英検S-CBTの受験日が近づくと、「持ち物は何が必要?」「服装はどうしよう?」といった不安が出てきますよね。特に、従来型の英検とはルールが異なる点も多く、準備に戸惑う方も少なくありません。万全の態勢で試験に臨むためには、事前の持ち物チェックが不可欠です。本記事では、英検S-CBT当日に必要な持ち物から、あると便利なアイテム、持ち込みが禁止されているもの、そして当日の服装まで、あなたの不安を解消するために徹底的に解説します。
【チェックリスト】英検S-CBT これさえあればOK!必須の持ち物

まずは、これがないと受験できない「必須の持ち物」から確認しましょう。家を出る前にもう一度、このリストで最終チェックをしてくださいね。
- ① 印刷した受験票(A4サイズ)
- ② 本人確認書類(身分証明書)
- ③ 筆記用具(HBの鉛筆・シャープペンシル、消しゴム)
- ④ マスク(会場の指示に従う)
① 印刷した受験票(A4サイズ)
英検S-CBTで最も注意したいのが受験票です。従来型の英検とは異なり、受験票は郵送されません。 試験日の約5日前までに届くメールの案内に従い、自分で「英ナビ!」サイトからダウンロードし、A4サイズの紙に印刷して持参する必要があります。
スマートフォンの画面提示や、印刷したものを撮影した画像などでは受験できないため、必ず紙に印刷しておきましょう。 もし印刷できる環境が自宅になくても、コンビニエンスストアのネットプリントサービスなどを利用すれば簡単に印刷できます。忘れないように、メールが届いたらすぐに印刷しておくのがおすすめです。
② 本人確認書類(身分証明書)
次に重要なのが、本人確認書類(身分証明書)です。これも忘れると受験できなくなる可能性があるため、絶対に忘れないようにしましょう。
認められている身分証明書は以下の通りです。必ず有効期限内の原本を持参してください。コピーやスマートフォンの画面での提示は認められていません。
- 学生証・生徒手帳
- 健康保険証(年少者の場合はコピー可の場合あり)
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード(通知カードは不可)
- 住民基本台帳カード
- 在留カード
- 社員証
写真付きでない証明書でも問題ありません。 中学生や高校生の方は学生証や生徒手帳、小学生の方は健康保険証を持っていくのが一般的です。スムーズに受付を済ませるためにも、氏名や生年月日がはっきりと確認できるものを用意しましょう。
③ 筆記用具(HBの鉛筆・シャープペンシル、消しゴム)
英検S-CBTはパソコンで解答する試験ですが、筆記用具も必須です。 ライティング試験で「筆記型」を選択した場合はもちろん、メモを取るためにも必要になります。
持ち込める筆記用具には以下のルールがあります。
- 種類: HBの黒鉛筆、またはシャープペンシル、消しゴムのみ。
- 注意点: 筆箱(ペンケース)や、シャープペンシルの芯のケース、消しゴムの紙ケースは持ち込めません。 筆記用具は、中身だけを取り出して持っていく必要があります。また、英字や格言などがデザインされた筆記用具は使用を禁止される可能性があるため、無地のシンプルなものを用意するのが最も安全です。
④ マスク(会場の指示に従う)
新型コロナウイルス感染症対策の緩和に伴い、マスクの着用ルールは変更される可能性がありますが、2023年5月時点では原則としてマスクの着用が求められています。
マスクを忘れると受験できない可能性もあるため、念のため持参するのが賢明です。試験当日の最新情報は、必ず公式サイトで確認するようにしてください。予備のマスクもカバンに入れておくと、万が一の時に安心です。
【意外な落とし穴】英検S-CBTの持ち込み禁止物

うっかり持ち込んでしまい、試験前に慌てることがないように、持ち込みが禁止されているものをしっかり確認しておきましょう。従来型の試験とは異なるルールもあるので注意が必要です。
- 腕時計は持ち込み不可!時間はPC画面で確認
- 筆箱やケース類もNG
- スマートフォンなどの電子機器
- 参考書や問題集
腕時計は持ち込み不可!時間はPC画面で確認
試験といえば腕時計が必須というイメージがありますが、英検S-CBTでは腕時計の持ち込みは禁止されています。 これは、スマートウォッチなどの通信機能付きの時計による不正行為を防ぐためです。
「時間が分からなくて不安…」と感じるかもしれませんが、心配は無用です。試験の残り時間は、解答に使うパソコンの画面上に常に表示される仕組みになっています。 そのため、時計がなくても時間配分をしっかり管理しながら試験を進めることができます。
筆箱やケース類もNG
先述の通り、筆記用具は必須ですが、それらを入れておく筆箱(ペンケース)は試験室に持ち込めません。 同様に、シャープペンシルの芯が入ったケースや、消しゴムを覆う紙製のケースも持ち込み不可です。
鉛筆やシャープペンシル、消しゴムは、ケースから出した状態で、そのまま机の上に置くことになります。必要な分だけをポケットに入れるか、手で持っていくようにしましょう。
スマートフォンなどの電子機器
スマートフォン、携帯電話、タブレット、音楽プレイヤーといった電子機器類は、電源を切ってカバンにしまい、指定されたロッカーに預ける必要があります。 試験室への持ち込みは一切認められていません。
試験中に着信音が鳴ったり、アラームが作動したりすると、不正行為とみなされ、失格になる可能性があります。受付を済ませたら、速やかに電源をオフにしてロッカーに預けましょう。
参考書や問題集
試験直前まで見直しをしたい気持ちはよく分かりますが、参考書や単語帳、問題集などを試験室に持ち込むことはできません。
会場によっては、受付から試験開始までの待機時間が短く、控室のような場所もない場合があります。 直前学習をしたい場合は、会場近くのカフェなどを利用し、受付時間までに学習を終えておくのがおすすめです。
試験当日に差がつく!あると便利な持ち物リスト

