スタイリッシュな犯罪捜査と、アラン・カミング演じる魅力的な主人公ディラン・ラインハート博士の活躍で人気を博した海外ドラマ『インスティンクト -異常犯罪捜査-』。多くのファンがシーズン3を心待ちにしていましたが、残念ながらシーズン2での打ち切りが発表されました。突然の知らせに「どうして?」「これから面白くなるところだったのに」と、ショックを受けた方も多いのではないでしょうか。
本記事では、なぜ『インスティンクト』が打ち切りになってしまったのか、その理由を徹底的に深掘りします。単なる視聴率の低下だけでなく、その裏に隠された複数の要因や、気になるシーズン3の可能性について、どこよりも詳しく解説していきます。
衝撃の事実!ドラマ『インスティンクト』はシーズン2で打ち切りに

多くのファンに惜しまれつつ、ドラマ『インスティンクト -異常犯罪捜査-』はシーズン2をもってその歴史に幕を閉じることが決定しました。まずは、この衝撃的なニュースがどのように伝えられたのか、そしてファンはどのように受け止めたのかを振り返ってみましょう。
この章では、以下の内容について詳しく見ていきます。
- クリエイターがSNSで正式に発表
- ファンから悲しみの声が殺到
クリエイターがSNSで正式に発表
『インスティンクト』の打ち切りが公になったのは、2019年8月17日のことでした。 この日、シリーズのクリエイターであるマイケル・ローチ氏が自身のTwitter(現在のX)で、シーズン3への更新がないことを正式に発表したのです。
ローチ氏は「『インスティンクト』がシーズン3に更新されないというニュースを伝えるのは悲しい」と述べ、キャストやスタッフ、そして何より番組を支えてくれたファンへの感謝の気持ちを綴りました。 この突然の発表は、多くの視聴者にとって青天の霹靂であり、大きな衝撃を与えました。
主演のアラン・カミングも自身のInstagramで、「大手TV局で初めてゲイの主役を演じられたことを誇りに思う」とコメントし、共演者やスタッフへの感謝と共に、番組の終了を報告しています。 このように、制作の中心人物たち自らの口から打ち切りが語られたことで、シーズン3への望みは完全に断たれてしまったのです。
ファンから悲しみの声が殺到
クリエイターやキャストからの発表を受け、SNS上には世界中のファンから悲しみの声が殺到しました。「大好きなドラマだったのに、信じられない」「ディランとリジーのコンビがもう見られないなんて」「シーズン2の終わり方だと続きが気になるのに!」といった、打ち切りを惜しむコメントが溢れかえったのです。
特に、主人公ディランと夫アンディの関係や、相棒リジーとの絆など、キャラクターたちの人間模様に惹かれていたファンは多く、物語の行く末が見届けられないことへの失望感は非常に大きいものでした。日本でも、CS放送などで楽しんでいたファンからは、突然の終了に戸惑う声が多数上がりました。
これほどまでにファンに愛された作品が、なぜ打ち切りという道を選ばざるを得なかったのでしょうか。次の章では、その具体的な理由を多角的に分析していきます。
なぜ?『インスティンクト』打ち切りの5つの理由を徹底考察

