iPhoneやMacユーザーにとって、写真やファイルをサッと共有できる「エアドロ(AirDrop)」は非常に便利な機能ですよね。しかし、「なぜかエアドロ(AirDrop)ができない」「相手のデバイスが表示されない」「送信に失敗する」といったトラブルに見舞われた経験はありませんか?あの手軽さを知っているだけに、使えないと本当に困ってしまいますよね…。でも、ご安心ください!
本記事では、エアドロ(AirDrop)ができない主な原因と、iPhone・Macそれぞれにおける具体的な対処法を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。基本的な設定の確認から、少し踏み込んだ対処法、そして代替案まで網羅しているので、きっとあなたの問題を解決するヒントが見つかるはずです。さあ、一緒に確認していきましょう!
まず確認!エアドロ(AirDrop)できない時の基本的なチェックリスト
エアドロ(AirDrop)がうまく機能しない時、多くの場合、基本的な設定の見落としが原因です。複雑な操作を試す前に、まずは以下の項目をチェックしてみましょう。意外と簡単なことで解決するかもしれませんよ。
- Wi-FiとBluetoothはオンになっていますか?
- デバイス間の距離は適切ですか?
- 「検出設定」は正しく設定されていますか?
- インターネット共有(テザリング)はオフになっていますか?
- 集中モード(おやすみモード)はオフになっていますか?
- VPN接続はオフになっていますか?
Wi-FiとBluetoothはオンになっていますか?
結論として、エアドロ(AirDrop)はWi-FiとBluetoothの両方を使用してデバイスを検出し、ファイルを転送しています。そのため、どちらか一方でもオフになっていると、エアドロ(AirDrop)は正常に機能しません。
[理由]
Bluetoothは近くにあるデバイスを検出するために使われ、Wi-Fiは高速なファイル転送を実現するために使われます。この連携プレーがあってこそ、エアドロ(AirDrop)の快適なファイル共有が成り立っているのです。
[確認方法]
- iPhone/iPad: 画面右上(または下部)からスワイプしてコントロールセンターを開き、Wi-FiとBluetoothのアイコンが青色(オンの状態)になっているか確認します。灰色や白色の場合はタップしてオンにしましょう。
- Mac: メニューバーにあるWi-FiアイコンとBluetoothアイコンをクリックし、それぞれがオンになっているか確認します。「オフ」と表示されている場合は、クリックして「オンにする」を選択してください。
[対処法]
もしオフになっていたら、それぞれのアイコンをタップまたはクリックしてオンに切り替えてください。それでも改善しない場合は、一度オフにしてから再度オンにする「オンオフ切り替え」を試してみるのも有効な場合があります。
デバイス間の距離は適切ですか?
結論として、エアドロ(AirDrop)でファイルを送受信するデバイス同士は、ある程度近い距離にある必要があります。離れすぎていると、お互いを認識できず、エアドロ(AirDrop)のリストに表示されなかったり、転送が開始できなかったりします。
[理由]
エアドロ(AirDrop)は、主にBluetoothを使って近くのデバイスを探します。Bluetoothの通信範囲はそれほど広くないため、デバイス間の距離が重要になるのです。一般的に、約9メートル以内が通信可能な目安とされています。
[対処法]
- ファイルを送りたい相手と、お互いのデバイス(iPhone, iPad, Mac)を近づけてみてください。物理的な障害物(壁など)がない、見通しの良い場所だとなお良いでしょう。
- 特にMacの場合、iPhoneやiPadに比べて電波の送受信感度が異なる場合もあります。Macで送受信できない場合は、少し位置を変えてみるのも試す価値があります。
デバイスを近づけるだけで、あっさり問題が解決することも少なくありません。基本的なことですが、意外と見落としがちなので、最初に確認したいポイントです。
「検出設定」は正しく設定されていますか?
