「アルバイトを始めるから給料振込用の口座が欲しい!」「大学進学で一人暮らし。仕送りを受け取るために通帳を作りたい!」
そんな学生さんに向けて、銀行口座(通帳)を作るのに必要なものや手続きの流れを、どこよりも分かりやすく解説します。
この記事を読めば、必要なものをしっかり準備して、スムーズに口座開設ができますよ。
【結論】学生が通帳(銀行口座)を作るのに必要なものリスト

まず結論から。学生さんが銀行口座(通帳)を作るときに、一般的に必要になるのは以下の3つです。細かいルールは銀行によって少しずつ違いますが、これらを準備しておけば、まず間違いありません。
- 本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカードなど
- 印鑑(ハンコ):シャチハタ以外の認印
- (未成年の場合)親権者の同意書など:銀行のルールを確認
特に一番大切なのが本人確認書類です。これがないと絶対に口座は作れません。次の章から、それぞれの持ち物について、もっと詳しく見ていきましょう。
学生の口座開設!必要なものを詳しく解説

「必要なものは分かったけど、具体的にどれを持っていけばいいの?」そんな疑問にしっかりお答えします。ここでは、口座開設に必要なものを一つひとつ丁寧に解説していきます。
本章で解説する内容は以下の通りです。
- 本人確認書類(これが一番大事!)
- 印鑑(ハンコ)は必要?どんなものがいい?
- 未成年(18歳未満)の場合、親の同意は必要?
- マイナンバーカードは絶対に必要?
本人確認書類(これが一番大事!)
銀行口座の開設には、あなたが本人であることを証明するための公的な書類が必ず必要になります。 これは法律で定められているため、どの銀行でも例外はありません。本人確認書類は、顔写真が付いているか、付いていないかで、必要な点数が変わってくるのがポイントです。
顔写真付きの本人確認書類(1点でOK)
顔写真付きの本人確認書類であれば、基本的に1点で手続きができます。学生さんが持っている可能性が高いのは以下の書類でしょう。
- 運転免許証
- マイナンバーカード(個人番号カード)
- パスポート(2020年2月3日以前に申請されたもの)
- 住民基本台帳カード(顔写真付き)
- 在留カード(外国籍の方)
もし運転免許証やマイナンバーカードを持っているなら、それ一つを持っていけば大丈夫なので一番スムーズです。 申し込みの際は、必ず有効期限内のものを持参してください。
顔写真なしの本人確認書類(2点必要)
「まだ免許もマイナンバーカードも持っていない…」という方もご安心ください。顔写真がない本人確認書類でも口座開設は可能です。その場合は、異なる種類の書類が2点必要になるのが一般的です。
具体的には、以下のA群から2つ、もしくはA群から1つとB群から1つの組み合わせで用意します。(銀行によってルールが異なる場合があります)
【A群】
- 各種健康保険証
- 国民年金手帳
- 母子健康手帳
【B群】
- 住民票の写し(発行後6ヶ月以内)
- 戸籍謄本または戸籍抄本(発行後6ヶ月以内)
例えば、「健康保険証」と「住民票の写し」の組み合わせが、学生さんにとっては一番用意しやすいかもしれませんね。 住民票の写しは、市役所や区役所などで発行してもらえます。
学生証は使える?注意点を解説
「本人確認なら学生証でもいいんじゃない?」と思うかもしれません。しかし、残念ながらほとんどの銀行で学生証単体での本人確認は認められていません。
一部の公立学校の学生証であれば、他の書類と組み合わせることで使えるケースもありますが、条件が厳しいのが実情です。 例えば、三井住友銀行では、国公立の小中高校や、防衛大学校など一部の国立学校の学生証のみ、窓口で利用できる場合があるとされていますが、私立大学などの学生証は対象外です。
確実なのは、先ほど紹介した健康保険証や住民票など、他の本人確認書類を準備していくことです。
印鑑(ハンコ)は必要?どんなものがいい?