必須ではないものの、持っていくとより快適に、安心して試験に集中できるアイテムがあります。万全の準備で臨むために、ぜひ参考にしてください。
- 体温調節のための上着
- ハンカチ・ティッシュ
- 飲み物(試験室外で)
- 予備の筆記用具・マスク
- 常備薬
体温調節のための上着
試験会場の室温は、自分にとって快適とは限りません。特に夏場は冷房が効きすぎて寒く感じたり、冬場は暖房で暑く感じたりすることがあります。カーディガンやパーカーなど、簡単に着脱できる上着を一枚持っていくと、体温調節がしやすく、試験に集中できます。
服装の項目でも詳しく解説しますが、温度変化に対応できる準備は、パフォーマンスを維持する上で非常に重要です。
ハンカチ・ティッシュ
ハンカチやティッシュは、普段から持ち歩いている方も多いと思いますが、試験当日も忘れずに持っていきましょう。 緊張で汗をかいた時や、鼻をかみたい時など、あると安心です。
ただし、机の上に出しておけるかどうかは試験監督の指示に従ってください。基本的にはポケットやカバンの中にしまっておくのが無難です。
飲み物(試験室外で)
試験室内に飲み物を持ち込むことはできませんが、試験前後の水分補給は大切です。特に試験時間が長いため、脱水症状を防ぎ、頭をすっきりさせるためにも、水やお茶などの飲み物を持参しましょう。
ロッカーに預ける荷物の中に入れておき、試験の前後や休憩時間に飲むようにしてください。
予備の筆記用具・マスク
万が一の事態に備えることも大切です。シャープペンシルの芯が折れてしまったり、鉛筆を落としてしまったり、消しゴムが見当たらなくなったり…。そんな時に備えて、筆記用具はそれぞれ予備を1つずつ持っていくと心に余裕が生まれます。
同様に、マスクの紐が切れてしまうといったトラブルも考えられます。予備のマスクも1枚カバンに入れておくと安心です。
常備薬
普段から服用している薬がある方はもちろん、頭痛薬や胃腸薬など、いざという時のための常備薬を持っておくと安心です。 試験という特殊な環境では、緊張から思わぬ体調不良に見舞われることもあります。
ただし、試験中に服用する必要がある場合は、事前に試験監督者に申し出るようにしましょう。
「忘れた!」その時のための最終手段|持ち物トラブル対処法

どんなに気をつけていても、人間ですからうっかり忘れ物をしてしまうこともあります。パニックにならず冷静に対処するために、万が一の時の対処法を知っておきましょう。
- 受験票を忘れた場合
- 身分証明書を忘れた場合
- 筆記用具を忘れた場合
受験票を忘れた場合
受験票を忘れたことに気づいたら、まずは落ち着いてください。もし試験会場の近くにコンビニエンスストアがあれば、スマートフォンから「英ナビ!」にログインし、ネットプリントサービスを利用して印刷するのが最も確実な方法です。
時間に余裕がない場合は、すぐに会場の受付スタッフに相談しましょう。事情を説明すれば、何らかの対応をしてもらえる可能性がありますが、基本的には受験票がないと受験は難しいと考え、忘れないことが大前提です。
身分証明書を忘れた場合
身分証明書を忘れた場合、原則として受験することはできません。 受験票と身分証明書の両方を忘れた場合は、受験資格を失ってしまいます。
もし家族に連絡が取れる状況であれば、持ってきてもらうのが最善策です。それが難しい場合は、残念ながらその日の受験は諦めざるを得ない可能性が高いです。家を出る前に、財布やカバンの中に身分証明書が確かにあるか、必ず確認してください。
筆記用具を忘れた場合
筆記用具を忘れてしまった場合は、比較的対処しやすいかもしれません。試験会場の近くにコンビニや文房具店があれば、そこで購入することができます。
もし購入する時間もない場合は、正直に受付スタッフや試験監督に相談してみてください。数は限られているかもしれませんが、貸し出し用の筆記用具が用意されている場合があります。ただし、これも保証されているわけではないので、やはり自分で用意していくのが基本です。
英検S-CBT当日の服装は?制服?私服?

