非常用持ち出し袋はいらない?本当に必要なものと備えのポイントを徹底解説

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「非常用持ち出し袋って本当に必要なの?」「何を入れたらいいかわからないし、準備するのも面倒…」そう思っている方もいるのではないでしょうか。確かに、普段使わないものを用意するのは手間ですし、本当に役立つのか疑問に思うかもしれません。しかし、災害はいつどこで起こるかわかりません。いざという時に自分や家族の命を守るためには、最低限の備えが不可欠です。本記事では、非常用持ち出し袋はいらないのか、本当に必要なものは何か、そしてどのように備えれば良いのかを徹底解説します。

目次

非常用持ち出し袋は本当にいらない?必要性を考える

「非常用持ち出し袋はいらない」という意見も耳にしますが、本当にそうでしょうか?災害時には、ライフラインが止まり、支援物資がすぐに届かないこともあります。そんな時、最低限の備えがあるかないかで、その後の生活が大きく変わる可能性があります。

この章では、以下の点について解説します。

  • 非常用持ち出し袋の役割とは?
  • 「いらない」と言われる理由と反論
  • 本当に必要な人と不要な人の境界線

非常用持ち出し袋の役割とは?

非常用持ち出し袋は、災害発生時に自宅から避難する際に、命を守り、避難生活を少しでも安全かつ快適に過ごすための最低限の物品をまとめたものです。 具体的には、避難所や安全な場所にたどり着くまでの間、そして避難生活の初期段階を乗り切るために必要な食料、水、医薬品、情報収集ツールなどが含まれます。 大規模災害時には、公的な支援がすぐに行き届かないことも想定されるため、「自分の身は自分で守る」という自助の観点から非常に重要です。

また、非常用持ち出し袋は、単に物を詰め込むだけでなく、災害時の避難行動を具体的にイメージするきっかけにもなります。何が必要で、何が不要か、どこに避難するのかなどを考えることで、防災意識を高める効果も期待できるでしょう。

「いらない」と言われる理由と反論

「非常用持ち出し袋はいらない」という意見には、いくつかの理由が考えられます。例えば、「重くて持ち運べない」「何を入れていいかわからない」「家にいれば大丈夫」「行政の備蓄があるから不要」といったものです。しかし、これらの意見には反論の余地があります。

まず、「重くて持ち運べない」という点については、本当に必要なものだけに絞り込み、軽量化を図ることで対応可能です。 また、リュックサック型にすることで、両手が空き、避難しやすくなります。

「何を入れていいかわからない」という場合は、本記事で紹介するリストを参考にしたり、自治体が配布している防災パンフレットを確認したりすると良いでしょう。 また、市販の防災セットを購入し、自分に必要なものを追加していくという方法も有効です。

「家にいれば大丈夫」という考えは、自宅が安全な場合に限られます。地震による倒壊や火災、水害による浸水など、自宅にいられない状況も十分に考えられます。

「行政の備蓄があるから不要」という意見もありますが、災害発生直後から十分な量の支援物資が行き渡るまでには時間がかかることが予想されます。 特に大規模災害の場合は、支援が遅れる可能性も考慮し、最低3日分、できれば1週間分の食料や水を自分で備蓄しておくことが推奨されています。

本当に必要な人と不要な人の境界線

基本的に、災害のリスクがある地域に住んでいるすべての人にとって、非常用持ち出し袋は必要と言えます。日本は地震や台風、豪雨など、さまざまな自然災害が発生しやすい国です。いつどこで被災するかわからない以上、最低限の備えはしておくべきでしょう。

ただし、備えるべき内容は、家族構成や年齢、健康状態、住んでいる場所の災害リスクなどによって異なります。 例えば、乳幼児がいる家庭ではミルクやおむつ、高齢者がいる家庭では常備薬や杖などが追加で必要になります。 また、海や川の近くに住んでいる場合は水害対策、山間部に住んでいる場合は土砂災害対策を意識した備えが重要です。

「不要な人」をあえて挙げるとすれば、それは災害リスクが極めて低く、かつ、万が一の際にもすぐに支援を受けられる環境にある人に限られるかもしれません。しかし、そのような状況は現実的には考えにくいため、やはり多くの人にとって非常用持ち出し袋は必要なものと言えるでしょう。

