まぶたの縁が赤く腫れたり、かゆみや異物感があったりして、つらい思いをしていませんか?それはもしかしたら「眼瞼炎(がんけんえん)」かもしれません。眼瞼炎は、まぶたに起こる炎症の総称で、原因や症状はさまざまです。適切な目薬を選ぶことと、日々の丁寧なケアが症状を和らげ、回復を早めるためにとても大切になります。
本記事では、眼瞼炎の主な症状や原因、そして症状に合わせた目薬の選び方、さらに目薬以外の効果的なケア方法まで詳しく解説します。眼瞼炎で悩む方が、少しでも早く快適な毎日を取り戻せるよう、具体的な情報をお届けします。
眼瞼炎とは?症状と原因を理解しよう

眼瞼炎とは、まぶたの縁や皮膚に炎症が起きる病気の総称です。まぶたの赤み、腫れ、かゆみ、異物感などの不快な症状を引き起こし、日常生活に大きな影響を与えることがあります。眼瞼炎にはいくつかの種類があり、それぞれ症状や原因が異なります。まずは、ご自身の症状がどのタイプに当てはまるのかを理解することが、適切な対処への第一歩となるでしょう。
炎症がひどくなると、まつ毛の脱毛やただれ、まぶたの変形につながる可能性もあるため、早めの対処が肝心です。
眼瞼炎の主な症状
眼瞼炎の症状は多岐にわたりますが、代表的なものとしては、まぶたの縁の赤みや腫れが挙げられます。目がゴロゴロするような異物感や、灼熱感を伴うことも少なくありません。特にアレルギー性の眼瞼炎では、強いかゆみが特徴的です。
その他にも、目やにが増えたり、まつ毛の根元にフケのようなものが付着したりすることもあります。重症化すると、まつ毛が抜け落ちたり、生え方が不規則になったりする「睫毛乱生」を引き起こす可能性もあります。
また、まぶたのただれや浅い潰瘍ができることもあり、光をまぶしく感じる「羞明(しゅうめい)」の症状が出る場合もあります。これらの症状は片目だけに現れることもあれば、両目に同時に起こることもあります。
眼瞼炎が起こる主な原因
眼瞼炎の原因は大きく分けて、細菌やウイルスによる「感染性」と、アレルギー反応や皮脂の過剰分泌などによる「非感染性」があります。
感染性の眼瞼炎では、主にブドウ球菌などの細菌感染が原因となることが多いです。まつ毛の毛根や、まぶたにある脂腺(マイボーム腺)に細菌が感染することで炎症が起こります。
非感染性の眼瞼炎では、花粉や化粧品、点眼薬などに対するアレルギー反応が原因となることがあります。また、皮脂の過剰分泌による脂漏性皮膚炎や、まぶたのマイボーム腺の詰まり(マイボーム腺機能不全)も眼瞼炎を引き起こす主な原因の一つです。
さらに、ドライアイやアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患も眼瞼炎の原因となることがあります。ストレスや疲労、不適切なコンタクトレンズの使用、アイメイクの落とし残しなども、眼瞼炎を悪化させる要因となるため注意が必要です。
眼瞼炎に効果的な目薬の選び方

眼瞼炎の症状を和らげるためには、ご自身の症状や原因に合った目薬を選ぶことが非常に重要です。市販薬の中にも眼瞼炎に効果的なものがありますが、症状が強い場合や長引く場合は、眼科を受診して適切な処方薬を使用することも大切です。目薬を選ぶ際には、配合されている成分に注目し、ご自身の状態に最適なものを見つけるようにしましょう。
症状に合わせた目薬の選び方
眼瞼炎の目薬を選ぶ際は、まずご自身の主な症状が何かを把握することが大切です。例えば、細菌感染が疑われる場合は、抗菌成分が配合された目薬が適しています。スルファメトキサゾールなどの抗菌成分は、細菌の増殖を抑え、感染による炎症を鎮める効果が期待できます。
まぶたの赤みや腫れ、かゆみが強い場合は、抗炎症成分や抗ヒスタミン成分が配合された目薬が良いでしょう。グリチルリチン酸二カリウムやプラノプロフェンなどの抗炎症成分は、炎症を抑える働きがあります。また、クロルフェニラミンマレイン酸塩などの抗ヒスタミン成分は、かゆみを和らげる効果が期待できます。
