家に現れると、その見た目と毒性から多くの人を恐怖に陥れるムカデ。一刻も早く駆除したいと思うものの、素手で触るのは危険です。そんな時、「ムカデを食べてくれる生き物はいないの？」と疑問に思ったことはありませんか？実は、自然界にはムカデを捕食する頼もしい生き物たちが数多く存在します。本記事では、ムカデを食べる生き物を詳しく解説するとともに、ペットへの危険性や効果的なムカデ対策まで、あなたの悩みを解決する情報を網羅的にお届けします。
ムカデを食べる生き物一覧！意外な天敵たち
強靭なアゴと毒を持つムカдеですが、自然界では決して無敵ではありません。鳥類から昆虫まで、様々な生き物がムカデを捕食しています。ここでは、ムカデの天敵となる生き物をカテゴリー別に詳しくご紹介します。あなたの家の周りにも、頼もしいハンターがいるかもしれません。
- 哺乳類｜猫や犬、イタチなど
- 鳥類｜ニワトリやイソヒヨドリなど
- 爬虫類・両生類｜トカゲやヘビ、カエルなど
- 昆虫類｜アシダカグモやゲジゲジ、オニヤンマなど
哺乳類｜猫や犬、イタチなど
私たちにとって身近な哺乳類の中にも、ムカデを捕食するものがいます。例えば、イタチやマングースは、その素早い動きでムカデを捕らえます。特にマングースは、毒ヘビをも倒すハンターとして知られており、ムカデの毒にもある程度の耐性があると言われています。
また、ペットとして飼われている猫や犬も、動くものに反応してムカデを捕食してしまうことがあります。 しかし、これには注意が必要です。ムカデの毒によってペットが健康被害を受ける可能性があるため、安易に食べさせるのは危険です。ペットとムカデについては、後の章で詳しく解説します。
鳥類｜ニワトリやイソヒヨドリなど
鳥類は、ムカデにとって非常に恐ろしい天敵です。上空から獲物を見つけ、鋭いくちばしで的確に攻撃します。中でも、ニワトリはムカデを好んで食べることがよく知られています。 庭でニワトリを放し飼いにしていると、ムカデを見つけてはついばんでくれるため、自然のムカデ対策として活用されることもあります。
また、イソヒヨドリという鳥は、ムカデの毒に対する耐性を持っているとされ、積極的にムカデを捕食します。 カラスやフクロウなどの大型の鳥類も、ムカデを獲物の一つとしています。 これらの鳥たちは、生態系のバランスを保つ上で重要な役割を担っているのです。
爬虫類・両生類｜トカゲやヘビ、カエルなど
地面を這うムカデにとって、同じような環境に生息する爬虫類や両生類も油断できない相手です。トカゲやカナヘビは、素早い動きで昆虫を捕食するため、ムカデもその例外ではありません。
ヘビもムカデを丸呑みにしてしまうことがあります。 また、ガマガエルのような大型のカエルも、目の前を通りかかったムカデを長い舌で捕らえてしまいます。 ただし、ムカデのサイズや種類によっては、逆にカエルを捕食してしまうこともあるため、その関係は一概には言えません。
昆虫類｜アシダカグモやゲジゲジ、オニヤンマなど
「虫が虫を食べる」という、熾烈な生存競争が昆虫界にも存在します。家の中で見かけると驚いてしまうかもしれませんが、アシダカグモはゴキブリだけでなくムカデも捕食してくれる益虫です。 その大きな体と素早い動きでムカデを捕らえ、毒を注入して動きを封じます。
見た目がムカデに似ているゲジゲジ（ゲジ）も、実はムカデの天敵です。 非常に俊敏で、鋭いアゴでムカデを捕食します。同じく益虫とされる存在です。さらに、空のハンターであるオニヤンマも、飛翔しながら小型のムカデを捕らえることがあります。 このように、私たちの身の回りには、知らず知らずのうちにムカデと戦ってくれている生き物がいるのです。
最強の天敵はどれ？ムカデを食べる生き物ランキング
数多くの天敵が存在する中で、「一体どれが最強なの？」と気になる方もいるでしょう。捕食能力、遭遇頻度、そして人間への貢献度などを総合的に判断し、独断と偏見でランキングを作成しました。あなたの家のムカデ対策の参考にしてみてください。
- 1位：ニワトリ
- 2位：イソヒヨドリ
- 3位：アシダカグモ
1位：ニワトリ
ムカデの天敵最強ランキング、栄えある第1位はニワトリです。ニワトリは雑食性で、地面をつつきながら虫を探し出すのが得意です。 落ち葉の下や石の裏に隠れているムカデを巧みに見つけ出し、その鋭いくちばしで容赦なく捕食します。
