「Celeron N3350」というCPUを搭載したパソコンの購入を検討しているものの、その性能やできること、他のCPUとの違いが分からず悩んでいませんか?本記事では、Celeron N3350の基本情報から実際の性能、他のCPUとの比較、そしてどのような用途に適しているのかを詳しく解説します。
この記事を読めば、Celeron N3350搭載PCがあなたの使い方に合っているかどうかが明確になり、後悔のないPC選びができるでしょう。
Celeron N3350とは?基本スペックと位置付け
Intel Celeron N3350は、2016年にリリースされたIntelのApollo Lake世代に属するデュアルコアプロセッサです。低消費電力とコストパフォーマンスの良さが特徴で、主にエントリーレベルのノートパソコンやミニPC、Chromebookなどに採用されてきました。その設計思想は、日常的な基本的なタスクを効率的にこなすことにあります。
このCPUは、2つのコアと2つのスレッドで構成されており、ベース動作周波数は1.1GHz、最大バースト周波数は2.4GHzです。L2キャッシュは2MBを搭載しています。グラフィック機能としてはIntel HD Graphics 500が統合されており、基本的な映像出力や軽いグラフィック処理に対応します。
TDP(熱設計電力)は6Wと非常に低く、ファンレス設計のデバイスにも搭載しやすい点が大きなメリットです。
Celeron N3350の主な特徴
Celeron N3350の最大の特徴は、その低消費電力と静音性にあります。TDPが6Wと低いため、発熱が少なく、ファンを搭載しないファンレス設計のPCにも採用されることが多く、静かな環境での使用に適しています。
また、価格が非常に手頃であるため、PC全体のコストを抑えたい場合に魅力的な選択肢となります。Chromebookや教育機関向けのPC、デジタルサイネージ、POSシステム、産業用制御システムなどの組み込み用途でも広く利用されてきました。
さらに、Intel HD Graphics 500を統合しているため、4K解像度の映像出力に対応し、VP9やAVCエンコードされた動画のデコードをハードウェアで支援します。これにより、YouTubeなどの動画コンテンツもスムーズに視聴できる能力を持っています。
CeleronシリーズにおけるN3350の位置付け
IntelのCeleronシリーズは、Core iシリーズなどの高性能CPUと比較して、基本的なコンピューティングタスクに特化したエントリーレベルのプロセッサです。N3350は、このCeleronシリーズの中でも特に省電力性を重視したモデルとして位置付けられています。
後継モデルとしてCeleron N4000やN4020などが登場しており、N3350はやや古い世代のCPUとなります。しかし、その手頃な価格と必要最低限の性能から、現在でも中古市場や特定の用途向けデバイスで需要があります。例えば、Webブラウジング、メール、文書作成といった日常的な作業には十分な性能を発揮します。
高性能を求めるユーザーには不向きですが、コストを抑えつつ基本的なPC機能を利用したいユーザーにとっては、依然として検討する価値のある選択肢と言えるでしょう。
Celeron N3350の実際の性能をベンチマークで確認

Celeron N3350の性能を客観的に把握するためには、ベンチマークスコアが参考になります。ベンチマークは、CPUの処理能力を数値化したもので、異なるCPU間の性能比較に役立ちます。ただし、実際の使用感は、CPUだけでなくメモリやストレージの種類、OS、ソフトウェアなど、さまざまな要素によって左右されることを理解しておくことが大切です。
Celeron N3350は、PassMarkやCinebench、Geekbenchなどの主要なベンチマークテストで、エントリーレベルのスコアを示します。これらのスコアは、高性能なCore iシリーズなどと比較すると大きく劣りますが、その位置付けを考慮すれば妥当な結果と言えるでしょう。
主要ベンチマークスコア(PassMark, Cinebenchなど)
Celeron N3350のベンチマークスコアは、以下の通りです。
- PassMark CPU Mark: 約1100点前後
- Cinebench R23 Single-Core: 約248点
- Cinebench R23 Multi-Core: 約346点
- Geekbench 5 Single-Core: 約314点
- Geekbench 5 Multi-Core: 約663点
これらのスコアを見ると、Celeron N3350はシングルコア性能、マルチコア性能ともに控えめであることが分かります。特に、PassMarkの総合スコアは、高性能CPUのわずか数パーセント程度に過ぎません。
これは、N3350が複雑な計算や複数のタスクを同時に処理するような重い作業には向かないことを示しています。しかし、Webブラウジングや文書作成といった日常的な軽作業であれば、十分に対応できるレベルです。
体感速度に影響する要素
ベンチマークスコアが全てではありません。実際のPCの体感速度には、CPU以外の要素も大きく影響します。特に重要なのが、メモリとストレージです。
