ホラーを怖くない人の心理とは?【徹底解説】5つの理由と性格的特徴、脳の仕組みまで

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「ホラー映画を観ても全然怖くない」「お化け屋敷でみんなが叫んでいる中、一人だけ冷静…」そんな経験はありませんか?周りが怖がっているのに、なぜ自分は平気なんだろう?と不思議に思うかもしれません。もしかしたら、あなたは「ホラーを怖くない人」なのかもしれませんね。

本記事では、ホラーを怖いと感じない人の心理について、考えられる理由、性格的な特徴、さらには脳科学的な側面まで、徹底的に掘り下げて解説します。なぜ怖くないのか、そのメカニズムを知ることで、自分自身や周りの人への理解が深まるはずです。👻

目次

なぜホラーを怖いと感じない?考えられる5つの理由

ホラーコンテンツに対して恐怖を感じない、あるいは感じにくい背景には、様々な心理的・生理的な要因が考えられます。ここでは、主な5つの理由について詳しく見ていきましょう。

  • 理由1: 現実とフィクションの境界線が明確
  • 理由2: 共感性が低い?客観的に捉える力
  • 理由3: 刺激への耐性が高い・「慣れ」ている
  • 理由4: 恐怖を「安全なスリル」として楽しむ心理
  • 理由5: 脳の仕組みの違い(扁桃体・大脳皮質)

理由1: 現実とフィクションの境界線が明確

ホラーを怖くないと感じる人の多くは、現実とフィクション(作り物)の世界を明確に区別できています。「これは映画(ゲーム、アトラクション)だから、実際に自分の身に危険が及ぶことはない」と、どこか冷静に、客観的にコンテンツを捉えているのです 。

例えば、スクリーンの中でどんなに恐ろしい殺人鬼が暴れていても、「これは俳優が演じているだけ」「特殊効果を使っている」と理解しているため、感情的に飲み込まれにくいのでしょう。この「作り物である」という認識が、恐怖感を和らげる大きな要因となります 。

もちろん、ホラー作品の演出によっては、一瞬ドキッとしたり、驚いたりすることはあります。しかし、それが持続的な恐怖や不安に繋がりにくいのは、根底に「これは現実ではない」という強い認識があるからだと考えられます。

理由2: 共感性が低い?客観的に捉える力

登場人物の恐怖や痛みに感情移入しにくい、つまり共感性が低い傾向も、ホラーを怖くないと感じる理由の一つとして挙げられます 。ホラー作品では、登場人物が危機的な状況に陥り、恐怖に怯えるシーンが多く描かれます。

共感性が高い人は、まるで自分のことのように登場人物の感情を感じ取り、一緒に怖くなってしまうことがあります 。特にHSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれる非常に感受性が豊かな人は、この傾向が強いと言われています 。

一方で、共感性が低い、あるいは感情移入する度合いをコントロールできる人は、登場人物の状況を一歩引いた視点から、客観的に観察することができます 。そのため、物語の展開や演出そのものを楽しむ余裕が生まれ、恐怖を感じにくいのかもしれません。ただし、「共感性が低い=冷たい人」というわけでは決してありません。詳しくは後の章で解説します。

理由3: 刺激への耐性が高い・「慣れ」ている

ホラーコンテンツに触れる機会が多い人は、恐怖という刺激に「慣れ」が生じ、耐性が高くなっている可能性があります 。初めてホラー映画を観たときは怖かったけれど、何度も観ているうちに平気になった、という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。

これは、心理学でいう「馴化(じゅんか)」や「脱感作」と呼ばれる現象に近いかもしれません 。繰り返し同じような刺激にさらされることで、脳や身体の反応が徐々に弱まっていくのです。ホラーゲームをよくプレイする人が、ホラー映画を怖く感じなくなるという話もあります 。

また、幼少期の経験や育った環境によって、もともと強い刺激に対する耐性が高い人もいます。このような人は、ホラー特有のショッキングな描写や緊迫した雰囲気に対しても、動じにくいのかもしれません。

理由4: 恐怖を「安全なスリル」として楽しむ心理

ホラーを怖くないと感じる人の中には、恐怖をネガティブな感情としてではなく、「安全な環境で味わえるスリル」としてポジティブに捉え、楽しんでいる場合があります 。ジェットコースターやお化け屋敷のように、ドキドキハラハラする感覚を求めて、自らホラーコンテンツに触れるのです 。