本人確認書類の次に気になるのが印鑑(ハンコ)ですよね。最近は印鑑不要の銀行も増えていますが、まだまだ必要な場面も多いのが現状です。
窓口開設では基本的に必要
銀行の窓口で口座を開設する場合、届出印として印鑑が必要になることがほとんどです。 この届出印は、今後その銀行で重要な手続き(窓口での出金や住所変更など)をするときに使う大切なものです。
アルバイトの給料を受け取る、一人暮らしの家賃を引き落とすなど、これから長く使う口座になるはずです。しっかりとした印鑑を用意しておきましょう。
シャチハタはNG!認印を用意しよう
ここで非常に重要な注意点があります。それは、シャチハタのようなインク浸透印は銀行印として登録できないということです。
シャチハタは、印面がゴムでできており、使っているうちに形が変わってしまう可能性があるため、公的な証明には使えません。 また、同じ印影のものが大量生産されているため、セキュリティの観点からも不向きとされています。
必ず、朱肉をつけて押すタイプの「認印」を用意してください。100円ショップなどで売っているものでも基本的には問題ありませんが、長く使うことを考えれば、少ししっかりしたものを文房具店や印鑑店で作るのもおすすめです。
ネット銀行なら印鑑不要の場合も
「印鑑を持っていない」「わざわざ作るのが面倒…」という方には、ネット銀行という選択肢もあります。
楽天銀行や住信SBIネット銀行などのネット銀行は、スマートフォンのアプリなどから申し込みができ、印鑑不要で口座開設できる場合がほとんどです。 手続きがオンラインで完結するので、忙しい学生さんにはとても便利です。
未成年(18歳未満)の場合、親の同意は必要?
2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられましたが、高校生など18歳未満の方も口座を開設したいケースは多いでしょう。未成年者の口座開設には、いくつか注意点があります。
原則として親権者の同意が必要
多くの銀行では、未成年者(18歳未満)が口座を開設する場合、親権者(お父さんやお母さんなど)の同意が必要になります。
具体的には、申込書に親権者の署名・捺印が必要だったり、親権者も一緒に窓口へ行かなければならなかったりします。銀行によって対応が異なるため、口座を作りたい銀行の公式サイトを事前に確認するか、電話で問い合わせておくと安心です。
15歳以上なら一人で手続きできる銀行も
一方で、最近では15歳以上であれば、本人のみで口座開設の手続きができる銀行も増えてきています。
ただし、この場合でも「親権者の同意書」の提出を求められることがあります。 結局は親の許可が必要になるケースが多いので、口座を作りたいと思ったら、まずは保護者の方に相談するのが一番スムーズな方法と言えるでしょう。
親に内緒で口座開設はできる?
「親に知られずに口座を作りたい…」と考える方もいるかもしれませんが、未成年者の場合は難しいのが現実です。
前述の通り、多くの銀行で親権者の同意が必須となっているためです。 また、同意が不要な銀行であっても、キャッシュカードなどが自宅に郵送されるため、完全に内緒にするのは困難です。アルバイトの給料など、正当な目的で口座を作るのであれば、正直に話して協力してもらうのが良いでしょう。
マイナンバーカードは絶対に必要?
口座開設の際にマイナンバー(個人番号)の提出を求められることがあります。そのため、「マイナンバーカードがないと作れないの?」と不安になるかもしれませんが、必ずしもマイナンバーカード自体が必要なわけではありません。
マイナンバーカードがあれば、本人確認書類としても使え、オンラインでの手続きが非常にスムーズになるというメリットがあります。
もし持っていない場合は、マイナンバーが記載された「住民票の写し」や、以前に送られてきた「通知カード」(記載内容が現在と変わっていない場合のみ)で代用できます。 ですので、マイナンバーカードがないからといって口座開設を諦める必要はありません。
学生向け!銀行口座の作り方【3ステップ】

必要なものが分かったら、いよいよ口座開設の手続きです。難しく考える必要はありません。たったの3ステップで完了します。ここでは、学生さんがスムーズに口座を開設するための手順を解説します。
口座開設のステップは以下の通りです。
- ステップ1:口座を開設する銀行を選ぶ
- ステップ2:必要なものを準備する
- ステップ3:窓口 or オンラインで申し込む
ステップ1:口座を開設する銀行を選ぶ
まずは、どの銀行で口座を作るかを決めましょう。銀行にはそれぞれ特徴があります。自分のライフスタイルに合った銀行を選ぶのがポイントです。
- 通学路や家の近くにATMがあるか?:お金の出し入れがしやすいかは重要です。
- 手数料は安いか?:ATMの利用手数料や、他の銀行への振込手数料は要チェックです。
- アルバイト先の指定はないか?:会社によっては給与振込の銀行が指定されている場合があります。
- スマホアプリは使いやすいか?:残高照会や振込がスマホで簡単にできると便利です。
これらの点を考慮して、自分にぴったりの銀行を見つけましょう。次の章で学生さんにおすすめの銀行タイプを紹介しているので、そちらも参考にしてくださいね。
