大切に育てている柿の木。実が大きくなるのを楽しみにしていたのに、ある日ポトポトと落ちてしまっている…。そんな悲しい経験はありませんか?もしかしたら、その原因は「ヘタムシ」の仕業かもしれません。ヘタムシは柿の収穫量を激減させてしまう、非常に厄介な害虫です。本記事では、柿のヘタムシ(カキノヘタムシガ)の生態から、具体的な被害、そして農薬を使った効果的な対策や、農薬に頼らない防除方法まで、詳しく解説していきます。この記事を読めば、あなたの大切な柿をヘタムシから守るための知識がきっと身につくはずです。
柿の大敵!ヘタムシ(カキノヘタムシガ)とは?

「ヘタムシ」という名前はよく聞くけれど、その正体は一体何なのでしょうか。まずは、この厄介な害虫の基本情報から見ていきましょう。知っているようで知らない、ヘタムシの生態や特徴を理解することが、効果的な対策への第一歩となります。
この章では、以下の点について詳しく解説します。
- ヘタムシの正体は「カキノヘタムシガ」という蛾の幼虫
- ヘタムシの見た目と特徴(成虫・幼虫)
- ヘタムシの厄介な生態とライフサイクル
ヘタムシの正体は「カキノヘタムシガ」という蛾の幼虫
一般的に「ヘタムシ」と呼ばれている虫の正式名称は「カキノヘタムシガ」という蛾(ガ)の一種です。 その名の通り、柿に専門的に寄生する害虫で、特にその幼虫が甚大な被害をもたらします。成虫が柿の実に直接害を与えるわけではなく、幼虫が果実を食い荒らし、落果させてしまうのです。 なぜ「ヘタムシ」と呼ばれるかというと、幼虫が柿のヘタの部分から果実に侵入し、被害を受けた実がヘタだけを枝に残して落下する特徴的な被害状況から来ています。 柿農家にとっては最も警戒すべき害虫の一つであり、その被害は収穫量に直接影響するため、非常に深刻な問題となっています。
ヘタムシの見た目と特徴(成虫・幼虫)
対策を立てる上で、敵の姿を知ることは非常に重要です。カキノヘタムシガの成虫と幼虫は、それぞれ特徴的な見た目をしています。
成虫は、体長が約8mmほどの小さな蛾です。 全体的に黒褐色で、胸部の背面に黄色い斑点があり、前翅の端のあたりに黄色い帯状の模様が見られるのが特徴です。 また、後ろ脚に長い毛が密生しているのも見分けるポイントの一つです。日中は葉の裏などに隠れて静止していることが多く、夜明け前に活発に飛び回って交尾や産卵を行います。
一方、被害をもたらす幼虫は、老熟すると体長が約10mm~1cm程度になります。 体は全体的に暗い紫色をしており、一見すると地味なイモムシです。 この幼虫が、孵化直後は柿の新芽に潜り込み、成長すると果実に移動して内部を食い荒らします。 ヘタの近くに小さな穴が開き、そこから糞(フン)が出ているのを見つけたら、幼虫が内部にいるサインです。
ヘタムシの厄介な生態とライフサイクル
カキノヘタムシガの防除を難しくしているのが、その厄介なライフサイクルです。この害虫は、年に2回発生するのが大きな特徴です。
まず、幼虫は木の幹の粗皮(ゴツゴツした古い樹皮)の下などで繭を作って越冬します。 春になり暖かくなると蛹になり、5月下旬から6月上旬ごろに1回目の成虫(越冬世代成虫)が羽化します。 この成虫が柿の新芽の近くに卵を産み付け、孵化した幼虫(第1世代幼虫)が新芽や小さな果実を食害します。これが6月から7月にかけての最初の被害です。
その後、成長した第1世代幼虫は蛹になり、7月下旬から8月上旬ごろに2回目の成虫(第1世代成虫)が発生します。 この成虫が再び産卵し、孵化した幼虫(第2世代幼虫)が、今度は大きくなった果実を食害します。これが8月から9月にかけての2回目の被害で、収穫を間近に控えた時期のため、より深刻なダメージとなります。 近年では、成虫の発生期間が長くなる傾向があり、防除がさらに難しくなっています。
なぜ柿の実が落ちる?ヘタムシによる被害のサイン

