夜も眠れないほどの激しいかゆみ、その原因はもしかしたら「トコジラミ」かもしれません。最近、海外だけでなく日本国内でも被害が急増しているトコジラミに、多くの方が不安を感じています。「家にトコジラミを寄せ付けたくない」「何か効果的な対策はないの?」そんな切実な悩みを抱えていませんか?
本記事では、そんな悩みを解決するために、トコジラミが嫌う匂いから、科学的根拠に基づいた効果的な対策、万が一発生してしまった場合の駆除方法まで、網羅的に解説します。この記事を読めば、トコジラミに対する正しい知識が身につき、今日から実践できる具体的な対策が分かります。
トコジラミが嫌いな匂い、本当に効果はあるの?

トコジラミ対策として「特定の匂いが効く」という話を耳にしたことがあるかもしれません。確かに、トコジラミが嫌がる匂いは存在し、寄せ付けないための「忌避効果」が期待できます。しかし、その効果には限界があることも理解しておくことが重要です。ここでは、科学的にも忌避効果が期待できる匂いや、その効果の限界について詳しく解説します。
本章では、以下の点について詳しく見ていきましょう。
- 科学的に忌避効果が期待できる匂い一覧
- 匂いの効果には限界も!あくまで「忌避」が目的
- 匂いだけでは駆除できない!繁殖してしまった場合の注意点
科学的に忌避効果が期待できる匂い一覧
研究により、いくつかの植物由来の香り成分がトコジラミに対して忌避効果を持つことが示されています。これらの匂いを活用することで、トコジラミが寄り付きにくい環境を作ることが可能です。
最も効果が期待されているのが「樟脳(しょうのう)」の香りです。 樟脳はクスノキから抽出される成分で、古くから防虫剤として利用されてきた歴史があります。そのツンとした独特の香りをトコジラミは非常に嫌います。
また、アロマオイル(精油)に含まれる特定の成分にも忌避効果が報告されています。特に効果が高いとされるのが以下のものです。
- オレガノ: 研究では高い忌避率が示されており、樟脳と並んで注目されています。
- ハッカ油(ペパーミント): 清涼感のあるメントールの香りが、トコジラミだけでなく多くの虫を遠ざけます。
- ティーツリー: 殺菌作用でも知られますが、そのシャープな香りもトコジラミ対策に有効です。
- レモングラス: 爽やかな柑橘系の香りは、虫除けの定番です。
- ラベンダー: リラックス効果で知られる香りですが、トコジラミは好まないようです。
これらの香りを上手に利用して、トコジラミからの被害を未然に防ぎましょう。
匂いの効果には限界も!あくまで「忌避」が目的
ここで非常に重要な点をお伝えします。それは、これらの匂いの効果は、あくまでトコジラミを「寄せ付けにくくする」忌避効果がメインであるということです。 つまり、匂いによってトコジラミを殺したり、完全に駆除したりすることはできません。
匂い対策は、まだトコジラミの被害がない家庭での「予防」や、旅行先で自分の身を守るための「一時的な対策」として非常に有効です。例えば、寝室やクローゼットに樟脳を置いたり、旅行先のホテルのベッド周りにアロマスプレーを吹きかけたりすることで、トコジラミが近寄ってくるリスクを減らすことができます。
しかし、すでに家の中にトコジラミが侵入し、繁殖を始めている場合には、匂いだけでは根本的な解決には至らないのです。
匂いだけでは駆除できない!繁殖してしまった場合の注意点
もし家の中でトコジラミの成虫や、後述する「血糞(けっぷん)」などの痕跡を見つけてしまった場合、それはすでにトコジラミが住み着き、繁殖しているサインかもしれません。こうなると、忌避効果のある匂いを使っても、トコジラミは匂いの届かない場所に移動するだけで、家の中からいなくなるわけではありません。
むしろ、中途半端な対策は被害を他の部屋へ拡大させてしまう危険性すらあります。トコジラミは非常に繁殖力が強く、1匹のメスは生涯に200〜500個もの卵を産むと言われています。 そのため、繁殖が疑われる場合は、匂いによる対策と並行して、より強力な駆除方法を検討する必要があります。
