アワフキムシの駆除方法|庭の白い泡の正体と安全な退治・予防策を解説

当ページのリンクには広告が含まれています。
アワフキムシの駆除方法|庭の白い泡の正体と安全な退治・予防策を解説
  • URLをコピーしました!

庭の植物の茎や葉に、白い泡が付いているのを見つけたことはありませんか?「誰かのいたずら?」「何かの病気?」と不安に思われる方も多いかもしれません。その泡の正体は、実は「アワフキムシ」という虫の仕業です。大切に育てている植物に付いていると、どう対処すれば良いのか悩みますよね。

本記事では、アワフキムシの正体から、安全で効果的な駆除方法、そして今後の発生を防ぐための予防策まで、詳しく解説していきます。この記事を読めば、アワフキムシの悩みはきっと解決するはずです。ぜひ最後までご覧ください。

目次

アワフキムシの正体とは?庭の白い泡の謎に迫る

アワフキムシの正体とは?庭の白い泡の謎に迫る

まず、敵の正体を知ることから始めましょう。アワフキムシとは一体どんな虫で、なぜ泡を作っているのでしょうか。その不思議な生態に迫ります。

この章では、以下の内容について解説します。

  • アワフキムシの生態と特徴
  • なぜ泡の中に?泡の正体と役割
  • アワフキムシの種類と発生時期

アワフキムシの生態と特徴

アワフキムシは、カメムシやセミに近い仲間の昆虫です。 日本だけでも約50種類が生息していると言われています。 成虫は体長5mm~15mmほどで、セミを小さくしたような見た目をしており、茶色や緑色など種類によって体色は様々です。 翅(はね)があり、ピョンと跳ねて移動するのも特徴の一つです。

問題の泡を作るのは、アワフキムシの幼虫です。春に卵からかえった幼虫は、植物の茎や葉に張り付き、ほとんど移動せずに成長します。 そして、その場で特徴的な泡の巣を作り、その中で生活するのです。

なぜ泡の中に?泡の正体と役割

植物に付着している白い泡は、一見すると石鹸の泡のようにも見えますが、その正体はアワフキムシの幼虫の排泄物(おしっこ)です。 幼虫は植物の汁を吸って栄養を摂りますが、その際に余分な水分を体外に排出します。この排泄物に、お腹から出す粘液を混ぜ、空気を送り込むことで、あのフワフワの泡を作り出しているのです。

この泡は、アワフキムシの幼虫にとって、まさに「魔法のシェルター」のような役割を果たしています。 具体的には、以下のような効果があります。

  • 天敵からの保護: 泡はアリなどの天敵が侵入するのを防ぎます。泡に触れた昆虫は、気門(呼吸するための穴)が塞がれて窒息してしまうことがあります。
  • 乾燥防止: 泡に包まれていることで、体が乾燥するのを防ぎ、快適な湿度を保っています。
  • 温度調節: 泡が断熱材の役割を果たし、急激な温度変化から身を守ります。

この巧妙な仕組みのおかげで、柔らかく無防備な幼虫は、安全に成長することができるのです。

アワフキムシの種類と発生時期

日本には多くの種類のアワフキムシがいますが、庭木や草花でよく見られる代表的なものに「シロオビアワフキ」などがいます。 種類によって好む植物は異なりますが、バラ、アジサイ、ツツジ、サクラ、ブドウ、ハーブ類など、非常に多くの植物に発生します。

アワフキムシの幼虫が泡を作り始めるのは、春から初夏(5月~7月頃)にかけてです。 この時期に植物の点検をしていると、白い泡を見つけることが多くなります。幼虫は泡の中で成長し、夏(7月~8月頃)になると成虫となって泡から出てきます。 そのため、駆除を行うなら、動きが鈍く見つけやすい幼虫の時期が最も効果的です。


アワフキムシは害虫?放置しても大丈夫?

アワフキムシは害虫?放置しても大丈夫?