持ち物と並んで気になるのが、当日の服装ではないでしょうか。「制服で行くべき?」「どんな私服がいいの?」といった疑問にお答えします。
- 結論:リラックスできる私服がおすすめ
- 服装選びで注意したい3つのポイント
結論:リラックスできる私服がおすすめ
結論から言うと、英検S-CBTの服装に特に規定はなく、私服で全く問題ありません。 実際に会場に行くと、制服の学生よりも私服の受験者の方が多いことがほとんどです。
大切なのは、試験時間中に余計なストレスを感じず、最大限のパフォーマンスを発揮できることです。そのため、普段から着慣れている、リラックスできる服装を選ぶのが一番のおすすめです。
服装選びで注意したい3つのポイント
リラックスできる服装が基本ですが、より快適に試験を受けるために、以下の3つのポイントを意識してみてください。
- 体温調節しやすい服装を心がける: 先にも述べましたが、会場の空調は自分ではコントロールできません。カーディガンやパーカーなど、簡単に羽織ったり脱いだりできるものを用意しましょう。 寒い、暑いといった不快感は集中力の大敵です。
- 締め付けの少ないデザインを選ぶ: 長時間座って試験を受けるため、ウエストがゴムのパンツや、ゆったりとしたシルエットの服など、体を締め付けないデザインが楽です。
- 英語のプリントがある服は避けるのが無難: 筆記用具と同様に、服にプリントされた英単語や英文が不正行為と疑われる可能性はゼロではありません。念のため、無地や柄物の服装を選ぶ方がより安心です。
【比較表】従来型の英検とS-CBTの持ち物の違い

英検S-CBTと従来型の英検では、持ち物に関していくつか重要な違いがあります。両方を受験したことがある方でも、混同しないように下の表でしっかり確認しておきましょう。
項目 | 英検S-CBT | 従来型英検 |
---|---|---|
受験票 | 自分でダウンロード・印刷して持参 | 郵送で届く |
腕時計 | 持ち込み不可 (時間はPC画面に表示) | 持ち込み可 (通信機能なしのもの) |
問題冊子 | なし (PC画面に表示) | あり (持ち帰り可) |
メモ用紙 | 会場で配布され、試験後に回収 | 問題冊子に書き込み可 |
筆箱・ケース類 | 持ち込み不可 | 持ち込み可 |
よくある質問

受験票はスマホ画面の提示ではダメですか?
いいえ、ダメです。受験票は必ずA4サイズの紙に印刷して持参する必要があります。 スマートフォンやタブレットの画面で提示しても、受験は認められませんのでご注意ください。
小学生・中学生の身分証明書は何がいいですか?
中学生の場合は、学校が発行する「生徒手帳」が最も一般的です。小学生で生徒手帳がない場合は、「健康保険証」で問題ありません。 年少者に限り、健康保険証のコピーが認められる場合もありますが、原則として原本を持参するのが確実です。
筆記用具にキャラクターが描いてあっても大丈夫ですか?
明確な規定はありませんが、トラブルを避けるためには無地のものが最も安全です。特に、英語の文字やメッセージがデザインされているものは、カンニングを疑われる可能性があるため避けるべきです。 シンプルなデザインの筆記用具を準備しましょう。
会場に時計はありますか?
私が受験した会場には壁掛け時計はありませんでした。 しかし、心配は不要です。試験の残り時間は、常にパソコンの画面に表示されています。 自分のペースで時間配分を確認しながら解答を進めることができます。
飲み物や食べ物は持ち込めますか?
試験室内に飲み物や食べ物を持ち込むことはできません。ただし、試験が始まる前や終わった後に飲むための飲み物を、ロッカーに預ける荷物の中に入れておくことは可能です。 長丁場の試験なので、水分補給の準備はしておくと良いでしょう。
試験中にティッシュは使えますか?
はい、使えます。ただし、机の上に出しておけるかは試験監督の指示に従う必要があります。不正防止のため、ティッシュも中身だけを出すように指示される場合があります。使用したい場合は、手を挙げて試験監督に許可を得るのがスムーズです。
まとめ

- 英検S-CBTの必須持ち物は「印刷した受験票」「身分証明書」「筆記用具」。
- 受験票は郵送されず、自分でダウンロードして印刷する必要がある。
- 身分証明書は有効期限内の原本を持参し、コピーやスマホ画面は不可。
- 筆記用具はHBの鉛筆かシャーペン、消しゴムのみで、ケース類は持ち込めない。
- 腕時計は持ち込み禁止、時間はパソコン画面で確認できる。
- スマートフォンなどの電子機器は電源を切りロッカーに預ける。
- 服装は規定がなく、体温調節しやすいリラックスできる私服がおすすめ。
- 上着やハンカチ、予備の筆記用具などがあると便利で安心。
- 忘れ物をした場合は、まず落ち着いて会場スタッフに相談する。
- 受験票と身分証明書の両方を忘れると受験できないので最重要。
- 従来型英検とは持ち物のルールが異なる点をしっかり理解しておく。
- 会場のルールに従うことが大前提、不明点は監督者に確認する。
- 持ち物チェックリストを活用し、前日までに準備を完璧にしておく。
- 当日は心に余裕を持って、試験に集中できる環境を自分で作ることが大切。
- 事前の準備が、当日のパフォーマンスを大きく左右する。