クマネズミはなつく?【危険】ペットにする前に知るべき生態とリスク

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クマネズミはなつく?【危険】ペットにする前に知るべき生態とリスク
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「天井裏から物音がする…もしかしてクマネズミ?」「クマネズミって、もしかしてなつくの?」そんな疑問や不安を抱えていませんか。可愛らしい見た目から、ペットにできるのでは?と考える方もいるかもしれません。しかし、その考えは非常に危険です。本記事では、クマネズミが本当になつくのか、その生態や性格、そして野生のクマネズミをペットにすることの深刻なリスクについて、詳しく解説していきます。クマネズミとの正しい向き合い方を知り、あなたと家族の安全な生活を守りましょう。

目次

クマネズミは本当になつくの?その真相に迫る

クマネズミは本当になつくの?その真相に迫る

「クマネズミがなつく」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、その真相はどうなのでしょうか。結論から言うと、クマネズミが犬や猫のように人に「なつく」ことは、基本的にありません。その理由と、時折見られる「慣れている」ように見えるケースについて掘り下げていきましょう。

この章では、以下の点について解説します。

  • 結論:基本的になつかない!その理由とは
  • 例外的に「慣れる」ケースもある?
  • YouTubeなどで見られる「なつくクマネズミ」の正体

結論:基本的になつかない!その理由とは

クマネズミが人になつかない最大の理由は、彼らが野生動物であり、非常に強い警戒心を持っているからです。 人間はクマネズミにとって捕食者、つまり天敵と認識されています。そのため、人間に近づくこと自体が彼らにとって大きなストレスであり、身の危険を感じる行動なのです。

また、クマネズミの性格は臆病で神経質そのものです。 物音や気配に非常に敏感で、少しでも危険を察知するとすぐに物陰に隠れてしまいます。このような性格から、人間に対して心を開き、信頼関係を築くことは極めて難しいと言えるでしょう。駆除の現場でも、その警戒心の高さから罠にかかりにくい厄介な存在として知られています。

例外的に「慣れる」ケースもある?

「なつく」ことはなくても、特定の条件下では人間に「慣れる」ように見えることがあります。例えば、生まれて間もない赤ちゃんの頃から人間が育てた場合、人間を親や仲間と認識し、警戒心が薄れることがあります。 YouTubeなどで見かける、人に触られても逃げないクマネズミは、このような特殊なケースである可能性が高いです。

しかし、ここで重要なのは「なつく」と「慣れる」は違うということです。

  • なつく:相手に親しみや愛情を感じ、信頼関係が築かれている状態。自ら甘えたり、コミュニケーションを取ろうとしたりする。
  • 慣れる:特定の刺激や環境に対して、危険がないと学習し、恐怖や警戒心が薄れた状態。あくまで受動的な状態。

クマネズミが見せるのは後者の「慣れる」であり、ペットとしての信頼関係とは本質的に異なります。少しの刺激でパニックになり、どこかへ逃げてしまうことも珍しくありません。

YouTubeなどで見られる「なつくクマネズミ」の正体

動画サイトで「なつくクマネズミ」として紹介されている個体は、前述の通り、幼い頃から育てられた特殊なケースがほとんどです。 また、個体差も大きく、たまたま他の個体より警戒心が弱いだけという可能性も考えられます。

重要なのは、これらの動画が野生のクマネズミ全般がなつくという証明にはならないということです。むしろ、そうした動画を見て安易に「自分も飼えるかも」と考えるのは非常に危険です。野生のクマネズミには、見た目のかわいさの裏に、多くのリスクが潜んでいることを忘れてはいけません。


「なつく」以前に知るべき!クマネズミの正体とは?

「なつく」以前に知るべき!クマネズミの正体とは?

クマネズミについて考えるとき、「なつくかどうか」という点だけでなく、彼らがどのような生き物なのかを正しく理解することが不可欠です。人家に侵入する「家ネズミ」の中でも、近年最も被害報告が多いのがこのクマネズミです。 その驚くべき生態と、ペットとして飼育されるネズミとの決定的な違いを知っておきましょう。

この章では、以下の点について詳しく見ていきます。

  • クマネズミの基本的な生態と特徴
  • 家ネズミの中でもトップクラス!驚くべき知能の高さ
  • ペット用の「ファンシーラット」との決定的な違い

クマネズミの基本的な生態と特徴

クマネズミは、私たちの生活圏に巧みに適応したネズミです。その特徴を知ることは、対策を考える上で非常に重要になります。

見た目(ドブネズミとの違い)
クマネズミは体長15~25cmほどで、体よりも長いしっぽと、大きな耳が特徴です。 よく似たドブネズミは、体がより大きくずんぐりしており、しっぽは体より短いです。 また、クマネズミは目が大きく、ドブネズミは比較的小さいという違いもあります。