「泡の正体は分かったけど、植物への影響は?」「駆除しないとダメなの?」という疑問が湧いてきますよね。ここでは、アワフキムシの害や、駆除の必要性について解説します。

この章では、以下の内容についてお伝えします。

  • 植物への影響と被害
  • 人体への影響はある?
  • 基本的には放置しても問題ない?駆除の判断基準

植物への影響と被害

アワフキムシの幼虫と成虫は、植物の茎や葉に口針を刺して汁を吸います。 これにより、植物の栄養が奪われるため、大量に発生すると生育が悪くなることがあります。特に、新芽や若い茎など、柔らかい部分が被害に遭いやすいです。

しかし、アブラムシのように大量発生して植物を枯らしてしまうほどの深刻な被害が出ることは、家庭でのガーデニングの範囲では比較的少ないとされています。 最も大きな被害は、やはり景観を損ねることでしょう。 せっかく美しく咲いている花や、青々とした葉に白い泡が付いていると、見た目が悪く、がっかりしてしまいますよね。

また、ごく稀なケースですが、アワフキムシが植物の病気を媒介する可能性も指摘されています。 例えば、海外ではブドウの木を枯らす「ピアス病」という病気の病原菌を媒介することが問題となっています。

人体への影響はある?

アワフキムシは、人体に直接的な害を与えることはありません。毒を持っていたり、人を刺したり咬んだりすることはないので、その点は安心してください。泡に触れても、かぶれたりする心配もありません。小さなお子様やペットがいるご家庭でも、過度に心配する必要はないでしょう。

ただし、虫が苦手な方にとっては、その見た目自体が不快に感じられるかもしれません。精神的なストレスを考えると、早めに対処するに越したことはないでしょう。

基本的には放置しても問題ない?駆除の判断基準

アワフキムシの被害は、他の害虫に比べて甚大ではないことが多いです。 そのため、数個の泡を見つけた程度であれば、必ずしも急いで駆除する必要はありません。自然の生態系の一部と捉え、そのまま様子を見るという選択肢もあります。

しかし、以下のような場合は駆除を検討することをおすすめします。

  • 見た目が気になる、景観を損ねている場合
  • 大量に発生して、植物の元気がなくなってきた場合
  • 大切な草花や、収穫を楽しみにしている野菜・果樹に発生した場合

特に、大量発生すると植物の生育に影響が出る可能性が高まるため、早めの対策が肝心です。 駆除の判断は、被害の状況と、ご自身のガーデニングに対する考え方によって決めると良いでしょう。

【実践】アワフキムシの駆除方法5選

【実践】アワフキムシの駆除方法5選

それでは、実際にアワフキムシを駆除する方法を見ていきましょう。薬剤を使わない手軽な方法から、大量発生時に頼りになる薬剤まで、状況に合わせて選べる5つの方法をご紹介します。

この章でご紹介する駆除方法は以下の通りです。

  • ①手で取り除く(捕殺)
  • ②水で洗い流す
  • ③牛乳や木酢液は効果ある?
  • ④殺虫剤(農薬)を使う場合の注意点
  • ⑤おすすめの殺虫剤

①手で取り除く(捕殺)

最も手軽で確実、そして安全な方法が、物理的に取り除くことです。アワフキムシの幼虫は泡の中でじっとしており、動きも鈍いため、簡単に捕殺できます。

ティッシュや割り箸、古い歯ブラシなどを使って、泡ごと幼虫をかき取るようにして取り除きましょう。取り除いた幼虫は、ビニール袋に入れて口を縛って処分するか、足で踏み潰して確実に駆除します。虫に直接触れるのに抵抗がある方は、ゴム手袋を着用すると良いでしょう。

この方法は、発生数が少ない場合に非常に有効です。植物へのダメージもほとんどなく、薬剤を使わないので環境にも優しい方法と言えます。

②水で洗い流す

ホースの水圧を利用して、泡ごと洗い流してしまうのも効果的な方法です。 特に、少し高い場所や、手の届きにくい場所に発生した場合に便利です。ジェット水流など、強めの水圧で狙いを定めて吹き飛ばしましょう。

水で流された幼虫は、地面に落ちてアリなどの天敵に食べられたり、再び植物に登れずに死んでしまったりすることが多いです。ただし、洗い流しただけでは生き残る可能性もゼロではありません。より確実に駆除したい場合は、洗い流した後に地面に落ちた幼虫を探して捕殺すると万全です。

この方法は、広範囲にわたって点在している場合に効率的ですが、あまり強い水圧をかけると植物を傷めてしまう可能性があるので、注意が必要です。

③牛乳や木酢液は効果ある?