これは、「作り物だから安全だ」という認識(理由1)と関連しています。現実には危険がないと分かっているからこそ、恐怖体験を一種のエンターテイメントとして消費できるのです 。

恐怖を感じると、脳内ではアドレナリンやドーパミンといった神経伝達物質が放出されることがあります 。これらの物質は、興奮や快感をもたらす作用があり、ホラー体験後の「スッキリ感」や「爽快感」につながることが指摘されています 。この快感を求めて、ホラーを好む人もいると考えられます。

理由5: 脳の仕組みの違い(扁桃体・大脳皮質)

恐怖を感じるメカニズムには、脳の働きが深く関わっています。特に重要なのが、感情の中枢である「扁桃体(へんとうたい)」と、理性や思考を司る「大脳皮質(だいのうひしつ)」です 。

危険を察知すると、まず扁桃体が活性化し、「戦うか、逃げるか」といった本能的な恐怖反応を引き起こします 。心拍数が上がったり、手に汗をかいたりするのはこのためです。一方、大脳皮質は状況を冷静に分析し、「これは映画だから怖がる必要はない」といった判断を下して、扁桃体の活動を抑制する働きがあります 。

ホラーを怖くないと感じる人は、この大脳皮質による扁桃体のコントロールが比較的スムーズに行われている可能性があります。あるいは、そもそも扁桃体が恐怖刺激に対して過剰に反応しにくいのかもしれません。脳科学的な研究はまだ発展途上ですが、個人の脳機能の違いが、恐怖の感じやすさに影響を与えている可能性は十分に考えられます 。

ホラーを怖くない人に共通する性格的特徴

ホラーを怖いと感じにくい人には、いくつかの共通した性格的特徴が見られることがあります。もちろん個人差はありますが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。

  • 特徴1: 好奇心旺盛で未知を求める
  • 特徴2: 冷静沈着で物事を客観視できる
  • 特徴3: 強い刺激を好む傾向 (スリルシーカー)
  • 特徴4: 想像力が乏しいわけではない?

特徴1: 好奇心旺盛で未知を求める

好奇心が旺盛な人は、ホラー作品が描く非日常的な世界や未知の存在に対して、恐怖よりも強い興味を抱くことがあります 。心霊現象、ゾンビ、異世界のクリーチャーなど、「現実ではありえないこと」がどのように描かれるのか、その結末はどうなるのか、といった点に知的な関心が向かうのです。

「怖いもの見たさ」という言葉があるように、人間には本来、未知のものやタブーとされているものに惹かれる性質があります。ホラーを怖くない人は、この好奇心が恐怖心を上回るため、積極的にホラーコンテンツを楽しめるのかもしれません 。彼らにとってホラーは、知的好奇心を満たすための格好の材料と言えるでしょう。

特徴2: 冷静沈着で物事を客観視できる

冷静沈着で、感情に流されずに物事を客観的に分析できる性格も、ホラーを怖くないと感じる人の特徴の一つです。パニック映画で周りが騒いでいても、一人だけ冷静に状況を把握し、脱出経路を探せるようなタイプです。

ホラー作品に対しても、感情的に没入するのではなく、「この演出はよくできているな」「この伏線は後でこう繋がるのか」といったように、分析的な視点で見ることができます 。作り手の意図や技術的な側面に関心が向かうため、恐怖を感じる暇がない、あるいは恐怖を別の種類の興味に転換できるのかもしれません。

この冷静さは、前述した「現実とフィクションの区別が明確」であることや、「客観的に捉える力」とも関連しています。

特徴3: 強い刺激を好む傾向 (スリルシーカー)

日常に退屈さを感じていたり、強い刺激を求める「スリルシーカー」と呼ばれるタイプの人も、ホラーを好む傾向があります 。ホラー作品がもたらす強烈な恐怖感や驚き、緊張感は、彼らにとって魅力的なスパイスとなります。

平凡な日常では味わえないような極限状態の疑似体験は、アドレナリンの分泌を促し、興奮や高揚感をもたらします 。バンジージャンプやスカイダイビングなどのエクストリームスポーツを好む人と同様の心理が働いている可能性もあります。

彼らは、恐怖を乗り越えた後の達成感や爽快感を求めているのかもしれません 。安全が保障された状況下で、意図的に恐怖という名のスパイスを味わいに行く、それがホラーを怖くないスリルシーカーの楽しみ方と言えるでしょう。

特徴4: 想像力が乏しいわけではない?

