世界経済の動向に敏感に反応し、脱炭素社会への移行でますます重要性が高まる「銅」。この魅力的な資源に手軽に投資できる手段として、銅ETFが注目を集めています。しかし、数ある銅ETFの中からどれを選べば良いのか、どのような点に注意すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、銅ETFの基本的な仕組みから、投資する際の重要な選び方、具体的なおすすめ銘柄、そしてメリット・デメリットまでを徹底的に解説します。あなたの資産形成の一助となるよう、銅ETF投資の全体像を分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
銅ETFとは?なぜ今注目されているのか

銅ETFとは、銅の価格や銅関連企業の株価に連動することを目指す上場投資信託(ETF)のことです。株式のように証券取引所で売買でき、少額から銅市場全体に投資できる点が大きな特徴と言えます。近年、銅ETFが注目される背景には、世界的な脱炭素化の流れとそれに伴う銅の需要増加があります。
銅は「文明の金属」とも呼ばれ、電気伝導性や熱伝導性に優れるため、私たちの生活や産業に不可欠な素材です。スマートフォンや家電製品はもちろん、自動車、建設、送電網など、幅広い分野で利用されています。特に、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー設備(太陽光発電、風力発電)の普及には、大量の銅が必要不可欠であり、その需要は今後も拡大すると見られています。
銅の需要が高まる背景
銅の需要が高まっている主な背景は、世界的な脱炭素化の動きと新興国の経済成長です。電気自動車はガソリン車よりもはるかに多くの銅を使用し、充電インフラの整備にも銅が欠かせません。また、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー設備も、大量の銅を必要とします。これらの環境技術への投資が世界中で加速しているため、銅の需要は構造的に増加傾向にあるのです。
さらに、データセンターの建設や5G通信網の整備など、デジタル化の進展も銅の需要を押し上げています。新興国の経済発展に伴うインフラ整備や都市化も、銅の消費量を増やす要因となっています。これらの複合的な要因が、銅市場への投資家の関心を集める理由と言えるでしょう。
銅ETFの仕組みとメリット
銅ETFは、主に「銅の先物価格に連動するもの」と「銅鉱山会社の株価に連動するもの」の2種類があります。先物価格に連動するETFは、直接的に銅の市場価格の変動を捉えたい場合に適しています。一方、銅鉱山会社の株価に連動するETFは、銅価格の上昇だけでなく、企業の生産性向上や経営努力による利益成長も期待できる点が魅力です。
銅ETFに投資するメリットは多岐にわたります。まず、現物の銅を保管する手間やコストがかかりません。また、少額からでも分散投資が可能であり、個別の銅関連株を選ぶリスクを軽減できます。さらに、株式や債券とは異なる値動きをする傾向があるため、ポートフォリオ全体の分散効果を高めることにもつながります。
手軽に国際的な商品市場にアクセスできる点も、大きな利点と言えるでしょう。
銅ETFを選ぶ際の重要なポイント

銅ETFを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。これらのポイントを比較検討することで、ご自身の投資目標やリスク許容度に合ったETFを見つけやすくなります。安易に選ぶのではなく、しっかりと情報を集めて検討することが、成功するためのコツです。
コスト(信託報酬)を比較する
ETFの運用には、信託報酬と呼ばれる手数料がかかります。この信託報酬は、ETFを保有している間、毎日差し引かれるため、長期保有を考える場合は特に重要な要素です。信託報酬が低いETFを選ぶことで、長期的に見て運用コストを抑え、手元に残る利益を最大化できます。
複数の銅ETFを比較する際には、必ず信託報酬の料率を確認しましょう。わずかな差に見えても、年単位、数十年単位で考えると、その差は無視できない金額になることがあります。同じような投資対象や連動指数を持つETFであれば、信託報酬が低い方を選ぶのが賢明な選択と言えます。
連動対象指数と追従性
銅ETFは、特定の指数に連動するように設計されています。例えば、銅の先物価格指数や、銅鉱山会社の株価指数などです。どの指数に連動しているかを確認し、その指数がどのような構成になっているかを理解することが重要です。また、ETFがその指数にどれだけ忠実に連動しているかを示す「追従性」も確認しましょう。