非常用持ち出し袋の中身、本当に必要なものリスト

非常用持ち出し袋に入れるべきものは多岐にわたりますが、すべてを詰め込むと重くなりすぎて避難に支障をきたす可能性があります。 そこで、本当に必要なものを厳選することが重要です。この章では、最低限必要なものと、あると便利なものをリストアップして紹介します。

この章で紹介する主な内容は以下の通りです。

  • 命を守るための最低限のアイテム
  • 情報収集と連絡手段の確保
  • 衛生用品と医薬品
  • あると便利なもの(状況に応じて)

命を守るための最低限のアイテム

災害時に命を守り、生き延びるために最低限必要なアイテムです。これらは最優先で準備しましょう。

  • 飲料水:1人1日3リットルを目安に、最低3日分。持ち運びやすいペットボトルがおすすめです。
  • 食料品:軽くて調理不要で食べられるもの(缶詰、乾パン、レトルト食品、栄養補助食品など)を最低3日分。 アレルギー対応食や乳幼児向けの離乳食なども忘れずに。
  • 懐中電灯:停電時に必須。予備電池も忘れずに。両手が使えるヘッドライトも便利です。
  • 携帯ラジオ:災害情報を得るために重要。予備電池も用意しましょう。手回し充電式のものもおすすめです。
  • 救急用品:絆創膏、消毒液、ガーゼ、包帯、常備薬など。持病のある方は、お薬手帳のコピーも入れておきましょう。
  • 貴重品:現金(小銭も含む)、身分証明書のコピー、健康保険証のコピー、預金通帳のコピーなど。
  • 防寒具・雨具:アルミブランケットやレインコートなど、軽くてかさばらないものがおすすめです。
  • 軍手:瓦礫の撤去やガラス片などから手を守ります。
  • ホイッスル:助けを呼ぶ際に役立ちます。

情報収集と連絡手段の確保

災害時には、正確な情報を得て、家族や知人と連絡を取ることが非常に重要です。以下のアイテムを準備しておきましょう。

  • 携帯ラジオ:上記「命を守るための最低限のアイテム」でも触れましたが、災害情報を得るための主要な手段となります。
  • スマートフォン・携帯電話のモバイルバッテリー:連絡手段や情報収集に不可欠ですが、充電が切れてしまっては意味がありません。大容量のモバイルバッテリーを準備し、常に充電しておくようにしましょう。
  • 筆記用具とメモ帳:停電時やスマートフォンの充電がない場合でも、情報をメモしたり、伝言を残したりするのに役立ちます。
  • 家族や親戚の連絡先リスト:紙に印刷しておくといざという時に安心です。
  • 避難場所や避難経路を記した地図:事前に確認し、持ち出し袋に入れておきましょう。

衛生用品と医薬品

避難所などでは衛生環境が悪化しやすいため、感染症予防のためにも衛生用品は重要です。また、普段から服用している薬がある場合は、必ず準備しておきましょう。

  • マスク:感染症予防や粉塵対策に。
  • ウェットティッシュ・アルコール消毒液:水が使えない状況での手指の消毒や、身の回りの清拭に役立ちます。
  • 携帯トイレ:断水時やトイレが使えない場合に備えて、1人最低5回分は用意しておきましょう。
  • トイレットペーパー・ティッシュペーパー:トイレットペーパーは芯を抜くとコンパクトになります。
  • 歯磨きシート・口腔ケア用品:水なしで使えるものが便利です。
  • 生理用品:女性は必須です。
  • 常備薬・処方薬:最低でも3日分、できれば1週間分。お薬手帳のコピーも忘れずに。
  • 絆創膏、消毒液、ガーゼ、包帯などの救急セット:ケガをした際の応急処置に。

あると便利なもの(状況に応じて)

