「風邪予防にはイソジン」というイメージが強いですが、「もしかして、イソジンって虫歯にも効くの?」と疑問に思ったことはありませんか?強力な殺菌効果があるなら、虫歯菌もやっつけてくれそうですよね。しかし、その期待、実は少し注意が必要です。
本記事では、イソジンが虫歯に対してどのような効果を持つのか、そして虫歯予防のためにどう使えば良いのかという点を、専門的な情報に基づいて詳しく解説していきます。あなたのイソジンに対する疑問や不安を解消し、正しいオーラルケアの知識を深めるお手伝いができれば幸いです。
【結論】イソジンで虫歯は治らない!しかし予防効果は期待できる

まず結論からお伝えすると、残念ながらイソジンで出来てしまった虫歯を治療することはできません。しかし、がっかりするのはまだ早いです。イソジンは虫歯の「治療」はできませんが、虫歯の「予防」という観点では、一定の効果が期待できるのです。一体どういうことなのでしょうか。その理由を詳しく見ていきましょう。
この章では、以下の点について掘り下げていきます。
- なぜイソジンでは虫歯治療ができないのか?
- イソジンの主成分「ポビドンヨード」の殺菌効果とは
- 虫歯予防におけるイソジンの役割
なぜイソジンでは虫歯治療ができないのか?
イソジンで虫歯が治らない最も大きな理由は、虫歯のメカニズムにあります。虫歯とは、虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶かされてしまう病気です。 初期段階では歯の表面が溶ける「脱灰」という状態ですが、進行すると歯に穴が開いてしまいます。
イソジンうがい薬は、口の中の粘膜や喉に付着した細菌やウイルスを殺菌するのには非常に効果的です。 しかし、虫歯菌は歯の表面に形成される「バイオフィルム(歯垢)」という強力なバリアの中に潜んでいます。 うがい薬の水流だけでは、このバイオフィルムを破壊して内部の虫歯菌まで殺菌することは極めて困難なのです。 穴が開いてしまった虫歯は、歯科医院で物理的に削り取って詰め物をするなどの治療を受けなければ、元通りになることはありません。
イソジンの主成分「ポビドンヨード」の殺菌効果とは
イソジンの茶色い色の元であり、その強力な殺菌力の主役となっているのが「ポビドンヨード」という成分です。 ポビドンヨードは、ヨウ素を水に溶けやすくし、効果を安定させたもので、非常に幅広い種類の細菌、ウイルス、真菌(カビ)に対して迅速な殺菌・消毒効果を発揮します。 その効果の高さから、医療現場では手術部位の消毒や医師の手洗いなどにも広く使用されています。
口の中で使用した場合、ポビドンヨードは口内や喉に浮遊している細菌を効果的に殺菌してくれます。 これにより、風邪の予防はもちろん、口内炎の悪化防止や口臭の除去にもつながるのです。 ただし、前述の通り、歯に強固に付着したバイオフィルム内部の虫歯菌への効果は限定的である、と理解しておくことが重要です。
虫歯予防におけるイソジンの役割
では、虫歯予防においてイソジンは全くの無力なのでしょうか?答えは「いいえ」です。イソジンは、虫歯予防の補助的な役割として活用できます。
虫歯予防の基本は、なんといっても歯磨きです。歯ブラシやフロスを使って、虫歯菌のすみかであるバイオフィルム(歯垢)を物理的に除去することが最も重要です。 その上で、歯磨き後にイソジンでうがいをすることで、歯磨きで取り切れなかった口内に浮遊する細菌を殺菌し、口内全体の衛生状態を高めることができます。
特に、歯周病菌に対しても殺菌効果が認められているため、歯周病予防と合わせて使用するのは非常に効果的と言えるでしょう。 歯周病が進行すると歯茎が下がり、歯の根元が露出して虫歯になりやすくなるため、歯周病を予防することは結果的に虫歯予防にも繋がるのです。 イソジンはあくまで「補助」と位置づけ、日々の丁寧な歯磨きと組み合わせることが、健康な歯を保つための鍵となります。
虫歯予防効果を最大化するイソジンの正しい使い方

イソジンが虫歯予防のサポート役として期待できることは分かりましたが、その効果を最大限に引き出すためには、正しい使い方を実践することが不可欠です。ただ何となくうがいをするだけでは、せっかくの効果も半減してしまいます。ポイントを押さえて、毎日のオーラルケアに取り入れましょう。
