「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」という漢字の並びを見て、あなたはそれぞれの正しい読み方をすぐに言えるでしょうか?普段の生活ではあまり使わないため、いざという時に迷ってしまう方も少なくありません。本記事では、十二支の読み方だけでなく、その由来や順番を覚えるためのコツ、さらには干支との違いまで、分かりやすく徹底的に解説します。これを読めば、あなたも十二支の知識を深め、自信を持って読み方を使いこなせるようになるでしょう。
十二支とは?その基本的な意味と役割

十二支は、古くから私たちの生活に深く根ざしている概念です。年賀状やカレンダー、さらには個人の性格や運勢を占う際にも登場するため、身近な存在と言えるでしょう。しかし、その起源や本来の意味については、意外と知られていないことも多いものです。
十二支は、紀元前の中国で生まれた時間の単位であり、もともとは暦や時刻、方角を表すために用いられていました。現代では、年を表す際に使われることがほとんどですが、かつては一日を十二の刻に分けたり、方位を十二に区分したりする際にも重要な役割を担っていたのです。それぞれの漢字には、動物が割り当てられる以前から、植物の成長サイクルや生命の循環を表す深い意味が込められています。
十二支の起源と歴史
十二支の歴史は非常に古く、紀元前16世紀の殷の時代にはすでに日付の呼び名として使われ始めていたとされています。その後、戦国時代には年、月、時刻、方位の表現に用いられるようになり、秦の時代までには、私たちがよく知る十二の動物がそれぞれに割り当てられるようになりました。この動物の割り当ては、人々が十二支をより覚えやすくするための工夫であったと言われています。
十干十二支(干支)との違い
「干支(えと)」という言葉は、多くの人が「十二支」と同じ意味で使っていますが、実はこの二つには明確な違いがあります。干支とは、「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせたものを指します。十干は甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)など10種類からなり、十二支は子(ね)、丑(うし)、寅(とら)など12種類からなります。
この十干と十二支を組み合わせることで、60を周期とする数詞が形成され、これが本来の「干支」となります。例えば、2025年の干支は「乙巳(きのとみ)」です。このように、干支はより複雑な暦の表現であり、十二支はその一部を構成する要素であると理解すると良いでしょう。
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の正しい読み方と動物の対応表

十二支の漢字は、それぞれに独特の読み方と、対応する動物があります。ここでは、それぞれの漢字の正しい読み方と、どの動物が割り当てられているのかを一つずつ確認していきましょう。普段あまり目にしない漢字もあるかもしれませんが、この機会にしっかりと覚えてみてください。
子(ね)
十二支の始まりである「子」は、「ね」と読みます。対応する動物は「ねずみ」です。ねずみは繁殖力が強く、新しい生命が芽生える様子を象徴しているとも言われています。
丑(うし)
「丑」は「うし」と読みます。対応する動物は「うし」です。うしは勤勉で粘り強い性格を表すとされ、芽が種子の中に生じてまだ伸びることができない状態を象徴しているとも言われます。
寅(とら)
「寅」は「とら」と読みます。対応する動物は「とら」です。とらは力強く、新しい一日が芽吹く瞬間を象徴するとも言われています。
卯(う)
「卯」は「う」と読みます。対応する動物は「うさぎ」です。うさぎは穏やかで跳ねる姿から、物事が活発に動き出す様子を表すと言われています。
辰(たつ)
「辰」は「たつ」と読みます。対応する動物は「たつ(龍)」です。たつは想像上の動物であり、力強さや変化を象徴します。
巳(み)
「巳」は「み」と読みます。対応する動物は「へび」です。へびは脱皮を繰り返すことから、再生や生命力を象徴すると言われています。
