鏡を見るたびに憂鬱になる、床に落ちた髪の毛にため息が出る…。そんなひどい抜け毛と切れ毛の悩みを抱えていませんか？髪のトラブルは見た目の印象を大きく左右するだけでなく、精神的なストレスにも繋がります。本記事では、その原因を徹底的に解明し、今日からすぐに実践できる具体的な対策を詳しく解説します。あなたの髪を取り戻すための第一歩を、ここから始めましょう。
まずはセルフチェック！あなたの髪は「抜け毛」？「切れ毛」？
「最近、髪のボリュームが減った気がする…」と感じたとき、それは「抜け毛」のせいでしょうか、それとも「切れ毛」が原因でしょうか。この二つは似ているようで、実は根本的に異なります。原因が違えば、もちろん対策も変わってきます。まずはご自身の髪の状態を正しく把握することから始めましょう。
- 違いは一目瞭然！毛根の有無を確認しよう
- 【図解】これが抜け毛と切れ毛の見分け方
- なぜ両方起こる？共通する原因とは
違いは一目瞭然！毛根の有無を確認しよう
抜け毛と切れ毛を見分ける最も簡単な方法は、落ちている髪の毛の根元を確認することです。 じっくり観察してみてください。根元の部分に、ぷっくりとした膨らみや黒い点のようなものがあれば、それは「毛根」です。毛根がついている髪の毛は、頭皮から自然に抜け落ちた「抜け毛」と言えます。
一方で、髪の毛の根元に毛根がなく、途中でブツっと切れたようになっている場合は「切れ毛」です。 切れ毛は、髪の毛自体がダメージを受けて弱くなり、途中で切れてしまった状態を指します。 髪をとかしたときや、指で触ったときに短い毛がピンピンと跳ねて見える場合も、切れ毛が原因かもしれません。
【図解】これが抜け毛と切れ毛の見分け方
言葉だけでは分かりにくいかもしれませんので、簡単な見分け方のポイントを図解でイメージしてみましょう。
【抜け毛】
特徴：髪の根元にマッチ棒の頭のような、丸い「毛根」が付着している。
原因：ヘアサイクルの乱れ、頭皮環境の悪化、ホルモンバランスの変化など、頭皮内部の問題が中心。
【切れ毛】
特徴：毛根がなく、髪の毛の断面がまっすぐ、あるいは裂けるように切れている。
原因：ヘアカラーやパーマ、紫外線、ドライヤーの熱など、髪への外部からのダメージが主な原因。
このように、落ちている髪の毛を一本手に取って観察するだけで、ご自身の髪に何が起きているのかを判断する大きな手がかりになります。
なぜ両方起こる？共通する原因とは
「毛根がある髪も、ない髪も両方落ちている…」という方も少なくないでしょう。実は、抜け毛と切れ毛は、全く別の問題として現れることもあれば、密接に関連し合って同時に進行することもあります。なぜなら、髪と頭皮の健康状態は繋がっているからです。
例えば、栄養不足やストレスは、頭皮の血行不良を引き起こし、健康な髪を育てるための栄養が毛根まで届きにくくなります。 その結果、髪が十分に成長できずに抜けやすくなる「抜け毛」と、髪自体がもろくなって途中で切れてしまう「切れ毛」の両方を引き起こすのです。 また、間違ったヘアケアは頭皮環境を悪化させて抜け毛を誘発すると同時に、髪のキューティクルを傷つけて切れ毛の原因にもなります。 つまり、髪と頭皮の両方にとって良くない生活習慣やヘアケアが、抜け毛と切れ毛という二つの悩みを同時に引き起こしているケースは非常に多いのです。
危険信号かも？ひどい抜け毛・切れ毛で病院に行くべき目安
多少の抜け毛は誰にでも起こる自然な現象です。しかし、その量が異常に増えたり、特定の症状が見られたりする場合は、専門家への相談が必要なサインかもしれません。ここでは、病院を受診すべきかどうかの判断基準について解説します。ご自身の状態と照らし合わせて、早めの対処を心がけましょう。
- 1日の正常な抜け毛は約50～100本
- こんな症状は要注意！専門医へ相談するサイン
