「スーパーフード」として注目を集めるビーツ。鮮やかな赤色が特徴的で、食卓を華やかに彩ってくれますが、「どうやって食べたらいいの?」「食べる時に気をつけることはある?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。本記事では、ビーツの基本的な食べ方から、栄養、美味しいレシピ、そして食べる際の注意点まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。これを読めば、あなたもビーツを美味しく安全に楽しめるようになるはずです!
ビーツってどんな野菜?驚きの栄養と期待できる効果
ビーツは、その鮮烈な赤色から「火焔菜(かえんさい)」とも呼ばれるアカザ科の野菜です。見た目のインパクトだけでなく、実は栄養満点なスーパーフードとしても知られています。まずは、ビーツが持つ栄養価と、それによって期待できる嬉しい効果について見ていきましょう。
本章では、以下の内容について詳しく解説します。
- 「飲む血液」とも呼ばれるビーツの栄養価
- ビーツに期待できる健康・美容効果
「飲む血液」とも呼ばれるビーツの栄養価
ビーツが「飲む血液」と称されるのは、その豊富な栄養素に由来します。特に注目すべきは、硝酸イオン(NO3-)、カリウム、食物繊維、そしてベタシアニンという色素成分です。
硝酸イオンは、体内で一酸化窒素(NO)に変わります。この一酸化窒素は、血管を拡張させ、血流をスムーズにする働きがあると言われています。そのため、血圧の安定や動脈硬化の予防に役立つと期待されています。アスリートがパフォーマンス向上のために摂取することもある成分です。
カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、高血圧の予防やむくみの改善に貢献します。現代人はナトリウムを過剰摂取しがちなため、意識して摂りたいミネラルの一つです。
食物繊維は、腸内環境を整え、便秘の解消をサポートします。また、血糖値の急上昇を抑える効果や、コレステロール値を下げる効果も期待できるでしょう。ビーツには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方がバランス良く含まれています。
そして、ビーツの鮮やかな赤色の元であるベタシアニンは、ポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用を持つことが知られています。これにより、細胞の老化を防ぎ、生活習慣病の予防やアンチエイジング効果が期待されます。まさに、食べるだけで様々な栄養を補給できる、天然のサプリメントのような野菜なのです。
ビーツに期待できる健康・美容効果
前述した豊富な栄養素により、ビーツには様々な健康効果や美容効果が期待できます。具体的にどのような効果があるのか、いくつかご紹介しましょう。
まず、血流改善による効果です。硝酸イオンから生成される一酸化窒素の働きで血流が促進されると、酸素や栄養素が体の隅々まで行き渡りやすくなります。これにより、冷え性の改善、疲労回復、肩こりの緩和などが期待できます。また、脳への血流も改善されるため、集中力アップや認知機能の維持にも繋がる可能性があります。
次に、生活習慣病の予防効果です。カリウムによる血圧降下作用、食物繊維による血糖値コントロールやコレステロール低下作用、そしてベタシアニンの抗酸化作用は、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病のリスクを低減するのに役立ちます。これらの病気は自覚症状がないまま進行することが多いため、日々の食事で予防を心がけることが大切です。
美容面では、アンチエイジング効果が期待できます。ベタシアニンの強力な抗酸化作用は、シミやシワ、たるみの原因となる活性酸素を除去し、若々しい肌を保つのに貢献します。また、血行が良くなることで肌のターンオーバーが促進され、くすみのない明るい肌へと導いてくれるでしょう。食物繊維による便秘解消も、肌荒れの改善に繋がります。
さらに、ビーツに含まれる葉酸は、赤血球の生成を助けるビタミンであり、貧血予防に効果的です。特に女性は月経や妊娠・出産で鉄分や葉酸が不足しやすいため、積極的に摂取したい栄養素と言えるでしょう。このように、ビーツは健康維持だけでなく、美容や女性特有の悩みのサポートにも役立つ、魅力的な野菜なのです。
【基本】ビーツの美味しい食べ方|下処理から調理法まで
栄養満点なビーツですが、いざ調理しようとすると「どうやって扱えばいいの?」と戸惑う方もいるかもしれません。ここでは、ビーツを美味しく食べるための基本的な下処理方法から、生で食べる場合、加熱して食べる場合のそれぞれのポイントや代表的な調理法をご紹介します。意外と簡単に扱えるので、ぜひチャレンジしてみてください。
本章では、以下の内容について詳しく解説します。
- まずは下処理!ビーツを美味しく食べるための準備
- 生でシャキシャキ!ビーツの美味しい食べ方
- 加熱してホクホク&甘みアップ!ビーツの美味しい食べ方
- 葉や茎も食べられる!捨てずに活用しよう
まずは下処理!ビーツを美味しく食べるための準備
ビーツを美味しく調理するためには、いくつかの下処理のポイントがあります。特に皮のむき方や、場合によってはアク抜きについて知っておくと便利です。これらをマスターすれば、ビーツ料理の幅がぐっと広がりますよ。
皮のむき方