「ホラーを怖くない人は想像力が足りないのでは?」と言われることがありますが、一概にそうとは言えません 。確かに、想像力が豊かすぎると、映像や物語からさらに怖い状況を自分で作り出してしまい、恐怖が増幅されることはあります 。

しかし、ホラーを怖くない人の中にも、豊かな想像力を持っている人はたくさんいます。彼らの場合、その想像力は、恐怖を増幅させる方向ではなく、物語の背景を考察したり、別の展開を予想したり、あるいはユーモラスな解釈を加えたりする方向に使われることが多いのかもしれません。

例えば、恐ろしい幽霊の姿を見ても、「このメイク、どうやってるんだろう?」と考えたり、「もしこの幽霊が現代社会でバイトしたら…」と想像したりすることで、恐怖を別の種類の思考に転換している可能性があります。想像力の「使い方」が違うだけで、乏しいわけではないのです。

ホラー耐性は後天的に身につく?

「ホラーは苦手だけど、克服したい」「もう少し平気な顔で観られるようになりたい」そう考える人もいるかもしれません。果たして、ホラーに対する耐性は、後から身につけることができるのでしょうか?

  • 経験による「慣れ」の効果
  • 恐怖を克服するためのヒント (エクスポージャーなど)
  • ホラーゲームは耐性をつける訓練になる?

経験による「慣れ」の効果

結論から言うと、ホラー耐性は経験によってある程度向上させることは可能です 。前述したように、繰り返しホラーコンテンツに触れることで、恐怖刺激に対する「慣れ(馴化)」が生じ、以前ほど怖いと感じなくなることがあります。

最初は短いホラー動画や、比較的怖さの少ない作品から始めて、徐々に刺激のレベルを上げていくのが良いでしょう 。いきなり最恐レベルの作品に挑戦すると、トラウマになって逆効果になる可能性もあります。

また、ホラー映画のメイキング映像を見たり、特殊効果や撮影技術について学んだりするのも効果的です。「作り物である」という認識を強化することで、心理的な距離を取りやすくなります 。恐怖の対象を「知る」ことが、恐怖を和らげる第一歩となるのです 。

恐怖を克服するためのヒント (エクスポージャーなど)

心理療法の分野には、「エクスポージャー療法(暴露療法)」と呼ばれる、不安や恐怖を克服するための手法があります 。これは、怖いと感じる対象にあえて少しずつ、段階的に身をさらしていくことで、恐怖反応を低減させていく方法です。

ホラー克服に応用する場合、まずは怖くないレベルのホラー画像を見ることから始め、次に短い動画、そして怖さ控えめの映画、というように、スモールステップで挑戦していくのがポイントです 。無理は禁物ですが、少しずつ成功体験を積み重ねることで、「自分はこれくらいなら大丈夫だ」という自信につながります。

また、ホラーを観ている最中に、意識的にリラックスすることも有効です。深呼吸をしたり、面白い部分を見つけて笑ったり、一緒に観ている人と話したりすることで、緊張を和らげることができます 。恐怖以外の感情を意識的に作り出すことも、克服の助けになります。

ホラーゲームは耐性をつける訓練になる?

ホラーゲームをプレイすることが、ホラー映画への耐性向上につながるという意見もあります 。ホラーゲームは、映画と違ってプレイヤー自身が能動的に関わる必要があります。敵から隠れたり、謎を解いたり、時には戦ったりと、恐怖状況の中で自ら行動を選択しなくてはなりません。

この「自分で状況をコントロールしようとする」経験が、恐怖に対する対処能力を高める訓練になる可能性があります。映画のように受動的に恐怖を受け止めるだけでなく、主体的に恐怖と向き合うことで、精神的なタフさが養われるのかもしれません。

ただし、ホラーゲームは映画以上に没入感が高く、強烈な恐怖体験になることもあります 。特にVRホラーなどは注意が必要です。耐性をつける目的で始める場合も、やはり自分に合ったレベルの作品から試すことが重要です。

怖くない=冷たい人?共感性との関係

「ホラーを怖くない人は、他人の気持ちが分からない冷たい人なのでは?」そんな風に思われることもあるかもしれません。しかし、それは必ずしも正しくありません。ホラーへの耐性と、日常における共感性は、分けて考える必要があります。