- メモリ(RAM): Celeron N3350はDDR3L-1866、LPDDR3-1866、LPDDR4-2400のRAMに対応しており、Intelのガイドラインでは最大8GBまでサポートとされていますが、一部のユーザーは16GBや32GBでも問題なく動作すると報告しています。メモリ容量が少ないと、複数のアプリケーションを同時に開いたり、多くのブラウザタブを開いたりした際に、動作が遅くなる原因となります。最低でも4GB、可能であれば8GBのメモリを搭載しているモデルを選ぶと、より快適な動作が期待できます。
- ストレージ: HDD(ハードディスクドライブ)よりもSSD(ソリッドステートドライブ)を搭載しているPCの方が、OSの起動やアプリケーションの立ち上がりが格段に速くなります。N3350搭載PCではeMMCストレージが採用されていることも多いですが、可能であればSSD(SATAまたはPCIe 2.0 x4まで対応)を搭載したモデルを選ぶことで、体感速度が大きく向上します。
これらの要素を適切に組み合わせることで、Celeron N3350の性能を最大限に引き出し、より快適な使用感を得ることが可能です。特にSSDへの換装は、体感速度を大きく改善する有効な方法です。
他のCPUとの性能比較
Celeron N3350の性能をより深く理解するためには、他のCPUとの比較が欠かせません。特に、同じエントリーレベルのCPUや、少し上のグレードのCPUと比較することで、N3350がどのような位置付けにあるのかが明確になります。
ここでは、主な比較対象となるCPUとN3350の性能差について解説します。
Celeron N4000/N4020との比較
Celeron N4000およびN4020は、N3350の後継として登場したCPUです。N3350と比較して、N4000は約29%高速なマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を持ち、グラフィック性能も向上しています。
N4020はN4000のマイナーチェンジ版であり、基本的な性能はN4000と同等か、わずかに向上しています。これらの後継モデルは、N3350と同じく低消費電力でありながら、より新しい世代のアーキテクチャを採用しているため、全体的に処理性能が向上しています。
もし、N3350搭載PCとN4000/N4020搭載PCで価格差が小さいのであれば、より新しい世代で性能が向上しているN4000/N4020を選ぶ方が、長期的に見て快適に使える可能性が高いでしょう。
Pentium Silver N5000/J5005との比較
Pentium Silverシリーズは、Celeronシリーズよりも上位に位置する低消費電力CPUです。Pentium Silver N5000は、N3350と比較して大幅に性能が向上しています。例えば、N5000はN3350よりも約121%高い総合性能スコアを記録し、統合GPUも約50%高速です。
N5000は4コア4スレッドで動作し、N3350の2コア2スレッドよりも多くの処理を同時にこなすことができます。 そのため、Webブラウジングで多くのタブを開いたり、複数のアプリケーションを同時に使用したりする際に、N3350よりもはるかにスムーズな動作が期待できます。
J5005はデスクトップ向けのPentium Silverで、N5000と同様にN3350よりも高い性能を持っています。より快適な動作を求めるのであれば、Pentium Silver N5000/J5005搭載PCを検討する価値は十分にあります。
Intel Atomシリーズとの比較
Intel Atomシリーズは、N3350と同様に超低消費電力を特徴とするCPUで、主にタブレットやネットブック、組み込みシステムなどに採用されてきました。N3350は、AtomシリーズのGoldmontマイクロアーキテクチャをベースにしており、Atom x5-Z8300などと比較して同等か、わずかに優れたマルチスレッド性能を持つとされています。
しかし、Atomシリーズも世代によって性能差が大きく、N3350はAtomの古い世代と比較すると優位性がありますが、新しい世代のAtomやPentium Silverには劣る傾向にあります。N3350は、Atomシリーズからの性能向上版として位置付けられることが多いです。
エントリーレベルのCore i3との違い
Intel Core i3は、CeleronやPentium Silverよりもさらに上位に位置するCPUで、一般的な用途において十分な性能を発揮します。エントリーレベルのCore i3であっても、N3350と比較すると処理性能は格段に高いです。
例えば、N3350は第2世代のCore i3と同程度のCPU性能を持つとされていますが、グラフィック性能は第2世代Core i3よりも優れています。 しかし、最新のCore i3と比較すると、その差は歴然です。Core i3は、より複雑なタスクやマルチタスクをスムーズにこなすことができ、全体的な体感速度も大きく異なります。
もし、予算に余裕があり、より快適なPC環境を求めるのであれば、Core i3以上のCPUを搭載したPCを検討することをおすすめします。N3350はあくまで「最低限の性能」であり、Core i3は「一般的な用途で快適な性能」という位置付けです。
Celeron N3350はどんな用途におすすめ?