追従性が低いETFは、指数が上昇してもETFの価格が十分に上がらない、あるいは指数が下落してもETFの価格が思ったほど下がらないといった乖離が生じる可能性があります。過去の運用実績やトラッキングエラー(指数との乖離度合い)を確認することで、より信頼性の高いETFを選ぶことができます。
流動性と取引量
ETFの流動性とは、そのETFがどれだけ活発に取引されているかを示す指標です。流動性が高いETFは、売買したいときに希望する価格でスムーズに取引できる傾向があります。一方、流動性が低いETFは、買い手や売り手が見つかりにくく、希望する価格から大きく乖離した価格でしか取引できない可能性があります。
特に、短期間での売買を考えている場合や、まとまった金額を投資する場合は、流動性の高いETFを選ぶことが大切です。日々の取引量や出来高を確認し、十分な流動性があるかどうかを判断しましょう。一般的に、取引量が多いETFほど、安心して取引できると言えます。
為替ヘッジの有無
海外の銅ETFに投資する場合、為替レートの変動が投資成果に影響を与えます。例えば、米ドル建てのETFに投資し、円高ドル安が進むと、ETF自体の価格が上昇しても、円換算した際の利益が目減りする可能性があります。この為替変動リスクを軽減するのが「為替ヘッジ」です。
為替ヘッジありのETFは、為替変動の影響を抑えることができますが、ヘッジコストがかかる点がデメリットです。一方、為替ヘッジなしのETFは、為替変動リスクを直接受けるものの、ヘッジコストはかかりません。ご自身の為替リスクに対する考え方や、投資期間に応じて、為替ヘッジの有無を検討することが重要です。
おすすめの銅ETF【具体的な銘柄紹介】

ここでは、銅市場への投資を検討している方におすすめの銅ETFをいくつかご紹介します。これらのETFは、それぞれ異なる特徴を持っているため、ご自身の投資戦略に合わせて選ぶことが大切です。具体的な銘柄を知ることで、より具体的な検討を進められるでしょう。
iシェアーズ銅ETF(CU)
iシェアーズ銅ETF(iShares Copper and Metals Mining ETF、ティッカーシンボル:CU)は、銅およびその他の金属鉱山会社に投資するETFです。このETFは、直接的に銅の先物価格に連動するのではなく、銅の採掘や精錬を行う企業の株式に投資することで、銅市場へのエクスポージャーを得ることを目指しています。
そのため、銅価格の変動だけでなく、投資先の企業の業績成長も期待できる点が特徴です。
CUは、世界中の主要な銅鉱山会社に分散投資しており、特定の企業に集中するリスクを軽減しています。信託報酬や流動性も考慮し、長期的な視点で銅市場の成長を取り込みたいと考える投資家にとって、魅力的な選択肢の一つとなるでしょう。
Global X Copper Miners ETF(COPX)
Global X Copper Miners ETF(ティッカーシンボル:COPX)も、銅鉱山会社に特化したETFとして人気があります。このETFは、世界の主要な銅鉱山会社の株式で構成される指数への連動を目指しており、銅の生産量や埋蔵量が多い企業に重点的に投資する傾向があります。銅の需要増加が、これらの企業の収益に直接的に貢献すると期待できるため、銅市場の成長をダイレクトに享受したい場合に適しています。
COPXは、銅価格の変動に加えて、鉱山会社の生産コスト削減や新規鉱山開発といった企業固有の要因も投資成果に影響を与える可能性があります。信託報酬や流動性も確認し、ご自身の投資戦略に合致するかどうかを検討することが大切です。
その他の関連ETF
上記以外にも、銅市場に関連するETFはいくつか存在します。例えば、より広範なコモディティ(商品)に投資するETFの中に、銅が含まれているものもあります。また、特定の地域に特化した鉱山会社のETFや、よりニッチなテーマに沿ったETFなども見られます。これらのETFは、より多様な投資機会を提供しますが、その分、リスクや特性も異なるため、詳細な調査が必要です。
例えば、Invesco DB Base Metals Fund (DBB)のように、銅だけでなくアルミニウムや亜鉛といった他のベースメタルにも投資するETFは、より広範な産業金属市場への分散投資を可能にします。ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、これらの選択肢も視野に入れて検討してみると良いでしょう。
銅ETF投資のメリットとデメリット