身体能力(高いところが大好き)
元々森で暮らしていたため、木登りが得意な性質を受け継いでいます。 そのため、壁をよじ登ったり、電線を渡ったりする高い運動能力を持ち、建物の高層階にも侵入します。 天井裏や壁の中など、乾燥した高い場所を好んで巣を作るのが大きな特徴です。

食性(雑食性)
雑食性で何でも食べますが、特に穀物や果物などの植物質を好む傾向があります。 人間の食べ物はもちろん、ゴキブリなどの昆虫を食べることもあります。

繁殖力(あっという間に増える)
非常に繁殖力が高く、年に5~6回、1度に6~10匹の子を産みます。 生まれた子どもも2~3ヶ月で繁殖可能になるため、放置するとあっという間に数十匹、数百匹に増殖してしまいます。

家ネズミの中でもトップクラス!驚くべき知能の高さ

クマネズミが厄介な害獣とされる大きな理由の一つが、その知能の高さです。家ネズミ3種(クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミ)の中では、大学レベルの知能を持つとも言われています。

彼らは優れた学習能力と記憶力を持ち、一度危険な目に遭った場所や罠を記憶し、二度と近づかなくなります。 仲間が罠にかかった様子を見ると、その場所を危険と判断して避けるようになります。 このため、粘着シートや毒餌などの単純な罠ではなかなか捕獲できず、駆除を困難にさせているのです。

さらに近年では、殺鼠剤(毒餌)が効かない「スーパーラット」と呼ばれる個体も増えており、問題はより深刻化しています。

ペット用の「ファンシーラット」との決定的な違い

「ネズミをペットにしている人もいるじゃないか」と思うかもしれませんが、ペットショップで販売されている「ファンシーラット」と野生のクマネズミは全くの別物です。

ファンシーラットは、実はドブネズミを人間が長年にわたってペット用に品種改良したものです。 そのため、性格は穏やかで人になつきやすく、衛生的な環境で繁殖されているため、野生のネズミが持つような危険な病原菌を持っているリスクは低いとされています。

一方で、クマネズミは品種改良されていない純粋な野生動物です。 したがって、ファンシーラットと同じ感覚で接することは絶対にできません。両者の違いをまとめると以下のようになります。

項目クマネズミ(野生)ファンシーラット(ペット)
元になった種類クマネズミドブネズミ
性格警戒心が強く、臆病で神経質穏やかで人になつきやすい
衛生面病原菌や寄生虫を持つリスクが高い衛生管理された環境で繁殖
人間との関係害獣(駆除対象)愛玩動物(ペット)

このように、両者は全く異なる存在です。野生のクマネズミをファンシーラットと同じように考えるのは、大きな間違いなのです。

【絶対ダメ】野生のクマネズミをペットにできない3つの危険な理由

【絶対ダメ】野生のクマネズミをペットにできない3つの危険な理由

たとえ「なつく」ように見えたとしても、野生のクマネズミをペットとして飼うことは絶対にやめてください。そこには、あなたの健康や財産、そして生活そのものを脅かす、深刻なリスクが潜んでいます。ここでは、クマネズミをペットにできない3つの決定的な理由を解説します。

この章で取り上げる、知っておくべき危険な理由はこちらです。

  • 理由1:様々な病原菌を媒介するリスク
  • 理由2:家屋や家財への甚大な被害
  • 理由3:法律(鳥獣保護管理法)との関連

理由1:様々な病原菌を媒介するリスク

野生のクマネズミは、「病原菌の運び屋」と言っても過言ではありません。彼らの体や糞尿には、人間に感染すると重篤な症状を引き起こす可能性のある、さまざまな病原菌や寄生虫が潜んでいます。

代表的な感染症には以下のようなものがあります。

  • サルモネラ症:ネズミの糞尿で汚染された食品を食べることで感染し、激しい腹痛や下痢、発熱などを引き起こす食中毒。
  • レプトスピラ症(ワイル病):ネズミの尿に含まれる菌が、皮膚の傷口や粘膜から体内に侵入して感染。発熱や頭痛、黄疸、出血などの症状が現れ、重症化すると命に関わることもあります。
  • 鼠咬症(そこうしょう):クマネズミに咬まれることで感染し、発熱や発疹、関節痛などを引き起こします。
  • ツツガムシ病:クマネズミに寄生するツツガムシ(ダニの一種)に刺されることで感染。高熱や発疹が出て、治療が遅れると重症化します。