必須ではありませんが、あると避難生活の質を向上させたり、特定の状況で役立ったりするアイテムです。ご自身の状況に合わせて取捨選択しましょう。

  • スリッパ・室内履き:避難所の床は冷たく硬い場合があるため、あると快適です。
  • アイマスク・耳栓:避難所での安眠確保に役立ちます。
  • ビニール袋(大小数枚):ゴミ袋としてだけでなく、防水や荷物の仕分けなど多用途に使えます。
  • 新聞紙:防寒対策や燃料、緩衝材など、さまざまな用途に使えます。
  • 布製ガムテープ:メモを貼ったり、物を固定したりと何かと便利です。
  • 多機能ナイフ・缶切り:缶詰を開けたり、ちょっとした作業に役立ちます。
  • ライター・マッチ:火を起こすために。
  • 現金(小銭を多めに):停電時にはキャッシュレス決済が使えなくなる可能性があります。公衆電話用に10円玉も用意しておくと安心です。
  • 予備の眼鏡・コンタクトレンズ:普段使用している方は必須です。
  • 着替え・下着・靴下:最低1日分。季節に合わせて調整しましょう。
  • タオル:大小数枚あると便利です。
  • 食品用ラップフィルム:食器に敷けば洗う手間が省け、止血や防寒にも使えます。
  • 使い捨てカイロ:寒い時期の防寒対策に。
  • お菓子(飴やチョコレートなど):手軽に糖分補給ができ、気分転換にもなります。
  • ヘルメットや防災頭巾:落下物から頭を守ります。リュックに入れず、すぐに取り出せる場所に置いておくのも良いでしょう。

非常用持ち出し袋がいらない代わりにできること

「どうしても非常用持ち出し袋を準備するのは抵抗がある」「もっと手軽な方法はないの?」と感じる方もいるかもしれません。完全に「いらない」とは言えませんが、日頃からの備えや工夫で、非常用持ち出し袋への依存度を減らすことは可能です。この章では、非常用持ち出し袋の代わりになる、または補完するアイデアを紹介します。

この章で紹介する主な内容は以下の通りです。

  • ローリングストック法で備蓄を日常に
  • 防災ポーチで普段から持ち歩く
  • フェーズフリーという考え方を取り入れる
  • 100均グッズの活用法

ローリングストック法で備蓄を日常に

ローリングストック法とは、普段から少し多めに食料品や日用品を買い置きし、使った分だけ買い足していくことで、常に一定量の備蓄を保つ方法です。 これにより、特別な「非常食」を用意するのではなく、普段食べ慣れているものを災害時にも食べることができます。

メリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 賞味期限切れを防ぎやすい:日常的に消費するため、賞味期限を意識しやすく、無駄を減らせます。
  • 特別な保管場所が不要な場合も:普段使っている食品のストックを少し増やすだけなので、大規模な保管スペースは必要ありません。
  • 災害時にも普段と近い食事ができる:食べ慣れない非常食よりも、精神的な安心感が得られます。
  • 費用や手間を抑えられる:普段の買い物の延長で備蓄できます。

ローリングストックに適した食品としては、缶詰、レトルト食品、パスタ、カップ麺、フリーズドライ食品、日持ちする野菜(玉ねぎ、じゃがいもなど)、飲料水、お菓子などがあります。 日用品では、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、乾電池、カセットボンベなどが対象となります。

ローリングストックを実践することで、非常用持ち出し袋に入れる食料品の量を減らすことができ、結果的に持ち出し袋の軽量化にも繋がります。

防災ポーチで普段から持ち歩く

防災ポーチとは、外出先で被災した際に役立つ最低限の防災グッズを、普段持ち歩くカバンに入れておくという考え方です。 いつどこで災害に遭遇するかわからないため、常に携帯できる小さな備えは非常に有効です。

防災ポーチに入れるものの例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • モバイルバッテリーと充電ケーブル
  • LEDミニライト
  • ホイッスル
  • 絆創膏、常備薬
  • マスク
  • ウェットティッシュ、除菌ジェル
  • 小銭(公衆電話用も含む)
  • 飴やチョコレートなどの携帯食
  • ビニール袋
  • 緊急連絡先メモ
  • 薄手のエマージェンシーシート
  • 携帯トイレ(1回分程度)

ポーチの大きさや中身は、普段持ち歩くカバンのサイズや、個人の状況に合わせて調整しましょう。 防災ポーチを常に携帯することで、万が一の際に初期対応ができるため、非常用持ち出し袋が手元にない状況でも安心感が得られます。