ドライアイを併発している場合は、人工涙液やヒアルロン酸などの保湿成分が配合された目薬も有効です。目の乾燥は眼瞼炎の症状を悪化させることもあるため、目のうるおいを保つことも大切です。
アレルギーが原因の場合は、抗アレルギー成分(クロモグリク酸ナトリウムなど)が配合された目薬も選択肢の一つです。
市販薬と処方薬の違い
市販されている眼瞼炎用の目薬は、薬局やドラッグストアで手軽に購入できる点が魅力です。主に抗菌成分、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、保湿成分などが配合されており、軽度な症状であればこれらの市販薬で対処できる場合があります。
しかし、市販薬で症状が改善しない場合や、症状が重い、長引く場合は、眼科を受診して処方薬を検討することが重要です。眼科では、症状や原因に応じて、より強力な抗菌薬の点眼薬や眼軟膏、ステロイド点眼薬、抗ウイルス薬などが処方されることがあります。
特に、潰瘍性の眼瞼炎や、まつ毛の脱毛を伴う重症例では、医師の診断と適切な処方薬による治療が不可欠です。自己判断で市販薬を使い続けると、症状が悪化したり、慢性化したりする可能性もあるため、注意が必要になります。
眼瞼炎におすすめの市販目薬

眼瞼炎の症状は、初期段階であれば市販の目薬でケアできる場合があります。ここでは、症状別におすすめの市販目薬の成分と、その特徴についてご紹介します。ご自身の症状に合った目薬を選ぶことで、不快な症状の緩和を目指しましょう。
炎症を抑える成分配合の目薬
まぶたの赤みや腫れ、かゆみが主な症状である場合、炎症を抑える成分が配合された目薬がおすすめです。これらの目薬は、炎症反応を鎮めることで、不快な症状を和らげる効果が期待できます。
- グリチルリチン酸二カリウム:抗炎症作用があり、まぶたの腫れや赤みを鎮めます。多くの市販薬に配合されています。
- プラノプロフェン:非ステロイド性抗炎症成分で、炎症による痛みやかゆみを抑える働きがあります。
これらの成分は、アレルギー性の眼瞼炎や、物理的な刺激による炎症にも効果を発揮することがあります。ただし、ステロイド成分が配合された市販薬は、長期連用を避けるべき場合もあるため、使用上の注意をよく確認しましょう。
抗菌成分配合の目薬
目やにが多く、まぶたの縁に黄色いかさぶたが付着するなど、細菌感染が疑われる場合は、抗菌成分が配合された目薬が適しています。細菌の増殖を抑えることで、感染による炎症を改善に導きます。
- スルファメトキサゾール:細菌の増殖を抑制するサルファ剤の一種で、ものもらいや結膜炎、眼瞼炎などの細菌感染に効果を発揮します。
抗菌成分配合の目薬は、感染の拡大を防ぎ、症状の早期改善につながります。使い切りタイプのものもあり、衛生的に使用できる点もメリットです。
ドライアイ対策にもなる保湿成分配合の目薬
眼瞼炎と同時に目の乾燥を感じる場合や、目のゴロゴロ感が気になる場合は、保湿成分が配合された目薬も有効です。目の表面を潤すことで、刺激から目を守り、不快感を軽減します。
- コンドロイチン硫酸エステルナトリウム:角膜を保護し、目の乾燥を防ぐ効果があります。
- ヒアルロン酸ナトリウム:高い保水力で目の表面を潤し、ドライアイ症状を和らげます。
目の乾燥は、眼瞼炎の症状を悪化させる要因の一つとなるため、日頃から目の潤いを保つことは大切です。防腐剤無添加の目薬を選ぶと、目に刺激を与えにくいでしょう。
目薬以外の眼瞼炎ケア方法

眼瞼炎の治療には目薬が有効ですが、それと並行して日々のセルフケアを行うことで、症状の改善を早め、再発を防ぐことが可能です。まぶたを清潔に保つことや、温めること、そして日常生活でのちょっとした心がけが、目の健康を守る上で重要な役割を果たします。
目の周りを清潔に保つコツ
眼瞼炎のケアで最も大切なのは、まぶたの周りを清潔に保つことです。特に、まつ毛の生え際やマイボーム腺の開口部に付着した汚れや皮脂、細菌などを除去することが重要になります。
具体的な方法としては、まず手をきれいに洗い、清潔な蒸しタオルや専用のアイシャンプーを使って、まぶたの縁を優しく拭き取ります。ゴシゴシこすらず、優しくマッサージするように洗浄するのがコツです。