次の章からは、匂いを活用した具体的な予防策と、万が一発生してしまった場合の駆除方法について詳しく解説していきます。
匂いを使ったトコジラミ対策!手軽にできる予防法

トコジラミの被害を未然に防ぐためには、彼らが嫌う匂いを上手に活用するのが効果的です。ここでは、誰でも簡単に始められる、匂いを使った予防方法を具体的にご紹介します。市販品に頼るだけでなく、自分で作ることも可能ですので、ぜひ試してみてください。
この章でご紹介するのは、以下の3つの方法です。
- 自作できる!アロマスプレーの作り方と使い方
- 市販の忌避剤を選ぶ際のポイント
- 匂い袋(サシェ)などを活用する方法
自作できる!アロマスプレーの作り方と使い方
自分で作れるアロマスプレーは、手軽で経済的な予防策です。特に、旅行先や外出先で衣類や持ち物を守るのに役立ちます。作り方はとても簡単です。
【用意するもの】
- スプレーボトル(遮光性のものがおすすめ)
- 無水エタノール
- 精製水(または水道水)
- お好みの精油(ハッカ油、ティーツリー、ラベンダーなど)
【作り方】
- スプレーボトルに無水エタノールを10ml入れます。
- そこへ精油を10〜20滴ほど加えて、よく振り混ぜます。
- 精製水90mlを加えて、さらによく振り混ぜたら完成です。
このスプレーを、就寝前にベッド周りやシーツ、パジャマに軽く吹きかけたり、旅行中はスーツケースの内側や衣類にスプレーしたりして使います。 ただし、精油によってはシミになる可能性もあるため、目立たない場所で試してから使用してください。また、肌に直接使用する場合は、濃度を薄めるなど注意が必要です。
市販の忌避剤を選ぶ際のポイント
自分で作るのが面倒な場合は、市販のトコジラミ用忌避剤を利用するのも良いでしょう。市販品を選ぶ際は、成分表示をよく確認することが大切です。
「ディート」という成分が含まれている虫よけスプレーは、トコジラミに対しても一定の忌避効果が期待できます。 ディートは多くの虫よけ製品に使用されている実績のある成分です。ただし、使用上の注意をよく読み、特に小さなお子様に使用する場合は濃度や使用回数を守るようにしてください。
また、天然成分を主原料とした製品も増えています。樟脳やハッカ油、ユーカリ油など、トコジラミが嫌うとされる天然由来の成分を配合したスプレーや置き型の忌避剤も市販されているので、化学成分に抵抗がある方はそちらを選ぶと良いでしょう。
匂い袋(サシェ)などを活用する方法
スプレータイプの他に、匂いを長期間持続させる方法として、匂い袋(サシェ)や樟脳のブロックを活用するのもおすすめです。
乾燥させたラベンダーや、樟脳のウッドブロックなどを袋に入れて、クローゼットやタンスの引き出し、ベッドサイドに置いておくだけで、手軽に防虫対策ができます。特に、衣類に卵を産み付けられるのを防ぐ目的で、クローゼット内に設置するのは非常に効果的です。
市販の防虫剤にも樟脳を使用したものが多くあります。 衣替えのタイミングで、大切な衣類をトコジラミから守るために活用してみてはいかがでしょうか。香りが弱くなってきたら、新しいものと交換するか、アロマオイルを数滴垂らして香りを補充すると良いでしょう。
匂いだけじゃない!トコジラミを寄せ付けないための総合的な対策

トコジラミ対策は、匂いだけに頼るのではなく、家に持ち込まない、そして住み着かせないための総合的なアプローチが不可欠です。日々のちょっとした心がけで、トコジラミが侵入・繁殖するリスクを大幅に減らすことができます。ここでは、今日から実践できる具体的な対策をご紹介します。
本章では、以下の3つの観点から対策を解説します。
- 侵入経路を断つ!旅行先や外出先での注意点
- 家に持ち込まないための対策
- トコジラミが住みにくい環境を作る
侵入経路を断つ!旅行先や外出先での注意点
トコジラミが家に侵入する最も一般的な経路は、旅行や出張先からの持ち帰りです。特に海外や、国内でも人の出入りが激しい宿泊施設では注意が必要です。
【宿泊施設でのチェックポイント】