ビーツの皮は、生の状態でも加熱した後でもむくことができます。どちらが良いかは調理法や好みによりますが、一般的には加熱後にむく方が簡単でおすすめです。茹でたり蒸したりすると、皮が手でつるんとむけるようになります。オーブンで焼く場合も、焼き上がってからアルミホイルなどで包んで少し蒸らすと、皮がむきやすくなります。
生で皮をむく場合は、ゴボウのように包丁の背でこそげ取るか、ピーラーを使うと良いでしょう。ただし、ビーツの赤い色素は非常に色がつきやすいため、まな板や手が染まってしまうことがあります。気になる方は、使い捨ての手袋を着用したり、牛乳パックを開いたものやクッキングシートをまな板の上に敷いたりすると汚れを防げます。もし色がついてしまった場合は、レモン汁やお酢など酸性のものを使うと落ちやすくなります。
皮の近くにも栄養があるので、よく洗って皮ごと調理する方法もあります。特にオーブンで丸ごと焼く場合などは、皮付きのままでも美味しくいただけます。
アク抜きの方法 (必要な場合)
ビーツには特有の土臭さやえぐみを感じる方もいます。これが気になる場合は、アク抜きをすることで和らげることができます。ただし、ビーツの風味や栄養を活かすためには、必ずしもアク抜きが必要というわけではありません。特に新鮮なビーツや、甘みが強い品種の場合は、アク抜きなしでも美味しく食べられることが多いです。
アク抜きをする場合の簡単な方法は、茹でる際に少量のお酢やレモン汁を加えることです。これにより、えぐみが抑えられ、色鮮やかに仕上がる効果も期待できます。茹で時間はビーツの大きさにもよりますが、竹串がすっと通るくらいまで、30分~1時間程度が目安です。茹で汁は栄養が溶け出しているので、スープなどに活用するのも良いでしょう。
また、生で食べる場合にアクが気になるようであれば、薄くスライスしたり細かく刻んだりした後に、水に短時間さらすという方法もあります。ただし、長時間さらしすぎると水溶性の栄養素が流れ出てしまうため、5分程度を目安にしましょう。アク抜きの必要性は個人の好みやビーツの状態によるので、一度試してみて調整するのがおすすめです。
生でシャキシャキ!ビーツの美味しい食べ方
ビーツは加熱せずに生で食べることも可能です。生のビーツは、シャキシャキとした独特の食感と、ほんのりとした甘み、そして大地の香りが楽しめます。栄養素を丸ごと摂取できるのも生の魅力の一つです。ここでは、生でビーツを美味しく食べる代表的な方法をご紹介します。
サラダ
生のビーツを使ったサラダは、手軽で彩りも豊か。薄くスライスしたり、千切りにしたり、さいの目切りにしたりと、切り方によって食感の変化も楽しめます。ドレッシングは、柑橘系の酸味があるものや、バルサミコ酢、ヨーグルトベースのものなどがよく合います。ナッツやチーズ、オレンジなどのフルーツと組み合わせるのもおすすめです。
例えば、薄切りにしたビーツとルッコラ、クルミ、フェタチーズを合わせ、オリーブオイルとレモン汁、塩胡椒で和えれば、おしゃれで栄養満点な一品が完成します。ビーツの甘みとルッコラの苦味、クルミの香ばしさ、チーズの塩気が絶妙なハーモニーを生み出します。赤い色素が他の食材に移るのが気になる場合は、食べる直前に和えるようにしましょう。
スムージー
ビーツはスムージーの材料としても非常に人気があります。鮮やかなピンク色や赤色のスムージーは見た目も可愛らしく、食欲をそそります。リンゴやバナナ、ベリー系のフルーツと一緒にミキサーにかけると、ビーツ特有の土っぽさが和らぎ、飲みやすくなります。ヨーグルトや牛乳、豆乳を加えると、よりマイルドな味わいになります。
例えば、生のビーツ(少量から試すのがおすすめ)、バナナ、冷凍ミックスベリー、牛乳または豆乳、お好みではちみつをミキサーにかければ、手軽に栄養満点のスムージーが作れます。ビーツの量を調整することで、風味や色の濃さを変えることができます。朝食や間食にぴったりの一品です。生のビーツは消化に時間がかかる場合があるので、少量から試してみて、お腹の調子を見ながら量を調整するのがポイントです。
加熱してホクホク&甘みアップ!ビーツの美味しい食べ方
ビーツは加熱することで、生の時とはまた違った魅力を発揮します。加熱すると特有の土臭さが和らぎ、甘みがぐっと増してホクホクとした食感に変わります。様々な調理法で楽しめるので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。
茹でる
ビーツの加熱方法として最もポピュラーなのが茹でる方法です。皮付きのまま丸ごと茹でるのが基本で、こうすることで栄養や旨味、そして鮮やかな色が流れ出るのを最小限に抑えられます。鍋にビーツと、かぶるくらいの水、そして少量のお酢(またはレモン汁)を加えて火にかけます。沸騰したら弱火にし、竹串がすっと通るまで30分~1時間ほど茹でます。茹で上がったら冷水にとり、粗熱が取れたら手で皮をむきます。つるんと簡単にむけますよ。
茹でたビーツは、そのままスライスしてサラダに加えたり、マッシュしてディップにしたり、スープの具材にしたりと幅広く活用できます。茹で汁も栄養が溶け出しているので、捨てずにスープストックとして利用するのもおすすめです。ただし、茹ですぎると食感が損なわれることがあるので注意しましょう。
焼く・オーブン焼き
オーブンで焼くと、ビーツの甘みが凝縮され、香ばしさも加わります。皮付きのまま、または皮をむいて適当な大きさにカットし、オリーブオイルと塩胡椒を絡めてオーブンで焼くのがシンプルな楽しみ方です。アルミホイルで包んで蒸し焼きにすると、よりしっとりと仕上がります。ローズマリーやタイムなどのハーブと一緒に焼くと風味豊かになります。