この章では、虫歯予防に繋がるイソジンの効果的な使い方について、以下の項目で詳しく解説します。
- 基本的なうがいの手順
- イソジンを使うベストなタイミング
- 「イソジンで歯磨き」はNG?その理由を解説
- 使用頻度と注意点
基本的なうがいの手順
イソジンうがい薬の効果をしっかり得るための、基本的なうがいの手順をご紹介します。シオノギヘルスケアの公式サイトでも推奨されている方法を参考に、正しく行いましょう。
- 規定の濃度に薄める
まず、製品の指示に従い、イソジンうがい薬を水で正しく希釈します。通常、水約60mLに対して本剤を2~4mL(付属のカップで1~2目盛)が目安です。 濃すぎると粘膜を傷つける可能性があるため、必ず規定量を守ってください。 - 口の中全体をブクブクうがい
薄めたうがい薬を口に含み、まずは口の中全体に行き渡らせるように、頬を膨らませたりすぼめたりしながら「ブクブク」と強めにうがいをします。これは、食べカスや大まかな汚れを洗い流す目的があります。 - 上を向いてガラガラうがい
次に、上を向いて「ガラガラ」と喉の奥でうがいをします。15秒程度を目安に行いましょう。これにより、喉の粘膜に付着したウイルスや細菌を殺菌・消毒します。 - 30秒以上かけて行う
イソジンの殺菌効果は、うがいを開始してから30秒から60秒ほどで最も高まるとされています。 少し長く感じるかもしれませんが、口に含んでから吐き出すまで、合計で30秒以上かけることを意識するとより効果的です。
この手順を丁寧に行うことで、口内から喉にかけて広範囲の細菌にアプローチできます。
イソジンを使うベストなタイミング
虫歯予防を意識してイソジンを使う場合、そのタイミングも重要です。最もおすすめなのは、歯磨きを丁寧に行った後です。
前述の通り、虫歯菌はバイオフィルム(歯垢)の中に潜んでいます。まずは歯磨きでこのバイオフィルムをしっかりと物理的に除去することが先決です。 バイオフィルムが取り除かれたクリーンな状態でイソジンうがいをすることで、歯磨きで落としきれなかった細菌や、歯の表面・粘膜に付着しようとしている細菌を効率よく殺菌できます。
また、就寝前の歯磨き後に使用するのも非常に効果的です。睡眠中は唾液の分泌量が減少し、細菌が繁殖しやすくなるため、寝る前に口内を殺菌しておくことで、虫歯や歯周病、口臭のリスクを低減させることができます。
「イソジンで歯磨き」はNG?その理由を解説
「殺菌効果があるなら、歯磨き粉の代わりにイソジンで歯を磨けば一石二鳥なのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、これはおすすめできません。
その理由は主に2つあります。
- 研磨剤が含まれていない
歯磨き粉には、歯の表面の汚れや着色を効率的に落とすための「研磨剤」が含まれています。イソジンうがい薬にはこの研磨剤が入っていないため、歯ブラシにつけて磨いても、歯垢を効果的に除去することは難しいのです。 - 酸性度が高い
ポビドンヨードを含むうがい薬は、製品によっては酸性度が高い場合があります。 酸性の液体に歯が長時間さらされると、歯の表面のエナメル質が溶け出す「酸蝕症(さんしょくしょう)」を引き起こすリスクがあります。 うがいで短時間使用する分には問題ありませんが、歯磨きのように時間をかけて歯にこすりつける使い方は、歯を傷める原因になりかねません。
イソジンはあくまで「うがい薬」として、歯磨きとは別に使うのが正しい方法です。
使用頻度と注意点
イソジンは医薬品ですので、使用頻度にも注意が必要です。製品の用法・用量には「1日数回うがいをする」と記載されています。 風邪の流行期や喉の調子が悪い時などを除き、健康な状態での虫歯・歯周病予防目的であれば、1日1~2回、特に就寝前に行うのが良いでしょう。
過度な使用は、口の中にいる良い菌(常在菌)まで殺してしまい、かえって口内環境のバランスを崩す可能性も指摘されています。 また、長期間の連続使用は、歯や舌に茶色い着色が付く原因になることもあります。 この着色は一時的なもので、使用を中止したり、歯科医院でのクリーニングで除去できたりしますが、気になる方は注意が必要です。