- 何科を受診すればいい？（皮膚科、AGA/FAGAクリニック）
1日の正常な抜け毛は約50～100本
健康な人でも、髪にはヘアサイクル（毛周期）というものがあり、1日に約50本から100本程度の髪の毛が自然に抜け落ちています。 これは、成長期を終えた髪が退行期、休止期を経て自然に脱毛し、新しい髪に生え変わるための正常なプロセスです。シャンプーやブラッシングの際に抜ける髪の毛の多くは、このヘアサイクルによるものです。
そのため、排水溝に溜まった髪の毛の量を見て一喜一憂する必要はありません。しかし、明らかに以前よりも抜け毛が増えたと感じる、例えば枕に付着する髪の毛の量が倍増した、手ぐしを通すたびに何本も抜けるといった状態が続く場合は注意が必要です。特に、1日の抜け毛が200本を超えるようなら、何らかの異常が起きている可能性があります。
こんな症状は要注意！専門医へ相談するサイン
抜け毛の量だけでなく、以下のような症状が見られる場合は、セルフケアだけでは改善が難しい可能性があります。できるだけ早く専門医に相談することをおすすめします。
- 急に抜け毛が大量に増えた: 1日に300本以上抜けるなど、急激な変化は注意が必要です。
- 特定の場所だけが薄くなる: 頭頂部や生え際など、部分的に薄毛が進行している場合や、コインのような円形の脱毛斑ができた場合（円形脱毛症の可能性）。
- 頭皮のかゆみ、赤み、フケがひどい: 脂漏性皮膚炎など、頭皮の炎症が原因で抜け毛が増えている可能性があります。
- 体調不良も伴う: 倦怠感、体重の増減、貧血など、他の体調不良と共に抜け毛が増えている場合、甲状腺疾患などの病気が隠れている可能性も考えられます。
- 細く短い毛が抜ける: 成長途中の弱々しい髪の毛が多く抜けるのは、ヘアサイクルが乱れているサインです。
これらのサインは、体が発しているSOSです。見逃さずに、専門家の診断を仰ぎましょう。
何科を受診すればいい？（皮膚科、AGA/FAGAクリニック）
抜け毛や切れ毛の悩みで病院を受診する場合、どの診療科を選べばよいのでしょうか。症状や原因によって適切な診療科は異なります。
まず、頭皮のかゆみや赤み、フケ、湿疹といった皮膚症状を伴う場合や、円形脱毛症が疑われる場合は「皮膚科」を受診しましょう。皮膚の専門医が、頭皮の状態を診断し、適切な治療法を提案してくれます。
一方で、男性で生え際の後退や頭頂部の薄毛が気になる場合は「AGA（男性型脱毛症）専門クリニック」、女性で髪全体のボリュームダウンや分け目の広がりが気になる場合は「FAGA（女性男性型脱毛症）専門クリニック」への相談がおすすめです。これらのクリニックでは、薄毛治療に特化した専門的な診断や治療を受けることができます。 どちらにせよ、一人で悩まずに専門家の力を借りることが、解決への近道となります。
【原因を徹底究明】ひどい抜け毛・切れ毛はなぜ起こる？
ひどい抜け毛や切れ毛に悩むとき、その原因は一つではないことがほとんどです。体の内側からくる「内的要因」と、髪や頭皮への直接的なダメージである「外的要因」。この両面から原因を探ることで、より効果的な対策が見えてきます。あなたの生活習慣やヘアケアを振り返りながら、原因を突き止めていきましょう。
- 髪の成長を妨げる「内的要因」
- 髪と頭皮を傷つける「外的要因」
髪の成長を妨げる「内的要因」
内的要因とは、主に生活習慣や体内の状態が原因で、髪の健やかな成長が妨げられるケースです。知らず知らずのうちに、髪と頭皮に負担をかけているかもしれません。
栄養不足：髪の主成分「タンパク質」足りてる？
髪の毛の約90%は「ケラチン」というタンパク質でできています。 そのため、過度なダイエットや偏った食事でタンパク質が不足すると、髪が細くなったり、もろくなったりして、抜け毛や切れ毛の原因となります。 また、タンパク質を髪の毛に変える働きを助ける「亜鉛」や、頭皮の健康を保つ「ビタミン」類も非常に重要です。 ファストフードやインスタント食品に偏った食生活は、これらの栄養素が不足しがちなので注意が必要です。