- 荷物はすぐにベッドに置かない: 部屋に入ったら、まず荷物を床やベッドではなく、バスタブの中など、トコジラミが潜みにくい場所に置きましょう。
- ベッド周りをチェック: シーツをめくり、マットレスの縫い目やヘッドボードの隙間などをスマートフォンのライトで照らして確認します。 黒いシミ(血糞)や虫の抜け殻がないかチェックしましょう。
- 電気をつけたまま寝る: トコジラミは夜行性で光を嫌う性質があります。 不安な場合は、照明をつけたまま就寝するのも一つの手です。
これらのチェックでトコジラミの痕跡を見つけた場合は、すぐにフロントに連絡し、部屋を変えてもらうなどの対応を求めましょう。
家に持ち込まないための対策
外出先からトコジラミを連れて帰らないための対策も重要です。特に、海外旅行から帰宅した後や、中古の家具などを購入した際は注意が必要です。
【帰宅後の対策】
- 衣類はすぐに洗濯・乾燥: 旅行中に着ていた衣類は、玄関先でビニール袋に入れ、そのまま洗濯機へ直行させましょう。トコジラミは熱に弱いため、洗濯後に高温の乾燥機にかけるのが最も効果的です。
- スーツケースの清掃: スーツケースの外側と内側を固く絞った布で拭き、掃除機をかけましょう。可能であれば、天日干しするのもおすすめです。
- 中古品・段ボールに注意: 中古の家具や本、海外からの荷物が入っていた段ボールにもトコジラミが潜んでいる可能性があります。 家に持ち込む前に、隙間などをよく確認し、不要な段ボールはすぐに処分しましょう。
こうした一手間が、家への侵入を防ぐための重要な防衛ラインとなります。
トコジラミが住みにくい環境を作る
日頃からトコジラミが好まない環境を維持することも、効果的な予防策です。トコジラミは、暗くて狭く、暖かい場所を好みます。
- こまめな掃除と整理整頓: 部屋を清潔に保ち、ホコリやゴミを溜めないようにしましょう。特にベッド周りは念入りに掃除機をかけることが大切です。
- 不要なものを減らす: 物の少ないスッキリとした部屋は、トコジラミの隠れ場所を減らすことにつながります。読まなくなった雑誌や不要な衣類は処分しましょう。
- 壁や床の隙間を塞ぐ: 壁紙の剥がれや床の隙間は、トコジラミの絶好の隠れ家になります。 パテなどで補修しておくと良いでしょう。
- 防虫カバーの活用: マットレスや布団を、トコジラミが通過できない目の細かい専用のカバーで覆うのも有効な対策です。
定期的な掃除と整理整頓は、トコジラミだけでなく他の害虫の予防にも繋がります。 快適な生活空間を維持するためにも、ぜひ習慣にしてください。
もしかしてトコジラミ?発生を疑うサインと確認方法

「このかゆみ、もしかして…?」そう感じたとき、それが本当にトコジラミの仕業なのかを確かめる方法を知っておくことは、早期発見と対策のために非常に重要です。ここでは、トコジラミの発生を疑うべきサインと、その確認方法について具体的に解説します。
この章では、以下のポイントを確認していきます。
- 体に現れる症状!刺された跡の特徴
- 部屋で見つかる痕跡「血糞(けっぷん)」とは?
- トコジラミの成虫・幼虫・卵の見つけ方
体に現れる症状!刺された跡の特徴
トコジラミに刺される(吸血される)と、体に特徴的な症状が現れます。蚊に刺された場合との違いを知っておきましょう。
トコジラミによる虫刺されの最も大きな特徴は、耐え難いほどの「激しいかゆみ」です。 人によっては、かゆみのあまり夜も眠れなくなったり、掻き壊して皮膚炎を起こしたりすることもあります。
刺された跡は、赤く腫れた発疹(紅斑)となり、複数箇所が集中して刺されることが多いです。特に、腕や足、首、顔など、就寝中に衣服から露出している部分が狙われやすい傾向にあります。 初めて刺された場合は症状が出にくく、数回刺されるうちにアレルギー反応として症状が現れるようになります。
もし、朝起きた時に身に覚えのない虫刺されが複数あり、それが非常に強いかゆみを伴う場合は、トコジラミの被害を疑ってみる必要があります。
部屋で見つかる痕跡「血糞(けっぷん)」とは?