順調に育っているように見えた柿の実が、ある日突然落ちてしまうのは本当にショックですよね。その原因がヘタムシである場合、特徴的なサインが現れます。ここでは、ヘタムシによる被害の見分け方と、被害が発生する時期について詳しく解説します。生理的な落果との違いを知ることで、適切な対策を素早く行うことができます。
この章で解説する内容は以下の通りです。
- ヘタを残して実が落ちるのが特徴的な被害
- 第1世代(6月〜7月)と第2世代(8月〜9月)の被害の違い
- 生理落果との見分け方
ヘタを残して実が落ちるのが特徴的な被害
カキノヘタムシガの被害で最も特徴的なのは、「ヘタを枝に残したまま、果実だけが落下する」という点です。 幼虫がヘタと果実の隙間から内部に侵入し、果実の中心部を食い荒らします。 その結果、果実が未熟なうちに変色し、やがてポトリと落ちてしまうのです。落ちた実を拾ってみると、ヘタが付いていた部分に幼虫が侵入した小さな穴が開いていたり、糞が出ていたりすることがあります。 また、枝に残ったヘタをよく観察すると、そこにも幼虫の侵入を示す穴や糞が見られることがあります。 このようなサインがあれば、ヘタムシの被害である可能性が非常に高いと言えるでしょう。
第1世代(6月〜7月)と第2世代(8月〜9月)の被害の違い
ヘタムシは年に2回発生するため、被害も2つのピークがあります。それぞれの世代で被害の様相が少し異なります。
第1世代幼虫による被害(6月〜7月)
この時期の被害は、まだ果実が小さい幼果の時期に起こります。 幼虫は1匹で複数の小さな実を次々と食害して移動することがあります。 被害を受けた幼果は、黄褐色から黒褐色に変色し、ミイラのように乾燥して樹上に残ることもあれば、そのまま落果することもあります。 この時期の被害は、後の摘果作業である程度調整できる場合もありますが、被害が多いと収穫量に影響が出始めます。
第2世代幼虫による被害(8月〜9月)
最も深刻な被害となるのが、この第2世代幼虫によるものです。 摘果も終わり、収穫に向けて順調に肥大している果実がターゲットになります。 被害を受けた果実は、収穫前に不自然に早く色づき始め、やがてヘタを残して落果してしまいます。 収穫直前の被害は収量に直接的な大打撃を与えるため、農家にとっては非常に頭の痛い問題です。 この時期の幼虫は1つの果実の中で成長することが多いです。
生理落果との見分け方
柿の実は、害虫の被害だけでなく「生理落果」といって、樹が自らの力で実を落とす現象でも落下します。 これは、受粉がうまくいかなかったり、栄養が足りなかったりした場合に、樹が全ての実に栄養を行き渡らせることができないと判断し、一部の実を落として残りの実を充実させようとする自然な現象です。
ヘタムシ被害と生理落果を見分けるポイントは、「ヘタの状態」です。
- ヘタムシの被害: ヘタを枝に残して、果実だけが落ちる。枝に残ったヘタや落ちた実に虫の糞や穴がある。
- 生理落果: 6月中旬から7月中旬頃に多く、ヘタごとポロッと落ちることが多い。落ちた実に虫の痕跡はない。
落ちている実の状態をよく観察することで、原因がどちらなのかを判断する手がかりになります。原因を正しく突き止めることが、適切な対策への第一歩です。
【時期が重要】カキノヘタムシガの効果的な駆除・防除方法

ヘタムシの被害を防ぐためには、適切な時期に適切な対策を講じることが何よりも重要です。一度果実の中に侵入されてしまうと、薬剤の効果も届きにくくなります。ここでは、農薬を使った確実な方法から、できるだけ農薬を使いたくない方向けの対策まで、具体的な防除方法を詳しくご紹介します。
この章でご紹介する対策は以下の通りです。
- 対策の基本方針:幼虫が果実に入る前に叩く!
- 農薬を使った確実な対策
- 農薬を使いたくない人向けの対策
対策の基本方針:幼虫が果実に入る前に叩く!
