「トイレでしっかり拭いたはずなのに、後で確認したら下着に便がついていた…」そんな経験はありませんか?誰にも相談しづらいデリケートな悩みですが、実は多くの人が同じような問題を抱えています。この不快な状況は、単なる拭き残しだけでなく、体のサインである可能性も。本記事では、便を拭いてもパンツについてしまう原因を徹底的に解明し、今日からすぐに実践できる具体的な対策を詳しく解説していきます。もう一人で悩む必要はありません。この記事を読んで、スッキリ快適な毎日を取り戻しましょう。
なぜ?便を拭いてもパンツについてしまう主な5つの原因

拭いても拭いても便がパンツについてしまうのには、必ず原因があります。主な原因を知ることで、ご自身の状況に合った正しい対策を見つける第一歩になります。考えられる原因は一つとは限りません。複数の要因が絡み合っていることもありますので、一つずつチェックしていきましょう。
この章では、主な原因として考えられる以下の5つのポイントを詳しく解説します。
- ① 拭き方が間違っている(ゴシゴシ拭き・拭き残し)
- ② 便の状態が悪い(軟便・下痢)
- ③ お尻のトラブル(切れ痔・いぼ痔)
- ④ 骨盤底筋の緩み
- ⑤ 病気のサインである可能性も
① 拭き方が間違っている(ゴシゴシ拭き・拭き残し)
最も一般的で、すぐに改善できる原因が「お尻の拭き方」です。良かれと思ってやっていることが、実は逆効果になっているケースが少なくありません。例えば、トイレットペーパーでゴシゴシと強く擦るように拭いていませんか?
肛門周辺の皮膚は非常にデリケートで、シワも多いため、強く擦ると皮膚を傷つけてしまいます。傷ついた皮膚は炎症を起こし、さらに便が付着しやすくなるという悪循環に陥るのです。また、肛門のシワの間に便が入り込んでしまい、ゴシゴシ拭くだけでは完全に取り除くことが難しくなります。
正しい拭き方の基本は「押さえるように優しく拭く」こと。トイレットペーパーを数回折りたたみ、十分な厚みを持たせてから、肛門に優しく押し当てるようにして汚れを吸い取ります。これを数回繰り返し、ペーパーに汚れがつかなくなるまで行いましょう。前から後ろに拭くことも、尿路感染症などを防ぐ上で重要です。特に女性は意識してください。
② 便の状態が悪い(軟便・下痢)
便の状態も、パンツに便がつく原因として大きく関係しています。理想的な便は、適度な硬さがあり、スルッと排出される「バナナ状の便」です。しかし、食生活の乱れやストレス、体調不良などによって便が緩くなると、状況は一変します。
いわゆる軟便や下痢の状態だと、便のキレが悪くなり、排便後も肛門の周りに便が残りやすくなります。粘度が高い泥状の便は、トイレットペーパーで拭いただけではなかなか取りきれず、シワの間に入り込んでしまうのです。これが、後からじわじわと染み出してきて、下着を汚す原因となります。
もし、日常的に便が緩い状態が続いているのであれば、まずは便の状態を改善することが根本的な解決に繋がります。食物繊維のバランスを考えた食事や、十分な水分補給、ストレス管理などを心がけることが大切です。整腸剤などを試してみるのも一つの方法でしょう。
③ お尻のトラブル(切れ痔・いぼ痔)
拭いても便がつく原因が、切れ痔(裂肛)やいぼ痔(痔核)といったお尻のトラブルである可能性も考えられます。これらの症状があると、肛門の形状が変化したり、うまく閉じなくなったりすることで、便が漏れやすくなるのです。
例えば、いぼ痔があると、その突起が邪魔をして排便後も便が残ってしまうことがあります。また、切れ痔を繰り返していると、肛門が狭くなってしまい、便を出し切るのが難しくなるケースも。さらに、痛みや違和感から無意識に拭き方が甘くなってしまい、結果的に拭き残しに繋がることも少なくありません。
もし、排便時の出血や痛み、肛門周りの腫れや異物感といった自覚症状がある場合は、痔が原因である可能性が高いです。放置すると悪化することもあるため、早めに専門医である肛門科を受診することをおすすめします。適切な治療を受けることで、便がつく悩みも同時に解消されることが期待できます。
④ 骨盤底筋の緩み
あまり知られていませんが、「骨盤底筋(こつばんていきん)」という筋肉の緩みも、便が漏れやすくなる原因の一つです。骨盤底筋は、骨盤の底にハンモックのように広がっている筋肉群で、膀胱や腸などを支え、排尿や排便をコントロールする重要な役割を担っています。