インターネット上では、牛乳や木酢液を使った自然由来の駆除方法が紹介されていることがあります。これらの効果はどうなのでしょうか。

牛乳スプレーは、乾燥すると膜ができてアブラムシなどを窒息させる効果が知られていますが、アワフキムシの泡は水分を多く含んでいるため、牛乳が直接幼虫に届きにくく、効果は限定的と考えられます。また、使用後に洗い流さないと腐敗して悪臭の原因になるため、注意が必要です。

木酢液や竹酢液は、独特の匂いで虫を寄せ付けにくくする忌避効果が期待できますが、直接的な殺虫効果はあまり高くありません。予防策として使用するのは一つの手ですが、すでに発生してしまったアワフキムシを駆除する目的での使用は、効果が薄い可能性があります。

結論として、これらの方法は確実性に欠けるため、補助的な手段と考えるのが良いでしょう。

④殺虫剤(農薬)を使う場合の注意点

大量に発生してしまい、手作業での駆除が追いつかない場合は、殺虫剤(農薬)の使用が有効です。 しかし、薬剤を使用する際には、いくつか重要な注意点があります。

まず、購入する際には必ず対象の植物と害虫に「アワフキムシ」が含まれているかを確認してください。野菜や果樹など、口に入れる植物に使用する場合は、「食用の〇〇に使える」といった表記があるものを選びましょう。

また、薬剤を使用する際は、必ず商品のラベルに記載されている使用方法、希釈倍率、使用回数、使用時期などを厳守してください。決められた以上に濃くしたり、頻繁に使用したりすると、植物に薬害が出たり、環境に悪影響を与えたりする可能性があります。散布する際は、風のない天気の良い日を選び、マスクや手袋、ゴーグルなどを着用して、薬剤を吸い込んだり皮膚に付着したりしないように注意しましょう。

⑤おすすめの殺虫剤

アワフキムシに効果のある代表的な殺虫剤としては、以下のような成分を含むものが挙げられます。

  • フェニトロチオン(スミチオン): 幅広い害虫に効果がある、家庭園芸で古くから使われている代表的な殺虫剤です。 速効性と残効性があります。
  • アセフェート(オルトラン): 浸透移行性があり、薬剤が植物に吸収されて、その汁を吸った害虫を駆除します。 粒剤タイプは株元にまくだけで効果が持続するため手軽です。

これらの薬剤は、ホームセンターや園芸店で入手できます。スプレータイプのものも手軽で便利です。どの薬剤を選べばよいか分からない場合は、お店の専門スタッフに相談してみることをおすすめします。

アワフキムシを寄せ付けない!効果的な予防策

アワフキムシを寄せ付けない!効果的な予防策

駆除も大切ですが、できることならアワフキムシが発生しないようにしたいですよね。ここでは、アワフキムシを寄せ付けないための予防策をご紹介します。日頃のちょっとした心がけで、発生を抑えることができます。

この章でご紹介する予防策は以下の通りです。

  • 発生原因を知る
  • 風通しを良くする
  • 天敵を利用する
  • 産卵させないための冬の対策

発生原因を知る

アワフキムシの予防策を考える上で、まずはなぜ発生するのかを知ることが重要です。アワフキムシは、湿気が多く、隠れ場所となる植物が茂っている環境を好みます。特に、葉が密集して風通しが悪くなっている場所は、アワフキムシにとって絶好の住処となります。

また、成虫が飛来して植物の組織内に卵を産み付け、翌春にその卵がかえることで発生します。 つまり、成虫を寄せ付けないこと、そして卵を産み付けさせないことが予防の鍵となります。

風通しを良くする

アワフキムシが好むジメジメした環境を作らないために、植物の風通しを良くすることが非常に効果的です。 枝や葉が混み合っている部分は、思い切って剪定しましょう。株元まで日光が当たり、風が通り抜けるようになると、アワフキムシだけでなく、他の病害虫の予防にも繋がります。

特に、梅雨時期は湿気がこもりやすくなるため、その前に剪定を済ませておくのが理想的です。株と株の間隔を適切に保ち、密植を避けることも大切です。

天敵を利用する

自然界には、アワフキムシを捕食してくれる頼もしい味方がいます。例えば、クモ、カマキリ、テントウムシ、鳥類などはアワフキムシの天敵です。 庭の生態系を豊かにすることで、これらの天敵が住みやすい環境を作ることができます。

殺虫剤をむやみに使用すると、害虫だけでなくこれらの益虫も殺してしまいます。薬剤の使用は必要最低限に留め、多様な生き物が生息できる庭づくりを心がけることが、長期的な害虫対策に繋がります。

産卵させないための冬の対策

アワフキムシの多くは、冬の間に植物の枯れ枝や樹皮の隙間に卵を産み付けて越冬します。 そこで、冬の間の庭仕事が翌春の発生を抑える重要なポイントになります。

落葉樹の場合は、葉が落ちた後で枝の様子をよく観察し、産み付けられた卵がないかチェックしましょう。また、枯れ枝や枯れ葉はアワフキムシの越冬場所になりやすいため、こまめに取り除き、庭を清潔に保つことが大切です。冬の間に土を軽く耕して、土中にいる可能性のある越冬卵を寒さに晒すのも一つの方法です。

よくある質問

よくある質問

アワフキムシが大量発生した場合はどうすればいいですか?