焼き時間は、ビーツの大きさやオーブンの機種にもよりますが、200℃で30分~1時間程度が目安です。焼き上がったビーツは、そのまま付け合わせにしたり、サラダのトッピングにしたり、他の野菜と一緒にローストベジタブルとして楽しんだりできます。特に、ヤギのチーズやバルサミコ酢との相性は抜群です。
蒸す
蒸し器や電子レンジを使って蒸す方法も手軽でおすすめです。蒸すことで、茹でるよりも水っぽくならず、ビーツ本来の風味や栄養を損ないにくいというメリットがあります。皮付きのまま、または皮をむいて適当な大きさにカットし、蒸し器で20~40分程度蒸します。電子レンジの場合は、耐熱皿にビーツを並べ、少量の水を加えてラップをし、600Wで5~10分程度加熱します(大きさによって調整)。
蒸したビーツは、茹でたものと同様に様々な料理に使えます。温野菜サラダや、マッシュポテトのように潰してバターやハーブと混ぜるのも美味しいです。加熱時間が比較的短く済むのも嬉しいポイントですね。
葉や茎も食べられる!捨てずに活用しよう
スーパーでビーツを購入する際、葉や茎がついたまま売られていることがあります。実は、この葉や茎も美味しく食べられることをご存知でしょうか。捨ててしまうのはもったいない!ビーツの葉はほうれん草に似た味わいで、鉄分やビタミンA、ビタミンCなどが豊富に含まれています。茎の部分はシャキシャキとした食感が楽しめます。
調理法としては、葉はほうれん草のように炒め物やおひたし、スムージーなどに使えます。若い葉であれば生のままサラダに加えても美味しいです。茎は、細かく刻んで炒め物やスープの具材にしたり、ピクルスにしたりするのがおすすめです。アクが気になる場合は、さっと茹でてから調理すると良いでしょう。
ただし、葉や茎は根の部分よりも傷みやすいため、購入したら早めに調理するか、根と切り離して別々に保存するようにしましょう。根も葉も丸ごと栄養満点のビーツを、余すところなく味わってみてください。
ビーツを食べる際の注意点|安全に楽しむために知っておきたいこと
栄養豊富で美味しいビーツですが、食べる際にはいくつか知っておきたい注意点があります。これらを理解しておくことで、より安心してビーツを楽しむことができます。特に、体の変化や特定の成分について事前に知識を持っておくことが大切です。
本章では、以下の内容について詳しく解説します。
- 尿や便が赤くなるけど大丈夫?
- シュウ酸の摂りすぎに注意(結石のリスク)
- 食物繊維が豊富だからこその注意点(お腹の調子)
- アレルギーの可能性は?
- 食べ過ぎはNG?適量を知ろう
- 妊娠中や授乳中の摂取について
尿や便が赤くなるけど大丈夫?
ビーツを食べた後、尿や便が赤みがかった色になることがあります。これは「ビーツ尿(beeturia)」や「ビーツ便」と呼ばれる現象で、ビーツに含まれる赤い色素「ベタシアニン」が消化吸収されずに体外へ排出されるために起こります。初めて経験すると驚くかもしれませんが、これは病気ではなく、健康な人にも起こりうる自然な反応なので心配いりません。
ベタシアニンはポリフェノールの一種で、体に害のある成分ではありません。むしろ抗酸化作用を持つ有益な成分です。ただし、尿や便の色が赤い状態がビーツを食べていない時にも続く場合や、他に体調不良がある場合は、消化器系の出血など他の原因も考えられるため、医療機関を受診するようにしましょう。
この現象が起こるかどうかは個人差があり、食べた量や体質によっても異なります。もし色が気になる場合は、ビーツを食べる量を少し減らしてみると良いかもしれません。いずれにしても、ビーツによる一時的な色の変化であれば、健康上の問題はないと理解しておきましょう。
シュウ酸の摂りすぎに注意(結石のリスク)
ビーツには「シュウ酸」という成分が含まれています。シュウ酸は、ほうれん草やたけのこなどにも含まれるアクの成分の一つで、体内でカルシウムと結合するとシュウ酸カルシウムという不溶性の結晶になります。これが尿路で大きくなると、尿路結石の原因となる可能性があります。
健康な人が通常の量を食べる分には問題ありませんが、過去に尿路結石を患ったことがある方や、腎機能に不安がある方は、ビーツの摂取量に注意が必要です。シュウ酸は水に溶けやすい性質があるため、ビーツを茹でることで含有量を減らすことができます。茹で汁を捨てることで、シュウ酸の摂取を抑える効果が期待できます。
また、カルシウムを多く含む食品(牛乳、ヨーグルト、小魚など)と一緒に摂取すると、シュウ酸が腸内でカルシウムと結合し、便として排出されやすくなるため、体内に吸収されるシュウ酸の量を減らすことができます。心配な方は、医師や管理栄養士に相談の上、摂取するようにしましょう。
食物繊維が豊富だからこその注意点(お腹の調子)
ビーツは食物繊維を豊富に含んでおり、便秘解消や腸内環境の改善に役立ちます。しかし、普段あまり食物繊維を摂らない人が急にたくさんのビーツを食べたり、一度に大量に摂取したりすると、お腹が張ったり、ガスが溜まったり、下痢や便秘が悪化したりすることがあります。これは、腸が活発に動きすぎるためや、腸内細菌のバランスが一時的に変化するためです。
このような症状を避けるためには、まずは少量から試し、徐々に量を増やしていくのがおすすめです。また、食物繊維を摂取する際は、水分も十分に摂ることが大切です。水分が不足すると、便が硬くなり、かえって便秘を招くこともあります。
特に過敏性腸症候群(IBS)の方など、元々お腹がデリケートな方は、ビーツの摂取によって症状が悪化する可能性も考慮し、体調を見ながら慎重に試すようにしてください。もし不快な症状が出た場合は、摂取量を減らすか、一時的に中断しましょう。
アレルギーの可能性は?