この骨盤底筋が、加齢や出産、肥満、運動不足などによって緩んでしまうと、肛門をしっかりと締める力が弱まります。その結果、排便後にまだ直腸に残っていた少量の便が、意図せず漏れ出てきてしまうことがあるのです。特に、立ち上がったり、くしゃみをしたり、重いものを持ったりした拍子に、「ちょい漏れ」してしまう場合は、骨盤底筋の緩みが疑われます。
骨盤底筋は、意識的にトレーニングをすることで鍛えることが可能です。日常生活の中で簡単なトレーニングを取り入れることで、筋力を回復させ、便漏れの改善が期待できます。具体的なトレーニング方法は後の章で詳しくご紹介します。
⑤ 病気のサインである可能性も
ほとんどの場合はこれまで挙げた原因によるものですが、ごく稀に、何らかの病気が隠れている可能性もゼロではありません。例えば、直腸や肛門のポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)、さらには直腸がんといった病気によって、残便感や便漏れが引き起こされることがあります。
これらの病気は、便がつく以外にも、腹痛、血便、便秘と下痢を繰り返す、体重減少といった様々な症状を伴うことが多いです。特に、これまでになかった症状が急に現れたり、症状がどんどん悪化したりする場合には注意が必要です。
もちろん、過度に心配する必要はありません。しかし、セルフケアを続けても一向に改善しない、あるいは他の気になる症状があるという場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。早期発見・早期治療が何よりも重要になります。
【今日から実践!】便がパンツにつかなくなるための具体的な対策10選

原因がわかったら、次はいよいよ具体的な対策です。ここでは、今日からすぐに始められるものから、少し意識して取り組むものまで、10個の対策を厳選してご紹介します。ご自身の原因に合わせて、できそうなものから試してみてください。一つでも実践すれば、きっと変化を感じられるはずです。
この章でご紹介する具体的な対策は以下の通りです。
- 【対策1】正しいお尻の拭き方をマスターする
- 【対策2】ウォシュレット(温水洗浄便座)を正しく活用する
- 【対策3】お尻セレブなどの「トイレに流せるおしりふき」を使う
- 【対策4】食生活を見直して「理想の便」を目指す
- 【対策5】骨盤底筋トレーニングを習慣にする
- 【対策6】トイレの時間をゆっくりとる
- 【対策7】下着の素材を見直す
- 【対策8】市販薬やサプリメントを試す
- 【対策9】外出先での応急処置方法を知っておく
- 【対策10】専門医に相談する(肛門科・消化器内科)
【対策1】正しいお尻の拭き方をマスターする
全ての基本となるのが「正しいお尻の拭き方」です。まずは、ゴシゴシ擦るのを今日からやめましょう。肛門の皮膚は、まぶたよりもデリケートと言われています。そんな場所を、乾いた紙で何度も擦れば、傷ついてしまうのは当然です。
正しい拭き方のコツは「押さえて、吸い取る」イメージです。
- トイレットペーパーを4〜6枚重ねて、十分な厚みを持たせます。
- お尻を大きく広げ、肛門のシワを伸ばすように意識します。
- たたんだペーパーを肛門に優しく押し当て、数秒間キープします。
- 場所を少しずつずらしながら、汚れがつかなくなるまでこれを繰り返します。
この方法なら、皮膚への負担を最小限に抑えつつ、シワの間の汚れもしっかりと吸い取ることができます。時間はかかりますが、最も確実で、お尻に優しい方法です。
【対策2】ウォシュレット(温水洗浄便座)を正しく活用する
ご自宅のトイレにウォシュレット(温水洗浄便座)があるなら、ぜひ活用しましょう。水の力で汚れを洗い流せるため、トイレットペーパーだけで拭くよりも格段に清潔になります。ただし、ここでも使い方に注意が必要です。
強い水圧で長時間洗い続けるのはNG。かえって皮脂を取りすぎてしまい、乾燥やかゆみの原因になります。水圧は「弱」に設定し、洗浄時間は10秒程度を目安にしましょう。洗浄後は、水分をしっかりと拭き取ることが大切です。この時も、ゴシゴシ擦らず、トイレットペーパーを優しく押し当てて水分を吸い取るようにしてください。乾燥機能を使うのも良いでしょう。正しく使えば、ウォシュレットは非常に心強い味方になります。