何事も「やりすぎ」は禁物です。イソジンの効果を正しく理解し、適切な使い方を守ることが、お口の健康を守る上で最も大切なことなのです。
イソジンは虫歯以外にも効果あり!口内トラブルへの応用

イソジンの活躍の場は、虫歯予防のサポートだけにとどまりません。その優れた殺菌・消毒効果は、虫歯以外の様々なお口のトラブルに対しても力を発揮します。イソジンを一本常備しておけば、いざという時に心強い味方になってくれるかもしれません。
この章では、イソジンが効果を発揮する虫歯以外の口内トラブルについて解説します。
- 歯周病(歯肉炎・歯周炎)の予防
- 気になる口臭への効果
- 口内炎や抜歯後のケア
歯周病(歯肉炎・歯周炎)の予防
イソジンは、歯周病の予防において非常に有効です。歯周病は、歯周病菌が歯と歯茎の境目にある歯周ポケットに侵入し、歯茎に炎症を起こす病気です。 進行すると歯を支える骨を溶かし、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。
イソジンの有効成分ポビドンヨードは、この歯周病菌に対しても強い殺菌効果を示します。 毎日の歯磨きで歯垢をしっかり落とした後にイソジンでうがいをすることで、歯周ポケットの入り口付近や、歯ブラシが届きにくい場所に潜む歯周病菌を殺菌し、歯肉炎の発生や進行を抑える効果が期待できます。
ある研究では、ブラッシングに加えてポビドンヨードでのうがいを併用したグループは、ブラッシングのみのグループに比べて、歯肉の炎症を示す指数が有意に改善したという報告もあります。 虫歯だけでなく、歯周病も予防したいと考えている方にとって、イソジンは非常に頼りになるアイテムと言えるでしょう。
気になる口臭への効果
マスク生活が長引く中で、自分の口臭が気になった経験はありませんか?口臭の主な原因の一つは、口の中にいる細菌が食べカスや剥がれた粘膜のタンパク質を分解する際に発生させる「揮発性硫黄化合物(VSC)」です。また、歯周病も強い口臭の原因となります。
イソジンは、これらの口臭原因菌に対しても殺菌効果を発揮します。 うがいによって口内全体を殺菌・洗浄することで、細菌の活動を抑え、口臭の発生を防ぐことができるのです。特に、起床時や食後のうがいは、口の中をリフレッシュさせ、不快な臭いを軽減するのに役立ちます。
ただし、イソジンによる口臭抑制効果は一時的なものです。虫歯や重度の歯周病、あるいは内臓の疾患などが原因で口臭が発生している場合は、根本的な原因を治療する必要があります。気になる口臭が続く場合は、一度歯科医院や医療機関に相談することをおすすめします。
口内炎や抜歯後のケア
痛くてつらい口内炎。その原因は様々ですが、患部が細菌に感染することで悪化したり、治りが遅くなったりすることがあります。イソジンでうがいをすることで、口内炎の患部を清潔に保ち、二次感染を防ぐ効果が期待できます。
また、歯科医院では、抜歯後の感染予防のためにポビドンヨードを含むうがい薬が処方されることがあります。抜歯した後の穴(抜歯窩)は、細菌に感染しやすく、感染すると強い痛みや腫れを引き起こす「ドライソケット」という状態になることがあります。うがい薬で口内を清潔に保つことは、こうした術後のトラブルを防ぐ上で重要です。
ただし、抜歯当日の強いうがいは、傷口の血餅(かさぶたの役割をする血の塊)を剥がしてしまう可能性があるため避けるべきです。 抜歯後のケアでイソジンを使用する場合は、必ず歯科医師の指示に従い、優しく口に含んで吐き出す程度にしましょう。自己判断での使用は控え、専門家のアドバイスを仰ぐことが大切です。
イソジン使用前に知っておきたい注意点と副作用

多くの口内トラブルに有効なイソジンですが、医薬品である以上、使用する際にはいくつかの注意点があります。誰でも安全に使えるわけではなく、体質や持病によっては使用を避けなければならないケースも存在します。安心して使うためにも、事前にリスクをしっかり理解しておきましょう。
この章では、イソジンを使用する前に必ず知っておくべき注意点と、起こりうる副作用について解説します。
- 甲状腺疾患のある方は使用に注意が必要
- アレルギー(ヨウ素過敏症)の可能性
- 長期間の連続使用は避けるべき?