ビーツに対するアレルギー反応は非常に稀ですが、可能性が全くないわけではありません。どんな食品でもアレルギーを引き起こす可能性はあります。ビーツを食べた後に、口の中や喉にかゆみや違和感、じんましん、皮膚の発疹、腹痛、下痢、吐き気、呼吸困難などの症状が現れた場合は、アレルギー反応の可能性があります。
特に、他のアカザ科の植物(ほうれん草、フダンソウ、キヌアなど)にアレルギーがある方は、交差反応を起こす可能性も考えられるため、注意が必要です。初めてビーツを食べる際は、少量から試し、体調に変化がないかよく観察するようにしましょう。
もしアレルギーが疑われる症状が出た場合は、すぐに食べるのを中止し、速やかに医療機関を受診してください。自己判断せずに、医師の指示を仰ぐことが重要です。アナフィラキシーショックのような重篤な症状が現れることも稀にあるため、軽視しないようにしましょう。
食べ過ぎはNG?適量を知ろう
ビーツは栄養価が高い野菜ですが、だからといって食べ過ぎは禁物です。前述したシュウ酸による結石のリスクや、食物繊維の摂りすぎによるお腹の不調のほかにも、ビーツに含まれる糖分も考慮する必要があります。ビーツは野菜の中では比較的糖質が多い部類に入ります。適量であれば問題ありませんが、糖尿病の方や血糖値が気になる方は、摂取量に注意が必要です。
また、ビーツに含まれる硝酸イオンは、適量であれば血流改善などの良い効果が期待できますが、過剰に摂取すると、まれにメトヘモグロビン血症という血液の酸素運搬能力が低下する状態を引き起こす可能性が指摘されています(特に乳幼児)。ただし、通常の食事で摂取する量であれば、健康な成人がこの状態になるリスクは極めて低いと考えられています。
明確な「1日の適量」というのは定められていませんが、一般的には、1日に中サイズ(直径7~8cm程度)のビーツを1/2個~1個程度を目安にするのが良いでしょう。他の野菜とのバランスも考えながら、美味しく健康的に取り入れることが大切です。何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。
妊娠中や授乳中の摂取について
妊娠中や授乳中の方は、食事に特に気を使う時期かと思います。ビーツには、胎児の正常な発育に不可欠な栄養素である「葉酸」が豊富に含まれているため、妊娠初期の方には特におすすめの野菜と言えます。また、鉄分も含まれているため、妊娠中に起こりやすい貧血の予防にも役立ちます。
ただし、注意点もあります。前述のシュウ酸については、過剰摂取を避けるために、茹でてアク抜きをするなどの工夫をすると良いでしょう。また、硝酸イオンの過剰摂取によるメトヘモグロビン血症のリスクは、特に乳児において注意が必要とされています。授乳を通じて赤ちゃんに影響が出る可能性は低いと考えられていますが、心配な場合は大量摂取を避け、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
食物繊維が豊富なので、便秘に悩まされやすい妊娠中には助けになりますが、食べ過ぎるとお腹が緩くなる可能性もあります。基本的には、妊娠中・授乳中でも適量であれば問題なく食べられる野菜ですが、不安な点があればかかりつけの医師や管理栄養士に相談するようにしましょう。体調に合わせて、無理なく取り入れるのがポイントです。
もっと楽しむ!ビーツの人気レシピ集
ビーツの基本的な食べ方や注意点が分かったところで、次は具体的なレシピに挑戦してみましょう。ビーツはその鮮やかな色合いと独特の風味で、様々な料理を美味しく、そして華やかに演出してくれます。ここでは、家庭でも手軽に作れる人気のビーツレシピをいくつかご紹介します。ぜひ、レパートリーに加えてみてください。
本章では、以下の内容について詳しく解説します。
- 定番!彩り鮮やかビーツサラダ
- 体が温まる!本格ボルシチ(ビーツスープ)
- 簡単ヘルシー!ビーツスムージー
- おしゃれな一品!ビーツのピクルス
- アレンジ色々!ビーツのディップソース
定番!彩り鮮やかビーツサラダ
ビーツ料理の定番といえば、やはりサラダです。生のシャキシャキ感も、加熱したホクホク感も、どちらもサラダで楽しめます。ここでは、茹でたビーツを使った、彩り豊かで栄養満点なサラダのレシピをご紹介します。
材料(2人分):
- 茹でたビーツ:中1個(約150g)
- オレンジ:1個
- ベビーリーフ:適量
- くるみ(ローストしたもの):大さじ2
- フェタチーズ(またはカッテージチーズ):30g
- A) オリーブオイル:大さじ2
- A) バルサミコ酢:大さじ1
- A) はちみつ(またはメープルシロップ):小さじ1/2
- A) 塩:少々