フェーズフリーという考え方を取り入れる

フェーズフリーとは、「日常時」と「非常時」という2つのフェーズ(局面)の垣根を取り払い、普段使っているものが災害時にも役立つようにデザインするという考え方です。 防災用品を特別なものとして備えるのではなく、日常的に使うものがそのまま防災グッズになるという発想です。

フェーズフリーの具体例としては、以下のようなものがあります。

  • 普段使いできるデザインの防災リュック:いかにも防災用という見た目ではなく、日常的に使えるデザインであれば、玄関などに置いても邪魔になりにくいです。
  • アウトドア用品の活用:ランタン、寝袋、ポータブルコンロなどは、キャンプなどのレジャーで普段から使いつつ、災害時にも役立ちます。
  • 充電機能付きのラジオやライト:普段からラジオを聴いたり、間接照明として使ったりしながら、いざという時には情報収集や明かりとして活用できます。
  • ソーラー充電器:日常的にスマートフォンの充電に使いながら、停電時にも太陽光で充電できます。
  • デザイン性の高い備蓄食:おしゃれなパッケージの缶詰やレトルト食品なら、キッチンに置いてもインテリアに馴染み、ローリングストックしやすくなります。

フェーズフリーの製品を選ぶことで、特別な準備をしなくても、自然と災害への備えができます。

100均グッズの活用法

防災グッズをすべて揃えようとすると費用がかさむこともありますが、100円ショップでも役立つアイテムがたくさん見つかります。 上手に活用すれば、費用を抑えながら必要なものを揃えることができます。

100均で揃えられる防災グッズの例としては、以下のようなものがあります。

  • LEDライト、ヘッドライト
  • ホイッスル
  • 軍手
  • ウェットティッシュ、除菌シート
  • マスク
  • アルミブランケット(エマージェンシーシート)
  • レインコート
  • ビニール袋(様々なサイズ)
  • 食品用ラップフィルム
  • ライター、マッチ
  • 簡易食器(紙皿、紙コップ、割り箸)
  • 圧縮タオル
  • 筆記用具、メモ帳
  • 小分け用のポーチやケース

ただし、100均グッズの中には耐久性や品質が劣るものもあるため、命に関わるような重要なアイテム(例えば、長期保存水や非常食など)は、信頼できるメーカーのものを選ぶなど、賢く使い分けることが大切です。 100均グッズは、あくまで補助的なものとして、または消耗品として割り切って活用するのが良いでしょう。

家族構成別・状況別!非常用持ち出し袋のカスタマイズ

非常用持ち出し袋の中身は、家族構成や個人の状況によって必要なものが異なります。基本的なアイテムに加えて、それぞれのニーズに合わせたものを追加することで、より実用的な備えになります。この章では、いくつかのケース別にカスタマイズのポイントを紹介します。

この章で紹介する主な内容は以下の通りです。

  • 一人暮らしの場合のポイント
  • 赤ちゃん・小さな子供がいる家庭の場合
  • 高齢者がいる家庭の場合
  • ペットがいる家庭の場合
  • 女性ならではの必需品

一人暮らしの場合のポイント

一人暮らしの場合、すべての準備と判断を自分一人で行う必要があります。そのため、より一層、事前の準備が重要になります。

  • 持ち運びやすさ重視:避難時に一人で全ての荷物を持つことになるため、リュックは軽量でコンパクトなものを選び、中身も厳選しましょう。
  • 情報収集手段の確保:スマートフォンが使えなくなった場合に備え、携帯ラジオは必須です。モバイルバッテリーも忘れずに。
  • 食料・飲料水:最低3日分、できれば7日分を準備。ローリングストックを活用しましょう。
  • 防犯対策:避難所などでは、一人でいると不安を感じることもあるかもしれません。ホイッスルや防犯ブザーなども検討しましょう。
  • 連絡先の共有:万が一の際に連絡が取れるよう、家族や信頼できる友人に、避難場所の候補や連絡手段を事前に伝えておきましょう。
  • 寂しさを紛らわすもの:避難生活が長引くと、精神的に辛くなることもあります。文庫本や携帯ゲーム機など、気分転換になるものも入れておくと良いかもしれません。