トコジラミがいるかどうかを確認する上で、最も重要な手がかりとなるのが「血糞(けっぷん)」です。 血糞とは、トコジラミが吸った血を消化した後に排出するフンのことで、これが潜伏場所の周りに付着します。
血糞は、まるでインクを垂らしたような、黒や茶褐色のシミとして現れます。 大きさは1mm程度で、点々と複数見られるのが特徴です。この血糞は、トコジラミの巣(潜伏場所)が近くにあることを示す決定的な証拠となります。
ベッドのマットレスの縫い目、ヘッドボードの裏、壁と家具の隙間、カーテンの折り目、畳の縁など、トコジラミが好みそうな暗くて狭い場所を重点的にチェックし、このような黒いシミがないか探してみてください。
トコジラミの成虫・幼虫・卵の見つけ方
血糞と合わせて、トコジラミそのものや、その抜け殻、卵を探すことも重要です。
- 成虫: 体長は5mm〜8mm程度で、赤褐色、丸く平たい形をしています。 肉眼でも十分確認できる大きさです。吸血後は体が膨らみ、より赤黒くなります。
- 幼虫: 成虫になるまでに5回脱皮します。孵化したての幼虫は1mm程度と非常に小さいですが、形は成虫と似ています。
- 卵: 大きさは約1mmで、乳白色の細長い形をしています。 潜伏場所の近くに複数個まとめて産み付けられていることが多いです。
- 抜け殻: 幼虫が脱皮した後の殻が、潜伏場所の周りに落ちています。
これらの痕跡は、血糞が見つかった場所の周辺をさらに詳しく調べることで発見できる可能性が高まります。 スマートフォンのライトや拡大鏡などを使うと、より見つけやすくなります。もしこれらのいずれかを発見した場合は、残念ながらトコジラミが繁殖している可能性が非常に高いと言えるでしょう。
トコジラミが発生してしまったら?自分でできる駆除方法

もし自宅でトコジラミの発生を確認してしまったら、被害を拡大させないために迅速な対応が必要です。繁殖の初期段階であれば、自分で駆除することも可能です。ここでは、自分でできる効果的な駆除方法を、物理的な方法から熱を利用する方法、薬剤を使う方法まで具体的に解説します。
この章で解説する駆除方法は以下の通りです。
- 物理的に駆除する方法
- 熱を使った駆除方法
- 殺虫剤を使う場合の注意点
物理的に駆除する方法
目に見えるトコジラミを直接取り除く、最もシンプルで即効性のある方法です。ただし、見えている虫だけを駆除しても、隠れている仲間や卵が残っていると再発するため、他の方法と組み合わせることが重要です。
- 掃除機での吸引:
トコジラミの成虫や幼虫を見つけたら、掃除機で吸い取ってしまうのが手軽です。 研究によると、掃除機で吸引されたトコジラミは、その衝撃でほとんどが死滅すると報告されています。 ただし、吸い取った後のゴミは、すぐにビニール袋に入れて口を固く縛り、処分してください。 そうしないと、掃除機の中で生き残った虫が這い出してくる可能性があります。 - ガムテープでの捕獲:
掃除機が使いにくい場所や、壁などにいるトコジラミは、ガムテープや粘着クリーナーで貼り付けて捕獲するのも有効です。 捕獲した後は、テープごとビニール袋に入れて密封し、捨てましょう。
これらの方法は、あくまで応急処置的な意味合いが強いですが、目の前の敵を減らすためには有効な手段です。
熱を使った駆除方法
トコジラミは熱に非常に弱いという弱点があります。この性質を利用した駆除方法は、薬剤を使いたくない場合や、薬剤が効きにくい卵にも効果的なため、非常に重要です。
- 高温乾燥機(コインランドリー)の活用:
衣類やシーツ、カーテンなどの布製品に潜んだトコジラミは、高温での乾燥が最も効果的です。トコジラミは60℃以上の熱に30分以上さらされると、成虫も卵も死滅します。 家庭用の乾燥機でも可能ですが、より高温になるコインランドリーの乾燥機を利用するのが確実です。 - スチームクリーナーの使用:
マットレスやソファ、カーペット、畳など、洗濯できないものにはスチームクリーナーが有効です。 100℃近い高温のスチームを吹き付けることで、表面近くにいるトコジラミや卵を死滅させることができます。 ただし、蒸気でトコジラミを吹き飛ばしてしまわないよう、ゆっくりと当てるのがコツです。
熱による駆除は、薬剤抵抗性を持つ「スーパートコジラミ」にも有効なため、ぜひ取り入れたい方法です。
殺虫剤を使う場合の注意点
広範囲に繁殖してしまった場合は、殺虫剤の使用も検討する必要があります。しかし、トコジラミ用の殺虫剤選びには注意が必要です。
近年、一般的な家庭用殺虫剤(ピレスロイド系)に抵抗性を持つ「スーパートコジラミ」が世界的に増加しています。 そのため、ピレスロイド系の殺虫剤では効果が見られないケースが多く報告されています。