結論として、エアドロ(AirDrop)の「検出設定(受信設定)」が適切でないと、相手からあなたのデバイスが見つけられず、ファイルを受け取ることができません。送信はできても受信ができない場合は、この設定を確認しましょう。
[理由]
エアドロ(AirDrop)には、プライバシー保護の観点から、誰からのファイルを受け入れるかを制御するための設定があります。この設定が意図したものになっていないと、送られてきたファイルを受け取れない、あるいは相手のデバイスに自分のデバイスが表示されない、といった状況になります。
[設定の種類と確認・変更方法]
- 受信しない: 誰からもエアドロ(AirDrop)を受信しません。一時的にオフにしたい場合以外は、この設定は避けましょう。
- 連絡先のみ: 自分の連絡先に登録されている相手からのみ受信します。最も安全で推奨される設定ですが、相手が自分の連絡先に登録されていても、相手側の連絡先に自分が登録されていないと認識されない場合があります。また、お互いのApple IDに紐づくメールアドレスか電話番号が連絡先に含まれている必要があります。
- すべての人: 周囲にいるすべてのAppleデバイスから受信できます。一時的に連絡先未登録の人とやり取りする際に便利ですが、知らない人からファイルが送られてくるリスクもあるため、用が済んだら「連絡先のみ」に戻すことを強く推奨します。
[確認・変更手順]
- iPhone/iPad: コントロールセンターを開き、Wi-FiやBluetoothがある左上のエリアを長押しします。次に表示されるメニューで「AirDrop」をタップし、「受信しない」「連絡先のみ」「すべての人(10分間のみ)」から選択します。(iOS 16.2以降、「すべての人」は10分間の時間制限付きになりました)
- Mac: Finderを開き、サイドバーから「AirDrop」を選択します。ウィンドウ下部に表示される「このMacを検出可能な相手:」のプルダウンメニューから、「しない」「連絡先のみ」「すべての人」を選択します。
相手が見つからない、受信できない場合は、一時的に「すべての人」に設定してみると解決することがあります。ただし、前述の通りセキュリティリスクには注意が必要です。
インターネット共有(テザリング)はオフになっていますか?
結論として、iPhoneの「インターネット共有」(テザリング)機能がオンになっていると、エアドロ(AirDrop)が正常に動作しない場合があります。
[理由]
インターネット共有は、iPhoneのモバイルデータ通信を他のデバイスにWi-Fi経由で共有する機能です。この機能とエアドロ(AirDrop)が使用するWi-Fi機能が干渉し、デバイスの検出やファイル転送に影響を与える可能性があると考えられています。
[確認・変更方法 (iPhone/iPad)]
- 「設定」アプリを開きます。
- 「インターネット共有」をタップします。(設定のトップメニューにない場合は、「モバイル通信」の中にある場合があります)
- 「他の人の接続を許可」のスイッチがオン(緑色)になっていたら、タップしてオフ(灰色)にします。
[対処法]
もしインターネット共有がオンになっていたら、エアドロ(AirDrop)を使用する間は一時的にオフにしてみてください。ファイル共有が終わったら、必要に応じて再度オンに戻しましょう。特に外出先などでテザリングをよく利用する方は、この設定を確認する癖をつけておくと良いかもしれません。
集中モード(おやすみモード)はオフになっていますか?
結論として、iPhoneやMacの「集中モード」(旧称:おやすみモード)がオンになっていると、エアドロ(AirDrop)の通知が届かず、ファイルを受信できない、または相手に自分のデバイスが表示されない原因となることがあります。
[理由]
集中モードは、作業や睡眠などに集中するために、通知や着信を制限する機能です。この制限機能がエアドロ(AirDrop)の検出や通知にも影響を与え、意図せず受信を妨げてしまうことがあるのです。
[確認・変更方法]
- iPhone/iPad: コントロールセンターを開き、「集中モード」(月のアイコンなど)がオンになっていないか確認します。オンになっている場合は、タップしてオフにします。「設定」アプリ > 「集中モード」からも確認・変更できます。特定の集中モード(仕事、パーソナルなど)が有効になっている場合もあるので注意しましょう。
- Mac: メニューバーの右上にあるコントロールセンターアイコン(スイッチが並んだようなアイコン)をクリックし、「集中モード」がオンになっていないか確認します。オンの場合はクリックしてオフにします。「システム設定」 > 「集中モード」からも詳細な設定を確認できます。
[対処法]
エアドロ(AirDrop)を使用する際は、一時的に集中モードをオフにしてみてください。特に、相手から「デバイスが見つからない」と言われた場合や、ファイルが送られてきているはずなのに通知が来ない場合に、この設定を確認すると良いでしょう。
VPN接続はオフになっていますか?