Celeron N3350は、その性能特性から、特定の用途においてコストパフォーマンスの高い選択肢となります。高性能を求める作業には不向きですが、日常的な軽作業であれば十分に活躍できるでしょう。
ここでは、N3350がおすすめできる用途と、不向きな用途について具体的に解説します。
Webブラウジングやメール、文書作成
Celeron N3350は、Webブラウジング、メールの送受信、Microsoft Office(Word、Excel、PowerPointなど)を使った文書作成といった基本的な作業には十分な性能を持っています。
これらの作業は、CPUにそれほど高い負荷をかけないため、N3350でもスムーズにこなすことが可能です。特に、Chromebookに搭載されている場合、Chrome OSの軽量性も相まって、快適なWeb体験を提供します。
ただし、同時に多くのブラウザタブを開いたり、複雑なWebアプリケーションを使用したりすると、動作がもたつく可能性があります。シンプルな作業をメインとする方には、N3350搭載PCは良い選択肢となるでしょう。
動画視聴や軽い写真編集
YouTubeやNetflixなどの動画ストリーミングサービスの視聴も、Celeron N3350で問題なく行えます。統合されているIntel HD Graphics 500が4K解像度の動画デコードをサポートしているため、高画質な動画もスムーズに再生できます。
軽い写真編集であれば対応可能ですが、RAW現像や多数のレイヤーを扱うような本格的な作業には力不足です。簡単なトリミングや色補正程度であれば、ストレスなく行えるでしょう。動画編集に関しては、数分程度のフルHD動画のカットや結合といった簡単な作業であれば可能ですが、長時間の編集やエフェクトの多用は避けるべきです。
オンライン学習やリモートワーク
オンライン学習やリモートワークで、Web会議ツール(Zoomなど)を使用する場合、N3350ではやや力不足を感じる可能性があります。特に、Web会議中に他のアプリケーションを同時に使用すると、動作が重くなることが予想されます。
しかし、Web会議単体での利用や、チャットツール、クラウドベースの文書作成ツールなど、比較的負荷の低い作業であれば、N3350搭載PCでも対応できる場合があります。オンライン学習やリモートワークをメインとする場合、メモリを8GB以上搭載し、SSDストレージのPCを選ぶことで、より快適な環境を構築できるでしょう。
不向きな用途(重いゲーム、動画編集など)
Celeron N3350は、重いゲームや本格的な動画編集、3Dグラフィックデザイン、CADなどの高負荷な作業には全く向いていません。
多くの現代のゲームは、N3350がサポートしていないAVX命令セットを必要とするため、起動すらできない場合があります。 たとえ起動できたとしても、フレームレートが著しく低く、快適なプレイは期待できません。
動画編集も、レンダリングに非常に時間がかかり、作業中にフリーズするなどの問題が発生する可能性が高いです。これらの用途でPCを使用する予定がある場合は、Core i5以上の高性能CPUを搭載したPCを選ぶべきです。
Celeron N3350搭載PCを選ぶ際のコツ

Celeron N3350搭載PCを選ぶ際には、CPUの性能だけでなく、他のハードウェア構成にも注目することが重要です。特に、メモリとストレージは体感速度に大きく影響するため、慎重に選ぶ必要があります。
また、OSの種類や価格とのバランスも考慮することで、自身の用途に最適な一台を見つけられるでしょう。
メモリとストレージの重要性
Celeron N3350の性能を最大限に引き出すためには、メモリとストレージの選択が非常に重要です。CPUの処理能力が控えめな分、これらで補うことで体感速度を大きく改善できます。
- メモリ(RAM): 最低でも4GB、可能であれば8GBのメモリを搭載したモデルを選びましょう。N3350はDDR3L-1866、LPDDR3-1866、LPDDR4-2400のRAMに対応しており、メモリ容量が多いほど、複数のアプリケーションをスムーズに切り替えたり、多くのブラウザタブを開いたりする際に快適になります。
- ストレージ: HDDではなく、必ずSSD(ソリッドステートドライブ)を搭載したモデルを選んでください。SSDはHDDに比べてデータの読み書き速度が圧倒的に速く、OSの起動時間やアプリケーションの立ち上がりが劇的に改善されます。N3350搭載PCではeMMCストレージが採用されていることもありますが、SSDの方がより高速です。
これらの組み合わせにより、N3350の基本的な処理能力を補い、日常的な作業でのストレスを軽減することができます。
OSの種類とバージョン
Celeron N3350搭載PCは、Windows 10やChrome OSを搭載していることが多いです。
- Windows 10: N3350はWindows 10を動作させることはできますが、最新のWindows 11の公式要件は満たしていません。 Windows 10でも、起動に1分近くかかるなど、動作がもたつくことがあります。 Windows PCを選ぶ場合は、メモリとストレージの強化が必須です。
- Chrome OS: Chromebookに搭載されている場合、Chrome OSは軽量であるため、N3350でも比較的快適に動作します。WebブラウジングやGoogle Workspace(旧G Suite)の利用がメインであれば、Chromebookは非常に良い選択肢です。
使用したいOSやアプリケーションの要件を事前に確認し、N3350の性能で問題なく動作するかを検討することが大切です。
価格とコストパフォーマンス
Celeron N3350搭載PCの最大の魅力は、その手頃な価格です。新品であれば3万円以下のモデルが多く、中古市場ではさらに安価に入手できることがあります。
しかし、価格の安さだけで選ぶのではなく、自身の用途と性能のバランスを考慮することが重要です。もし、Webブラウジングやメール、文書作成といった基本的な作業しか行わないのであれば、N3350搭載PCは非常に高いコストパフォーマンスを発揮します。
一方で、少しでも快適さを求めるのであれば、N4000/N4020やPentium Silver N5000など、少し上のグレードのCPUを搭載したPCも検討に入れるべきです。これらのCPUは、N3350よりも価格は上がりますが、その分快適性も向上します。
予算と用途を明確にし、最適なコストパフォーマンスのPCを選ぶようにしましょう。
よくある質問

- Celeron N3350は遅いと感じることはありますか?