カキノヘタムシガ対策の最大のコツは、「幼虫が果実に食い入る前に駆除する」ことです。 幼虫は孵化してしばらくの間、柿の新芽を食べて成長します。 この「芽を食害している時期」が、薬剤散布の絶好のタイミングなのです。果実の中に潜り込んでしまうと、薬剤が直接かからず、効果が著しく低下してしまいます。 そのため、成虫の発生時期を予測し、幼虫が活動を始めるタイミングを逃さずに防除を行うことが、被害を最小限に抑えるための鍵となります。
農薬を使った確実な対策
被害が毎年発生するような場合や、確実な効果を求める場合は、農薬の使用が最も効果的です。適切な薬剤を適切な時期に使用することで、被害を大幅に減らすことができます。
おすすめの殺虫剤(スミチオン、モスピランなど)
カキノヘタムシガに効果のある農薬はいくつか市販されています。代表的なものには以下のような薬剤があります。
- スミチオン乳剤・水和剤: 幅広い害虫に効果がある有機リン系の代表的な殺虫剤です。
- モスピラン液剤・水和剤: 浸透移行性があり、効果の持続が期待できるネオニコチノイド系の殺虫剤です。カキノヘタムシガ防除をうたった商品もあります。
- パダンSG水和剤: 他の薬剤が効きにくくなった害虫にも効果を発揮することがあります。
- アディオン乳剤: 速効性が高いピレスロイド系の殺虫剤です。
- ベニカベジフルスプレー: 家庭菜園向けに、すぐに使えるスプレータイプもあります。
これらの農薬は、ホームセンターやJA、園芸用品店などで購入できます。 使用する際は、必ずラベルに記載されている使用方法、希釈倍率、使用時期、使用回数などを守って正しく使用してください。
最適な農薬散布の時期と回数
農薬の効果を最大限に引き出すには、散布のタイミングが非常に重要です。カキノヘタムシガは年に2回発生するため、最低でも2回の散布が必要になります。
- 1回目の散布(第1世代幼虫対策): 6月上旬~中旬が目安です。 より正確なタイミングとしては、越冬世代成虫の発生ピーク(発蛾最盛期)から7~14日後とされています。 品種の「富有」柿の場合、開花が最も盛んになる時期(満開期)の10日後が防除の適期という研究結果もあります。
- 2回目の散布(第2世代幼虫対策): 7月下旬~8月上旬が目安です。 こちらは第1世代成虫の発生ピークから3~10日後が適期とされています。 この時期の防除は収穫に直結するため、特に重要です。
発生時期は天候や地域によって多少前後するため、地域の病害虫防除所が出す発生予察情報などを参考にすると、より的確なタイミングで散布できます。 被害が多い園では、1回目の散布から7~10日後に追加で散布するとさらに効果が高まります。
農薬散布のコツと注意点
農薬を散布する際は、ただ全体にかけるだけでなく、少しコツを意識すると効果が上がります。幼虫が潜んでいる「新芽」や「ヘタ」の部分には、特に丁寧に、薬液が十分にかかるように散布しましょう。 また、薬剤抵抗性の発達を防ぐため、毎年同じ系統の薬剤を使い続けるのではなく、異なる系統の薬剤を交互に使用する(ローテーション散布)ことも大切です。 安全のため、散布時はマスクや手袋、保護メガネなどを着用し、風のない穏やかな日に行うようにしてください。
農薬を使いたくない人向けの対策
「家庭で食べる分なので、できるだけ農薬は使いたくない」という方も多いでしょう。農薬を使わない方法(耕種的防除)もいくつかあり、これらを組み合わせることで被害を減らすことが可能です。
冬の必須作業「粗皮削り」で越冬幼虫を駆除
カキノヘタムシガの幼虫は、木の幹や太い枝のゴツゴツとした古い樹皮(粗皮)の下に潜んで冬を越します。 そこで、冬の休眠期(12月~2月頃)に、この粗皮をヘラや高圧洗浄機などで削り落とす作業は非常に効果的です。 越冬している幼虫を物理的に駆除することで、翌春の発生源を減らすことができます。これはヘタムシだけでなく、カイガラムシなど他の越冬害虫対策にもなるため、ぜひ実践したい作業です。
被害果を見つけたらすぐに処分する