ファンに愛されながらも打ち切りとなってしまった『インスティンクト』。その背景には、単一の理由だけではない、複数の複雑な要因が絡み合っていました。ここでは、打ち切りに至った主な5つの理由を、リサーチに基づき徹底的に考察していきます。
この章で掘り下げる5つの理由はこちらです。
- 理由1:深刻な視聴率の低迷【最大の要因】
- 理由2:厳しい放送時間帯と強力なライバル番組
- 理由3:批評家からの平凡な評価
- 理由4:放送局CBSの番組編成戦略
- 理由5:原作ストックの問題(推測)
理由1:深刻な視聴率の低迷【最大の要因】
『インスティンクト』打ち切りの最も直接的で最大の理由は、深刻な視聴率の低迷です。 これは多くの海外ドラマがキャンセルされる際に共通する要因であり、『インスティンクト』も例外ではありませんでした。
シーズン1が放送開始された当初、視聴者数は1000万人を超えることもあり、好調な滑り出しを見せました。 その人気を受けて、放送開始からわずか2ヶ月でシーズン2への更新が決定するなど、順風満帆に見えました。
しかし、シーズン2に入ると状況は一変します。視聴者数は平均で400万人未満にまで激減してしまったのです。 特に、広告収入の指標となる18歳から49歳の視聴者層の評価(デモグラフィック・レーティング)は、シーズン1と比較して50%も下落するという壊滅的な状況でした。 テレビ局にとって、視聴率は番組の価値を測る最も重要な指標です。これほどの落ち込みは、放送局であるCBSに打ち切りという厳しい決定を下させるには十分すぎる理由だったと言えるでしょう。
理由2:厳しい放送時間帯と強力なライバル番組
視聴率が低迷した背景には、番組が置かれた厳しい放送環境も影響しています。『インスティンクト』は、アメリカで日曜日の夜に放送されていました。 この時間帯は、各局が力を入れる激戦区であり、強力なライバル番組がひしめいています。
さらに、CBSの看板番組である「60 Minutes」や、絶大な人気を誇るNFL(プロアメリカンフットボール)中継といった強力な番組からの視聴者を引き継ぐ「リードイン」の恩恵を受けられなかったことも不運でした。 良い番組であっても、放送される時間帯や前後の番組に恵まれなければ、視聴者を獲得するのは非常に困難になります。
多くの視聴者が他の人気番組やスポーツ中継に流れてしまう中で、『インスティンクト』は固定ファンを掴みきれず、視聴率競争で苦戦を強いられたのです。これもまた、打ち切りを早める一因となったと考えられます。
理由3:批評家からの平凡な評価
視聴者の数だけでなく、批評家からの評価も、番組の存続を左右する要素の一つです。残念ながら、『インスティンクト』に対する批評家からの評価は「賛否両論」あるいは「可もなく不可もなく」といったものが大半でした。
大手レビューサイト「Rotten Tomatoes」での批評家スコアは56%と、決して高い評価ではありません。 多くのレビューで、主演アラン・カミングのカリスマ性や演技は絶賛されているものの、ドラマ全体としては「ありきたりな犯罪捜査もの」「展開が予測しやすい」といった手厳しい意見も目立ちました。
視聴率が好調であれば、批評家の評価が低くても放送が継続されることはあります。しかし、視聴率が低迷している状況では、批評家からの後押しがないことも、放送局が打ち切りを決断する際のマイナス材料となってしまった可能性があります。
理由4:放送局CBSの番組編成戦略
番組単体の問題だけでなく、放送局であるCBS全体の戦略も打ち切りに関係しています。『インスティンクト』が打ち切られた時期、CBSは他の複数のドラマもキャンセルしていました。
例えば、ノア・ワイリー主演の『The Red Line』や、軍法会議を舞台にした『The Code』といったドラマが、同じくシーズン1や2で終了しています。 これは、CBSが局全体の番組ラインナップを見直し、視聴率や評価が一定の基準に満たない番組を整理するという、大きな編成方針の転換期にあったことを示唆しています。
『インスティンクト』は、残念ながらその「整理対象」のリストに入ってしまったと考えられます。個々の番組の魅力とは別に、テレビ局という大きな組織の経営判断や戦略の波にのまれてしまった側面も否定できません。
理由5:原作ストックの問題(推測)
これは公式に発表された理由ではありませんが、打ち切りの一因として考えられるのが原作のストック問題です。『インスティンクト』は、ベストセラー作家ジェームズ・パターソンとハワード・ローワンによる小説『Murder Games』を原作としています。
1話完結の形式をとりつつも、シーズンを通しての大きな謎やキャラクターの背景を描くためには、原作の世界観やストーリーラインが重要になります。もし、ドラマとして映像化できる原作のエピソードが限られていた場合、長期的なシリーズ展開は難しくなります。
シーズン2の終盤では、新たな展開を予感させる伏線も張られていましたが、その先の物語を構築するための原作の力が不足していた可能性も考えられます。もちろん、これはあくまで推測の域を出ませんが、視聴率低迷などの他の要因と複合的に作用し、打ち切りの判断を後押しした可能性は十分にあり得るでしょう。
『インスティンクト』シーズン3の可能性は絶望的?続編について