特に女性の一人暮らしの場合は、防犯面や衛生面でより配慮が必要です。生理用品はもちろん、中身の見えない袋や、羽織れるストールなどもあると安心です。

赤ちゃん・小さな子供がいる家庭の場合

赤ちゃんや小さな子供がいる家庭では、大人とは別に子供専用のケア用品が必要になります。 子供の年齢や成長に合わせて、定期的に中身を見直しましょう。

  • ミルク・哺乳瓶・離乳食:粉ミルクはスティックタイプやキューブタイプが便利。液体ミルクも検討しましょう。哺乳瓶の消毒が難しい場合に備え、使い捨ての哺乳瓶やコップ、スプーンなども。離乳食はアレルギーに注意し、普段食べ慣れているものを。
  • おむつ・おしりふき:多めに準備しましょう。消臭袋も忘れずに。
  • 着替え・肌着・靴下:汚れることが多いので、多めに用意しましょう。
  • 抱っこ紐・ベビーカー:避難時の移動に役立ちます。状況によっては、どちらか一方、あるいは両方が必要になることも。
  • 子供用の薬・体温計:普段使っている常備薬や、解熱剤など。
  • おもちゃ・絵本:避難生活での子供のストレスを軽減するために、お気に入りのおもちゃや絵本を入れておきましょう。音の出ないものが望ましいです。
  • 母子手帳のコピー:子供の健康状態を把握するために重要です。
  • 子供用の帽子・日焼け止め:屋外での避難生活に備えて。

子供は体調を崩しやすいため、衛生用品や医薬品は特に念入りに準備しましょう。また、避難時にはぐれてしまった場合に備えて、子供の情報を書いた迷子札を持たせておくのも有効です。

高齢者がいる家庭の場合

高齢者がいる家庭では、健康状態や身体機能に合わせた配慮が必要です。普段使っているものや、ないと困るものを優先的に入れましょう。

  • 常備薬・処方薬:お薬手帳のコピーと一緒に、最低でも7日分は用意しましょう。
  • 入れ歯・補聴器:予備の電池も忘れずに。洗浄剤も必要に応じて。
  • 杖・シルバーカー・車椅子:避難時の移動手段として。折り畳めるものが便利です。
  • 大人用紙おむつ・尿取りパッド:必要な場合は多めに準備しましょう。
  • 柔らかい食事・刻み食・流動食:普段の食事形態に合わせて、食べやすいものを用意しましょう。
  • 持病に関する情報カード:病名、かかりつけ医、緊急連絡先などを記載したもの。
  • 老眼鏡・ルーペ:細かい文字を読む際に必要です。
  • 保温性の高い衣類・カイロ:体温調節が難しい場合があるので、防寒対策はしっかりと。
  • ラジオ:情報収集が苦手な方でも操作しやすい、シンプルなものがおすすめです。

避難経路や避難方法についても、事前に話し合っておくことが大切です。また、災害弱者向けの避難所や福祉避難所の情報を確認しておきましょう。

ペットがいる家庭の場合

ペットも大切な家族の一員です。ペットのための防災グッズも忘れずに準備しましょう。 避難所によってはペットと一緒に入れない場合もあるため、事前に確認しておくことが重要です。

  • ペットフード・水:最低5日分、できれば7日分以上。普段食べ慣れているものを。
  • 食器:折りたたみ式のものなどが便利です。
  • トイレ用品(ペットシーツ、猫砂、消臭袋など)
  • リード・首輪・ハーネス(迷子札付き):逸走防止のために必ず装着できるようにしておきましょう。
  • キャリーバッグ・ケージ:避難時の移動や、避難所での生活に必要です。普段から慣れさせておきましょう。
  • 常備薬・療法食:持病がある場合は必須です。
  • ペットの写真・情報:万が一はぐれた場合に備えて、特徴や飼い主の連絡先などを記載したものを。
  • タオル・ブラシ・ウェットティッシュ:ペットの体を清潔に保つために。
  • お気に入りのおもちゃ:ストレス軽減に役立ちます。
  • ワクチン接種証明書・健康診断書のコピー:避難所で提示を求められることがあります。