アイメイクは、症状がある間は控えるか、低刺激性のものを選び、必ずその日のうちに丁寧に落としましょう。アイライナーをまぶたの裏側に引くのは避けるべきです。
洗顔時も、目の周りを強くこすらないように注意し、清潔なタオルでそっと水分を拭き取ることが大切です。
温罨法で症状を和らげる
温罨法(おんあんぽう)は、まぶたを温めることで、マイボーム腺の詰まりを改善し、皮脂の分泌を促す効果が期待できるケア方法です。これにより、炎症が軽減され、かゆみや灼熱感が和らぐことがあります。
温罨法は、清潔な蒸しタオルをまぶたの上に5〜10分程度置くことで行えます。市販のホットアイマスクを使用するのも良いでしょう。熱すぎない、心地よい温度で行うことが大切です。
特に、マイボーム腺機能不全が原因の眼瞼炎には、温罨法が非常に効果的とされています。温めることで、固まった皮脂が溶け出しやすくなり、まぶたのマッサージと組み合わせることで、より効果を高めることができます。
日常生活で気をつけたいこと
眼瞼炎の症状を悪化させないためには、日常生活での心がけも重要です。まず、目をこすったり触ったりする癖がある場合は、意識してやめるようにしましょう。手には多くの細菌が付着しているため、目を触ることで感染を広げる可能性があります。
コンタクトレンズを使用している場合は、症状がある間は装用を控えるか、医師に相談して指示に従いましょう。不適切な使用は眼瞼炎を悪化させる要因となります。
また、十分な睡眠をとり、バランスの取れた食事を心がけるなど、規則正しい生活を送ることも大切です。ストレスや疲労は免疫力を低下させ、眼瞼炎の治りを遅らせる原因となることがあります。
アレルギーが原因の場合は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンを避ける工夫も必要です。これらの対策を継続することで、眼瞼炎の症状をコントロールし、快適な状態を保つことにつながります。
眼科を受診する目安と治療の流れ

眼瞼炎は、軽度であれば市販薬やセルフケアで改善することもありますが、症状が改善しない場合や悪化する場合には、早めに眼科を受診することが大切です。適切な診断と治療を受けることで、症状の慢性化や合併症を防ぐことができます。
こんな症状は眼科へ
以下のような症状が見られる場合は、自己判断せずに眼科を受診することをおすすめします。
- 数日たっても症状が改善しない、または悪化している
- まぶたの腫れや痛みが強い
- 目やにの量が増えたり、色が黄色っぽくなったりしている
- 目の異物感が強く、ゴロゴロ感が続く
- 視界がかすむ、光をまぶしく感じる(羞明)
- まぶたがただれている、潰瘍ができている
- まつ毛が抜け落ちる、生え方がおかしい
- 発熱や頭痛など、目以外の全身症状がある
特に、感染性の眼瞼炎を放置すると、まぶたの変形や視力への影響が出る可能性もあるため、早めの受診が重要です。
眼科での治療方法
眼科では、まず細隙灯顕微鏡などを用いてまぶたの状態を詳しく観察し、眼瞼炎の種類や原因を特定します。必要に応じて、細菌培養検査やアレルギー検査を行うこともあります。
診断に基づき、以下のような治療が行われます。
- 抗菌薬の点眼薬・眼軟膏:細菌感染が原因の場合に処方されます。
- 抗ウイルス薬:ヘルペスウイルスなど、ウイルス感染が原因の場合に用いられます。
- ステロイド点眼薬・眼軟膏:炎症が強い場合に、短期間使用されることがあります。
- 抗アレルギー薬:アレルギー性の眼瞼炎に対して、点眼薬や内服薬が処方されることがあります。
- 内服薬:重症の細菌感染や、慢性的な炎症に対して、抗菌薬や抗炎症薬が内服で処方されることもあります。
- 温罨法・まぶたの洗浄指導:マイボーム腺機能不全などに対して、自宅でのケア方法が指導されます。
眼瞼炎は慢性化しやすく、再発を繰り返すこともあります。症状が改善した後も、医師の指示に従い、継続的にまぶたのケアを行うことが大切です。
よくある質問

眼瞼炎は自然に治りますか?