結論として、VPN(Virtual Private Network)に接続している状態だと、エアドロ(AirDrop)が正常に機能しないことがあります。
[理由]
VPNは、インターネット接続を暗号化し、仮想的なプライベートネットワークを構築する技術です。これにより、デバイスのネットワーク設定やIPアドレスが通常とは異なる状態になり、同じローカルネットワーク上にあるデバイスを検出するエアドロ(AirDrop)の仕組みに影響を与える可能性があります。
[確認・無効化方法]
- iPhone/iPad: 「設定」アプリを開き、「VPN」の項目を確認します。「接続済み」と表示されている場合は、VPN接続が有効になっています。VPN構成のスイッチをオフにするか、VPNアプリ自体から接続を解除してください。画面上部のステータスバーに「VPN」アイコンが表示されていることでも確認できます。
- Mac: 「システム設定」 > 「ネットワーク」を開き、左側のリストでVPN接続の項目を選択します。「状況」が「接続済み」となっていたら、VPN接続が有効です。「接続解除」ボタンをクリックして無効化します。メニューバーにVPN接続を示すアイコンが表示されている場合もあります。
[対処法]
エアドロ(AirDrop)を使用する前に、VPN接続を一時的にオフにしてみてください。ファイル共有が完了したら、必要に応じて再度VPNに接続しましょう。セキュリティのためにVPNを利用している方も多いと思いますが、エアドロ(AirDrop)との相性はあまり良くない場合があることを覚えておくと良いでしょう。
iPhoneでエアドロ(AirDrop)できない!考えられる原因と対処法
基本的なチェックリストを確認してもiPhoneでエアドロ(AirDrop)ができない場合、もう少し詳しく原因を探る必要があります。ここでは、iPhone特有の原因と、それぞれの対処法について見ていきましょう。
- 【原因1】設定の見直し(Wi-Fi, Bluetooth, 検出設定)
- 【原因2】iOSのバージョンが古い
- 【原因3】デバイスの再起動が必要
- 【原因4】ネットワーク設定のリセットが必要
- 【原因5】相手側の設定に問題がある
- 【原因6】特定のファイル形式が送れない
【原因1】設定の見直し(Wi-Fi, Bluetooth, 検出設定)
結論として、基本的なチェックリストで確認した項目が、やはりiPhoneでのエアドロ(AirDrop)問題の主要な原因であることが多いです。再度、丁寧に確認してみましょう。
[理由]
見落としや、設定したつもりが反映されていなかった、というケースも考えられます。特にコントロールセンターでのオンオフは一時的なものである場合もあるため、「設定」アプリ本体で確認することが重要です。
[再確認ポイント (iPhone)]
- Wi-FiとBluetooth: 「設定」アプリを開き、「Wi-Fi」と「Bluetooth」の両方がオンになっているか確認します。コントロールセンターだけでなく、こちらで確実にオンになっているかを見ましょう。一度オフにしてから再度オンにするのも有効です。
- 検出設定(受信設定): 「設定」アプリ > 「一般」 > 「AirDrop」を開き、「受信しない」「連絡先のみ」「すべての人(10分間のみ)」の設定を確認します。相手が連絡先に登録されていても認識されない場合は、一時的に「すべての人(10分間のみ)」に変更して試してみましょう。
- インターネット共有: 「設定」アプリ > 「インターネット共有」または「モバイル通信」 > 「インターネット共有」を確認し、「他の人の接続を許可」がオフになっているか確認します。
- 集中モード: 「設定」アプリ > 「集中モード」で、いずれかのモードがオンになっていないか確認します。
- VPN: 「設定」アプリ > 「VPN」で、接続がオフになっているか確認します。
焦らず、一つ一つの設定を丁寧に見直すことが解決への近道です。意外なところで見落としが見つかるかもしれません。
【原因2】iOSのバージョンが古い
結論として、お使いのiPhoneのiOSバージョンが古い場合、エアドロ(AirDrop)の互換性の問題や、既知のバグによって正常に動作しない可能性があります。
[理由]
Appleは定期的にiOSのアップデートをリリースし、新機能の追加だけでなく、バグ修正やセキュリティ強化を行っています。エアドロ(AirDrop)に関する問題も、OSアップデートによって改善されるケースが少なくありません。また、通信相手のデバイスとのiOSバージョン差が大きい場合にも、互換性の問題が生じることがあります。
[確認方法]
- 「設定」アプリを開きます。
- 「一般」をタップします。
- 「ソフトウェアアップデート」をタップします。