特に、庭で放し飼いにされているニワトリは「歩くムカデ駆除機」とも言える存在。ムカデだけでなく、そのエサとなるゴキブリやミミズなども食べてくれるため、庭の害虫を減らすのに大きく貢献します。 実際に、ニワトリを飼い始めてから庭でムカデを見かけなくなったという声も多く聞かれます。その圧倒的な捕食意欲と人間への貢献度の高さから、最強の天敵として選びました。
2位：イソヒヨドリ
第2位は、美しい青い体を持つイソヒヨドリです。この鳥の特筆すべき点は、ムカデの毒に対する耐性を持っているとされることです。 通常、多くの捕食者はムカデの毒牙による反撃を警戒しますが、イソヒヨドリは果敢にムカデに挑み、捕食することができます。
海岸沿いや市街地など、比較的広い範囲に生息しており、人間の生活圏でもその姿を見ることができます。ムカデを丸呑みにすることもあると言われるその捕食能力は、まさに天敵と呼ぶにふさわしいでしょう。ニワトリのように飼育することはできませんが、自然界における頼もしいハンターです。
3位：アシダカグモ
第3位は、家の中で出会う益虫の代表格、アシダカグモです。その巨大な姿から不快害虫として扱われがちですが、実は人間にとって非常に有益な存在。アシダカグモの主食はゴキブリですが、ムカデも捕食対象としています。
夜行性で、物陰に潜んで獲物を待ち伏せ、素早い動きで一気に仕留めます。 アシダカグモが1匹いれば、その家のゴキブリがいなくなると言われるほどの実力者。ムカデに対してもその狩りの能力は発揮されます。殺虫剤を使わずに害虫を駆除してくれる、まさに「家の守り神」と言える存在です。見た目は怖いかもしれませんが、見つけても駆除せずにそっと見守ってあげましょう。
ペットがムカデを食べても大丈夫？犬・猫の危険性と対処法
好奇心旺盛な犬や猫を飼っているご家庭では、「もしペットがムカデを食べてしまったら？」と心配になることでしょう。ムカデは毒を持っているため、ペットが接触することは非常に危険です。ここでは、犬や猫がムカデに遭遇した場合の危険性と、飼い主がとるべき正しい対処法について解説します。
- 猫がムカデを食べた・刺された場合
- 犬がムカデを食べた・刺された場合
- ムカデからペットを守るための対策
猫がムカデを食べた・刺された場合
猫は動くものにじゃれつく習性があるため、ムカデをおもちゃにして遊んでいるうちに刺されたり、食べてしまったりすることがあります。ムカデを食べること自体は、毒牙で刺されなければ消化されてしまうため、大きな問題にならない場合もあります。
しかし、最も危険なのは、口の中や体を刺されることです。ムカデの毒によって、刺された部分が腫れる、よだれを大量に出す、嘔吐、食欲不振などの症状が現れることがあります。 重篤な場合は、アナフィラキシーショックを起こし、呼吸困難に陥る危険性も。 愛猫がムカデと接触した後に様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院を受診してください。
犬がムカデを食べた・刺された場合
犬も同様に、散歩中や庭で遊んでいるときにムカデに遭遇し、興味本位で近づいて刺されたり、食べてしまったりする危険があります。犬がムカデに刺されると、猫と同様に刺された箇所の腫れや痛み、嘔吐、下痢などの症状が見られることがあります。
特に、アレルギー体質の犬の場合は、アナフィラキシーショックのリスクが高まるため注意が必要です。 もし愛犬がムカデを食べてしまった、あるいは刺された疑いがある場合は、慌てずに犬を落ち着かせ、速やかに動物病院へ連れて行きましょう。 自己判断で様子を見るのは非常に危険です。
ムカデからペットを守るための対策
大切なペットをムカデの危険から守るためには、予防策が何よりも重要です。まず、ムカデが家の中に侵入しないように、家の周りの環境を整えましょう。
落ち葉や枯れ草、植木鉢の下などはムカデが好む隠れ場所です。 こまめに掃除をして、ムカデが住み着きにくい環境を作ることが大切です。また、家の基礎や壁のひび割れ、エアコンのドレンホースなど、ムカデの侵入経路となりうる隙間を塞ぐことも効果的です。