ペットとの同行避難を想定し、避難所のルールや、近隣のペット受け入れ可能な避難場所を事前に調べておくことが大切です。 また、普段からキャリーバッグやケージに慣れさせておく訓練もしておきましょう。

女性ならではの必需品

女性は、衛生面やプライバシーの確保、防犯対策など、特に配慮が必要な点があります。

  • 生理用品:多めに準備しましょう。普段使っているものに加え、様々なタイプ(昼用、夜用、おりものシートなど)があると安心です。
  • サニタリーショーツ
  • おりものシート
  • デリケートゾーン用ウェットティッシュ
  • 中身の見えないビニール袋・ポーチ:使用済みの生理用品を捨てる際や、下着などを持ち運ぶ際に役立ちます。
  • スキンケア用品・化粧品(試供品など):避難生活が長引くと、肌荒れなどが気になることも。最低限のケアができるものがあると良いでしょう。
  • ヘアゴム・ヘアブラシ:髪をまとめることで衛生的にも過ごしやすくなります。
  • 防犯ブザー・ホイッスル:避難所や夜道での防犯対策に。
  • ストール・大きめのハンカチ:授乳ケープの代わりや、着替えの際の目隠し、防寒など多用途に使えます。
  • :身だしなみを整えるだけでなく、目の届かない場所の確認などにも使えます。

普段から使っているもので、ないと困るものは優先的に入れるようにしましょう。また、避難所ではプライバシーの確保が難しい場合が多いため、工夫して対応できるように準備しておくと安心です。

非常用持ち出し袋の管理と見直し

非常用持ち出し袋は、準備して終わりではありません。いざという時に本当に役立つように、定期的な管理と見直しが不可欠です。この章では、非常用持ち出し袋を最適な状態に保つためのポイントを解説します。

この章で紹介する主な内容は以下の通りです。

  • 置き場所はどこがいい?
  • 点検の頻度とチェックポイント
  • 使用期限・消費期限の管理方法

置き場所はどこがいい?

非常用持ち出し袋は、災害発生時にすぐに持ち出せる場所に置くことが最も重要です。 具体的には、以下のような場所が推奨されます。

  • 玄関:避難時のメインルートとなるため、最も一般的な置き場所です。 家族全員分をまとめて置けるスペースを確保しましょう。
  • 寝室:就寝中に災害が発生した場合でも、すぐに手に取れるように枕元やベッドサイドに置くのが理想的です。 特に懐中電灯などは、すぐに使えるようにしておきましょう。
  • リビング:日中過ごす時間が長い場所なので、リビングに置くのも有効です。 ただし、すぐに持ち出せるように、収納の奥などにしまい込まないように注意が必要です。
  • 車の中:車で避難する可能性がある場合や、職場や外出先で被災した場合に備えて、車内にも簡易的な防災グッズを積んでおくのも良いでしょう。

避けるべき置き場所としては、押し入れの奥や物置、高い場所、湿気の多い場所などが挙げられます。 すぐに取り出せない場所や、落下して中身が破損する可能性がある場所は避けましょう。

また、家族全員が置き場所を把握しておくことも大切です。いざという時に「どこに置いたっけ?」とならないように、日頃から確認しておきましょう。

点検の頻度とチェックポイント

非常用持ち出し袋の中身は、定期的に点検し、常に使える状態にしておく必要があります。 推奨される点検頻度は、最低でも半年に1回、できれば3ヶ月に1回程度です。 特に季節の変わり目や、家族構成に変化があったタイミング(子供の成長、妊娠、同居者の増減など)で見直すと良いでしょう。