シーズン中にヘタムシの被害を受けた果実を見つけたら、放置せずにすぐに摘み取って処分しましょう。 被害果の中にはまだ幼虫が潜んでいる可能性があります。そのままにしておくと、その幼虫が成長して次の世代の発生源になってしまいます。摘み取った被害果は、土に深く埋めるか、ビニール袋に入れて密封して捨てるなどして、確実に処分することが重要です。
袋掛けで物理的にガード
果実が小さいうちに一つ一つ袋をかける「袋掛け」も、物理的に成虫の産卵を防ぐ有効な手段です。 手間はかかりますが、農薬を使わずに果実を確実に守ることができます。全ての果実にかけるのが大変な場合は、特に大切にしたい枝の果実だけでも行うと良いでしょう。袋掛けは、他の害虫や鳥による被害、病気の予防にもつながるメリットがあります。
その他の耕種的防除(誘殺バンド、交信攪乱剤など)
他にも、以下のような方法があります。
- 誘殺バンド: 9月上旬ごろに、木の幹にワラや段ボールを巻きつけておくと、越冬場所を探す幼虫がその中に集まってきます。春になる前にこれを取り外して焼却処分することで、越冬幼虫をまとめて駆除できます。
- 交信攪乱剤: 「ヘタムシコン」などの商品名で販売されている性フェロモン剤を果樹園に設置することで、オスがメスを見つけるのを妨害し、交尾を阻害して次世代の発生を抑える方法です。
これらの農薬を使わない対策は、一つだけでは効果が限定的な場合もあります。複数の方法を組み合わせ、毎年根気強く続けることが被害を減らすためのコツです。
ヘタムシだけじゃない!柿に発生するその他の主要な害虫

柿を栽培する上で注意すべき害虫は、カキノヘタムシガだけではありません。他にも、葉や果実に被害を与え、樹を弱らせてしまう害虫がいます。ここでは、特に注意が必要な代表的な害虫をいくつかご紹介します。これらの害虫の存在も知っておくことで、総合的な病害虫管理に役立ちます。
この章で取り上げる主な害虫は以下の通りです。
- カメムシ類
- イラガ(毛虫)
- カイガラムシ類
カメムシ類
カメムシ類(特にチャバネアオカメムシやクサギカメムシなど)も柿の厄介な害虫です。 7月から9月ごろにかけて、成虫や幼虫が柿の果実の汁を吸います。 吸われた部分はスポンジ状になって味が悪くなったり、ひどい場合には奇形になったり、早期に落果してしまったりする原因にもなります。 カメムシは飛来してくるため、完全に防ぐのは難しいですが、発生が多い時期には殺虫剤の散布が有効です。また、雑草が多いと発生源になることがあるため、園内の除草をこまめに行うことも予防につながります。
イラガ(毛虫)
「電気虫」とも呼ばれるイラガの幼虫も、柿の木によく発生する害虫です。 この毛虫は、体に毒のあるトゲを持っており、触れると電気が走ったような激しい痛みを感じるため、作業の際には特に注意が必要です。 イラガの幼虫は集団で柿の葉を食害し、発生が多いと葉がほとんど食べられてしまい、光合成ができなくなって樹が弱る原因になります。 見つけ次第、枝ごと切り取って処分するか、殺虫剤(スミチオンなどが有効)で駆除しましょう。 冬の間に枝に付いている、固くて丸い繭(まゆ)を取り除いておくことも、翌年の発生を抑えるのに効果的です。
カイガラムシ類
フジコナカイガラムシなど、様々な種類のカイガラムシが柿の枝や幹、ヘタの部分に寄生します。 カイガラムシは樹液を吸って樹を弱らせるだけでなく、その排泄物が原因で、葉や果実が黒いすすで覆われたようになる「すす病」を誘発します。 すす病になると、光合成が妨げられたり、果実の見た目が悪くなって商品価値が下がったりします。 カイガラムシは硬い殻やロウ物質で体を覆っているため、薬剤が効きにくいことが多いです。対策としては、冬場の粗皮削りが非常に有効です。 また、幼虫が発生する時期(5月下旬~6月、8月中旬など)を狙って薬剤を散布するのも効果的です。
よくある質問

ここでは、柿のヘタムシに関して、多くの方が疑問に思う点についてQ&A形式でお答えします。
柿のヘタムシの消毒はいつすればいいですか?