これらはほんの一例です。かわいいからといって安易に触れたり、家に迎え入れたりする行為は、これらの恐ろしい感染症のリスクを自ら招き入れることと同じなのです。

理由2:家屋や家財への甚大な被害

クマネズミがもたらす被害は、健康面だけではありません。彼らの習性は、私たちの住まいにも深刻なダメージを与えます。

クマネズミの歯は一生伸び続けるため、常に何か硬いものをかじって歯を削る習性があります。 その対象は、家の柱や壁、家具だけにとどまりません。

特に危険なのが、電気コードやガスホースをかじられることです。 これにより漏電やショート、ガス漏れが発生し、最悪の場合は火災や爆発事故につながる恐れがあります。実際に、ネズミが原因とみられる火災は後を絶ちません。

その他にも、以下のような被害が考えられます。

  • 天井裏を走り回る騒音による睡眠障害やストレス。
  • 糞尿による天井のシミや悪臭。
  • 保管している食料品を食い荒らされ、汚染される。
  • 断熱材を巣の材料にされ、家の断熱性能が低下する。

一匹のクマネズミを家に置いておくだけで、これほど多くの、そして深刻な被害が発生する可能性があるのです。

理由3:法律(鳥獣保護管理法)との関連

日本では、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」によって、野生鳥獣の捕獲や飼育が規制されています。クマネズミを含む家ネズミは、この法律の対象外ではありますが、一般的に「害獣」として駆除の対象とされています。

自治体によっては、ネズミの駆除に関する相談窓口を設けているところも多くあります。 これは、クマネズミが衛生環境や人の財産に害を及ぼす存在であると公に認められていることを意味します。

弱っているからと保護した場合でも、それは一時的な措置に留めるべきです。野生動物を許可なく飼育し続けることは、生態系への影響や、人への危害の観点からも推奨されることではありません。安易な気持ちで飼い始めるのではなく、専門家や行政に相談するのが正しい対応と言えるでしょう。

もしクマネズミが家にいたら?「なつく」より先にやるべきこと

もしクマネズミが家にいたら?「なつく」より先にやるべきこと

天井裏からの足音や、かじられた跡を見つけてしまったら、「なつくかも?」などと悠長なことを考えている場合ではありません。被害が拡大する前に、迅速かつ適切な対応を取ることが何よりも重要です。ここでは、クマネズミの存在に気づいたときに、まずやるべきことを具体的に解説します。

この章では、実践的な対策についてご紹介します。

  • まずは侵入経路を特定・封鎖する
  • 家の中のクマネズミを追い出す・駆除する方法
  • 自分での駆除は難しい!プロの業者に相談するメリット

まずは侵入経路を特定・封鎖する

クマネズミ対策で最も重要なのは、これ以上新たなネズミを家に入れないことです。家の中のネズミをいくら駆除しても、侵入経路が開いたままでは、またすぐに新しいネズミが入り込んできてしまいます。

クマネズミは非常に体が柔らかく、10円玉程度(1.5cm~2.5cm)のわずかな隙間があれば侵入できてしまいます。 以下のような場所は特に注意深くチェックしましょう。

  • 屋根や壁のひび割れ、隙間
  • 通気口や換気扇
  • エアコンの配管導入部と壁の隙間
  • 雨どいや排水パイプ
  • 2階の窓(電線を伝って侵入することも)

これらの隙間は、金網や防鼠パテ、セメントなどで徹底的に塞ぎます。塞げない場所には、金網などを取り付けて侵入を防ぎましょう。

家の中のクマネズミを追い出す・駆除する方法

侵入経路を封鎖したら、次は家の中にいるクマネズミの対策です。自力で行う方法としては、主に以下の2つがあります。

燻煙(くんえん)剤で追い出す
ネズミが嫌うハーブなどの成分を含んだ煙を室内に充満させ、ネズミを外へ追い出す方法です。 天井裏など、直接見えない場所にいるネズミにも効果が期待できます。ただし、追い出した後はすぐに入り口を塞がないと戻ってきてしまうので注意が必要です。

粘着シートや罠を仕掛ける
クマネズミは壁際を通る習性があるため、壁に沿って粘着シートを複数枚、隙間なく敷き詰めるのが効果的です。 しかし、前述の通りクマネズミは非常に賢く、罠を学習して避けるようになります。 そのため、毒餌や捕獲器を置いても、慣れるまで1週間以上かかることも珍しくありません。 根気強く続ける必要があります。

自分での駆除は難しい!プロの業者に相談するメリット

正直なところ、警戒心が強く知能の高いクマネズミを一般の方が完全に駆除するのは非常に困難です。 中途半端な対策は、クマネズミに警戒心を植え付け、その後の駆除をさらに難しくしてしまう可能性もあります。

