くず米の農協における役割と、農家が知るべき対策・有効活用方法

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くず米の農協における役割と、農家が知るべき対策・有効活用方法
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農家の皆様にとって、丹精込めて育てたお米が「くず米」として扱われるのは、心苦しいことでしょう。しかし、くず米は単なる廃棄物ではありません。農業協同組合(JA)の役割を理解し、適切な対策と有効活用方法を知ることで、新たな価値を生み出す可能性を秘めています。本記事では、くず米の定義から農協での取り扱い、そして農家が実践できる対策や活用方法までを徹底解説します。

目次

くず米とは?その定義と発生原因を理解する

くず米とは?その定義と発生原因を理解する

くず米は、収穫されたお米の中で、形や大きさ、色などが基準に満たない粒を指します。具体的には、小粒だったり、割れていたり、色が白くなっているお米のことです。食べるには問題ない場合もありますが、出荷の規格基準に合わないため、通常のお米よりも安価で取引されるか、加工用として扱われます。

くず米の具体的な定義と等級基準

お米の品質等級検査は、農林水産大臣の登録を受けた検査機関が行います。全国のJAを中心に存在する登録検査機関に所属する農産物検査員が等級検査を実施します。農家によって収穫されたお米は、玄米の状態で検査され、目視や機器を用いて、一等米、二等米、三等米、そして規格外の品位に分けられます。

くず米は、主にこの「規格外」に分類されるお米を指すことが多いです。規格外とは、一等から三等までの品位に適合しない玄米で、異種穀粒や異物が50%以上混入していないものを指します。 また、精米や収穫の過程で発生する不揃いな米粒や破れた米粒、未成熟米、変色米なども総称的にくず米と呼ばれます。

くず米が発生する主な原因

くず米が発生する原因は多岐にわたります。主な原因としては、以下のような点が挙げられます。

  • 未熟粒・青米: 稲の生育が不十分な場合や、登熟期の天候不順(日照不足や低温)により、十分に成熟しない米粒が発生します。
  • 胴割れ米・砕米: 収穫後の乾燥や調製作業での急激な温度変化、または精米の過程で米粒にひびが入ったり、砕けたりすることがあります。
  • 着色粒・被害粒: カメムシなどの病害虫による吸汁被害や、病気によって米粒が変色することが原因です。
  • 小粒米・ふるい下米: 選別機(ライスグレーダー)の網目からこぼれ落ちる、基準よりも小さい米粒です。
  • 異物混入: 収穫や調製作業中に、籾(もみ)や雑草の種、小石などが混入することもあります。

これらの要因が複合的に作用し、くず米の発生につながることが少なくありません。特に、近年の異常気象は、くず米の発生量を増加させる一因となっています。


農協(JA)におけるくず米の取り扱いと農家の選択肢

農協(JA)におけるくず米の取り扱いと農家の選択肢

農協(JA)は、農家が生産したお米の集荷や販売において重要な役割を担っています。くず米についても、農協を通じて処分や活用が進められることがあります。

農協でのくず米の集荷と検査の進め方

農家が収穫した玄米は、まず農協などの登録検査機関で品位等検査を受けます。この検査で、お米は等級(一等米、二等米、三等米、規格外)に分類されます。 くず米は、この検査で「規格外」と判断されたり、選別機ではじかれたりしたお米が該当します。

JA全農は、農家からコメを委託集荷し、販売時期や価格、販売先を決定する「無条件委託販売」という仕組みも提供しています。 しかし、近年はJAの集荷率が低下傾向にあり、農家がJA以外の業者に直接販売するケースも増えています。

農協を通じたくず米の処分と買取の現状

農協では、くず米を飼料用や加工用として買い取る場合があります。しかし、その買取価格は食用米に比べて大幅に安価になることがほとんどです。 例えば、ある農家ではくず米が1kgあたり50円程度で買い取られると報告されています。 また、くず米の発生量が多い年には、買い入れ価格がさらに安くなる傾向も見られます。

農協によっては、くず米の処分方法として、飼料用米としての利用を推奨したり、特定の加工業者への販売を仲介したりすることもあります。農家としては、農協の提示する条件と、他の買取業者や活用方法を比較検討することが大切です。