ステップ2:必要なものを準備する
銀行を決めたら、前の章で解説した「必要なもの」を準備します。
- 本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカードなら1点。健康保険証など顔写真なしなら2点。
- 印鑑:窓口に行くならシャチハタ以外の認印を忘れずに。
- (未成年の場合)親権者の同意書など:銀行のウェブサイトで書式をダウンロードできる場合もあります。
- 開設時に入金するお金:必須ではありませんが、1,000円程度入れておくと良いでしょう。
忘れ物をすると、せっかく銀行に行ったのに手続きができず、二度手間になってしまいます。家を出る前にもう一度、持ち物を確認する習慣をつけましょう。
ステップ3:窓口 or オンラインで申し込む
準備が整ったら、いよいよ申し込みです。申し込み方法は、主に「銀行の窓口」と「アプリ・インターネット」の2つがあります。
銀行窓口で開設する場合の流れと時間
直接、銀行の窓口に行って手続きをする方法です。
- 準備した持ち物を持って、銀行の窓口へ行きます。(営業時間は平日の9時~15時が一般的です)
- 「口座を開設したい」と伝えると、申込用紙を渡されます。
- 申込用紙に氏名、住所、生年月日などを記入し、届出印を押します。
- 本人確認書類を提示し、手続きは完了です。
手続きにかかる時間は、空いていれば30分~1時間程度です。 ただし、月末や給料日後の混雑する日に行くと、長く待たされることもあります。通帳はその場で受け取れることが多いですが、キャッシュカードは後日、自宅に郵送されます。
アプリ・インターネットで開設する場合の流れ
スマートフォンやパソコンを使って、オンラインで手続きを完結させる方法です。
- 口座を開設したい銀行の公式サイトや専用アプリにアクセスします。
- 画面の指示に従って、氏名や住所などの情報を入力します。
- スマートフォンのカメラで本人確認書類と自分の顔(セルフィー)を撮影して送信します。
- 申し込みが完了すると、審査が行われます。
この方法なら、24時間365日いつでも申し込みが可能で、銀行に行く必要がありません。 早い銀行だと、申し込み当日に口座番号が発行されることもあります。 通帳やキャッシュカードは、1~2週間後に郵送で届きます。
どの銀行がいい?学生におすすめの銀行口座3タイプ

「銀行ってたくさんあって、どこを選べばいいか分からない!」という学生さんのために、おすすめの銀行を3つのタイプに分けてご紹介します。それぞれのメリットを比較して、自分に合った銀行を見つけてください。
ここでは、以下の3つのタイプを解説します。
- タイプ1:安心と信頼の「メガバンク」
- タイプ2:全国どこでも便利な「ゆうちょ銀行」
- タイプ3:手数料がお得な「ネット銀行」
タイプ1:安心と信頼の「メガバンク」
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行といった、いわゆる「メガバンク」です。
メリットは、なんといってもその信頼性と規模の大きさです。 全国各地に支店やATMがあり、就職して引っ越した後もメインバンクとして使い続けやすいのが魅力です。 また、クレジットカードやローンなど、将来的に利用するかもしれない様々な金融サービスが充実しています。三井住友銀行の「Olive」のように、学生向けの特典が用意されているサービスもあります。
デメリットとしては、ネット銀行に比べるとATM手数料や振込手数料がやや高めに設定されている点が挙げられます。ただし、特定の条件(給与振込口座に指定するなど)を満たすと手数料が優遇されることも多いので、調べてみると良いでしょう。
タイプ2:全国どこでも便利な「ゆうちょ銀行」
郵便局の窓口で手続きができるゆうちょ銀行も、学生さんにとって非常に身近な存在です。
メリットは、全国津々浦々に窓口とATMがあることです。 実家に帰省したときや旅行先でも、お金の出し入れに困ることはほとんどないでしょう。手続きも比較的シンプルで、多くの学生が初めての口座としてゆうちょ銀行を選んでいます。
デメリットは、一部のネットサービスや海外送金など、メガバンクやネット銀行が得意とする分野では少し見劣りする部分があるかもしれません。しかし、日常的なお金の管理には十分な機能を持っています。
タイプ3:手数料がお得な「ネット銀行」
楽天銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行など、実店舗を持たずにインターネット上でサービスを提供する銀行です。
最大のメリットは、各種手数料の安さと預金金利の高さです。 コンビニATMでの入出金手数料や、他の銀行への振込手数料が月に数回無料になることが多く、学生さんのお財布に優しいのが特徴です。 また、スマホアプリでの操作性が高く、残高確認や振込が手軽にできるのも嬉しいポイントです。
デメリットとしては、実店舗の窓口がないため、対面で相談したい場合には不向きです。また、公共料金の口座振替に対応していない場合が稀にあるので、一人暮らしを始める方は事前に確認が必要です。
【Q&A】学生の銀行口座開設に関するよくある質問