トコジラミに効果が期待できるのは、「有機リン系」や「カーバメート系」の成分を含む殺虫剤です。 これらの成分が含まれた製品を選び、トコジラミが潜んでいそうなベッドフレームの隙間や壁際、家具の裏側などに直接噴射したり、あらかじめ散布しておいて待ち伏せ効果を狙ったりします。
ただし、ほとんどの殺虫剤はトコジラミの卵には効果がありません。 卵は5日〜10日ほどで孵化するため、一度駆除しても安心せず、1〜2週間後に再度殺虫剤を使用するなど、複数回にわたる処理が必要です。
自分での駆除は難しい?プロの駆除業者に依頼するメリット

自分で様々な対策を試みても、トコジラミの被害が一向に収まらない…。そんな時は、専門の駆除業者に依頼することを強くおすすめします。トコジラミは非常にしぶとく、繁殖力も高いため、完全な駆除はプロでも難しい作業です。ここでは、業者に依頼すべきケースや、信頼できる業者の選び方について解説します。
この章のポイントは以下の通りです。
- 業者に依頼すべきケースとは?
- 信頼できる駆除業者の選び方
- 主な駆除業者とサービス内容
業者に依頼すべきケースとは?
自力での駆除には限界があります。以下のような状況に当てはまる場合は、無理をせず速やかにプロに相談しましょう。
- 複数の部屋で被害が出ている: 1つの部屋だけでなく、リビングや他の寝室など、複数の場所でトコジラミの痕跡が見つかる場合、すでに被害が広範囲に及んでいる可能性が高いです。
- 自分で駆除しても被害が再発する: 殺虫剤や高温処理を試しても、しばらくするとまた刺される、血糞が見つかるという場合は、駆除しきれていない卵や成虫が残っている証拠です。
- 精神的に追い詰められている: 毎晩刺される恐怖や、終わりの見えない駆除作業で心身ともに疲弊してしまった場合。プロに任せることで、その負担から解放されます。
- 小さなお子様やペットがいる: 薬剤の散布などに不安がある場合、プロは人や環境に配慮した安全な方法で駆除を行ってくれます。
トコジラミの駆除は時間との戦いです。 迷っている間に被害はどんどん拡大してしまいます。少しでも「自力では無理かも」と感じたら、それが専門家を頼るタイミングです。
信頼できる駆除業者の選び方
いざ業者に依頼しようと思っても、どこに頼めばいいのか迷ってしまいますよね。後悔しないために、以下のポイントを参考に信頼できる業者を選びましょう。
- 実績と経験が豊富か: トコジラミ駆除の実績が豊富かどうかは最も重要なポイントです。公式サイトの施工事例などを確認しましょう。
- 無料の現地調査と見積もりがあるか: 被害状況を正確に把握し、作業内容と料金を明確に提示してくれる業者が信頼できます。複数の業者から見積もりを取って比較検討するのがおすすめです。
- 作業内容や料金体系が明確か: 「一式〇〇円」といった曖昧な見積もりではなく、どのような作業にいくらかかるのかを丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
- アフターフォローや保証があるか: トコジラミは再発のリスクがあるため、駆除後の保証期間や、再発した場合の対応について確認しておくと安心です。
- 日本ペストコントロール協会に加盟しているか: この協会は害虫駆除に関する技術向上や安全性の確保を目指す団体であり、加盟していることは一つの信頼の証となります。
安さだけで選ぶのは危険です。 駆除が不十分で再発し、結局高くついてしまうケースもあります。上記のポイントを総合的に判断して、安心して任せられる業者を見つけてください。
主な駆除業者とサービス内容
日本全国で対応している大手の駆除業者から、地域に密着した業者まで様々です。ここでは、代表的な業者をいくつかご紹介します。
- ダスキン: 清掃サービスで有名ですが、害虫駆除サービスも展開しています。薬剤だけに頼らない、冷却処理やバキューム(掃除機)を組み合わせた駆除方法が特徴です。
- アサンテ: シロアリ駆除で知られていますが、トコジラミ駆除にも対応。全国に営業所があり、幅広いエリアでサービスを提供しています。
- 三共消毒: 創業90年以上の歴史を持つ老舗の害虫駆除業者。長年の経験と実績に基づいた確実な駆除が期待できます。
- 害虫駆除110番・ムシプロテックなど: 全国の加盟店と連携し、24時間365日対応を謳うサービスもあります。迅速な対応を求める場合に選択肢となります。
これらの業者は一例です。お住まいの地域に対応している業者を探し、まずは気軽に相談・見積もりを依頼してみることから始めましょう。
よくある質問

ここでは、トコジラミ対策に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
トコジラミにバルサンは効きますか?