- A) 黒こしょう:少々
作り方:
- 茹でたビーツは皮をむき、1cm角のさいの目に切るか、薄切りにします。オレンジは皮と薄皮をむき、一口大に切ります。
- ボウルにAの材料を混ぜ合わせ、ドレッシングを作ります。
- 器にベビーリーフを敷き、ビーツ、オレンジ、砕いたくるみ、手で崩したフェタチーズを彩りよく盛り付けます。
- 食べる直前にドレッシングをかければ完成です。
このサラダは、ビーツの甘みとオレンジの酸味、チーズの塩気、くるみの食感が絶妙なハーモニーを生み出します。ドレッシングにディジョンマスタードを少量加えると、味が引き締まります。見た目も華やかなので、おもてなし料理にもぴったりです。茹でたビーツの代わりに、市販のビーツの水煮缶を使っても手軽に作れますよ。
体が温まる!本格ボルシチ(ビーツスープ)
ビーツを使った代表的な料理といえば、東欧の伝統的なスープ「ボルシチ」を思い浮かべる方も多いでしょう。鮮やかな赤い色が特徴的で、野菜もたっぷり摂れる栄養満点のスープです。少し手間はかかりますが、本格的な味わいは格別です。
材料(4人分):
- 牛すね肉(または肩ロース):300g
- ビーツ:中2個(約300g)
- 玉ねぎ:1個
- にんじん:1本
- じゃがいも:2個
- キャベツ:1/4個
- セロリ:1/2本
- トマト缶(カット):1缶(400g)
- にんにく:1かけ
- ローリエ:1枚
- ビーフブイヨン(固形または顆粒):適量
- 水:800ml~1L
- 塩:適量
- こしょう:適量
- サラダ油:大さじ1
- サワークリーム(またはヨーグルト):適量
- ディル(またはパセリ):適量
作り方:
- 牛肉は一口大に切り、塩こしょうで下味をつけます。ビーツ、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、セロリは皮をむき、1.5cm角に切ります。キャベツはざく切り、にんにくはみじん切りにします。
- 厚手の鍋にサラダ油とにんにくを熱し、香りが出たら牛肉を炒めます。焼き色がついたら玉ねぎ、にんじん、セロリを加えて炒め合わせます。
- ビーツ、じゃがいも、キャベツ、トマト缶、水、ローリエ、ビーフブイヨンを加え、煮立ったらアクを取り、弱火で牛肉と野菜が柔らかくなるまで1時間~1時間半ほど煮込みます。
- 塩こしょうで味を調えます。器に盛り、サワークリームを乗せ、刻んだディルを散らして完成です。
ボルシチは、煮込むほどに味わい深くなるのが特徴です。ビーツの甘みと野菜の旨みが溶け出し、体の中から温まります。牛肉の代わりに鶏肉やソーセージを使ったり、きのこ類を加えたりするのもおすすめです。仕上げにレモン汁を少し加えると、味が引き締まり、色も鮮やかになります。
簡単ヘルシー!ビーツスムージー
手軽にビーツの栄養を摂りたいなら、スムージーがおすすめです。鮮やかな色合いで、朝食やおやつにもぴったり。フルーツと組み合わせることで、ビーツ特有の土っぽさも和らぎ、美味しくいただけます。
材料(1~2人分):
- 生のビーツ(皮をむき、小さめにカット):50g~80g(お好みで調整)
- バナナ:1本
- 冷凍ミックスベリー:100g
- 牛乳(または豆乳、アーモンドミルク、水):150ml~200ml
- はちみつ(またはメープルシロップ):小さじ1~2(お好みで)
- レモン汁:小さじ1/2(お好みで)
作り方:
- ミキサーに全ての材料を入れます。
- 滑らかになるまでよく撹拌します。
- グラスに注いで完成です。
ビーツの量は、最初は少なめから試して、徐々に好みの量に調整するのがポイントです。バナナの代わりにリンゴやパイナップル、ベリーの代わりにマンゴーなど、お好みのフルーツでアレンジも楽しめます。ヨーグルトを加えたり、チアシードやスピルリナなどのスーパーフードをプラスしたりするのも良いでしょう。生のビーツの代わりに、茹でたビーツや市販のビーツパウダーを使っても作れます。
おしゃれな一品!ビーツのピクルス
ビーツの鮮やかな色を活かしたピクルスは、作り置きにも便利でおしゃれな一品です。箸休めやサラダのトッピング、サンドイッチの具材など、幅広く活用できます。程よい酸味とビーツの甘みが食欲をそそります。
材料:
- ビーツ:中2個(約300g)
- A) 酢(米酢、りんご酢など):150ml
- A) 水:100ml
- A) 砂糖:大さじ3~4
- A) 塩:小さじ1
- A) ローリエ:1枚
- A) 黒こしょう(ホール):5~6粒
- A) 赤唐辛子(輪切りまたは種を除く):1/2本(お好みで)
作り方:
- ビーツは皮付きのまま茹でるか蒸して、竹串がすっと通るくらいに柔らかくします。粗熱が取れたら皮をむき、5mm~1cm厚さの輪切りや半月切り、くし形切りなど、好みの形に切ります。