睡眠不足：美髪を育む成長ホルモンの減少
髪の毛は、私たちが眠っている間に分泌される「成長ホルモン」によって成長が促進されます。 睡眠不足が続くと、この成長ホルモンの分泌が減少し、髪の成長が妨げられてしまいます。 その結果、髪が十分に育たずに弱々しくなり、抜けやすくなったり、切れやすくなったりするのです。特に、夜更かしが多い方や、睡眠の質が低いと感じる方は注意が必要です。
ストレス：血行不良が引き起こす髪への栄養不足
過度なストレスは、自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させてしまいます。 これにより頭皮の血行が悪くなると、髪の毛を育てるために必要な栄養や酸素が毛根まで十分に行き渡らなくなります。 栄養不足に陥った髪は、健康を維持できずに抜け落ちたり（抜け毛）、細く弱くなって途中で切れたり（切れ毛）しやすくなるのです。
ホルモンバランスの乱れ：女性ホルモンの影響
特に女性の場合、ホルモンバランスの乱れが髪に大きく影響します。 女性ホルモンの一つである「エストロゲン」には、髪の成長期を維持し、ハリやコシのある健康な髪を育てる働きがあります。 しかし、加齢やストレス、出産、更年期などによってエストロゲンが減少すると、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増えたり、髪が細くなって切れ毛が起こりやすくなったりします。
病気や薬の副作用の可能性
甲状腺機能の異常や貧血、自己免疫疾患といった病気が原因で抜け毛が増えることがあります。 また、服用している薬の副作用として脱毛が起こるケースも考えられます。 急激な抜け毛や、他に体調不良がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。
髪と頭皮を傷つける「外的要因」
外的要因とは、髪や頭皮に直接与えられるダメージのことです。日々の何気ない習慣が、切れ毛や抜け毛を悪化させている可能性があります。
間違ったヘアケア：洗いすぎ、ゴシゴシ洗いはNG
髪と頭皮を清潔に保つためのシャンプーも、方法を間違えると逆効果になります。洗浄力の強すぎるシャンプーでゴシゴシ洗ったり、1日に何度もシャンプーしたりすると、頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまい、乾燥や炎症を引き起こします。 これが頭皮環境の悪化につながり、抜け毛の原因となるのです。また、濡れた髪は非常にデリケートなため、強くこするように洗うとキューティクルが傷つき、切れ毛に直結します。
紫外線ダメージ：髪も日焼けする！
肌だけでなく、髪や頭皮も紫外線のダメージを受けます。 強い紫外線を浴び続けると、髪の表面を覆っているキューティクルが傷つき、剥がれやすくなります。 キューティクルがダメージを受けると、髪内部のタンパク質や水分が流出し、髪が乾燥してもろくなり、切れ毛や枝毛の原因となってしまうのです。
熱ダメージ：ドライヤー・ヘアアイロンの使いすぎ
ドライヤーやヘアアイロンの熱も、髪にとっては大きな負担です。 特に、同じ場所に長時間熱を当て続けたり、高温で毎日スタイリングしたりすると、髪のタンパク質が変性してしまいます（タンパク質変性）。 これは、生卵が熱でゆで卵になるのと同じ現象です。タンパク質が硬く変性した髪は、弾力を失い、些細な刺激でもプツンと切れてしまうようになります。
物理的ダメージ：きついヘアアレンジ、ブラッシング