農協以外でのくず米の流通と販売方法

農協以外にも、くず米を買い取る業者や、個人で販売・活用する方法があります。

  • 専門の買取業者: 米穀卸業者の中には、くず米や中米を専門に買い取る業者も存在します。これらの業者は、飼料用、肥料用、加工用など、用途に応じて買い取りを行っています。
  • インターネット販売・フリマアプリ: 近年では、インターネットのECサイトやフリマアプリで「くず米」「飼料用米」として販売されているケースも多く見られます。 主に鳥の餌や家畜の飼料、ペット用として需要があります。
  • 加工業者への直接販売: 味噌、酒、米菓などの加工品メーカーは、くず米を原料として利用することがあります。 地域によっては、くず米を積極的に活用する加工業者と直接契約を結ぶことも可能です。

これらの選択肢を検討することで、農協を通じた処分だけでなく、より有利な条件でくず米を流通させたり、新たな販路を見つけたりできる可能性があります。

くず米の有効活用方法と新たな可能性

くず米は、食用としての価値は低いとされますが、様々な形で有効活用できる資源です。食品ロス削減や地域活性化にもつながる、くず米の活用方法を見ていきましょう。

飼料としてのくず米の利用

くず米の最も一般的な活用方法の一つが、家畜の飼料としての利用です。特に、鶏の餌として配合飼料に混ぜて与える農家が多く見られます。 くず米は炭水化物が豊富で、ニワトリの体温を上げる効果も期待できます。 豚や牛などの家畜の飼料としても利用され、飼料コストの削減に貢献します。

飼料用米として販売されているくず米は、オンラインショップでも手軽に購入できるため、小規模な畜産農家やペットを飼っている方にも利用されています。

肥料や堆肥としてのくず米の活用

くず米は、そのまま田んぼにすき込んだり、堆肥の原料として活用したりすることも可能です。 土壌に有機物を補給し、土壌改良材としての役割も果たします。特に、自然栽培に取り組む農家では、くず米を肥料として再利用することで、資源の循環を目指すケースもあります。

ただし、くず米を肥料として利用する際には、発酵を促すための適切な処理が必要になることもあります。未処理のまま大量にすき込むと、土壌環境に悪影響を与える可能性もあるため、注意が必要です。

バイオエタノールなど工業原料としての可能性

くず米は、バイオエタノールの原料としても注目されています。食料と競合しない非食用米として、再生可能エネルギーの生産に貢献する可能性を秘めています。また、工業用デンプンの原料として利用されることもあります。

さらに、最近ではくず米を使ったストローなど、環境に配慮したアップサイクル商品の開発も進んでいます。 このような取り組みは、くず米に新たな価値を与え、食品ロス削減だけでなく、地方創生にもつながるものとして期待されています。

地域活性化につながるくず米の取り組み事例

地域によっては、くず米を活用したユニークな取り組みが行われ、地域活性化に貢献しています。

  • 加工品開発: 味噌、酒、米菓(おかきなど)、米粉などの加工品の原料としてくず米を活用する事例があります。 特に、米粉は小麦粉の代替品としてパンやお菓子作りにも利用でき、新たな需要を生み出しています。
  • 離乳食への活用: 広島県では、くず米を使った離乳食「甘麹」が開発・販売されています。これは、安全で安心なお米を有効活用し、環境保全型農業を推進する目的で行われています。
  • 高値での買い取り: 一部の団体では、環境に配慮した農法で栽培されたくず米を、市場価格の3倍で買い取るなど、農家の所得向上を支援する動きも見られます。

これらの事例は、くず米が単なる廃棄物ではなく、工夫次第で地域経済に貢献し、持続可能な社会の実現に役立つ資源であることを示しています。

農家が取り組むべきくず米対策と品質向上へのコツ

農家が取り組むべきくず米対策と品質向上へのコツ

くず米の発生を減らし、お米の品質を高めることは、農家の収益向上に直結します。日々の栽培管理から収穫・調製作業まで、様々な段階で対策を講じることが重要です。

収穫作業の改善でくず米を減らす方法

収穫作業は、くず米の発生に大きく影響します。適切な時期と方法で収穫することで、くず米を減らすことができます。

  • 適期収穫: 稲の成熟度を見極め、適切な時期に収穫することが大切です。早すぎると未熟粒が増え、遅すぎると胴割れ米や砕米の原因となることがあります。
  • コンバインの調整: コンバインの刈り取り速度や脱穀機の回転数などを適切に調整することで、米粒への物理的なダメージを減らし、砕米の発生を抑えられます。
  • 丁寧な作業: 収穫作業全体を通して、米粒を傷つけないよう丁寧な作業を心がけることが、品質保持につながります。