午(うま)
「午」は「うま」と読みます。対応する動物は「うま」です。うまは活発で行動力があることから、物事が順調に進む様子を表すと言われています。
未(ひつじ)
「未」は「ひつじ」と読みます。対応する動物は「ひつじ」です。ひつじは穏やかで群れをなすことから、平和や協調性を象徴すると言われています。
申(さる)
「申」は「さる」と読みます。対応する動物は「さる」です。さるは知恵や器用さを象徴し、物事が形になる様子を表すと言われています。
酉(とり)
「酉」は「とり」と読みます。対応する動物は「にわとり」です。にわとりは時を告げる動物であり、収穫や成熟を象徴すると言われています。
戌(いぬ)
「戌」は「いぬ」と読みます。対応する動物は「いぬ」です。いぬは忠実で人懐っこいことから、守りや信頼を象徴すると言われています。
亥(い)
十二支の最後を飾る「亥」は、「い」と読みます。対応する動物は「いのしし」です。いのししは勇猛果敢なイメージがありますが、物事の締めくくりや次の準備を象徴すると言われています。
以下に、十二支の漢字、読み方、対応する動物をまとめた表を示します。
| 順番 | 漢字 | 読み方 | 動物 |
|---|---|---|---|
| 1 | 子 | ね | ねずみ |
| 2 | 丑 | うし | うし |
| 3 | 寅 | とら | とら |
| 4 | 卯 | う | うさぎ |
| 5 | 辰 | たつ | たつ(龍) |
| 6 | 巳 | み | へび |
| 7 | 午 | うま | うま |
| 8 | 未 | ひつじ | ひつじ |
| 9 | 申 | さる | さる |
| 10 | 酉 | とり | にわとり |
| 11 | 戌 | いぬ | いぬ |
| 12 | 亥 | い | いのしし |
十二支の順番を楽しく覚えるコツと物語

十二支の漢字とその読み方は理解できても、その順番を正確に覚えるのは意外と難しいものです。しかし、いくつかのコツや昔から伝わる物語を知ることで、楽しく、そして確実に覚えることができます。ここでは、十二支の順番をマスターするための効果的な方法をご紹介します。
十二支の順番の覚え歌
十二支の順番を覚える最も一般的な方法の一つが、リズムに乗せた覚え歌です。耳で聞いて口に出すことで、自然と頭に入ってきます。特に有名なのは、以下のフレーズでしょう。
- ねー、うし、とら、うー、たつー、みー、うま、ひつじ、さーる、とり、いーぬ、いー
この歌を繰り返し口ずさむことで、自然と十二支の順番が身につきます。子供向けの絵本やアニメでもよく使われているので、お子さんと一緒に歌ってみるのも良い方法です。
動物たちが決めた十二支の順番の物語
十二支の順番には、有名な動物たちの競争の物語があります。これは、神様が動物たちに「元日の朝、新年の挨拶に来た者から順番に一年のリーダーにしてやろう」と告げたことから始まったとされています。
物語のあらすじは以下の通りです。
- 足の速い動物たちが次々と神様の元へ向かう中、ねずみは賢く、うしの背中に乗ってゴール直前で飛び降り、一番になりました。
- 次に到着したのは、ねずみを乗せていたうしでした。
- その後、とら、うさぎ、たつ、へび、うま、ひつじ、さる、にわとり、いぬ、いのししが続々と到着し、それぞれの順番が決まったとされています。
この物語を知ることで、単なる順番の羅列ではなく、それぞれの動物の特性や賢さが結びつき、記憶に残りやすくなります。
語呂合わせで覚える具体的な方法
覚え歌や物語以外にも、語呂合わせを活用することで、特に間違えやすい部分を確実に覚えることができます。例えば、「辰(たつ)」と「巳(み)」は続けて「たつみ」と人の名前のように覚える方法があります。また、「戌(いぬ)」と「亥(い)」も同様に「いぬい」と覚えることで、混同を防ぐことができます。
さらに、少し長いフレーズで覚える方法もあります。例えば、「たつみさんが、うま(午)とひつじ(未)を飼っている」のように、具体的な情景を思い浮かべながら覚えると、より記憶に定着しやすくなるでしょう。自分だけのオリジナルの語呂合わせを考えてみるのも、楽しく覚えるコツです。