毎日同じ場所で髪をきつく結ぶポニーテールや、引っ張るようなヘアアレンジは、毛根に継続的な負担をかけ、「牽引性脱毛症」という抜け毛の原因になることがあります。 また、髪が絡まった状態で無理にブラッシングをすると、摩擦によってキューティクルが剥がれ、切れ毛を引き起こします。 特に濡れた髪へのブラッシングはダメージが大きいため注意が必要です。
化学的ダメージ：ヘアカラー・パーマの頻度
おしゃれに欠かせないヘアカラーやパーマですが、使用される薬剤は髪に大きなダメージを与えます。 これらの施術を短期間に繰り返すと、髪のキューティクルが剥がれ、内部のタンパク質が流出してしまいます。 髪の内部がスカスカの状態になると、強度が失われ、切れ毛が起こりやすくなるのです。
【今日から実践！】抜け毛・切れ毛を改善する最強セルフケア7選
抜け毛や切れ毛の原因がわかったら、次はいよいよ対策の実践です。高価なケア用品を揃えなくても、日々の生活習慣やヘアケアを見直すだけで、髪の状態は大きく改善される可能性があります。ここでは、今日からすぐに始められる7つのセルフケア方法を、具体的かつ分かりやすくご紹介します。ぜひ、できることから取り入れてみてください。
- ①【ヘアケアの見直し】髪と頭皮に優しいシャンプー＆トリートメント術
- ②【ドライヤー術】熱ダメージを最小限に抑える乾かし方
- ③【食生活の改善】美髪を作る栄養素を積極的に摂ろう
- ④【睡眠の質向上】ゴールデンタイムを意識しよう
- ⑤【ストレス解消】自分に合ったリフレッシュ方法を見つける
- ⑥【頭皮マッサージ】血行を促進して健康な髪を育む
- ⑦【紫外線対策】帽子や日傘、髪用UVスプレーを活用
①【ヘアケアの見直し】髪と頭皮に優しいシャンプー＆トリートメント術
毎日行うシャンプーは、美髪の基本です。しかし、やり方を間違えると髪や頭皮を傷つける原因にも。正しい方法をマスターして、ダメージを最小限に抑えましょう。
シャンプー前のブラッシングで汚れを浮かす
シャンプー前に、目の粗いブラシで優しくブラッシングをしましょう。 毛先のもつれをほどき、髪や頭皮についたホコリや汚れを浮かせることで、シャンプー時の泡立ちが良くなり、髪への摩擦を減らすことができます。 根元から一気にとかすのではなく、毛先から少しずつ丁寧にとかすのがコツです。
ぬるま湯で予洗い、しっかり泡立てて優しく洗う
シャンプーをつける前に、38℃程度のぬるま湯で髪と頭皮を1〜2分ほどしっかりとすすぎましょう。これだけで、髪の汚れの7割程度は落ちると言われています。シャンプーは手のひらでよく泡立ててから髪につけ、爪を立てずに指の腹で頭皮をマッサージするように優しく洗います。ゴシゴシこするのは絶対にやめましょう。
トリートメントは毛先中心に
トリートメントやコンディショナーは、頭皮ではなく、ダメージが気になる毛先を中心になじませましょう。根元につけすぎると、毛穴詰まりの原因となり、かえって頭皮トラブルを引き起こす可能性があります。数分間置いて、髪に成分を浸透させましょう。
すすぎ残しは頭皮トラブルの元
シャンプーやトリートメントのすすぎ残しは、かゆみやフケ、炎症の原因になります。特に、生え際や耳の後ろ、首筋はすすぎ残しが多い部分なので、意識して丁寧に洗い流しましょう。シャワーヘッドを頭皮に近づけ、ぬめり感がなくなるまで、時間をかけてしっかりとすすぐことが大切です。
②【ドライヤー術】熱ダメージを最小限に抑える乾かし方
濡れた髪はキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態です。 自然乾燥は髪の水分を奪い、摩擦によるダメージも受けやすくなるため、洗髪後はすぐにドライヤーで乾かしましょう。 まずはタオルで髪を挟み込むようにして、優しく水分を拭き取ります（タオルドライ）。ゴシゴシこするのは厳禁です。ドライヤーは髪から15〜20cmほど離し、同じ場所に熱が集中しないように、常に振りながら乾かします。 根元から乾かし始め、8割ほど乾いたら冷風に切り替えて仕上げると、キューティクルが引き締まり、ツヤが出やすくなります。