【対策3】お尻セレブなどの「トイレに流せるおしりふき」を使う
ウォシュレットがない環境や、外出先で特に役立つのが、「トイレに流せるタイプのおしりふき」です。ユニ・チャームの「おしりセレブ」などが有名ですね。ウェットタイプなので、乾いたトイレットペーパーでは落としきれない汚れも、優しくスルッと拭き取ることができます。
トイレットペーパーである程度汚れを拭き取った後、仕上げにこのおしりふきを使うのがおすすめです。保湿成分が配合されている製品も多く、デリケートな肛門周りの皮膚をケアする効果も期待できます。ゴシゴシ擦る必要がないため、皮膚への負担が少なく、痔などのトラブルを抱えている方にも安心して使えます。常に携帯しておくと、外出時の不安も軽減されるでしょう。
【対策4】食生活を見直して「理想の便」を目指す
根本的な解決を目指すなら、「便の質」そのものを改善することが不可欠です。軟便や下痢が原因で便がパンツについてしまう方は、特に食生活の見直しが重要になります。
目指すべきは、適度な硬さと量のある「バナナ状の便」。そのためには、食物繊維をバランス良く摂ることが大切です。食物繊維には、便の材料となり水分を吸収して便を固める「不溶性食物繊維」(きのこ、豆類、ごぼうなど)と、便を柔らかくして滑りを良くする「水溶性食物繊維」(海藻、こんにゃく、果物など)の2種類があります。この両方をバランスよく食事に取り入れましょう。
また、発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌など)で善玉菌を増やし、腸内環境を整えることも大切です。逆に、脂っこい食事やアルコール、香辛料などの刺激物は、腸を刺激して下痢の原因になりやすいため、摂りすぎには注意しましょう。十分な水分補給も忘れずに行ってください。
【対策5】骨盤底筋トレーニングを習慣にする
骨盤底筋の緩みが原因で便が漏れてしまう方には、「骨盤底筋トレーニング」が効果的です。これは、肛門や膣、尿道を意識的にきゅっと締めたり緩めたりを繰り返す運動で、いつでもどこでも簡単に行うことができます。
基本的なやり方は以下の通りです。
- 仰向けに寝て、膝を軽く立てます。体はリラックスさせましょう。
- おしっこを我慢するようなイメージで、肛門と膣をゆっくりと5秒間締めます。
- その後、ゆっくりと10秒間かけて力を抜きます。
- この動作を10回ほど繰り返します。
慣れてきたら、座っている時や立っている時でも行えるようになります。大切なのは、毎日継続することです。すぐに効果が出るものではありませんが、数ヶ月続けることで、便漏れだけでなく尿漏れの改善にも繋がります。
【対策6】トイレの時間をゆっくりとる
忙しい毎日を送っていると、トイレの時間もつい急いでしまいがちです。しかし、焦って強くいきむことは、残便感や痔の原因となり、結果的に便がパンツにつく状況を招きます。便意を感じたら、少し時間に余裕を持ってトイレに行く習慣をつけましょう。
理想的なのは、便座に座ってリラックスし、自然な便意に任せて排便することです。スマートフォンを持ち込んで長時間こもるのは、肛門に負担がかかるためおすすめできませんが、5分程度を目安に、落ち着いて過ごすことが大切です。前かがみの姿勢をとると、直腸がまっすぐになり、便が出やすくなります。足元に小さな台を置くのも効果的です。
排便後も、すぐに立ち上がらず、もう出ないことを確認してから拭くようにすると、拭き終わった後に出てくるのを防げます。
【対策7】下着の素材を見直す
これは直接的な解決策ではありませんが、不快感を軽減し、肌トラブルを防ぐために下着の素材を見直すことも有効です。ナイロンやポリエステルなどの化学繊維は、通気性が悪く蒸れやすいため、雑菌が繁殖しやすくなります。
おすすめは、綿(コットン)やシルクなどの天然素材です。これらの素材は吸湿性・通気性に優れており、肌に優しく、かぶれなどのトラブルも起きにくいです。万が一、便がついてしまっても、肌への刺激を最小限に抑えることができます。
また、体を締め付けるようなタイトな下着も、血行不良や蒸れの原因になるため避けた方が良いでしょう。少しゆとりのある、リラックスできるデザインを選ぶことも、お尻の健康を保つ上では大切なポイントです。
【対策8】市販薬やサプリメントを試す