もし、ご自身での対策に限界を感じたり、被害が深刻だったりする場合は、迷わずプロの害獣駆除業者に相談することをおすすめします。

プロに依頼するメリットは以下の通りです。

  • 専門的な知識と経験:クマネズミの生態を熟知しており、効果的な駆除方法を知っている。
  • 徹底した侵入経路の特定と封鎖:素人では見つけられないようなわずかな隙間も見つけ出し、確実に塞いでくれる。
  • 再発防止策:駆除後の清掃・消毒や、寄せ付けないための環境づくりまでアドバイスしてくれる。
  • 安全性:薬剤の使用や死骸の処理など、安全かつ衛生的に作業を行ってくれる。

費用はかかりますが、確実な駆除と安心を手に入れるためには、専門業者への依頼が最も賢明な選択と言えるでしょう。複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や保証を比較検討することが大切です。

クマネズミに関するよくある質問

クマネズミに関するよくある質問

ここでは、クマネズミに関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

Q1. クマネズミの寿命はどのくらい?

A1. 野生のクマネズミの寿命は、環境にもよりますが一般的に約1~3年とされています。 ただし、天敵のいない安全な家の中に住み着いた場合は、より長く生きる可能性もあります。繁殖力が非常に高いため、1匹でも侵入を許すと、あっという間に数が増えてしまうのが問題です。

Q2. クマネズミの鳴き声はどんな感じ?

A2. クマネズミは普段あまり鳴きませんが、危険を感じた時や子ネズミが親を呼ぶ時などに「キーキー」「キューキュー」といった甲高い声で鳴くことがあります。人間には聞こえない超音波でコミュニケーションをとっているとも言われています。 天井裏からこのような音が聞こえたら、クマネズミが繁殖しているサインかもしれません。

Q3. クマネズミは人を噛みますか?

A3. クマネズミは非常に臆病な性格なので、積極的に人を襲ってくることは稀です。 しかし、追い詰められたり、捕まえようとして素手で触ったりすると、パニックになって噛みつくことがあります。 噛まれると鼠咬症などの感染症にかかるリスクがあるため、絶対に素手で触ろうとしないでください。

Q4. 赤ちゃんのクマネズミを保護したらどうすればいい?

A4. 巣から落ちた赤ちゃんを見つけても、安易に保護して飼育するのは避けるべきです。 親ネズミが近くにいる可能性が高いですし、何より感染症のリスクがあります。 どうしても気になる場合は、直接触れずにティッシュなどでそっと巣の近くに戻してあげるのが良いでしょう。しかし、基本的には野生動物には干渉しないのが原則です。家に巣があること自体が問題なので、駆除業者に相談することをおすすめします。

Q5. ファンシーラットなら安全に飼えますか?

A5. はい、ペットとして品種改良されたファンシーラットは、野生のクマネズミとは異なり、比較的安全に飼育できます。 彼らはドブネズミを元に家畜化されており、人になつきやすく、知能も高いためコミュニケーションを楽しむことができます。 ただし、寿命が約2~3年と短いことや、適切な飼育環境を整える必要があることなどを理解した上で、責任を持って飼うことが大切です。

まとめ

まとめ

本記事では、クマネズミがなつくのかという疑問から、その生態、危険性、そして対処法までを詳しく解説しました。最後に、重要なポイントを箇条書きでまとめます。

  • クマネズミは野生動物であり、基本的になつかない。
  • 警戒心が非常に強く、臆病で神経質な性格である。
  • 「なつく」のではなく、特定の状況下で「慣れる」ことがあるだけ。
  • ペットのファンシーラットはドブネズミを改良したもので、クマネズミとは別物。
  • クマネズミは様々な病原菌を媒介する危険な存在。
  • サルモネラ症やレプトスピラ症などの重篤な感染症リスクがある。
  • 家の柱や配線をかじり、火災の原因になることもある。
  • 繁殖力が非常に高く、放置するとあっという間に増える。
  • 知能が高く、市販の罠だけでの完全駆除は困難。
  • 家にいるのを見つけたら、まず侵入経路の封鎖が最優先。
  • 10円玉程度の隙間からでも侵入するため、徹底的に塞ぐ必要がある。
  • 燻煙剤や粘着シートでの対策も可能だが、限界がある。
  • 自力での駆除が難しい場合は、プロの業者に相談するのが最も確実。
  • 安易に触ったり、ペットにしようと考えたりするのは絶対にNG。
  • 正しい知識を持ち、迅速かつ適切な対応で安全な生活を守ることが重要。
クマネズミはなつく?【危険】ペットにする前に知るべき生態とリスク

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