③【食生活の改善】美髪を作る栄養素を積極的に摂ろう
健康な髪は、バランスの取れた食事から作られます。特に意識して摂取したい栄養素をご紹介します。
タンパク質（肉、魚、大豆製品）
髪の主成分であるケラチンを作るために不可欠な栄養素です。 肉、魚、卵、大豆製品などを毎日の食事にバランス良く取り入れましょう。
亜鉛（牡蠣、レバー、ナッツ類）
タンパク質を髪の毛に合成するのを助ける重要なミネラルです。 不足すると抜け毛の原因にもなります。牡蠣やレバー、牛肉、ナッツ類に多く含まれています。
ビタミン類（緑黄色野菜、果物）
ビタミンAは頭皮の新陳代謝を促し、ビタミンB群は髪の成長を助け、ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートし、ビタミンEは血行を促進します。 緑黄色野菜や果物、ナッツ類などを積極的に食べましょう。
④【睡眠の質向上】ゴールデンタイムを意識しよう
髪の成長を促す成長ホルモンは、入眠後3時間に最も多く分泌されると言われています。この時間帯に深い眠りについていることが重要です。毎日決まった時間に就寝・起床する、寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見ない、リラックスできる環境を整えるなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
⑤【ストレス解消】自分に合ったリフレッシュ方法を見つける
ストレスは血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こし、髪に悪影響を与えます。 すべてのストレスをなくすことは難しいですが、上手に発散することが大切です。適度な運動、趣味に没頭する時間、友人との会話、ゆっくりお風呂に浸かるなど、自分が心からリラックスできる方法を見つけて、日々の生活に取り入れましょう。
⑥【頭皮マッサージ】血行を促進して健康な髪を育む
頭皮マッサージは、硬くなった頭皮をほぐし、血行を促進するのに効果的です。 血流が良くなることで、髪の成長に必要な栄養が毛根まで届きやすくなります。 シャンプー中や、お風呂上がりのリラックスタイムに、指の腹を使って頭皮全体を優しく動かすようにマッサージしましょう。気持ち良いと感じる程度の力加減で行うのがポイントです。
⑦【紫外線対策】帽子や日傘、髪用UVスプレーを活用
髪や頭皮も肌と同じように紫外線対策が必要です。 日差しの強い日には、帽子や日傘を活用しましょう。また、最近では髪用のUVカットスプレーも多く販売されています。 外出前にスプレーするだけで手軽に紫外線対策ができるので、ぜひ取り入れてみてください。特に、分け目や頭頂部は日焼けしやすいので、重点的にケアすることが大切です。
抜け毛・切れ毛対策に！ヘアケアアイテムの選び方
毎日のヘアケアで使うアイテム選びは、抜け毛や切れ毛の対策において非常に重要です。自分の髪質や頭皮の状態に合わないものを使っていると、かえってトラブルを悪化させてしまうことも。ここでは、シャンプー、トリートメント、そしてアウトバストリートメントの選び方のポイントを解説します。成分表示にも注目して、あなたにぴったりのアイテムを見つけましょう。
- シャンプー：アミノ酸系など洗浄成分に注目
- トリートメント：髪の内部補修成分をチェック
- アウトバストリートメント：オイル？ミルク？髪質に合った選択を
- 育毛剤・発毛剤：目的に合わせた選び方と注意点
シャンプー：アミノ酸系など洗浄成分に注目
シャンプー選びで最も重要なのは洗浄成分です。市販のシャンプーは、洗浄力の強さによって主に「高級アルコール系」「石けん系」「アミノ酸系」「ベタイン系」に分けられます。