どのような投資にも、良い面と注意すべき面があります。銅ETF投資も例外ではありません。メリットを最大限に活かし、デメリットを理解して対策を講じることが、賢明な投資を進めるための第一歩です。ここでは、銅ETF投資の主なメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット:インフレヘッジや分散投資効果
銅ETFに投資する大きなメリットの一つは、インフレヘッジとしての機能が期待できる点です。インフレ(物価上昇)が進むと、モノの価値が上昇するため、コモディティである銅の価格も上昇しやすい傾向があります。これにより、株式や債券といった伝統的な資産がインフレで価値を失うリスクがある中で、銅ETFが資産の目減りを防ぐ役割を果たす可能性があります。
また、ポートフォリオの分散投資効果も期待できます。銅の価格は、株式市場や債券市場とは異なる要因で変動することが多いため、ポートフォリオに銅ETFを組み入れることで、全体のリスクを低減し、安定したリターンを目指せるでしょう。特に、世界経済の成長や脱炭素化のトレンドに乗ることで、長期的な資産成長も期待できます。
デメリット:価格変動リスクや為替リスク
一方で、銅ETF投資にはいくつかのデメリットも存在します。最も大きなデメリットは、価格変動リスクです。銅の価格は、世界経済の景気動向、供給国の政治情勢、代替素材の開発など、様々な要因によって大きく変動します。特に、景気後退期には産業需要が落ち込むため、銅価格が大きく下落する可能性があります。
また、海外の銅ETFに投資する場合は、為替リスクも考慮しなければなりません。円高ドル安が進むと、たとえETF自体の価格が上昇しても、円換算した際の評価額が減少することがあります。さらに、先物契約に投資するタイプのETFでは、ロールオーバーコスト(先物契約を更新する際にかかる費用)が発生し、長期保有でパフォーマンスを圧迫する可能性もあります。
これらのリスクを十分に理解し、対策を講じることが重要です。
銅ETFの購入方法と注意点

銅ETFへの投資を始めるには、まず証券会社で口座を開設する必要があります。その後、ご自身の投資計画に基づき、適切なETFを選んで購入する進め方です。しかし、購入する前に知っておくべき注意点もいくつかあります。ここでは、具体的な購入方法と、投資する際の心構えについて解説します。
証券会社の選び方
銅ETFを購入するためには、証券会社の口座が必要です。証券会社を選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 取扱銘柄の豊富さ: 投資したい銅ETFがその証券会社で取り扱われているかを確認しましょう。特に海外ETFを検討している場合は、海外ETFの取扱数が多い証券会社を選ぶのがおすすめです。
- 手数料: 売買手数料や口座管理手数料など、各種手数料を比較検討しましょう。手数料が安い証券会社を選ぶことで、コストを抑えられます。
- 情報提供: 投資判断に役立つ情報(市場分析、銘柄情報など)が充実しているかどうかも重要です。
- NISA口座の利用: NISA(少額投資非課税制度)を利用すれば、一定額までの投資で得た利益が非課税になります。NISA口座で銅ETFを取引できるか確認しましょう。
これらの点を踏まえ、ご自身の投資スタイルに合った証券会社を選ぶことが、スムーズな取引の第一歩となります。
投資する際の心構え
銅ETFに投資する際は、以下の心構えを持つことが大切です。
- 長期的な視点を持つ: 銅価格は短期的に変動しやすい性質があります。短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で投資を続けることが重要です。
- 分散投資を心がける: 銅ETFだけに集中投資するのではなく、他の資産(株式、債券、不動産など)と組み合わせて分散投資を行うことで、リスクを軽減できます。
- 情報収集を怠らない: 銅市場は、世界経済や地政学リスクなど様々な要因に影響されます。常に最新の情報を収集し、市場の動向を把握するよう努めましょう。
- リスク許容度を理解する: ご自身がどれくらいのリスクを受け入れられるかを事前に把握し、無理のない範囲で投資を行うことが大切です。
これらの心構えを持つことで、感情に流されることなく、冷静な投資判断を下せるようになります。
よくある質問

銅ETFへの投資を検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。これらの情報が、あなたの疑問を解決し、より安心して投資を進める助けとなることを願っています。
銅ETFはどこで買えますか?