- 鍋にAの材料を全て入れ、火にかけて砂糖と塩が溶けるまで加熱し、ピクルス液を作ります。一度沸騰させてアルコールを飛ばします。
- 清潔な保存容器に切ったビーツを入れ、熱いピクルス液を注ぎ入れます。ビーツが完全に浸るようにします。
- 粗熱が取れたら冷蔵庫で保存し、半日~1日漬け込めば食べ頃です。
ピクルス液にディルやクローブ、マスタードシードなどのスパイスを加えると、より風味豊かに仕上がります。保存期間は冷蔵庫で1~2週間程度が目安です。漬け込むほどに味が染み込み、色も鮮やかになります。他の野菜(きゅうり、にんじん、玉ねぎなど)と一緒に漬け込んでも美味しいですよ。
アレンジ色々!ビーツのディップソース
茹でたり蒸したりしたビーツを使って、鮮やかな色のディップソースを作るのもおすすめです。野菜スティックやクラッカー、パンにつけて楽しめます。パーティーやおもてなしにも喜ばれる一品です。
材料:
- 茹でた(または蒸した)ビーツ:中1個(約150g)
- プレーンヨーグルト(水切りしても良い):100g
- クリームチーズ(室温に戻す):50g(省略可、その場合はヨーグルトを増やす)
- にんにく(すりおろし):少々(チューブでも可)
- レモン汁:大さじ1/2~1
- オリーブオイル:大さじ1
- 塩:少々
- こしょう:少々
- クミンパウダー(お好みで):少々
- ディルやパセリ(みじん切り、飾り用):適量
作り方:
- 茹でたビーツは皮をむき、適当な大きさに切ります。
- フードプロセッサーまたはミキサーに、ビーツ、ヨーグルト、クリームチーズ、すりおろしにんにく、レモン汁、オリーブオイル、塩、こしょう、クミンパウダーを入れ、滑らかになるまで撹拌します。
- 味を見て、塩やレモン汁で調整します。
- 器に盛り、お好みでオリーブオイル(分量外)を少量垂らし、刻んだディルやパセリを散らして完成です。
このディップは、タヒニ(ごまペースト)を少量加えるとフムス風になり、また違った味わいが楽しめます。ヨーグルトの代わりに豆腐を使ってもヘルシーに仕上がります。ナッツ(くるみやアーモンドなど)を加えて食感をプラスするのも良いでしょう。鮮やかなピンク色が食卓を華やかにしてくれます。
新鮮なビーツの選び方と正しい保存方法
せっかくビーツを料理するなら、新鮮で美味しいものを選びたいですよね。また、購入したビーツを長持ちさせるための正しい保存方法も知っておくと便利です。ここでは、美味しいビーツを見分けるポイントと、冷蔵・冷凍それぞれの保存テクニックをご紹介します。
本章では、以下の内容について詳しく解説します。
- 美味しいビーツを見分けるポイント
- 長持ちさせる!ビーツの冷蔵保存テクニック
- 大量消費に!ビーツの冷凍保存テクニック
美味しいビーツを見分けるポイント
新鮮で美味しいビーツを選ぶには、いくつかのポイントがあります。まず、表面に傷やシワがなく、ハリとツヤがあるものを選びましょう。皮の色が均一で、鮮やかな赤紫色をしているものが良品です。部分的に緑色がかっていたり、黒ずんでいたりするものは避けましょう。
形は、丸々と太っていて、ずっしりと重みを感じるものがおすすめです。持った時に軽いものは、水分が抜けていたり、中がスカスカだったりする可能性があります。また、ひげ根が多すぎないもの、そして肩の部分がゴツゴツしていない、滑らかなものが良いでしょう。
葉付きで売られている場合は、葉がシャキッとしていて、鮮やかな緑色をしているものが新鮮な証拠です。葉がしなびていたり、黄色く変色していたりするものは、収穫から時間が経っている可能性があります。葉付きのものは、葉からも栄養や水分が奪われるため、購入後は早めに葉と根を切り分けて保存するのがポイントです。これらの点をチェックして、美味しいビーツを選んでくださいね。
長持ちさせる!ビーツの冷蔵保存テクニック
ビーツは比較的日持ちのする野菜ですが、正しい方法で保存することで、より長く鮮度を保つことができます。まず、葉付きで購入した場合は、すぐに葉と根を切り分けます。葉を付けたままにしておくと、葉が根の水分や養分を吸い上げてしまい、根の部分が早くしなびてしまう原因になります。切り分けた葉は、湿らせたキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存し、早めに使い切りましょう。
根の部分は、土が付いている場合は軽く払い落とす程度にし、洗わずに保存します。水分が付いていると傷みやすくなるためです。一つずつキッチンペーパーや新聞紙で包み、さらにポリ袋に入れて口を軽く閉じ、冷蔵庫の野菜室で保存します。この方法で、おおよそ2週間~1ヶ月程度は保存可能です。ただし、カットしたものは乾燥しやすく傷みも早いため、ラップでぴったりと包み、2~3日中に使い切るようにしましょう。