点検の際には、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 食料品・飲料水の賞味期限・消費期限:期限が近いものは普段の食事で消費し、新しいものと入れ替えましょう(ローリングストック)。
  • 医薬品の使用期限:特に処方薬は定期的に新しいものと交換が必要です。
  • 乾電池の液漏れ・使用推奨期限:懐中電灯やラジオに入れてある電池も確認し、必要であれば交換しましょう。
  • 救急用品の状態:絆創膏や消毒液などが劣化していないか確認しましょう。
  • 衣類やタオルの状態:汚れや傷みがないか確認し、季節に合わせて入れ替えましょう。
  • 持ち出し袋(リュック)自体の劣化:破れやファスナーの故障などがないか確認しましょう。
  • 中身の過不足:家族構成や季節の変化に合わせて、必要なものが揃っているか、不要なものが入っていないか確認しましょう。
  • 懐中電灯やラジオなどの動作確認:実際に使ってみて、正常に作動するか確認しましょう。

サントリー食品インターナショナルの調査によると、防災バッグを定期的に点検している人はわずか13.4%で、33.0%の防災バッグには期限切れアイテムが入っていたというデータもあります。 点検を怠ると、いざという時に役立たない可能性があるため、面倒でも必ず行うようにしましょう。

使用期限・消費期限の管理方法

非常用持ち出し袋の中には、食料品、飲料水、医薬品、乾電池など、使用期限や消費期限があるものが多く含まれます。これらの期限を効率的に管理する方法をいくつか紹介します。

  • リスト化する:持ち出し袋に入っているアイテムとそれぞれの期限をリストにして、袋に貼り付けておくと一目で確認できます。スマートフォンのメモアプリやスプレッドシートで管理するのも良いでしょう。
  • 期限が近いものから手前に置く:袋の中で、期限が近いものを手前や上部に来るように配置しておくと、入れ替えの際に分かりやすくなります。
  • ローリングストック法を徹底する:食料品や日用品は、普段からローリングストック法で消費・補充することで、自然と期限管理ができます。
  • アラームやカレンダー機能を活用する:スマートフォンのカレンダーに、次回の点検日や期限が近いアイテムの入れ替え日を登録しておくと、忘れずに済みます。
  • 家族で分担する:家族がいる場合は、点検や期限管理を分担して行うと、負担を軽減できます。
  • 防災の日(9月1日)や防災週間などを点検日に設定する:毎年決まった日に点検することで、習慣化しやすくなります。

期限切れのものは、健康被害を引き起こす可能性もあるため、必ず定期的に確認し、新しいものと交換するようにしましょう。

よくある質問

非常用持ち出し袋に関して、多くの方が疑問に思うことや不安に感じる点をQ&A形式でまとめました。これらの回答が、あなたの防災準備の一助となれば幸いです。

非常用持ち出し袋の重さの目安は?

非常用持ち出し袋の重さは、「背負って走れる程度」が目安とされています。 具体的な重さは、成人男性で15kg程度、成人女性で10kg程度、子供や高齢者はさらに軽いものが推奨されます。しかし、これはあくまで一般的な目安であり、個人の体力や状況によって調整が必要です。実際に背負ってみて、無理なく避難できる重さにすることが最も重要です。 中身を厳選し、軽量な素材のリュックを選ぶなどの工夫をしましょう。

市販の防災セットは買うべき?

市販の防災セットは、防災の専門家が必要なものをバランス良く選んでいるため、何を揃えたら良いかわからない初心者の方には便利です。 一から自分で揃える手間が省け、最低限の備えをすぐに確保できます。 しかし、市販のセットに入っているものが必ずしも自分や家族にとって最適とは限りません。 購入後は必ず中身を確認し、自分に必要なものを追加したり、不要なものを除いたりしてカスタマイズすることが大切です。 また、食料品や医薬品の消費期限も確認し、定期的な見直しを忘れないようにしましょう。

非常用持ち出し袋はどこで買える?

非常用持ち出し袋(防災セット)は、様々な場所で購入できます。

  • 防災用品専門店:専門的な知識を持つスタッフに相談しながら選べます。品揃えも豊富です。
  • ホームセンター:防災コーナーが設けられていることが多く、実際に商品を見て選べます。
  • インターネット通販サイト:Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどでは、多種多様な防災セットが販売されており、比較検討しやすいです。
  • 家電量販店:一部の店舗では防災グッズを取り扱っています。
  • デパート・百貨店:防災フェアなどが開催される際に、特設コーナーが設けられることがあります。
  • 無印良品などの生活雑貨店:シンプルなデザインで、普段使いしやすいアイテムが見つかることもあります。

販売会社としては、防災防犯ダイレクト、LA・PITA(ラピタ)、アイリスオーヤマ、HIH、ピースアップ、岸田産業(クラシド)、山善などが人気です。

防災グッズでいらなかったものは?