柿のヘタムシ(カキノヘタムシガ)の消毒(農薬散布)に最適な時期は、年に2回あります。1回目は6月上旬から中旬、2回目は7月下旬から8月上旬が目安です。 これは、ヘタムシの幼虫が果実の中に侵入する前の、新芽を食べている時期を狙うためです。 より正確なタイミングは、成虫の発生ピークの10日前後となるため、地域の病害虫発生予察情報などを参考にすると効果的です。
柿の実に虫が入らないようにするにはどうすればいいですか?
虫が実に入るのを防ぐには、複数の対策を組み合わせることが有効です。まず、幼虫が活動を始める6月と8月前後に、スミチオンやモスピランなどの適切な殺虫剤を散布します。 農薬を使いたくない場合は、果実が小さいうちに袋掛けをするのが最も確実な物理的防除法です。 また、冬の間に木の幹の古い皮を剥ぐ「粗皮削り」を行って越冬幼虫を駆除することも、翌年の発生を減らす上で非常に重要です。
農薬を使わずにヘタムシを防除できますか?
はい、農薬を使わない方法もありますが、根気強い継続が必要です。最も効果的なのは、冬の間に粗皮削りを行い、越冬する幼虫の密度を下げることです。 シーズン中は、被害を受けた果実を見つけ次第すぐに取り除いて処分し、次の発生源となるのを防ぎます。 さらに、果実に袋をかけることで、成虫の産卵そのものを防ぐことができます。 これらの方法を組み合わせることで、農薬に頼らずとも被害をある程度抑えることが可能です。
柿の実がヘタを残さずに落ちるのはなぜですか?
柿の実がヘタごと落ちる場合、ヘタムシ以外の原因が考えられます。最も一般的なのは「生理落果」です。 これは6月から7月にかけて多く見られ、受粉不良や栄養不足などにより、木が自ら実を調整するために起こる自然現象です。 また、炭疽病などの病気にかかった場合も、ヘタごと落果することがあります。 落ちた実に虫の穴や糞が見られない場合は、生理落果や病気の可能性が高いでしょう。
ヘタムシに強い柿の品種はありますか?
品種によって、ヘタムシの被害の受けやすさに差があると言われています。比較的被害に強いとされる品種には、「富有」「次郎」「平核無」「禅寺丸」などがあります。 一方で、「甘百目」や「蜂屋」といった品種は被害を受けやすい傾向にあるようです。 もしこれから新しく柿の木を植える予定がある場合は、こうした耐病性も品種選びの参考にすると良いかもしれません。
まとめ

- ヘタムシの正体は「カキノヘタムシガ」という蛾の幼虫です。
- 年に2回(6-7月、8-9月)発生し、柿の実に被害を与えます。
- 被害の特徴は、ヘタを枝に残して果実だけが落下することです。
- 対策の基本は、幼虫が果実に入る前に駆除することです。
- 農薬散布の適期は6月上旬-中旬と7月下旬-8月上旬です。
- スミチオンやモスピランなどの農薬が有効です。
- 農薬散布時は、新芽やヘタに丁寧に散布するのがコツです。
- 農薬を使わない対策として、冬の「粗皮削り」が非常に効果的です。
- 被害果を見つけたら、すぐに摘み取って処分することが重要です。
- 果実への「袋掛け」は、物理的に産卵を防ぐ確実な方法です。
- 生理落果はヘタごと落ちるため、ヘタムシ被害と区別できます。
- カメムシやイラガ、カイガラムシなど他の害虫にも注意が必要です。
- 冬の粗皮削りは、他の越冬害虫の駆除にも繋がります。
- 複数の防除方法を組み合わせ、毎年継続することが大切です。
- 地域の発生情報を参考にすると、より効果的な防除が可能です。