アワフキムシが大量に発生してしまった場合は、手作業での駆除では追いつかないことが多いです。 そのような状況では、殺虫剤(農薬)の使用を検討するのが最も現実的で効果的です。 オルトラン粒剤のような浸透移行性の薬剤を株元にまくか、スミチオン乳剤などの殺虫剤を散布してください。薬剤を使用する際は、必ず説明書をよく読み、用法・用量を守って正しく使用することが重要です。散布する際は、泡の上からだけでなく、植物全体にまんべんなくかかるようにするとより効果的です。

アワフキムシは益虫ではないのですか?

アワフキムシは植物の汁を吸うため、基本的には「害虫」に分類されます。 しかし、自然の生態系においては、クモや鳥などの他の生物の餌となることで、生態系のバランスを保つ一員としての役割も担っています。 そのため、益虫か害虫かは、人間の視点から見た分類に過ぎません。ガーデニングにおいて被害が許容範囲であれば、無理に駆除せず、自然の営みとして見守るという考え方もあります。

アワフキムシに似た虫はいますか?

アワフキムシの成虫は、ヨコバイやウンカ、ツノゼミなど、同じカメムシ目の昆虫と見た目が似ています。 これらの虫も植物の汁を吸う害虫であることが多いです。特にヨコバイ類は、ウイルス病を媒介することもあるため注意が必要です。泡を作っているのが幼虫であればアワフキムシと判断できますが、成虫だけを見かけた場合は、他の害虫の可能性も考慮して対策を考えると良いでしょう。

ハーブにもアワフキムシは付きますか?

はい、付きます。一般的に虫除け効果があるとされるハーブ類ですが、アワフキムシは例外的に発生することがあります。 特に、ローズマリーやミント、ラベンダー、セージなどで発生が報告されています。ハーブは食用にすることもあるため、駆除する際は薬剤の使用に特に注意が必要です。手で取り除くか、食品成分由来の安全なスプレー剤などを利用するのがおすすめです。

アワフキムシの成虫はどうやって駆除しますか?

アワフキムシの成虫は、幼虫と違って活発に動き回り、ピョンと跳ねて逃げるため捕まえにくいです。 見つけたら、虫取り網などを使って捕獲するのが一つの方法です。また、成虫に対しても殺虫剤は有効です。 飛んでいる成虫に直接スプレーできるタイプの殺虫剤や、植物全体に散布するタイプの薬剤を使用します。ただし、成虫が発生する夏場は、益虫も活発に活動している時期なので、薬剤の使用は慎重に行いましょう。

まとめ

まとめ
  • アワフキムシの泡は幼虫が作る排泄物でできた巣です。
  • 泡は天敵や乾燥から身を守るシェルターの役割があります。
  • 主な被害は景観を損ねることで、植物を枯らすことは稀です。
  • 人体に直接的な害はなく、毒もありません。
  • 発生が少なければ、手で取るか水で流すのが安全で確実です。
  • 大量発生した場合は殺虫剤(スミチオン、オルトラン等)が有効です。
  • 薬剤使用時は対象植物や用法・用量を必ず確認してください。
  • 牛乳や木酢液の駆除効果は限定的です。
  • 予防には、剪定による風通しの改善が非常に効果的です。
  • アワフキムシはハーブ類にも発生することがあります。
  • 冬の間に枯れ枝の掃除や卵の除去を行うと翌春の発生を抑えられます。
  • 天敵であるクモやカマキリは大切なパートナーです。
  • 成虫は活発なため、虫取り網や殺虫剤で駆除します。
  • 駆除するかどうかの判断は、被害状況を見て決めましょう。
  • 困ったときは園芸店の専門家に相談するのも良い方法です。
アワフキムシの駆除方法|庭の白い泡の正体と安全な退治・予防策を解説

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次