軽度な眼瞼炎であれば、特に治療を受けなくても自然に症状が軽快することがあります。例えば、一時的なまぶたの炎症や軽い脂漏性皮膚炎によるものは、体の免疫反応や生活習慣の改善で治まることもあります。しかし、原因によっては治療が必要になる場合もあるため、異変を感じたら早い段階で眼科を受診することが大切です。
眼瞼炎の目薬はいつまで使えばいいですか?
眼瞼炎の目薬の使用期間は、原因や症状の重症度によって異なります。軽度の細菌性眼瞼炎であれば、数日〜1週間程度で症状が改善することもありますが、慢性化している場合は数ヶ月にわたる長期的なケアが必要になることもあります。必ず医師の指示に従い、自己判断で中断しないようにしましょう。
コンタクトレンズは使用できますか?
眼瞼炎の症状がある間は、コンタクトレンズの使用を控えることが望ましいです。コンタクトレンズの装用は、まぶたへの刺激となり、症状を悪化させる可能性があります。医師に相談し、指示があるまでは眼鏡を使用するようにしましょう。
メイクはしても大丈夫ですか?
眼瞼炎の症状がある間は、アイメイクは控えるのが賢明です。化粧品が刺激となり、炎症を悪化させたり、細菌感染のリスクを高めたりする可能性があります。特に、まつ毛の生え際へのアイライナーの使用は避けるべきです。症状が落ち着いてから、低刺激性の化粧品を少量ずつ試すようにしましょう。
子供でも眼瞼炎になりますか?
はい、子供でも眼瞼炎になることがあります。子供の眼瞼炎は、細菌感染によるものが多いとされており、風邪症状と同時に起こることも少なくありません。かゆみが強く、目をこすってしまうことで症状が悪化することもあるため、早めに眼科や小児科を受診することがおすすめです。
まとめ
- 眼瞼炎はまぶたの炎症で、赤み、腫れ、かゆみ、異物感などの症状があります。
- 原因は細菌・ウイルス感染、アレルギー、皮脂過剰分泌など多岐にわたります。
- 症状に合わせた目薬選びが回復への第一歩です。
- 市販薬は抗菌、抗炎症、保湿成分配合のものが選べます。
- 細菌感染にはスルファメトキサゾール配合の目薬が有効です。
- 炎症が強い場合はグリチルリチン酸二カリウムやプラノプロフェン配合の目薬を検討しましょう。
- 目の乾燥を伴う場合は保湿成分配合の目薬が役立ちます。
- 目薬だけでなく、まぶたを清潔に保つことが非常に重要です。
- 温罨法はマイボーム腺の詰まりを改善し、症状を和らげる効果があります。
- 目をこすらない、コンタクトレンズを控えるなど、日常生活での注意も必要です。
- 症状が改善しない、悪化する場合は早めに眼科を受診しましょう。
- 眼科では原因に応じた抗菌薬、抗ウイルス薬、ステロイドなどが処方されます。
- 眼瞼炎は慢性化しやすいため、継続的なケアが大切です。
- 子供も眼瞼炎になることがあり、早期の受診が推奨されます。
- メイクは症状が落ち着くまで控え、低刺激性のものを選びましょう。