十二支に隠された深い意味と象徴

十二支は単に年や方角を表すだけでなく、それぞれの漢字に深い意味や象徴が込められています。これらの意味を知ることで、十二支に対する理解がより一層深まり、その奥深さに触れることができるでしょう。ここでは、本来の十二支が持つ意味と、方角や時刻との関連性について解説します。
本来の十二支が表す植物の成長サイクル
十二支の漢字は、もともと動物とは関係なく、植物の成長サイクルや生命の循環を表す記号として使われていました。それぞれの漢字には、以下のような意味が込められています。
- 子(し):「孳(し)」、つまり「ふえる」という意味があり、新しい生命が種子の中に萌し始める状態を表します。
- 丑(ちゅう):「紐(ちゅう)」、つまり「ひも」「からむ」という意味があり、芽が種子の中に生じてまだ伸びることができない状態を表します。
- 寅(いん):「螾(いん)」、つまり「動く」という意味があり、春になって草木が動き始める様子を象徴します。
- 卯(ぼう):「茂(ぼう)」、つまり「しげる」という意味があり、草木が地面を覆うように茂る様子を表します。
- 辰(しん):「振(しん)」、つまり「ふるう」「ととのう」という意味があり、草木が成長し、形が整う様子を象徴します。
- 巳(し):「已(し)」、つまり「おわる」「とまる」という意味があり、草木の成長がピークに達し、充実する様子を表します。
- 午(ご):「忤(ご)」、つまり「さからう」という意味があり、草木の成長が止まり、新しい生命が生まれる準備をする様子を象徴します。
- 未(び):「昧(まい)」、つまり「くらい」という意味があり、草木が枯れて、次の世代の種子が土の中で育つ準備をする様子を表します。
- 申(しん):「伸(しん)」、つまり「のびる」という意味があり、果実が成熟し、収穫の時期を迎える様子を象徴します。
- 酉(ゆう):「緧(しゅう)」、つまり「ちぢむ」という意味があり、果実が成熟の極限に達した状態を表します。
- 戌(じゅつ):「滅(めつ)」、つまり「ほろびる」という意味があり、草木が枯れて、生命が終わりを迎える様子を象徴します。
- 亥(がい):「核(かく)」、つまり「かく」という意味があり、生命が種子の中に閉じ込められ、次の世代の準備をする様子を表します。
このように、十二支の漢字一つ一つには、自然の摂理や生命の循環が深く刻まれているのです。動物が割り当てられたのは、後世になって覚えやすくするための工夫であり、本来の意味はより哲学的なものでした。
各十二支が持つ方角や時刻の意味
十二支は、年だけでなく、方角や時刻を表すためにも用いられてきました。これは、古代中国の思想である陰陽五行説と結びつき、宇宙の秩序や時間の流れを象徴する役割を担っていたためです。
例えば、時刻では一日を十二の刻に分け、それぞれに十二支を割り当てていました。現在の時間に換算すると、以下のようになります。
- 子の刻:午後11時から午前1時頃(真夜中)
- 丑の刻:午前1時から午前3時頃
- 寅の刻:午前3時から午前5時頃
- 卯の刻:午前5時から午前7時頃
- 辰の刻:午前7時から午前9時頃
- 巳の刻:午前9時から午前11時頃
- 午の刻:午前11時から午後1時頃(正午)
- 未の刻:午後1時から午後3時頃
- 申の刻:午後3時から午後5時頃
- 酉の刻:午後5時から午後7時頃(日暮れ)
- 戌の刻:午後7時から午後9時頃
- 亥の刻:午後9時から午後11時頃
また、方角においても十二支が用いられ、それぞれが特定の方向を指していました。例えば、「丑寅(うしとら)」は北東の方角を、「辰巳(たつみ)」は南東の方角を、「戌亥(いぬい)」は北西の方角を指します。これらの知識は、昔の地図や建築、風水などにも影響を与えてきました。
よくある質問

- 十二支の「干支」と「十二支」は何が違うのですか?
- 十二支の動物はなぜこの順番なのですか?
- 十二支の読み方で間違いやすいものはありますか?
- 自分の生まれた年の十二支をすぐに知る方法はありますか?
- 十二支の動物に性格や特徴はありますか?
十二支の「干支」と「十二支」は何が違うのですか?