- Celeron N3350でWindows 11は快適に動きますか?
- Celeron N3350搭載のPCはゲームに使えますか?
- Celeron N3350とPentium Silver N5000ではどちらが良いですか?
- Celeron N3350搭載PCの寿命はどのくらいですか?
Celeron N3350は遅いと感じることはありますか?
はい、Celeron N3350はエントリーレベルのCPUであり、高性能なCPUと比較すると処理能力が低いため、遅いと感じる場面はあります。特に、複数のアプリケーションを同時に開いたり、重いWebサイトを閲覧したり、OSの起動時などには動作がもたつくことがあります。
Celeron N3350でWindows 11は快適に動きますか?
Celeron N3350は、Windows 11の公式なシステム要件を満たしていません。 技術的には64ビット版のWindows 11を動かすことは可能ですが、Microsoftは2017年以降にリリースされたCPUでのWindows 11インストールを推奨しており、N3350では快適な動作は期待できません。
Windows 10であれば動作しますが、それでも起動に時間がかかるなど、快適とは言えない場面が多いでしょう。
Celeron N3350搭載のPCはゲームに使えますか?
いいえ、Celeron N3350搭載のPCは、ほとんどの現代のゲームには不向きです。 非常に古いゲームや、Solitaire、Minesweeperといったごく軽いゲームであればプレイできる可能性はありますが、CPUの性能が低く、多くのゲームが要求するAVX命令セットをサポートしていないため、起動すらできないことが多いです。
ゲーム目的であれば、Core i3以上のCPUと、可能であれば独立したグラフィックボードを搭載したPCを選ぶべきです。
Celeron N3350とPentium Silver N5000ではどちらが良いですか?
Pentium Silver N5000の方が、Celeron N3350よりも大幅に性能が優れています。N5000はN3350に比べて約121%高い総合性能スコアを持ち、統合グラフィック性能も約50%高速です。 より快適な動作を求めるのであれば、Pentium Silver N5000を選ぶことを強くおすすめします。
Celeron N3350搭載PCの寿命はどのくらいですか?
PCの寿命は、使用状況やメンテナンスによって大きく異なりますが、Celeron N3350搭載PCの場合、CPU自体の性能がエントリーレベルであるため、最新のOSやアプリケーションの要求が高まるにつれて、快適に使える期間は短くなる傾向があります。一般的に、5年程度が目安とされますが、Webブラウジングやメールなどの軽作業に限定すれば、それ以上使い続けることも可能です。
ただし、OSのサポート期間やセキュリティアップデートの提供状況も考慮に入れる必要があります。
まとめ
- Celeron N3350は2016年リリースのIntel製デュアルコアCPU。
- 低消費電力(TDP 6W)でファンレス設計のPCに多い。
- 価格が非常に手頃でコストパフォーマンスに優れる。
- Webブラウジング、メール、文書作成などの軽作業に適している。
- YouTubeやNetflixなどの動画視聴はスムーズに可能。
- 重いゲームや本格的な動画編集には不向き。
- ベンチマークスコアはエントリーレベルで控えめ。
- 後継のCeleron N4000/N4020より性能は劣る。
- Pentium Silver N5000とは性能差が大きく、N5000が優位。
- Windows 11の公式要件は満たしておらず、Windows 10でも動作は遅め。
- Chromebookでは比較的快適に動作する。
- メモリは最低4GB、できれば8GB以上が望ましい。
- ストレージはSSDを選ぶことで体感速度が向上する。
- 予算と用途を明確にし、最適なPCを選ぶことが大切。
- 中古市場では安価に入手可能だが、OSサポート期間に注意。
- 日常的なシンプルな用途に限定すれば十分活躍できる。