- 衣服などへの付着と着色
甲状腺疾患のある方は使用に注意が必要
イソジンの有効成分ポビドンヨードには「ヨウ素」が含まれています。 ヨウ素は、私たちの体内で甲状腺ホルモンを作るために必要なミネラルですが、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症(橋本病)など、甲状腺に疾患のある方がヨウ素を過剰に摂取すると、病状に影響を与える可能性があります。
そのため、甲状腺の病気で治療中の方や、健康診断などで甲状腺の異常を指摘されたことがある方は、イソジンを使用する前に必ず主治医や薬剤師に相談してください。 自己判断での使用は絶対に避けましょう。
アレルギー(ヨウ素過敏症)の可能性
頻度はまれですが、イソジンの成分であるヨウ素に対してアレルギー反応(過敏症)を起こす人がいます。 症状としては、使用後に口の中が荒れたり、じんましん、かゆみ、息苦しさなどが現れることがあります。
特に重篤なアレルギー反応として「アナフィラキシーショック」があり、使用後すぐに呼吸困難や血圧低下、意識の混濁などの症状が現れた場合は、命に関わる危険な状態です。 もしイソジンを使用して少しでも体に異常を感じた場合は、直ちに使用を中止し、速やかに医師の診察を受けてください。 過去にヨウ素系の薬剤でアレルギー症状を起こしたことがある方は、イソジンを使用することはできません。
長期間の連続使用は避けるべき?
イソジンを長期間、習慣的に使い続けることについては、いくつかの懸念点が指摘されています。
- 常在菌バランスの乱れ
口の中には、悪玉菌だけでなく、外部からの病原菌の侵入を防ぐ役割を持つ善玉菌(常在菌)も存在し、互いにバランスを保っています。イソジンの強力な殺菌力は、この善玉菌まで殺してしまい、かえって口内環境のバランスを崩してしまう可能性があります。 - 歯や舌への着色
ポビドンヨードのヨウ素成分により、長期間使用すると歯や舌、入れ歯などが茶色く着色することがあります。 これは使用を中止すれば元に戻ることが多いですが、審美的に気になる点です。 - 耐性菌のリスク
これはイソジンに限らず全ての殺菌剤に言えることですが、長期間にわたって同じ殺菌剤を使用し続けると、その薬剤が効きにくい「耐性菌」が出現するリスクが理論上は考えられます。
これらの理由から、特に症状がないのに予防目的で毎日長期間使い続けることは、必ずしも推奨されるわけではありません。風邪の流行期や喉に違和感がある時、口内炎ができた時など、必要な時に限定して使用するのが賢明な使い方と言えるでしょう。
衣服などへの付着と着色
これは副作用ではありませんが、実用上の大きな注意点です。イソジンうがい薬は、あの特徴的な茶色い液体が衣服や洗面台に付着すると、シミになってなかなか落ちません。
もし付着してしまった場合は、すぐに水で洗い流してください。時間が経つと落ちにくくなります。特に白いシャツなどを着ている時は、飛び散らないように細心の注意を払ってうがいをする必要があります。小さなお子様に使用させる際は、保護者の方がそばで見守り、汚れても良い服装で使うなどの工夫をすると安心です。
最近では、ポビドンヨードを含まない無色透明タイプの「イソジンクリアうがい薬」も販売されています。 こちらは有効成分が異なり(CPC:セチルピリジニウム塩化物水和物)、着色の心配がないため、洗面台の汚れや衣服への付着が気になる方には良い選択肢となるでしょう。
イソジンと他のうがい薬(リステリン・コンクール)との比較

うがい薬の棚には、イソジンの他にも様々な製品が並んでいます。中でもよく見かけるのが「リステリン」や「コンクールF」ではないでしょうか。それぞれに特徴があり、有効成分や使用感が異なります。自分の目的や好みに合った製品を選ぶために、それぞれの違いを知っておきましょう。
この章では、代表的なうがい薬であるイソジン、リステリン、コンクールFを比較し、それぞれの特徴を解説します。
- 殺菌成分の違い
- 使用感と刺激の強さ
- 目的別のおすすめうがい薬
殺菌成分の違い