ペットがいるご家庭で殺虫剤を使用する際は、ペットが舐めてしまわないように、安全性の高い製品を選んだり、設置場所に工夫したりするなどの配慮が必要です。
天敵を利用してムカデ対策はできる？
「ムカデを食べる生き物がいるなら、その生き物を庭に放してムカデを駆除できないか？」と考える方もいるかもしれません。天敵を利用した生物的防除は、環境に優しい方法として注目されていますが、一般家庭で実践するにはいくつかの課題があります。
- 天敵を庭に呼ぶことの現実性
- アシダカグモやゲジゲジは益虫として見守るのが吉
天敵を庭に呼ぶことの現実性
例えば、ムカデの天敵であるニワトリを飼うことは、効果的なムカデ対策になり得ます。 しかし、ニワトリを飼育するには十分なスペースや適切な管理が必要であり、誰でも気軽に始められるわけではありません。また、イソヒヨドリやトカゲといった野生の生き物を、意図的に庭に呼び寄せて定着させることは非常に困難です。
これらの生き物は、エサとなるムカデがいなくなれば、他の場所へ移動してしまいます。そのため、天敵をコントロールしてムカデを駆除するという方法は、一般家庭においてはあまり現実的ではないと言えるでしょう。自然の成り行きで天敵が庭に住み着いてくれたらラッキー、くらいに考えておくのが良いかもしれません。
アシダカグモやゲジゲジは益虫として見守るのが吉
一方で、家の中や周辺に現れる天敵、特にアシダカグモやゲジゲジについては、積極的に利用する価値があります。これらの生き物は、見た目から不快害虫としてすぐに駆除したくなるかもしれませんが、実はムカデやゴキブリといった、より厄介な害虫を捕食してくれる「益虫」です。
殺虫剤を使わずに害虫の数をコントロールしてくれる、いわば無料の害虫駆除業者のような存在。もし家の中でアシダカグモやゲジゲジを見かけても、人間に対して直接的な害を及ぼすことはほとんどありません。驚いて追い出したり殺したりせず、そっと見守ってあげるのが賢明な選択と言えるでしょう。
天敵に頼らない！効果的なムカデ対策
天敵の力を借りるのも一つの手ですが、より確実かつ効果的にムカデの被害を防ぐためには、積極的な対策を講じることが不可欠です。ムカデを家に入れない、寄せ付けないための具体的な方法をご紹介します。これらの対策を組み合わせることで、ムカデの恐怖から解放され、安心して過ごせる環境を作りましょう。
- ムカデの侵入経路を断つ
- ムカデが好む環境を作らない
- 市販の駆除剤・忌避剤を活用する
ムカデの侵入経路を断つ
ムカデ対策の基本は、家の中への侵入を物理的に防ぐことです。ムカデは非常に体が平たく、数ミリのわずかな隙間からでも侵入してきます。 以下の場所を重点的にチェックし、隙間があれば補修テープやパテなどで塞ぎましょう。
- 窓や網戸のサッシの隙間
- 玄関ドアの下の隙間
- エアコンのドレンホースの排出口（専用のキャップやネットを取り付ける）
- 換気扇や通気口
- 壁や基礎のひび割れ
- キッチンや洗面所、浴室の排水口（使用しない時は栓をする）
これらの侵入経路を徹底的に塞ぐことで、ムカデが家の中に入ってくるリスクを大幅に減らすことができます。
ムカデが好む環境を作らない
次に重要なのは、ムカデが好むジメジメした暗い場所をなくすことです。ムカデは湿気を好み、エサとなるゴキブリやクモなどがいる場所に集まってきます。
家の周りでは、落ち葉や枯れ草をこまめに掃除し、植木鉢やプランターの下、石や木材の下などを整理して風通しを良くしましょう。 室内では、押入れやシンク下、家具の裏などを定期的に換気し、湿気がこもらないように注意してください。
また、ムカデのエサとなるゴキブリ対策も同時に行うことが、結果的にムカデを寄せ付けないことに繋がります。
市販の駆除剤・忌避剤を活用する
侵入防止策と環境整備に加えて、市販の駆除剤や忌避剤を併用するとさらに効果的です。家の周りに撒く粉剤タイプや、侵入経路にスプレーする液体タイプ、室内に置く毒餌（ベイト剤）タイプなど、様々な製品があります。
家の外周や玄関、窓際など、ムカデが侵入しそうな場所に粉剤やスプレーを帯状に散布しておくと、侵入防止に高い効果を発揮します。 室内で見失ってしまった場合には、くん煙剤を使用するのも一つの方法です。