- 「お使いのソフトウェアは最新です。」と表示されればOKです。新しいバージョンのiOSがある場合は、ここに表示されます。
[アップデート手順]
- アップデートが表示されている場合、「ダウンロードしてインストール」をタップします。
- パスコードの入力が求められる場合があります。
- 利用規約に同意します。
- ダウンロードとインストールが自動的に開始されます。(Wi-Fi接続と十分なバッテリー残量、または充電しながら行うことを推奨します)
[注意点]
iOSのアップデートには時間がかかることがあります。また、予期せぬトラブルに備え、アップデート前にはデータのバックアップを取っておくことを強く推奨します。
【原因3】デバイスの再起動が必要
結論として、iPhoneの一時的なソフトウェアの不具合が原因でエアドロ(AirDrop)が機能しない場合、デバイスの再起動が有効な解決策となることがあります。
[理由]
長時間iPhoneを使用していると、目に見えない小さなエラーや、メモリの断片化などが蓄積されることがあります。再起動することで、これらのシステムプロセスがリフレッシュされ、一時的な不具合が解消される場合があるのです。「何か調子が悪いな」と感じたらまず再起動、というのは多くのデバイストラブルにおける基本的な対処法です。
[再起動手順]
iPhoneのモデルによって再起動方法が異なります。
- Face ID搭載モデル (iPhone X以降): サイドボタンといずれか片方の音量ボタンを同時に長押しし、「スライドで電源オフ」が表示されたらスライダーをドラッグします。電源が完全に切れたら、Appleロゴが表示されるまでサイドボタンを長押しします。
- ホームボタン搭載モデル (iPhone SE 第2・第3世代, iPhone 8など): サイドボタン(またはトップボタン)を長押しし、「スライドで電源オフ」が表示されたらスライダーをドラッグします。電源が完全に切れたら、Appleロゴが表示されるまでサイドボタン(またはトップボタン)を長押しします。
[ポイント]
単なる電源のオンオフだけでなく、一度完全に電源を切ってから入れ直す「再起動」を行うことが重要です。これにより、システムがクリーンな状態から再スタートします。多くの軽微な不具合は、この再起動だけで改善することが期待できます。
【原因4】ネットワーク設定のリセットが必要
結論として、Wi-FiやBluetoothに関連する設定ファイルに問題が生じている場合、「ネットワーク設定のリセット」を行うことでエアドロ(AirDrop)の問題が解決することがあります。
[理由]
ネットワーク設定のリセットは、Wi-Fiのパスワード、Bluetoothのペアリング情報、VPN設定、モバイルデータ通信設定など、ネットワーク関連の情報をすべて工場出荷時の状態に戻す操作です。これにより、破損した設定ファイルや、矛盾が生じた設定などがクリアされ、通信関連の不具合が解消される可能性があります。エアドロ(AirDrop)はWi-FiとBluetoothに依存しているため、このリセットが有効な場合があるのです。
[リセット手順]
- 「設定」アプリを開きます。
- 「一般」をタップします。
- 下にスクロールし、「転送またはiPhoneをリセット」をタップします。
- 「リセット」をタップします。
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択します。
- パスコードの入力が求められる場合があります。
- 確認画面が表示されるので、再度「ネットワーク設定をリセット」をタップします。
[注意点]
ネットワーク設定をリセットすると、保存されていたWi-Fiのパスワードがすべて削除されます。リセット後は、自宅や職場などのWi-Fiに再接続し、パスワードを再入力する必要があります。また、ペアリングしていたBluetoothデバイスも再設定が必要になる場合があります。他の方法を試しても解決しない場合の手段として考えましょう。
【原因5】相手側の設定に問題がある
結論として、自分自身のiPhoneの設定に問題がなくても、ファイルを送受信したい相手側のデバイス設定が原因でエアドロ(AirDrop)ができないケースも考えられます。
[理由]
エアドロ(AirDrop)は双方向の通信です。送信側・受信側どちらか一方にでも問題があれば、正常に機能しません。自分の設定ばかり確認していても、相手側の設定が見落とされていることがあります。
[相手に確認してもらうべき項目]
基本的に、本記事の「まず確認!エアドロ(AirDrop)できない時の基本的なチェックリスト」で挙げた項目を、相手の方にも確認してもらうように依頼しましょう。
- Wi-FiとBluetoothはオンになっているか?