  • 共感性が高い人がホラーを苦手とする理由
  • 怖くないことと「冷淡さ」はイコールではない
  • 状況に応じた共感の使い分け

共感性が高い人がホラーを苦手とする理由

前述の通り、共感性が高い人は、ホラー作品の登場人物が感じる恐怖、痛み、苦しみを、まるで自分のことのように強く感じてしまう傾向があります 。スクリーンの中で誰かが悲鳴を上げれば、自分も同じように恐怖を感じ、誰かが傷つけられれば、自分も痛みを感じるかのように反応してしまうのです。

これは、ミラーニューロンと呼ばれる、他者の行動や感情を鏡のように反映する神経細胞の働きとも関連している可能性があります 。共感性が高い人は、このミラーニューロンの活動が活発で、他者のネガティブな感情にも強く同調しやすいのかもしれません。

そのため、ホラー作品を観ることが精神的に大きな負担となり、「苦手」「見たくない」と感じるのです。これは感受性の豊かさの表れであり、決して欠点ではありません

怖くないことと「冷淡さ」はイコールではない

一方で、ホラーを怖くないからといって、その人が日常的に他人の気持ちを理解できない「冷たい人」であるとは限りません。ホラー作品という「フィクション」に対して客観的であることと、現実世界での他者への共感能力は、別の次元の話です。

ホラーを怖くない人でも、友人が悩んでいれば親身になって相談に乗ったり、困っている人がいれば手を差し伸べたりすることは、ごく普通にあります。彼らは、フィクションの世界と現実世界の感情の向け方を区別しているだけなのです。

むしろ、パニックにならず冷静に対処できるという特性は、緊急時などには頼りになる存在となり得ます。ホラーへの耐性だけで、その人の人間性全体を判断するのは早計と言えるでしょう。

状況に応じた共感の使い分け

人間は、状況に応じて共感の度合いを調整する能力を持っています。例えば、医療従事者は、患者の痛みや苦しみに共感しつつも、感情的に飲み込まれすぎずに冷静な処置を行う必要があります。これと同様に、ホラーを怖くない人も、無意識のうちにフィクションの世界に対しては共感のスイッチをオフにしたり、調整したりしているのかもしれません。

ホラー作品を観る際には客観的な視点を保ち、現実世界で人と接する際には相手の感情に寄り添う、というように、TPOに合わせて共感性を使い分けていると考えられます。

したがって、「ホラーが怖くない」という一面だけを見て、「共感性がない」「冷たい」と決めつけるのではなく、その人の多面的な側面を見ることが大切です。

よくある質問

ホラーを怖くないのは病気や異常なの?

いいえ、ホラーを怖くないこと自体は、病気や異常ではありません。恐怖の感じ方には個人差があり、遺伝的な要因、育った環境、経験、性格、脳機能の違いなど、様々な要素が影響しています 。怖くないと感じる人がいるのは、ごく自然なことです。むしろ、恐怖に対する耐性が高い、あるいは感情のコントロールが得意である、というポジティブな側面として捉えることもできます。

ただし、極端に感情が動かない、他者の苦痛に対して全く何も感じない、といった状態が日常生活全般で見られる場合は、別の心理的な要因が隠れている可能性もゼロではありません。しかし、単に「ホラーが怖くない」というだけで心配する必要はほとんどないでしょう。

HSPだとホラーは絶対無理?

HSP(Highly Sensitive Person)は感受性が豊かで共感性が高いため、ホラー作品の強い刺激やネガティブな感情に影響を受けやすく、苦手と感じる人が多いのは事実です 。しかし、HSPだからといって絶対にホラーが無理というわけではありません

HSPの中にも、好奇心が刺激を上回る人や、作品の芸術性やストーリー性に魅力を感じる人もいます。また、怖さのレベルが低い作品や、コメディ要素の強いホラーなど、比較的マイルドな作品であれば楽しめる場合もあります 。大切なのは、自分の感受性を理解し、無理のない範囲で付き合っていくことです。

怖がりなのにホラーが好きなのはなぜ?