Q. 口座開設にはどれくらい時間がかかりますか?
A. 銀行の窓口なら、手続き自体は30分~1時間程度で終わります。 ただし、混雑していると待ち時間が長くなることがあります。アプリやインターネットでの申し込みなら、入力作業は10分~15分程度で完了します。その後、キャッシュカードが届くまでには1~2週間ほどかかります。
Q. 銀行口座は何歳から一人で作れますか?
A. 法律上の年齢制限はありませんが、多くの銀行では15歳以上であれば本人のみで手続きが可能としています。 ただし、18歳未満の場合は親権者の同意書の提出を求められることがほとんどです。 15歳未満の場合は、原則として親権者が代理で手続きを行います。
Q. 最初にいくら入金すればいいですか?
A. 必ずしも入金する必要はありません。0円でも口座は作れます。 ただ、手続き上、1円以上の入金を求められる場合や、キリの良い数字として1,000円程度を入金して開設する人が多いようです。お財布にある小銭を入れる、くらいの感覚で大丈夫です。
Q. アルバイト先から銀行を指定された場合はどうすればいい?
A. その場合は、指定された銀行で新しく口座を開設するのが一番スムーズです。給与振込の手続きが簡単になりますし、振込手数料がかからないというメリットもあります。すでに持っている口座を使いたい場合は、アルバイト先に可能かどうか確認してみましょう。
Q. 通帳なしの口座(Web通帳)でも大丈夫?
A. はい、全く問題ありません。 最近は環境への配慮などから、紙の通帳を発行しない「Web通帳」や「インターネット通帳」が主流になっています。 入出金明細はスマホアプリやインターネットバンキングでいつでも確認でき、紙の通帳よりも便利なくらいです。通帳の紛失リスクもありません。
Q. キャッシュカードはいつ届きますか?
A. 申し込み方法や銀行によって異なりますが、一般的には申し込みから1~2週間程度で、自宅に簡易書留などの転送不要郵便で届きます。 窓口で手続きした場合でも、キャッシュカードは後日郵送となるのが基本です。すぐに使えるわけではないので、余裕を持って申し込みましょう。
まとめ

- 学生の口座開設には本人確認書類と印鑑が必要。
- 顔写真付きの本人確認書類なら1点でOK。
- 顔写真なしの場合は健康保険証+住民票など2点必要。
- 学生証単体での口座開設は難しい。
- 印鑑はシャチハタ不可、朱肉を使う認印を用意。
- ネット銀行なら印鑑不要で開設できる場合が多い。
- 18歳未満は親権者の同意が必要なケースがほとんど。
- マイナンバーカードがなくても口座開設は可能。
- 口座開設は銀行窓口かオンライン(アプリ)でできる。
- 窓口は平日昼間のみ、時間は30分~1時間程度。
- オンラインなら24時間いつでも申し込み可能で便利。
- 銀行選びはATMの場所や手数料を比較することが大事。
- メガバンクは信頼性が高く、全国で使いやすい。
- ゆうちょ銀行は店舗数が多く、身近で便利。
- ネット銀行は手数料が安く、金利が高いのが魅力。