小さな子供やペットがいるご家庭では、天然成分由来の忌避剤や、殺虫成分を含まない冷凍スプレーなどを選ぶと安心です。 用途や環境に合わせて適切な製品を選び、正しく使用しましょう。
そもそもムカデは何を食べる？その生態と弱点
効果的な対策を立てるためには、敵を知ることが重要です。ムカデは一体何を食べて生きているのでしょうか？そして、どんなものが苦手なのでしょうか？ここでは、ムカデの食性や生態、そして意外な弱点について解説します。これを知れば、ムカデ対策がより一層効果的になるはずです。
- ムカデの好物（ゴキブリなど）
- ムカデの弱点（熱、乾燥、頭）
ムカデの好物（ゴキブリなど）
ムカデは肉食性で、主に生きた昆虫などを捕食します。 その中でも特に好物とされているのが、多くの人が嫌うゴキブリです。 ムカデはゴキブリを求めて家の中に侵入してくることもあるため、ゴキブリがいる家はムカデにとっても魅力的な環境と言えます。
その他にも、クモ、コオロギ、ミミズなどを食べます。 意外なことに、飼育下では魚肉ソーセージなどを食べることもある雑食性の一面も持っています。 このように、ムカデはエサが豊富な場所を求めて活動しているのです。
ムカデの弱点（熱、乾燥、頭）
見た目の強そうなイメージとは裏腹に、ムカデにはいくつかの弱点があります。その一つが「熱」です。ムカデは高温に非常に弱く、50℃以上のお湯をかけると即座に動かなくなります。 殺虫剤が手元にない場合の駆除方法として有効です。
また、湿った場所を好むことからも分かるように「乾燥」も苦手です。家の周りの風通しを良くし、乾燥した状態を保つことは、ムカデを寄せ付けないための有効な対策となります。
そして、最大の急所は「頭」です。 万が一、叩いて駆除する際には、硬い背中ではなく頭を狙うと確実に仕留めることができます。これらの弱点を知っておくことで、いざという時に冷静に対処できるでしょう。
よくある質問
ムカデを食べる最強の生き物は何ですか？
一概に「最強」を決めるのは難しいですが、捕食能力や人間への貢献度を考えるとニワトリが非常に強力な天敵と言えます。 庭で飼うことで、ムカデだけでなく他の害虫も食べてくれるため、効果的な対策になります。
アシダカグモはムカデを食べますか？
はい、食べます。アシダカグモはゴキブリを主食としますが、ムカデも捕食対象です。 家の中にいる害虫を駆除してくれる益虫なので、見つけても殺さずに見守ることをお勧めします。
ニワトリはムカデを食べますか？
はい、好んで食べます。 ニワトリは地面をつついて虫を探す習性があり、落ち葉の下などに隠れているムカデを見つけて捕食します。自然農法などで害虫駆除の役割を担うこともあります。
猫がムカデを食べても大丈夫ですか？
危険です。 食べる際に口の中などをムカデの毒牙で刺されると、腫れや嘔吐、重篤な場合はアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。 もし食べてしまった、または刺された疑いがある場合は、すぐに動物病院を受診してください。
ムカデは何が嫌いですか？
ムカデは熱や乾燥を嫌います。 また、ヒノキやハッカなどの特定の匂いを嫌うとも言われており、これらの成分を含んだ忌避剤も市販されています。 ムカデが好む湿った環境をなくし、嫌がるものを活用するのが対策のコツです。
まとめ
- ムカデには鳥類、哺乳類、昆虫など多くの天敵がいる。
- ニワトリはムカデを好んで食べる非常に強力な天敵である。
- イソヒヨドリはムカデの毒に耐性を持つとされる鳥だ。
- アシダカグモやゲジゲジはムカデを食べる益虫である。
- ペットの犬や猫がムカデに刺されると非常に危険だ。
- ペットがムカデと接触したらすぐに動物病院へ行くこと。
- 天敵を意図的に利用した駆除は一般家庭では難しい。
- アシダカグモなどは駆除せず見守るのが良い選択だ。
- ムカデ対策の基本は侵入経路を物理的に塞ぐこと。
- 家の周りの落ち葉などを掃除し、隠れ場所をなくす。
- ムカデは湿気を好むため、乾燥した環境を保つことが重要。
- ムカデのエサとなるゴキブリ対策も同時に行うと効果的。
- 市販の粉剤や忌避剤を家の周りに撒くと侵入を防げる。
- ムカデは熱に弱く、50℃以上のお湯で駆除できる。
- ムカデの最大の弱点は頭部であることを覚えておこう。