抜け毛や切れ毛に悩んでいる方には、洗浄力がマイルドで頭皮への刺激が少ない「アミノ酸系」や「ベタイン系」のシャンプーがおすすめです。 これらのシャンプーは、頭皮のうるおいを保ちながら優しく洗い上げるため、乾燥や刺激によるトラブルを防ぎます。 成分表示に「ココイルグルタミン酸～」「ラウロイルメチルアラニンNa」「～ベタイン」といった記載があるものが目印です。 逆に、洗浄力が強い「ラウレス硫酸Na」「ラウリル硫酸Na」などが主成分のシャンプーは、必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があるため、乾燥肌や敏感肌の方は避けた方が良いでしょう。
トリートメント：髪の内部補修成分をチェック
トリートメントやコンディショナーは、髪のダメージを補修し、指通りを良くするためのアイテムです。切れ毛が気になる方は、髪の内部を補修する成分に注目しましょう。
具体的には、髪の主成分であるケラチンを補う「加水分解ケラチン」、髪の内部に浸透してダメージを補修する「ヘマチン」、保湿効果の高い「セラミド」「コラーゲン」「ヒアルロン酸」などが配合されているものがおすすめです。 これらの成分が、ダメージによって空洞化した髪の内部を満たし、ハリやコシを与えて切れにくい髪へと導きます。
アウトバストリートメント：オイル？ミルク？髪質に合った選択を
アウトバストリートメント（洗い流さないトリートメント）は、ドライヤーの熱や乾燥、摩擦といった外部刺激から髪を守るために非常に有効です。髪質に合わせてタイプを選びましょう。
- オイルタイプ：髪の表面をコーティングし、ツヤを与え、水分の蒸発を防ぎます。髪が太く、広がりやすい方、しっとりとしたまとまりが欲しい方におすすめです。
- ミルクタイプ：髪の内部に浸透しやすく、水分と油分をバランス良く補給します。髪が細く、柔らかい方、ベタつくのが苦手な方、サラッとした仕上がりが好きな方におすすめです。
- ミストタイプ：髪全体に手軽にうるおいを補給できます。寝ぐせ直しや、日中のパサつきが気になるときにも便利です。
タオルドライ後の濡れた髪に、毛先を中心になじませてからドライヤーで乾かすことで、熱ダメージを軽減し、まとまりやすい髪に仕上がります。
育毛剤・発毛剤：目的に合わせた選び方と注意点
セルフケアを続けても抜け毛が改善しない場合、育毛剤や発毛剤の使用を検討するのも一つの方法です。 ただし、この二つは目的と効果が異なります。
- 育毛剤（医薬部外品）：今ある髪を健康に育て、抜け毛を予防することが目的です。頭皮の血行を促進したり、頭皮環境を整えたりする成分が含まれています。
- 発毛剤（第一類医薬品）：新しい髪を生やし、髪を増やすことが目的です。ミノキシジルなど、毛母細胞を活性化させる有効成分が配合されています。
発毛効果が認められているのは「発毛剤」のみです。ご自身の目的が「抜け毛予防・育毛」なのか、「発毛」なのかを明確にし、製品を選びましょう。特に発毛剤は、薬剤師のいる薬局やドラッグストアで購入し、使用上の注意をよく読んでから使うことが大切です。効果が見られない場合や、副作用が心配な場合は、専門のクリニックに相談しましょう。
よくある質問
抜け毛や切れ毛に関する悩みは尽きないものです。ここでは、多くの方が抱える疑問について、Q&A形式でお答えします。正しい知識を身につけて、日々のケアに役立ててください。
抜け毛や切れ毛に良い食べ物やサプリはありますか？
はい、あります。健康な髪を育てるためには、バランスの取れた食事が基本です。特に、髪の主成分であるタンパク質（肉、魚、卵、大豆製品）、タンパク質の合成を助ける亜鉛（牡蠣、レバー、牛肉）、頭皮環境を整えるビタミン類（緑黄色野菜、果物）を意識的に摂取することが大切です。 食事で十分に摂取するのが難しい場合は、これらの栄養素を補うサプリメントを活用するのも一つの方法です。 ただし、サプリメントはあくまで補助的なものと考え、まずは日々の食生活を見直すことから始めましょう。