これらのコツを実践することで、収穫段階でのくず米発生を最小限に抑えることが期待できます。

乾燥・調製作業での注意点と品質保持

収穫後のお米は、乾燥と調製作業を経て出荷されます。この工程での不適切な管理は、くず米の増加や品質低下を招くため、細心の注意が必要です。

  • 適切な乾燥: 急激な乾燥は胴割れ米の原因となります。時間をかけてゆっくりと、均一に乾燥させることが重要です。水分含有率は14.5%が理想とされています。
  • 籾摺り・選別の調整: 籾摺り機や選別機(ライスグレーダー、色彩選別機)の調整を適切に行い、米粒への負荷を減らします。 特に、色彩選別機は着色粒や異物を取り除くのに有効です。
  • 保管環境: 乾燥後のお米は、適切な温度と湿度で保管することが大切です。低温貯蔵庫などを利用し、品質の劣化を防ぎましょう。

これらの作業を丁寧に進めることで、お米の品質を高く保ち、くず米の発生を減らすことができます。

品種選びと栽培管理がくず米発生に与える影響

くず米の発生は、品種選びや日々の栽培管理にも大きく左右されます。

  • 耐冷性・耐倒伏性の品種選び: 地域や気候に適した品種を選ぶことが重要です。特に、冷害に強い品種や、倒伏しにくい品種を選ぶことで、未熟粒や被害粒の発生を抑えられます。
  • 土づくりと施肥管理: 健全な稲の生育には、豊かな土壌が不可欠です。土壌診断に基づいた適切な土づくりや、ケイ酸資材の施用など、肥料養分を効率よく吸収できる環境を整えることが、品質向上につながります。
  • 水管理: 稲の生育ステージに応じた適切な水管理は、根張りを良くし、デンプンの蓄積を促します。特に、登熟期の水不足は、未熟粒や着色粒の原因となるため注意が必要です。
  • 病害虫対策: カメムシなどの病害虫は、着色粒や被害粒の原因となります。適切な防除対策を講じることで、被害を最小限に抑えられます。

これらの栽培管理を徹底することで、くず米の発生を減らし、高品質なお米を収穫することを目指しましょう。

よくある質問

よくある質問

くず米はどこで買い取ってもらえますか?

くず米は、農協(JA)の他に、米穀卸業者や飼料会社、加工業者などで買い取ってもらえます。また、インターネットのECサイトやフリマアプリでも「飼料用米」として販売されているケースが多く見られます。

くず米を自分で利用する方法はありますか?

はい、くず米を自分で利用する方法はいくつかあります。例えば、家庭菜園の肥料や堆肥として活用したり、米粉にしてパンやお菓子作りに利用したりできます。また、鶏などの家畜を飼っている場合は、飼料として与えることも可能です。

農協以外でくず米を処分する選択肢は?

農協以外でくず米を処分する選択肢としては、専門の買取業者への売却、インターネットでの個人販売、または加工業者への直接販売が挙げられます。地域によっては、くず米を活用した地域活性化の取り組みに参加することも可能です。

くず米の発生を抑えるためにできることは?

くず米の発生を抑えるためには、収穫時期の適正化、コンバインや乾燥機の適切な調整、土づくりや施肥管理の徹底、品種選び、水管理、病害虫対策など、総合的な栽培管理が大切です。

くず米の価格はどのように決まりますか?

くず米の価格は、市場での取引価格、JAの概算金、今後の市場の動向、くず米の品質(異物混入の程度など)、そして需要と供給のバランスによって変動します。食用米に比べて安価で取引されることがほとんどです。

まとめ

  • くず米は、形や大きさ、色などが基準に満たない米粒の総称です。
  • 未熟粒、胴割れ米、着色粒、小粒米などが主な発生原因です。
  • 農協(JA)はくず米の集荷・検査・買取を行いますが、価格は安価です。
  • 農協以外にも専門業者やインターネットでの販売が可能です。
  • くず米は飼料、肥料、加工品(米粉、味噌、酒など)として活用されます。
  • バイオエタノールや環境配慮型製品の原料としての可能性もあります。
  • 地域活性化につながるくず米活用事例も増えています。
  • 収穫時期や機械調整の改善でくず米の発生を減らせます。
  • 適切な乾燥・調製作業は品質保持に不可欠です。
  • 品種選びや土づくり、水管理、病害虫対策も重要です。
  • くず米の発生を減らすことは農家の収益向上につながります。
  • くず米は単なる廃棄物ではなく、工夫次第で価値ある資源です。
  • 農家はくず米の多様な活用方法を知るべきです。
  • 食品ロス削減に貢献する重要な役割を担っています。
  • 持続可能な農業を実現するための一つの鍵となります。
くず米の農協における役割と、農家が知るべき対策・有効活用方法

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