「干支(えと)」と「十二支(じゅうにし)」は、しばしば混同されがちですが、厳密には異なる概念です。十二支は「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種類の記号を指し、年や月、時刻、方角を表すために用いられます。一方、干支は、この十二支に「十干(じっかん)」と呼ばれる「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類の記号を組み合わせたものです。十干と十二支を組み合わせることで、60を周期とする暦が形成され、これが本来の「干支」となります。つまり、十二支は干支を構成する要素の一つであり、干支はより広範な概念なのです。
十二支の動物はなぜこの順番なのですか?
十二支の動物の順番は、神様が動物たちに新年の挨拶に来る競争をさせたという物語によって説明されるのが一般的です。神様が元日の朝に一番早く挨拶に来た動物から順番に一年のリーダーにすると告げたところ、足の速い動物たちが次々と向かいました。その中で、ねずみが賢くうしの背中に乗ってゴール直前で飛び降り、一番になったとされています。この物語は、子供たちにも親しまれており、十二支の順番を覚えるための楽しい方法として伝えられています。ただし、これは後世に覚えやすくするために作られた物語であり、本来の十二支は動物とは関係なく、植物の成長サイクルを表す記号でした。
十二支の読み方で間違いやすいものはありますか?
十二支の読み方で特に間違いやすいものとしては、「巳(み)」を「へび」と読んだり、「亥(い)」を「いのしし」と読んだりするケースが挙げられます。これは、それぞれの漢字に対応する動物の名前で読んでしまうためです。しかし、漢字自体の読み方は「み」や「い」が正しいです。また、「丑(うし)」や「卯(う)」なども、動物の名前と漢字の読みが一致するため、混同しやすいかもしれません。正確な読み方を覚えるためには、漢字と読み方をセットで繰り返し確認し、声に出して練習することが効果的です。
自分の生まれた年の十二支をすぐに知る方法はありますか?
自分の生まれた年の十二支を知るには、いくつかの簡単な方法があります。最も手軽なのは、カレンダーや手帳の干支表記を確認することです。多くのカレンダーには、その年の十二支が記載されています。また、インターネットで「〇〇年 十二支」と検索すれば、すぐに自分の生まれた年の十二支が分かります。西暦年を12で割って、特定の余りが出る年がどの十二支に当たるかという法則もありますが、これは少し複雑なので、カレンダーや検索サイトを利用するのが最も確実で簡単な方法と言えるでしょう。
十二支の動物に性格や特徴はありますか?
十二支の動物には、それぞれに性格や特徴が結びつけられることがよくあります。例えば、ねずみは「勤勉で器用」、うしは「粘り強く真面目」、とらは「決断力があり勇敢」といった具合です。しかし、これらの性格や特徴は、後世になって動物のイメージから連想されたものであり、本来の十二支の漢字が持つ意味とは直接的な関係はありません。むしろ、動物の性格診断は、占いやエンターテイメントの一環として楽しまれることが多いものです。自分の生まれた年の十二支の動物の性格を知ることで、自己理解を深めたり、周囲の人とのコミュニケーションのきっかけにしたりするのも良いでしょう。
まとめ

- 十二支は子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の12種類です。
- それぞれの正しい読み方は「ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い」です。
- 十二支は古代中国で暦や時刻、方角を表すために使われました。
- 動物が割り当てられたのは、覚えやすくするための工夫です。
- 「干支」は十干と十二支を組み合わせた60周期の暦を指します。
- 十二支の順番は、動物たちの競争の物語で覚えるのが一般的です。
- 覚え歌や語呂合わせも順番を覚えるのに役立ちます。
- 「たつみ」や「いぬい」は、続けて覚える語呂合わせです。
- 十二支の漢字には、植物の成長サイクルを表す深い意味があります。
- 子(孳)、丑(紐)、寅(螾)、卯(茂)など、それぞれに象徴的な意味があります。
- 十二支は、時刻や方角を示す際にも用いられました。
- 子の刻は午後11時から午前1時頃、酉の刻は午後5時から午後7時頃です。
- 丑寅は北東、辰巳は南東、戌亥は北西の方角を指します。
- 十二支の動物に結びつけられる性格は、後世の連想によるものです。
- 自分の十二支はカレンダーやインターネットで簡単に確認できます。
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