食生活の改善と合わせて、市販の整腸剤やサプリメントを活用するのも一つの手です。特に、軟便や下痢が続いている場合には、腸内環境を整えることが急務です。
ビフィズス菌や乳酸菌などが配合された整腸剤は、乱れた腸内フローラのバランスを整え、便の状態を正常に近づける手助けをしてくれます。様々な種類の製品が販売されているので、薬剤師や登録販売者に相談し、自分に合ったものを選びましょう。
また、食事だけで十分な食物繊維を摂るのが難しい場合は、食物繊維を補うサプリメントを利用するのも良いでしょう。ただし、サプリメントはあくまで補助的なものです。基本はバランスの取れた食事であることを忘れないでください。
【対策9】外出先での応急処置方法を知っておく
自宅では対策ができていても、外出先で「もしも」の事態が起こると不安ですよね。そんな時のために、応急処置の方法を知っておくと安心です。
前述の「トイレに流せるおしりふき」を常にカバンに入れておくのが最も手軽で確実な方法です。これさえあれば、ウォシュレットがないトイレでも、きれいに拭き取ることができます。また、万が一に備えて、替えの下着やおりものシート、小さなビニール袋などをポーチにまとめておくのも良いでしょう。
準備をしておくだけで、「また汚してしまうかも」という精神的な不安が大きく軽減されます。ストレスは便の状態にも影響を与えるため、こうした安心感を持つことも立派な対策の一つです。
【対策10】専門医に相談する(肛門科・消化器内科)
これまで紹介した様々なセルフケアを試しても、一向に症状が改善しない場合や、痛みや出血など他の症状を伴う場合は、迷わず専門医に相談してください。受診すべき診療科は、主にお尻の症状であれば「肛門科」、お腹の不調も伴う場合は「消化器内科」です。
「お尻を見せるのが恥ずかしい」という気持ちはよく分かります。しかし、専門医は毎日多くの患者さんを診察しているプロフェッショナルです。あなたが思っている以上に、同じ悩みで受診する人はたくさんいます。女性医師がいるクリニックや、プライバシーに配慮した診察室を設けている病院も増えています。
自己判断で放置して病気が進行してしまうことの方が、よっぽど大変です。勇気を出して一歩踏み出すことが、根本的な解決への一番の近道になるかもしれません。
それでも改善しない場合は病気の可能性も?病院へ行くべきサイン

セルフケアは非常に重要ですが、中には医療機関での治療が必要なケースもあります。「たかが便がつくくらいで」と軽視せず、自分の体が出しているサインを見逃さないようにしましょう。ここでは、病院を受診した方が良い具体的なサインと、何科に行けばよいのかを解説します。
こんな症状があったら要注意
便がパンツにつくという症状に加えて、以下のようなサインが見られる場合は、一度専門医の診察を受けることを強くおすすめします。これらは、単なる拭き残しや便の状態の問題だけではない可能性を示唆しています。
- 排便時に出血がある(トイレットペーパーに血がつく、便器が赤くなるなど)
- 排便時に強い痛みを伴う
- 肛門の周りにしこりや腫れ、できものがある
- 常に残便感があり、スッキリしない
- 便秘と下痢を繰り返す
- 便が細くなった
- 原因不明の腹痛や体重減少がある
- 症状が1ヶ月以上続いている、または悪化している
これらの症状は、痔(痔核・裂肛)、肛門周囲膿瘍、炎症性腸疾患、あるいは大腸がんなどの病気の兆候である可能性があります。早期に発見し、適切な治療を開始することが何よりも大切です。
何科を受診すればいいの?
いざ病院へ行こうと思っても、何科を受診すればよいか迷うかもしれません。症状によって、適切な診療科は異なります。
肛門科・肛門外科
出血、痛み、腫れ、かゆみなど、症状が主に肛門周りに限定されている場合は、まず肛門科を受診しましょう。痔の診断や治療の専門家です。
消化器内科・胃腸科
腹痛や便秘・下痢、体重減少など、お腹の症状も伴う場合は、消化器内科や胃腸科が適しています。必要に応じて、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)などで腸内の状態を詳しく調べることができます。
どちらに行けばよいか分からない場合は、まずはかかりつけの内科医に相談するか、肛門科と消化器内科の両方を標榜しているクリニックを選ぶとスムーズです。受診をためらわず、専門家の力を借りて、不安を解消しましょう。
よくある質問

