介します。
軽作業・HTPC向けのおすすめモデル
Webブラウジング、動画視聴(4K含む)、オフィスソフトの使用、複数のモニター出力といった軽作業やHTPC用途には、GeForce GT 1030がおすすめです。 補助電源不要で消費電力が非常に低く、ファンレスモデルを選べば完全に無音で運用できます。コストも抑えられ、必要十分な性能を提供してくれます。
より予算を抑えたい場合は、GeForce GT 710も選択肢になりますが、性能はかなり限定的です。
フルHDゲーミング向けのおすすめモデル
スリムPCでフルHDゲーミングを楽しみたいなら、GeForce GTX 1650 (LP)かRadeon RX 6400 (LP)が有力な選択肢です。 どちらも多くの人気ゲームを1080p解像度で、設定を調整すれば快適にプレイできる性能を持っています。
消費電力を重視するならRX 6400、幅広いゲームでの安定性やNVIDIAのエンコード機能も活用したいならGTX 1650を選ぶと良いでしょう。
動画編集・クリエイティブ作業向けのおすすめモデル
動画編集や画像処理、軽めの3Dモデリングといったクリエイティブ作業には、GeForce RTX 3050 (LP 6GB)がおすすめです。 NVIDIAの優れたハードウェアエンコーダーと、AIを活用したDLSSなどの機能が、作業効率を早める助けとなります。 より本格的な作業や、将来的な性能向上を見据えるなら、GeForce RTX 4060 (LP)も検討に値します。
また、Intel Arc A380も動画エンコード性能に強みを持つため、特定のワークフローにおいては良い選択肢となる可能性があります。
よくある質問

ロープロファイルグラボに関するよくある質問とその回答をまとめました。購入前の疑問解消に役立ててください。
- ロープロファイルグラボでゲームはできますか?
- 補助電源なしのロープロファイルグラボでおすすめはありますか?
- スリムPCに合うグラボはどれですか?
- GTX1650ロープロファイルの性能はどのくらいですか?
- ロープロファイルグラボの取り付け方は難しいですか?
- ロープロファイルグラボの消費電力はどのくらいですか?
- ロープロファイルグラボのファンレスモデルはありますか?
ロープロファイルグラボでゲームはできますか?
はい、ロープロファイルグラボでもゲームは可能です。ただし、プレイできるゲームの種類や設定はグラボの性能によって大きく異なります。GTX 1650やRX 6400、RTX 3050、RTX 4060などのモデルであれば、フルHD解像度で多くのゲームを快適に楽しめます。 最新のAAAタイトルを高設定でプレイするには限界がありますが、設定を調整すれば十分遊べるでしょう。
補助電源なしのロープロファイルグラボでおすすめはありますか?
補助電源なしのロープロファイルグラボでおすすめなのは、GeForce GTX 1650 (LP)、Radeon RX 6400 (LP)、そしてGeForce RTX 3050 (LP 6GB)です。
これらのモデルは、消費電力が75W以下に抑えられており、PCI Expressスロットからの給電のみで動作します。特に電源ユニットの容量が小さいスリムPCには最適な選択肢です。
スリムPCに合うグラボはどれですか?
スリムPCに合うグラボは、ロープロファイル対応のモデル全般です。具体的には、GeForce GT 710、GT 1030、GTX 1650、RX 6400、RTX 3050、RTX 4060、Intel Arc A380などのロープロファイル版が挙げられます。 PCケースのサイズ(特に高さと占有スロット数)を正確に測り、それに合ったモデルを選ぶことが重要です。
GTX1650ロープロファイルの性能はどのくらいですか?
GTX 1650ロープロファイルの性能は、フルHD(1920×1080)解像度であれば、多くのPCゲームを中~高設定で快適にプレイできるレベルです。 例えば、Apex LegendsやVALORANTといったeスポーツタイトルであれば、高いフレームレートを維持しやすいでしょう。ただし、Cyberpunk 2077のような非常に負荷の高いゲームでは、設定を低めに調整する必要があります。
ロープロファイルグラボの取り付け方は難しいですか?
ロープロファイルグラボの取り付け方自体は、通常のグラボと大きく変わりません。PCI Expressスロットに挿し込み、ブラケットをPCケースに固定するだけです。ただし、スリムPCの内部は狭いため、作業スペースが限られている点には注意が必要です。また、ロープロファイルブラケットへの交換が必要な場合もあります。
自信がない場合は、PC専門店での取り付け支援を検討するのも良いでしょう。
ロープロファイルグラボの消費電力はどのくらいですか?
ロープロファイルグラボの消費電力はモデルによって異なりますが、多くの補助電源不要モデルは75W以下です。 例えば、Radeon RX 6400は53W程度、GeForce GTX 1650は75W程度、GeForce RTX 3050 (6GB版)も補助電源不要で動作します。 高性能なRTX 4060 (LP)になると、補助電源が必要になるモデルもありますが、それでも通常サイズのハイエンドモデルよりは低消費電力です。
ロープロファイルグラボのファンレスモデルはありますか?
はい、ロープロファイルグラボにはファンレスモデルも存在します。主にGeForce GT 710やGT 1030といったエントリークラスのモデルで多く見られます。 ファンがないため、完全に無音で動作するのが最大のメリットです。ただし、冷却性能はファン搭載モデルに劣るため、高負荷な作業には不向きです。静音性を最優先するHTPCやオフィスPCでの利用に適しています。
まとめ
- ロープロファイルグラボは、スリムPCやHTPCに最適な小型グラフィックボードです。
- 通常グラボより背が低く、長さも短い設計が特徴です。
- 省スペース、省電力、静音性が主なメリットです。
- 性能は通常グラボに劣り、選択肢も少ない点がデメリットです。
- 選び方のコツは、PCケース・電源互換性、用途、消費電力、冷却、価格です。
- エントリーモデルはGT710、GT1030で、軽作業や動画視聴向けです。
- ミドルレンジはGTX1650、RX6400で、フルHDゲーミングに適しています。
- ハイエンドはRTX3050、RTX4060で、より高負荷なゲームやクリエイティブ作業向けです。
- ゲーム用途ではRTX 4060が最強クラス、次いでRTX 3050が続きます。
- 動画編集にはNVIDIAのエンコーダーを持つGTX 1650以上が有利です。
- 補助電源不要モデルは、電源容量の小さいPCに最適です。
- ファンレスモデルは静音性重視のユーザーにおすすめです。
- 取り付けは通常グラボと似ていますが、狭い内部空間に注意が必要です。
- 購入前には必ずPCケースの寸法と電源容量を確認しましょう。
- 自身のPCの用途と予算に合わせて最適なモデルを選びましょう。