茹でたり蒸したりして加熱調理したビーツは、粗熱を取ってから密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。この場合は、3~5日程度を目安に食べきるようにしてください。
大量消費に!ビーツの冷凍保存テクニック
ビーツをたくさん手に入れた場合や、すぐに使い切れない場合は、冷凍保存が便利です。冷凍することで、長期間保存が可能になり、使いたい時に手軽に利用できます。ビーツは生のままでも、加熱してからでも冷凍できます。
生のまま冷凍する場合は、皮をむいて使いやすい大きさにカット(薄切り、さいの目切り、すりおろしなど)し、冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、平らにして冷凍します。生のまま冷凍したものは、解凍せずにそのままスムージーや炒め物、煮込み料理などに使えます。ただし、解凍すると水分が出て食感が少し変わることがあります。
加熱してから冷凍する場合は、茹でるか蒸すかして火を通し、粗熱を取ってから皮をむき、使いやすい大きさにカットします。水気をよく拭き取ってから、少量ずつラップで包むか、冷凍用の保存袋に入れて冷凍します。マッシュしてから冷凍するのも良いでしょう。加熱後に冷凍したものは、解凍後も食感の変化が少なく、サラダや和え物、スープなど幅広く使えます。解凍は、冷蔵庫で自然解凍するか、電子レンジの解凍機能を使うと良いでしょう。
冷凍したビーツの保存期間は、おおよそ1~2ヶ月程度が目安です。冷凍する際に日付を記入しておくと管理しやすくなります。上手に冷凍保存を活用して、ビーツを無駄なく美味しく楽しみましょう。
ビーツに関するよくある質問 (FAQ)
ここでは、ビーツに関するさまざまな疑問にお答えします。
ビーツはどこで買えますか?
ビーツは、以前は珍しい野菜でしたが、最近では一般的なスーパーマーケットの野菜売り場でも見かけることが増えてきました。特に、大型のスーパーや、輸入食材を多く扱うお店、デパートの食品売り場、オーガニック食品専門店、農産物直売所(道の駅など)では比較的手に入りやすいでしょう。旬の時期(主に初夏と秋~冬)には、より多くの場所で見かけることができます。
また、インターネット通販でも、生のビーツや水煮缶、パウダー状のものなど、様々な形で販売されています。近所で見つからない場合は、通販を利用するのも一つの方法です。水煮缶やパウダーは保存も効き、手軽に使えるので便利です。
ビーツの旬はいつですか?
ビーツの旬は、主に年に2回あります。一つは初夏から夏にかけて(6月~7月頃)で、もう一つは秋から冬にかけて(10月~12月頃)です。春に種をまくと初夏に収穫でき、夏に種をまくと秋から冬に収穫できます。ハウス栽培も行われているため、年間を通して手に入れることは可能ですが、旬の時期のものは特に風味が良く、栄養価も高いと言われています。
旬の時期には、葉付きの新鮮なビーツが出回ることが多く、価格も比較的お手頃になる傾向があります。ぜひ旬の美味しさを味わってみてください。
ビーツの皮は食べられますか?
ビーツの皮は、基本的には食べても問題ありません。特に若いビーツや、よく洗ってあれば、皮ごと調理しても大丈夫です。皮の近くにも栄養が含まれていると言われています。オーブンで丸ごとローストする場合などは、皮付きのまま調理すると風味も良く仕上がります。
ただし、皮は少し硬く、土臭さを感じやすい部分でもあります。食感や風味が気になる場合は、むいた方が美味しくいただけます。生で食べる場合や、滑らかな舌触りに仕上げたい料理(スープやピュレなど)の場合は、皮をむくのが一般的です。加熱後にむくと手で簡単にむけるのでおすすめです。
ビーツを生で食べる場合、アク抜きは必要ですか?
ビーツを生で食べる際にアク抜きが必要かどうかは、個人の好みやビーツの状態によります。ビーツには特有の土臭さやえぐみがあり、これが気になる場合はアク抜きをすると和らぎます。簡単なアク抜き方法としては、薄くスライスしたり細かく刻んだりした後に、短時間(5分程度)水にさらすという方法があります。
しかし、アク抜きをすることで水溶性の栄養素が流れ出てしまう可能性もあります。新鮮なビーツや甘みが強い品種の場合は、アク抜きなしでも美味しく食べられることが多いです。まずは少量を生で試してみて、風味が気になるようであればアク抜きを検討するのが良いでしょう。
ビーツを食べるとうんちが赤くなるのはなぜですか?病気じゃない?