銅ETFは、日本の主要なネット証券会社で購入できます。例えば、SBI証券、楽天証券、マネックス証券などが挙げられます。これらの証券会社では、国内に上場しているETFだけでなく、米国市場などに上場している海外ETFも取り扱っていることが多いです。口座開設後、ウェブサイトや取引アプリを通じて簡単に売買できます。
購入を検討しているETFが、ご希望の証券会社で取り扱われているか事前に確認することが大切です。
銅価格の今後の見通しはどうですか?
銅価格の今後の見通しについては、専門家の間でも様々な意見がありますが、全体的には長期的な需要増加を背景に、堅調に推移するとの見方が多いです。特に、電気自動車(EV)の普及、再生可能エネルギーへの移行、データセンターの建設など、脱炭素社会の実現に向けた動きが銅の需要を押し上げると期待されています。一方で、世界経済の景気減速や供給過剰のリスクも存在するため、短期的な価格変動には注意が必要です。
最新の市場レポートや専門家の分析を参考に、ご自身で判断することが重要です。
銅ETFと銅関連株、どちらが良いですか?
銅ETFと銅関連株のどちらが良いかは、投資家の目的やリスク許容度によって異なります。銅ETFは、複数の銅関連企業や銅の先物価格に分散投資するため、個別の企業リスクを軽減し、手軽に銅市場全体に投資したい場合に適しています。一方、銅関連株は、特定の企業の成長性や経営戦略に直接投資するため、企業分析をしっかり行えば、ETFよりも大きなリターンを狙える可能性がありますが、その分リスクも高まります。
分散投資を重視するならETF、個別企業の成長に期待するなら関連株というように、ご自身の投資戦略に合わせて選ぶのが良いでしょう。
銅ETFの税金はどうなりますか?
銅ETFの税金は、国内ETFか海外ETFか、またNISA口座を利用しているかによって異なります。国内ETFの場合、売却益や分配金(配当金)には、原則として20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。海外ETFの場合も同様ですが、外国税額控除の適用を受けられる場合があります。NISA口座を利用して投資していれば、年間投資上限額内で得た利益は非課税となります。
税制は複雑なため、投資を始める前に税務署や税理士に相談するか、証券会社の情報で確認することをおすすめします。
銅ETFは長期投資に向いていますか?
銅ETFは、長期投資に向いていると考えられます。その理由は、銅が脱炭素社会の実現に不可欠な素材であり、電気自動車、再生可能エネルギー、送電網などのインフラ整備において、今後も需要の拡大が見込まれるためです。短期的な価格変動はあるものの、長期的な視点で見れば、世界経済の成長とともに銅の価値も上昇していく可能性が高いと言えるでしょう。
ただし、どのような投資にもリスクは伴うため、ご自身の資産状況やリスク許容度を考慮した上で、長期的な視点で投資計画を立てることが大切です。
まとめ
- 銅ETFは、脱炭素化の流れで需要が高まる銅に手軽に投資できる手段です。
- 電気自動車や再生可能エネルギーの普及が銅の需要を押し上げています。
- 銅ETFには、先物連動型と鉱山会社株連動型があります。
- 現物保管の手間がなく、少額から分散投資できるのがメリットです。
- ポートフォリオの分散効果やインフレヘッジも期待できます。
- 信託報酬の低さ、連動指数の追従性、流動性が選び方のコツです。
- 為替ヘッジの有無も、投資戦略に合わせて検討しましょう。
- iシェアーズ銅ETF(CU)やGlobal X Copper Miners ETF(COPX)が主な選択肢です。
- 価格変動リスクや為替リスクは理解しておくべきデメリットです。
- 証券会社選びでは、取扱銘柄や手数料、情報提供を確認しましょう。
- 長期的な視点と分散投資の心構えが重要です。
- NISA口座の活用で税制優遇を受けられる可能性があります。
- 銅価格の今後の見通しは、長期的に堅調と見る専門家が多いです。
- 銅ETFは、個別株よりもリスクを抑えた投資が可能です。
- 投資前には、税金やリスクについて十分に情報収集しましょう。