残念ながら、市販されている燻煙・燻蒸タイプの殺虫剤(バルサンなど)は、トコジラミに対して十分な効果は期待できません。 トコジラミは家具の隙間や壁の奥深くなど、薬剤の煙が届きにくい場所に隠れるのが得意です。そのため、部屋全体に煙を充満させても、肝心のトコジラミには当たらず、生き残ってしまう可能性が高いのです。また、現在主流の「スーパートコジラミ」は、これらの製品に含まれるピレスロイド系の薬剤に抵抗性を持っているため、効果はさらに薄いと考えられます。
トコジラミにアルコール消毒は効果がありますか?
消毒用アルコールをトコジラミに直接かければ、殺虫効果はあります。 アルコールが虫の体の表面を覆う油分を溶かし、脱水症状を引き起こすためです。しかし、これはあくまで直接噴射できた場合の話です。アルコールは揮発性が非常に高いため、あらかじめ散布しておく「待ち伏せ効果」は期待できません。 また、隠れているトコジラミや、薬剤が効きにくい卵に対しては効果が薄いため、アルコールだけで完全に駆除するのは困難です。
トコジラミに刺されたらどうすればいいですか?
まずは患部を掻きむしらないことが大切です。掻き壊すと、そこから細菌が入って化膿したり、跡が残ったりする原因になります。かゆみが強い場合は、市販の虫刺され薬(ステロイド成分を含むもの)を塗布し、冷やすと症状が和らぎます。 それでもかゆみが収まらない場合や、広範囲にわたって刺されてしまった場合は、我慢せずに皮膚科を受診してください。 医師が適切な塗り薬や、場合によっては飲み薬を処方してくれます。
トコジラミは光に弱いですか?
はい、トコジラミは光を嫌う「負の走光性」という性質を持っています。 そのため、昼間の明るい時間帯は活動せず、暗くて狭い場所に潜んでいます。夜行性で、人が寝静まった暗闇の中で活動を開始します。旅行先のホテルなどで不安な場合は、部屋の電気やテレビをつけたまま寝ることで、ある程度トコジラミの活動を抑制できる可能性があります。
トコジラミはどこからやってくるのですか?
トコジラミは自力で長距離を移動することはできません。主な侵入原因は、人や物に付着して運ばれてくることです。 最も多いのが、海外や国内の旅行・出張先で、宿泊施設のベッドや交通機関の座席に潜んでいたトコジラミが、衣類やスーツケースに付着して自宅に持ち込まれるケースです。 その他にも、海外からの輸入品が入った段ボール、中古の家具や本などに潜んで侵入することもあります。
まとめ

- トコジラミは樟脳やハッカ油などの匂いを嫌う。
- 匂いの効果は殺虫ではなく、あくまで「忌避」。
- 匂い対策は予防や一時的な対策として有効。
- 繁殖した場合は匂いだけでの駆除は困難。
- 旅行先ではベッド周りのチェックを徹底する。
- 帰宅後は衣類をすぐに高温乾燥するのが効果的。
- 血糞(黒いシミ)はトコジラミ発生のサイン。
- 刺されたら激しいかゆみを伴う赤い発疹が出る。
- 駆除には掃除機での吸引や物理的な捕獲が有効。
- 熱に弱く、高温乾燥やスチームクリーナーが効果大。
- 殺虫剤はピレスロイド抵抗性に注意が必要。
- 卵には殺虫剤が効かないため、反復駆除が重要。
- 燻煙剤(バルサンなど)の効果は限定的。
- 自力での完全駆除が難しい場合は業者に相談する。
- 信頼できる業者選びは実績や見積もりが重要。