ビーツを食べた後に便が赤くなるのは、ビーツに含まれる天然色素「ベタシアニン」が原因です。この色素が消化吸収されずにそのまま排出されるため、便が赤みがかった色になることがあります。これは「ビーツ便」とも呼ばれ、健康な人にも起こりうる自然な現象であり、病気ではありませんので心配いりません。
同様に、尿が赤くなる「ビーツ尿」も起こることがあります。ただし、ビーツを食べていないのに便や尿が赤い状態が続く場合や、他に腹痛や体調不良がある場合は、消化器系の出血など他の原因も考えられるため、医療機関を受診するようにしてください。
ビーツは毎日食べても大丈夫ですか?
ビーツは栄養豊富な野菜ですが、毎日食べる場合は適量を守ることが大切です。一般的には、1日に中サイズ(直径7~8cm程度)のビーツを1/2個~1個程度が目安とされています。毎日大量に食べ続けると、シュウ酸の摂りすぎによる尿路結石のリスクや、食物繊維の摂りすぎによるお腹の不調、糖質の摂りすぎなどが懸念されます。
他の野菜とのバランスも考えながら、食事全体の一部として取り入れるのが理想的です。特定の食品だけを過剰に摂取するのではなく、様々な食材をバランス良く食べることが健康の基本です。体調に変化がないか気を配りながら、適量を楽しむようにしましょう。
子供にビーツを食べさせてもいいですか?何歳から?
ビーツは栄養価が高いため、子供にも食べさせたい野菜の一つです。離乳食後期(9ヶ月頃~)から、少量ずつ試してみることができます。最初は加熱して柔らかくし、ペースト状にしたり、細かく刻んだりして与えましょう。甘みがあるので、比較的食べやすい野菜です。
ただし、注意点もあります。ビーツに含まれる硝酸イオンは、乳幼児が過剰に摂取するとメトヘモグロビン血症を引き起こすリスクが成人に比べて高いとされています。そのため、与えすぎには注意が必要です。また、食物繊維も豊富なので、お腹の調子を見ながら少量から始めるようにしましょう。アレルギーの可能性も考慮し、初めて与える際はごく少量にし、食後の様子をよく観察してください。心配な場合は、かかりつけの医師や管理栄養士に相談すると良いでしょう。
ビーツの缶詰や水煮の使い方は?
ビーツの缶詰や水煮(パウチパックなど)は、下処理済みでそのまま使えるので非常に便利です。生のビーツが手に入りにくい時や、手軽に調理したい時に役立ちます。使い方は様々で、サラダのトッピング、スムージーの材料、スープ(ボルシチなど)の具材として手軽に加えられます。
缶詰や水煮のビーツは、すでに加熱されているため、そのまま食べられます。スライスしてサンドイッチに挟んだり、細かく刻んでディップソースにしたりするのもおすすめです。製品によっては、すでに味がついているもの(甘酢漬けなど)もあるので、パッケージの表示を確認して料理に合わせて選びましょう。開封後は、残りを密閉容器に移して冷蔵庫で保存し、早めに使い切るようにしてください。
まとめ
- ビーツは栄養豊富で「飲む血液」とも呼ばれる。
- 主な栄養素は硝酸イオン、カリウム、食物繊維、ベタシアニン。
- 血流改善、生活習慣病予防、美容効果が期待できる。
- 下処理は皮むきと、場合によりアク抜きを行う。
- 生の食べ方はサラダやスムージーがおすすめ。
- 加熱すると甘みが増し、茹でる、焼く、蒸す調理法がある。
- 葉や茎も栄養があり、炒め物などで食べられる。
- 注意点として、尿や便が赤くなることがある(無害)。
- シュウ酸を含むため、結石リスクのある人は注意。
- 食物繊維が豊富なので、食べ過ぎるとお腹の調子を崩すことも。
- 稀にアレルギー反応が出る可能性も。
- 食べ過ぎは避け、1日1/2~1個程度が目安。
- 妊娠中・授乳中も適量なら有益だが、医師に相談も。
- 人気レシピはサラダ、ボルシチ、スムージー、ピクルス、ディップ。
- 新鮮なビーツはハリがあり重いもの、葉付きなら葉が新鮮なものを選ぶ。
- 冷蔵保存は葉と根を分け、新聞紙等で包み野菜室で2週間~1ヶ月。
- 冷凍保存は生でも加熱後でも可能、1~2ヶ月保存できる。
- スーパー、直売所、通販などで購入可能。
- 旬は初夏(6-7月)と秋冬(10-12月)。
- 皮は食べられるが、食感が気になるならむく。
- 生食時のアク抜きは好みで。水に短時間さらす。
- 子供は離乳食後期から少量ずつ、硝酸イオンに注意。
- 缶詰や水煮は下処理不要で手軽に使える。