Q. ウォシュレットがない場合はどうすればいいですか?
A. ウォシュレットがない場合は、いくつかの代替案があります。最もおすすめなのは、「トイレに流せるおしりふき」を携帯することです。これを使えば、外出先でも清潔に拭き取ることができます。また、トイレットペーパーを少し水で濡らして使う「手作りウェットティッシュ」も有効ですが、トイレットペーパーが破れやすくなる点と、トイレに流せる製品以外は詰まりの原因になるため注意が必要です。ペットボトルに水を入れて持ち歩き、簡易的なおしりシャワーとして使うという方法もありますが、トイレの床を濡らさないよう配慮が必要です。
Q. 子供でも同じ対策で大丈夫ですか?
A. 基本的な考え方は大人と同じですが、子供の場合は特に優しく拭くことを徹底してあげてください。子供の皮膚は大人よりもさらにデリケートです。また、子供が自分で拭く場合は、正しい拭き方(前から後ろへ、ゴシゴシしない)を根気強く教えてあげることが大切です。軟便が続く場合は、食事内容を見直したり、小児科に相談したりすることも検討しましょう。子供は便の状態の変化に気づきにくいこともあるため、保護者の方が日頃から気にかけてあげることが重要です。
Q. 拭きすぎるとどうなりますか?
A. きれいにしたい一心で拭きすぎることは、逆効果になります。トイレットペーパーで何度もゴシゴシ擦ると、肛門の皮膚を守っている皮脂膜まで取り去ってしまいます。その結果、皮膚が乾燥してバリア機能が低下し、かゆみや炎症(掻痒症)を引き起こす原因になります。また、物理的な刺激で皮膚が傷つき、切れ痔になってしまうことも。拭く回数は必要最小限にとどめ、「押さえるように優しく」を心がけましょう。ウォシュレットの使いすぎも同様に皮膚の乾燥を招くので注意が必要です。
Q. 何を食べれば便の状態が良くなりますか?
A. 便の状態を良くするためには、「食物繊維」と「発酵食品」を意識的に摂ることがおすすめです。食物繊維は、水溶性(海藻、果物、こんにゃくなど)と不溶性(きのこ、豆類、野菜など)をバランス良く摂ることが理想です。水溶性は便を柔らかくし、不溶性は便のカサを増やして腸を刺激します。また、ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌などの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えるのに役立ちます。同時に、1日に1.5リットル程度の水分をこまめに摂ることも、便を柔らかくするために非常に重要です。
Q. 病院に行くのは恥ずかしいです…
A. そのお気持ちは非常によく分かります。しかし、医師や看護師は医療のプロであり、毎日多くの患者さんのデリケートな悩みに向き合っています。あなたが思う以上に、同じ悩みで受診される方は多いのです。最近では、プライバシーに配慮したクリニックも増えています。例えば、待合室で名前ではなく番号で呼ばれたり、診察室や処置室が個室になっていたり、女性医師が在籍していることをホームページで明記しているところもあります。事前にクリニックのウェブサイトなどを確認し、安心して受診できる環境を探してみるのも一つの方法です。勇気を出して受診することが、長年の悩みから解放されるきっかけになるかもしれません。
まとめ

- 便がパンツにつく主な原因は拭き方、便の状態、痔などです。
- ゴシゴシ拭きはNG、優しく押さえるように拭きましょう。
- 軟便や下痢は拭き残しの大きな原因になります。
- いぼ痔や切れ痔があると、便が残りやすくなります。
- 加齢や出産による骨盤底筋の緩みも一因です。
- ウォシュレットは正しく使えば非常に有効なツールです。
- 「トイレに流せるおしりふき」は外出先の強い味方です。
- 食生活を見直し、理想的な「バナナ便」を目指しましょう。
- 食物繊維と発酵食品をバランス良く摂ることが大切です。
- 骨盤底筋トレーニングは便漏れ改善に効果が期待できます。
- トイレは焦らず、リラックスできる時間を確保しましょう。
- 下着は通気性の良い綿などの天然素材がおすすめです。
- セルフケアで改善しない場合は、病気の可能性も考えられます。
- 出血や痛み、しこりなどがあれば迷わず病院へ行きましょう。
- 専門は肛門科や消化器内科、恥ずかしがらずに相談することが大切です。
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