うがい薬の効果を決定づける最も大きな要素は、配合されている「殺菌成分」です。それぞれの製品で主成分が異なり、得意とする効果にも違いがあります。
イソジン
主成分は「ポビドンヨード」です。 非常に幅広い種類の細菌、ウイルス、真菌に効果を発揮する強力な殺菌消毒薬です。 喉の殺菌・消毒や感染症予防に高い効果が期待できますが、医薬品(第3類医薬品)に分類されます。
リステリン
主成分は「エッセンシャルオイル(1,8-シネオール、チモール、l-メントール、サリチル酸メチル)」です。 これらの植物由来成分がバイオフィルムの内部に浸透し、幅広い細菌に対して殺菌効果を発揮します。歯垢の沈着予防や歯肉炎、口臭予防に効果があります。医薬部外品に分類される製品が多いです。
コンクールF
主成分は「グルコン酸クロルヘキシジン」です。 この成分は、高い殺菌効果を持ちながら、歯や粘膜の表面に付着して効果が長時間持続する(最大12時間)という大きな特徴があります。 虫歯、歯周病、口臭の予防に非常に効果的で、多くの歯科医院で推奨されています。こちらも医薬部外品です。
このように、一口に「殺菌」といっても、そのアプローチ方法や成分が全く異なるのです。
使用感と刺激の強さ
毎日使うものだからこそ、使用感や味、刺激の強さも重要な選択基準になります。これも製品ごとに大きな違いがあります。
イソジン
独特のヨウ素の風味と香りがあります。人によってはこの味が苦手だと感じるかもしれません。刺激は比較的マイルドですが、後味は残りやすいです。茶色い液体なので、洗面台が汚れやすいというデメリットもあります。
リステリン
非常に強い刺激と独特のフレーバーが特徴です。アルコールを高濃度に含む製品が多く、ピリピリとした強い刺激が苦手な方には向かないかもしれません。ただし、その爽快感が好きだという愛用者も多くいます。最近ではノンアルコールで低刺激のタイプも販売されています。
コンクールF
刺激が非常に少なく、マイルドな使用感が特徴です。味も爽やかなミント風味で、後味もスッキリしているため、うがい薬の刺激が苦手な方や、お子様でも使いやすい製品です。水に数滴垂らして使う濃縮タイプなので、コストパフォーマンスが高いのも魅力です。
目的別のおすすめうがい薬
では、結局どのうがい薬を選べば良いのでしょうか。あなたの目的別に、おすすめの製品をまとめてみました。
こんな人には「イソジン」がおすすめ!
- 風邪やインフルエンザの予防をしっかりしたい人
- 喉の痛みやイガイガをすぐに何とかしたい人
- 口内炎や抜歯後の感染予防をしたい人(医師の指示のもと)
こんな人には「リステリン」がおすすめ!
- とにかく強い爽快感が欲しい人
- 歯垢の付着をしっかり防ぎたい人
- 口臭をスッキリさせたい人
こんな人には「コンクールF」がおすすめ!
- 虫歯や歯周病を本格的に予防したい人
- 殺菌効果が長時間続く製品を使いたい人
- 刺激の少ないマイルドな使用感を好む人
- 歯科医推奨の信頼できる製品を使いたい人
このように、それぞれの製品に長所と短所があります。虫歯予防を主目的とするならば、殺菌効果の持続性に優れるコンクールFが一歩リードしていると言えるかもしれません。しかし、喉のケアも重視するならイソジンが適しています。自分のライフスタイルやお口の状態に合わせて、最適な一本を見つけてください。
よくある質問

イソジンと虫歯に関して、多くの方が抱く疑問をQ&A形式でまとめました。ここまで解説してきた内容の復習にもなりますので、ぜひ参考にしてください。
イソジンでうがいすると歯が茶色くなるって本当ですか?
はい、長期間使用すると歯が茶色く着色することがあります。 これはイソジンの有効成分であるポビドンヨードに含まれるヨウ素によるものです。この着色は歯の表面に付着しているもので、虫歯のように歯自体が変色しているわけではありません。通常は使用を中止したり、歯科医院で専門的なクリーニング(PMTC)を受けたりすることで落とすことが可能です。着色が気になる場合は、使用後に水で軽く口をすすぐ、あるいは使用を必要な期間に限定するといった対策が考えられます。
子供でもイソジンは使えますか?