「本当は怖いけど、つい観てしまう」という人は意外と多いです 。これは、恐怖と快感が表裏一体であることと関係している可能性があります 。怖いと感じると心拍数が上がり、アドレナリンが放出されますが、その恐怖を乗り越えた後には、ドーパミンによる快感や達成感が得られることがあります 。

また、「怖いもの見たさ」という好奇心 や、非日常的な体験への欲求 も大きな要因です。安全な場所から、コントロールされた恐怖を体験すること自体が、一種の娯楽になっているのです 。怖がりながらも、そのスリルや刺激を楽しんでいる状態と言えるでしょう。

怖くない人でも楽しめるホラー作品はある?

はい、たくさんあります!ホラーと一口に言っても、様々なサブジャンルがあります 。怖くない人にとっては、単に怖がらせるだけの作品よりも、ストーリーが凝っているもの、世界観が独特なもの、社会的なメッセージ性が強いものなどが楽しめるかもしれません。

例えば、謎解き要素の強いサスペンスホラー 、SF要素やアクション要素の強いホラー、ブラックユーモアあふれるコメディホラー などです。また、心理描写が巧みな作品や、映像美にこだわった作品なども、怖さ以外の側面から楽しむことができます 。自分の興味関心に合った切り口で探してみると、お気に入りの作品が見つかるはずです。

ホラーを見るとストレス解消になるって本当?

人によっては、ホラーを見ることでストレス解消効果が得られることがあります 。これは、ホラー体験によって一時的に交感神経が活性化し、恐怖や緊張を感じた後、それが解放される際に副交感神経が優位になり、リラックス状態(カタルシス)が得られるためと考えられています 。

また、安全な環境で擬似的な恐怖を体験することで、日常の些細な悩みやストレスが相対的に小さく感じられ、「普段の生活はなんて平和なんだ」と幸福感を得られる効果も指摘されています 。さらに、恐怖体験が一種の「ワクチン」のように作用し、ストレス耐性を高める可能性も示唆されています 。

ただし、これはホラーを楽しめる人に限った話であり、苦手な人が無理して見ると逆効果になる可能性が高いので注意が必要です。

恐怖を感じるメカニズムは?

恐怖を感じる基本的なメカニズムは、脳の扁桃体を中心とした働きによります 。視覚や聴覚などから「危険かもしれない」という情報が入ると、まず扁桃体が反応し、交感神経系を刺激します。これにより、心拍数の増加、発汗、筋肉の緊張といった「戦うか、逃げるか」反応が引き起こされます 。

同時に、情報は思考や理性を司る大脳皮質にも送られ、状況の分析が行われます 。大脳皮質が「危険ではない」と判断すれば、扁桃体の活動は抑制され、恐怖反応は収まります。過去の記憶(海馬)も参照され、「以前経験した怖い出来事」と結びつくと、より強い恐怖を感じることもあります 。この一連の脳内プロセスを経て、「怖い」という感情と身体反応が生み出されるのです。

ホラーが苦手な理由は?(反対の視点)

ホラーが苦手な理由は、怖くない理由と対照的です。主な理由としては、想像力が豊かすぎるため、より怖い状況を想像してしまうこと 、共感性が高く登場人物の恐怖に強く感情移入してしまうこと 、ストレス耐性が低く強い刺激に圧倒されてしまうこと などが挙げられます。

また、過去にホラー作品で非常に怖い思いをしたトラウマ体験がある場合や、グロテスクな描写や暴力的なシーンに対する生理的な嫌悪感が強い場合 も、ホラーを苦手とする原因になります。これらの理由は一つだけでなく、複合的に影響していることが多いです。

まとめ

  • ホラーを怖くない理由は複数あり、個人差が大きい。
  • 現実とフィクションを明確に区別できることが一因。
  • 共感性が低い、または客観視できる能力が影響することも。
  • 刺激への慣れや耐性の高さも関係する。
  • 安全なスリルとして恐怖を楽しむ心理もある。
  • 脳の扁桃体や大脳皮質の働き方の違いも考えられる。
  • 怖くない人の性格には好奇心旺盛、冷静沈着などがある。
  • 強い刺激を求めるスリルシーカーの傾向も。
  • 想像力が乏しいわけではなく、使い方が違う可能性。
  • ホラー耐性は経験によって後天的に身につくこともある。
  • エクスポージャー療法のように段階的に慣れる方法も。
  • 怖くないことが「冷たい人」を意味するわけではない。
  • 状況に応じて共感性を使い分けている可能性がある。
  • ホラーが怖くないこと自体は病気や異常ではない。
  • 怖がりでもホラーが好きなのは恐怖と快感の関係による。
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