実際に被災した方の声や防災の専門家の意見を参考にすると、以下のようなものが「いらなかった」「あまり役に立たなかった」と言われることがあります。

  • コンパス(方位磁石):普段使い慣れていないと、いざという時に使いこなせないことが多いようです。 スマートフォンの地図アプリで代用できる場合もあります(ただし充電切れに注意)。
  • ロープ:専門的な知識や技術がないと、救助活動などで活用するのは難しいとされています。
  • テント(大型のもの):避難所生活を想定している場合、プライバシー確保には役立ちますが、持ち運びや設営が大変で、スペースも取るため、必ずしも必要とは言えません。 小型で軽量なワンタッチテントや、エマージェンシーシートで代用できる場合もあります。
  • 毛布(かさばるもの):保温性は高いですが、非常用持ち出し袋に入れるにはかさばりすぎます。アルミ製のブランケット(エマージェンシーシート)の方が軽量コンパクトで、保温効果も期待できます。
  • インスタントラーメン(カップ麺):お湯と水が必要なため、ライフラインが止まっている状況では調理が難しい場合があります。 また、かさばる割に栄養価が低いという意見もあります。アルファ米や缶詰など、調理不要で栄養が摂れるものの方が優先度は高いでしょう。
  • 大量の使い捨て食器:かさばるため、ラップフィルムを食器に敷いて使うなどの工夫で代用できます。
  • ろうそく:火災の危険性があるため、避難所などでは使用が制限されることがあります。LEDランタンや懐中電灯の方が安全です。
  • 手回し発電ラジオ(発電効率の悪いもの):発電にかなりの労力が必要で、実用的でない場合があるようです。 乾電池式やソーラー充電式のものと併用するのが良いかもしれません。
  • ティッシュペーパー:トイレットペーパーの方がかさばらず、水にも溶けやすいため、汎用性が高いという意見があります。

ただし、これらのものが全ての人にとって不要というわけではありません。状況や個人のスキル、避難計画によっては役立つ場合もあります。あくまで一般論として参考にし、自分にとって本当に必要かを見極めることが大切です。

非常用持ち出し袋の中身は定期的に点検すべき?

はい、必ず定期的に点検すべきです。 食料品や飲料水には賞味期限があり、医薬品には使用期限があります。 乾電池も自然放電したり、液漏れしたりすることがあります。 また、家族構成の変化(子供の成長など)や季節によって必要なものも変わってきます。 いざという時に使えない、または不足しているという事態を避けるため、最低でも半年に一度は中身を点検し、必要に応じて入れ替えや補充を行うようにしましょう。

まとめ

  • 非常用持ち出し袋は、災害時に命を守り、避難生活を支えるために重要です。
  • 「いらない」という意見もありますが、自助の観点から多くの人に必要です。
  • 中身は、飲料水、食料、ライト、ラジオ、救急用品などが基本です。
  • ローリングストックや防災ポーチで、日常的な備えも可能です。
  • フェーズフリーの考え方を取り入れ、普段使いのものが防災にも役立つようにしましょう。
  • 100均グッズも上手に活用できますが、品質には注意が必要です。
  • 家族構成(一人暮らし、子供、高齢者、ペット)に合わせて中身をカスタマイズしましょう。
  • 女性は衛生用品や防犯グッズも重要です。
  • 置き場所は玄関や寝室など、すぐに持ち出せる場所が基本です。
  • 点検は最低半年に一度行い、消費期限や動作確認をしましょう。
  • 重さの目安は「背負って走れる程度」で、実際に試してみることが大切です。
  • 市販の防災セットは便利ですが、購入後に必ず中身を確認・調整しましょう。
  • 不要と言われるグッズもありますが、状況や個人によって必要性は異なります。
  • 定期的な点検と見直しで、常に使える状態を保つことが最も重要です。
  • 自分と大切な人のために、今日からできる備えを始めましょう。
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