打ち切りの理由が分かると、次に気になるのは「もしかしたら、どこかでシーズン3が制作されるのでは?」という続編への淡い期待ではないでしょうか。しかし、残念ながらその可能性は極めて低いと言わざるを得ません。ここでは、続編制作がなぜ絶望的なのかを解説します。
この章では、以下の点から続編の可能性を探ります。
- キャストや制作陣の反応から見る未来
- なぜ続編制作は難しいのか
キャストや制作陣の反応から見る未来
続編の可能性を判断する上で最も重要なのは、当事者であるキャストや制作陣の動向です。前述の通り、『インスティンクト』の打ち切りは、クリエイターのマイケル・ローチ氏や主演のアラン・カミング氏自身によってSNSで発表されました。
彼らの投稿は、ファンへの感謝や番組への誇りを語るものではありましたが、続編の可能性を示唆するような内容は一切含まれていませんでした。むしろ、シリーズの「終わり」を明確に告げるものであり、関係者全員がプロジェクトの完結を受け入れている様子がうかがえます。
もし、他の放送局や配信サービスでの復活を模索しているのであれば、ファンに向けて「#SaveInstinct」のようなキャンペーンを呼びかける動きがあるはずです。しかし、そうした動きが見られないことからも、制作サイドに続編の意思がないことは明らかです。キャストやスタッフはすでに次のキャリアへと進んでおり、『インスティンクト』は彼らにとっても過去の作品となっているのです。
なぜ続編制作は難しいのか
近年、一度打ち切りになったドラマがNetflixなどの動画配信サービスによって救済され、復活するケースがあります。では、なぜ『インスティンクト』ではそれが難しいのでしょうか。
最大の障壁は、やはりシーズン2で大幅に低下した視聴率です。 配信サービスが番組を救済するのは、熱狂的なファンベースが存在し、新規加入者を見込めるだけの商業的価値があると判断した場合です。残念ながら、『インスティンクト』の視聴率データは、その判断基準をクリアするには厳しい数字と言わざるを得ません。
また、一度解散したキャストやスタッフを再び集結させるのは、スケジュールの調整や契約交渉など、物理的にも金銭的にも非常に困難です。これらの状況を総合的に判断すると、『インスティンクト』のシーズン3が制作される可能性は、残念ながら限りなくゼロに近いと言えるでしょう。ファンとしては辛い結論ですが、シーズン1と2を大切な思い出として心に留めておくのが現実的なようです。
打ち切りは惜しい!ドラマ『インスティンクト』の魅力を振り返る

打ち切りという残念な結果にはなりましたが、『インスティンクト』が多くの視聴者を魅了した素晴らしい作品であったことは間違いありません。ここで改めて、このドラマがなぜこれほどまでに愛されたのか、その魅力を振り返ってみたいと思います。
この章では、以下の3つのポイントから『インスティンクト』の魅力を再確認します。
- あらすじと作品概要
- 個性豊かな登場人物と豪華キャスト
- 画期的だった主人公の設定と作品の意義
あらすじと作品概要
『インスティンクト -異常犯罪捜査-』は、元CIA諜報員で、現在は大学で異常行動学を教えるディラン・ラインハート博士が主人公の犯罪捜査ドラマです。 彼は作家としても成功していましたが、平穏な生活にどこか物足りなさを感じていました。
そんなある日、彼の著書を模倣した連続殺人事件が発生。ニューヨーク市警の刑事リジー・ニーダムが捜査協力を依頼に来たことをきっかけに、ディランは再びスリリングな犯罪捜査の世界へと足を踏み入れます。 ディランの天才的なプロファイリング能力と、リジーの実直な捜査が組み合わさり、二人は数々の難事件を解決に導いていく、というのが物語の基本ラインです。 1話完結で見やすい構成ながら、シーズンを通してキャラクターの過去や人間関係が深く描かれる点も魅力でした。
個性豊かな登場人物と豪華キャスト
このドラマの最大の魅力は、なんといっても個性的なキャラクターたちです。
- ディラン・ラインハート博士(アラン・カミング)
本作の主人公。元CIAで大学教授という異色の経歴を持つ天才。お洒落でユーモアがあり、チャーミングな人柄で周囲を惹きつけます。演じるアラン・カミングは、『グッド・ワイフ』や映画『X-MEN2』などで知られる実力派俳優で、彼の存在がドラマに深みを与えていました。 - エリザベス・“リジー”・ニーダム刑事(ボヤナ・ノヴァコヴィッチ)
ディランの相棒。過去の事件で婚約者を亡くした心の傷を抱える真面目な刑事。 最初は型破りなディランに反発しますが、次第に信頼関係を築いていきます。二人のコミカルで心温まる掛け合いは、本作の見どころの一つでした。 - アンドリュー・“アンディ”・ウィルソン(ダニエル・イングス)
ディランの夫で、バーのオーナー。 常にディランを支え、二人の愛情あふれる関係は多くの視聴者の心を癒しました。
脇を固めるキャストも、「LOST」のナヴィーン・アンドリュースなど、海外ドラマファンにはお馴染みの顔ぶれが揃っていました。
画期的だった主人公の設定と作品の意義
『インスティンクト』が特筆すべき点は、主人公のディラン・ラインハートが、アメリカの主要ネットワーク局の1時間ドラマにおいて、初めてオープンリーゲイ(同性愛者であることを公にしている)のキャラクターが主役だったことです。
彼のセクシュアリティは、物語の中で特別に問題視されるわけではなく、ごく自然な個性として描かれています。夫のアンディとの幸せな結婚生活は、多様な愛の形を肯定的に描き、多くの視聴者に感銘を与えました。主演のアラン・カミング自身も同性愛者であることを公表しており、この役を演じることに大きな誇りを持っていたと語っています。
打ち切りにはなりましたが、多様性が重視される現代において、本作がテレビドラマの歴史に刻んだ意義は非常に大きいと言えるでしょう。
今からでも見られる!『インスティンクト』の視聴方法