髪を結ぶと抜け毛や切れ毛が増えるって本当ですか？
はい、その可能性があります。毎日同じ位置で髪をきつく結ぶポニーテールやお団子ヘアは、毛根に継続的な負担をかけ、「牽引性（けんいんせい）脱毛症」という抜け毛を引き起こすことがあります。 また、ヘアゴムを外す際に無理に引っ張ると、摩擦で髪が切れてしまう「切れ毛」の原因にもなります。 対策としては、毎日同じ髪型にせず分け目を変えたり、シュシュなどの柔らかい素材のヘアアクセサリーを使ったり、髪を結ぶ強さを緩めたりすることが挙げられます。
海やプールに入った後のケアはどうすればいいですか？
海水の塩分やプールの塩素は、髪のキューティクルを傷つけ、乾燥やごわつき、切れ毛の原因となります。海やプールに入った後は、できるだけ早くシャワーで髪と頭皮をしっかりと洗い流すことが重要です。洗浄力の優しいシャンプーで丁寧に洗い、トリートメントで失われた油分や水分をしっかり補給してあげましょう。洗い流さないトリートメントで髪を保護することも効果的です。
産後の抜け毛がひどいのですが、どうしたらいいですか？
産後の抜け毛は「分娩後脱毛症」と呼ばれ、多くの女性が経験する一時的な症状です。妊娠中に増加していた女性ホルモン（エストロゲン）が出産後に急激に減少することで、ヘアサイクルが一時的に乱れ、成長期にあった髪が一斉に休止期に入ってしまうために起こります。 通常は産後半年から1年ほどで自然に回復しますが、この時期は栄養不足や睡眠不足、育児ストレスも重なりがちです。できるだけバランスの取れた食事を心がけ、休息を取り、ストレスを溜めないようにすることが大切です。あまりに長引く場合や不安な場合は、皮膚科や専門クリニックに相談しましょう。
シャンプーは毎日しない方がいいと聞きましたが本当ですか？
一概には言えません。シャンプーの頻度は、その人の頭皮タイプやライフスタイルによります。皮脂の分泌が多い脂性肌の人や、汗をたくさんかく人は毎日洗う方が清潔を保てます。一方で、頭皮が乾燥しやすい乾燥肌の人は、毎日洗うと必要な皮脂まで奪ってしまい、さらに乾燥を進めてしまう可能性があります。その場合は、1日おきにする、あるいはお湯だけで洗う「湯シャン」の日を設けるなどの調整も有効です。 自分の頭皮の状態に合わせて、最適な頻度を見つけることが大切です。
抜け毛の本数を数える簡単な方法はありますか？
正確に数えるのは難しいですが、目安を知る方法はあります。例えば、シャンプーの際に排水溝にネットを設置し、そこに溜まった髪の毛を数える方法です。これを数日間続けて平均値を出してみましょう。また、朝起きたときに枕についている髪の毛の本数をチェックするのも一つの目安になります。 普段からおおよその本数を把握しておくことで、「最近急に増えた」といった変化に気づきやすくなります。
まとめ
- 抜け毛と切れ毛は「毛根」の有無で見分ける。
- 1日の抜け毛は50～100本が正常範囲。
- 急な大量脱毛や頭皮異常は病院へ相談。
- 原因は栄養不足やストレスなどの「内的要因」。
- 原因はヘアケアや紫外線などの「外的要因」。
- シャンプーは優しく、すすぎは丁寧に。
- ドライヤーの熱ダメージを避けて乾かす。
- タンパク質、亜鉛、ビタミンを積極的に摂取。
- 質の良い睡眠で成長ホルモンを分泌させる。
- ストレスを溜めず、上手に発散することが大切。
- 頭皮マッサージで血行を促進する。
- 紫外線対策は髪と頭皮にも忘れずに行う。
- シャンプーはアミノ酸系など低刺激なものを選ぶ。
- 専門家への相談も解決への近道となる。
- 産後の抜け毛は一時的なことが多い。