使用できますが、いくつかの注意が必要です。まず、うがいが上手にできる年齢(一般的に4~5歳以降)であることが前提です。誤って飲み込んでしまう可能性がある小さなお子様には使用させないでください。また、必ず保護者の監督のもとで使用し、定められた用法・用量を守って正しく薄めてあげることが重要です。 フルーティーな風味で子供でも使いやすい「イソジンうがい薬P」といった製品もあります。 ただし、アレルギーの可能性も考慮し、初めて使用する際は少量から試すなど、慎重に様子を見るようにしましょう。
妊娠中や授乳中にイソジンを使っても大丈夫ですか?
妊娠中や授乳中の方は、使用を避けるか、使用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。イソジンに含まれるヨウ素は、胎盤を通過したり母乳に移行したりする可能性があります。大量のヨウ素が胎児や乳児の体内に入ると、甲状腺機能に影響を及ぼす恐れがあるため、添付文書でも「相談すること」とされています。安全のため、自己判断での使用は絶対にやめましょう。
イソジンは毎日使ってもいいですか?
用法・用量を守れば毎日使用することは可能ですが、長期的な連続使用は慎重になるべきです。前述の通り、長期間の使用は口内の常在菌のバランスを崩したり、歯に着色したりする可能性があります。 虫歯や歯周病予防のために毎日使いたい場合は、歯科医院で推奨されることが多いグルコン酸クロルヘキシジン配合の洗口液(コンクールFなど)の方が、長期使用には向いているという意見もあります。 イソジンは、風邪の予防や喉の調子が悪い時など、スポット的に使用するのがより安全で効果的な使い方と言えるかもしれません。
虫歯が痛いときにイソジンでうがいをすると楽になりますか?
一時的に痛みが和らぐように感じる可能性はありますが、根本的な解決にはなりません。虫歯の痛みは、歯の神経(歯髄)が炎症を起こしていることが原因です。 イソジンでうがいをすることで口の中が清潔になり、炎症部分への刺激が減って一時的に痛みが緩和されることはあるかもしれません。しかし、これは対症療法に過ぎず、虫歯自体が治っているわけではありません。痛みの原因である虫歯を治療しない限り、痛みは再発し、さらに悪化する可能性があります。虫歯の痛みを感じたら、気休めにうがいをするのではなく、一刻も早く歯科医院を受診してください。
まとめ

この記事では、「イソジンと虫歯」をテーマに、その効果の真相や正しい使い方について詳しく解説してきました。最後に、本記事の重要なポイントを箇条書きでまとめます。
- イソジンで出来てしまった虫歯を治すことはできない。
- 虫歯治療には歯科医院での専門的な処置が必要である。
- イソジンの殺菌効果は虫歯の「予防」に役立つ可能性がある。
- 主成分ポビドンヨードは幅広い細菌やウイルスに有効。
- 歯磨き後の補助として使うことで口内環境を清潔に保つ。
- 歯周病予防にも効果が期待でき、結果的に虫歯予防に繋がる。
- 効果を最大化するには、正しい手順で30秒以上うがいする。
- ベストなタイミングは、歯垢を除去した後の歯磨き後。
- イソジンで歯を磨くのは研磨剤がなく酸蝕症リスクからNG。
- 甲状腺疾患のある方や妊婦・授乳婦は使用に注意が必要。
- ヨウ素アレルギー(過敏症)の人は使用してはいけない。
- 長期連用は口内環境の乱れや歯の着色の可能性がある。
- 他のうがい薬(リステリン、コンクールF)とは成分や特徴が異なる。
- 虫歯予防が主目的なら、殺菌効果が持続する製品も選択肢になる。
- 虫歯の痛みがある場合は、うがいでごまかさず歯科医院へ行くこと。
イソジンは正しく使えばお口の健康を守る心強い味方になります。しかし、万能薬ではありません。虫歯予防の基本はあくまで日々の丁寧な歯磨きと、定期的な歯科検診です。本記事で得た知識を活かし、イソジンを上手にオーラルケアに取り入れて、健康な歯を維持していきましょう。