「打ち切りの話を聞いて、逆にドラマを見てみたくなった」「もう一度ディランとリジーの活躍を見たい」そう思った方もいるのではないでしょうか。ご安心ください。『インスティンクト』は、打ち切り後も動画配信サービスで視聴することが可能です。
この章では、現在『インスティンクト -異常犯罪捜査-』を視聴できる主なサービスをご紹介します。
- 主要な動画配信サービス一覧
主要な動画配信サービス一覧
2025年7月現在、『インスティンクト -異常犯罪捜査-』(シーズン1およびシーズン2)は、主に以下の動画配信サービスで視聴することができます。
Hulu(フールー)
Huluでは、シーズン1とシーズン2の全エピソードが見放題配信の対象となっています。 追加料金なしで、いつでも好きな時に『インスティンクト』の世界に浸ることができます。これから初めて見る方にも、全話イッキ見したい方にもおすすめです。
※配信状況は変更される可能性があります。視聴前には必ず各サービスの公式サイトで最新の情報をご確認ください。
残念ながら、NetflixやAmazonプライム・ビデオの定額見放題には現在含まれていないようです。しかし、将来的には配信が開始される可能性もありますので、定期的にチェックしてみると良いでしょう。打ち切りは残念でしたが、幸いにも私たちはいつでもディラン博士の華麗なプロファイリングと、リジー刑事との絶妙なコンビネーションを楽しむことができるのです。
『インスティンクト』打ち切りに関するよくある質問

インスティンクトの原作は何ですか?
『インスティンクト -異常犯罪捜査-』の原作は、アメリカのベストセラー作家ジェームズ・パターソンとハワード・ローワンが共同で執筆した小説『Murder Games』です。 ドラマ化に合わせて、原作小説も『Instinct』というタイトルに改題されて出版されたこともあります。 ジェームズ・パターソンは、『コレクター』や『ZOO -暴走地区-』など、数多くの作品が映像化されている人気作家です。
主人公ディラン役の俳優は誰ですか?
主人公のディラン・ラインハート博士を演じたのは、スコットランド出身の俳優アラン・カミングです。 彼は人気リーガルドラマ『グッド・ワイフ』のイーライ・ゴールド役や、映画『X-MEN2』のナイトクローラー役、『チョコレートドーナツ』のルディ役などで世界的に知られています。 舞台俳優としても高く評価されており、トニー賞の受賞歴もある実力派です。
ドラマは全部で何話ありますか?
ドラマ『インスティンクト -異常犯罪捜査-』は、シーズン1が全13話、シーズン2が全11話で構成されています。 したがって、シリーズの総話数は全24話となります。 1話完結の犯罪捜査ドラマなので、どのエピソードから見ても楽しめますが、登場人物たちの関係性の変化を追うためには、シーズン1の第1話から順番に視聴することをおすすめします。
Dlifeでの放送終了と打ち切りは関係ありますか?
直接的な関係はありません。『インスティンクト』の打ち切りは、本国アメリカの放送局CBSが2019年8月に決定したものです。 一方、日本のBSチャンネル「Dlife(ディーライフ)」が閉局したのは2020年3月です。Dlifeでは多くの海外ドラマが放送されていましたが、チャンネル自体の閉局と、個別の番組の制作打ち切りは別の問題です。したがって、Dlifeの閉局が『インスティンクト』の打ち切りに影響を与えたわけではありません。
まとめ

- 『インスティンクト』はシーズン2で打ち切りが正式に決定した。
- 打ち切りの最大の理由はシーズン2での深刻な視聴率低下である。
- シーズン2の視聴者数はシーズン1の半分以下にまで落ち込んだ。
- 日曜夜という激戦区の放送枠で、競争に勝てなかった。
- 批評家からの評価は賛否両論で、平凡なものだった。
- 放送局CBS全体の番組整理の一環で打ち切られた側面もある。
- クリエイターやキャストがSNSで終了を報告し、続編の可能性は低い。
- 主演アラン・カミングの演技は高く評価されていた。
- 主人公がオープンリーゲイであり、テレビ史における意義は大きい。
- 原作はジェームズ・パターソンの小説『Murder Games』である。
- ドラマはシーズン1と2を合わせて全24話で構成される。
- 現在、Huluなどの動画配信サービスで視聴が可能である。
- ファンからは打ち切りを惜しむ声が世界中から上がった。
- ディランとリジーの魅力的なコンビが人気の中心だった。
- 打ち切りは残念だが、作品が残した魅力は色褪せない。