- デバイス間の距離は適切か?(近づいてもらう)
- 検出設定は適切か?(特に「受信しない」になっていないか、「連絡先のみ」の場合はお互いに連絡先登録がされているか。一時的に「すべての人」に設定してもらうのも有効)
- インターネット共有(テザリング)はオフになっているか?
- 集中モード(おやすみモード)はオフになっているか?
- VPN接続はオフになっているか?
- 相手のデバイスのOSバージョンが古すぎないか?
- 相手のデバイスを再起動してもらう
意外と、「相手が集中モードになっていた」「相手の検出設定が”受信しない”だった」といった単純な理由であることも多いです。協力して確認し合うことが大切です。
【原因6】特定のファイル形式が送れない
結論として、すべてのファイルがエアドロ(AirDrop)で送受信できるわけではなく、特定のアプリや形式のファイルは共有できない場合があります。
[理由]
エアドロ(AirDrop)は主に写真、ビデオ、連絡先、WebサイトのURL、メモ、マップの位置情報、書類(PDF、Pages、Keynote、Numbersなど)といった標準的なファイル形式やコンテンツの共有に対応しています。しかし、アプリによっては独自のファイル形式を使用していたり、共有機能自体が制限されていたりする場合があり、エアドロ(AirDrop)の共有オプションが表示されない、または送信できても相手側で開けないといったことが起こりえます。
[対処法]
- 共有メニューを確認する: 送りたいファイルを開き、共有ボタン(四角から矢印が飛び出したアイコン)をタップして、共有オプションの中に「AirDrop」が表示されるか確認します。表示されない場合は、そのアプリやファイル形式がエアドロ(AirDrop)に対応していない可能性があります。
- ファイルを変換する: 可能であれば、ファイルを一般的な形式(例: アプリ独自形式の書類をPDFに書き出すなど)に変換してから送ることを試します。
- 別の方法で共有する: エアドロ(AirDrop)で送れない場合は、iCloud Drive、メール、メッセージアプリ、ファイル転送サービス(後述)など、他の共有方法を利用することを検討しましょう。
「特定のファイルだけ送れない」という場合は、ファイル形式やアプリの互換性を疑ってみると良いでしょう。
Macでエアドロ(AirDrop)できない!考えられる原因と対処法
Macでエアドロ(AirDrop)が使えない場合も、基本的な原因はiPhoneと共通する部分が多いですが、Mac特有の設定項目も存在します。ここではMacでの原因と対処法に焦点を当てて解説します。
- 【原因1】設定の見直し(Wi-Fi, Bluetooth, 検出設定)
- 【原因2】macOSのバージョンが古い
- 【原因3】Macの再起動が必要
- 【原因4】ファイアウォールの設定を確認する
- 【原因5】セーフモードで起動してみる
【原因1】設定の見直し(Wi-Fi, Bluetooth, 検出設定)
結論として、Macでエアドロ(AirDrop)ができない場合も、まずは基本的なWi-Fi、Bluetooth、検出設定の確認が不可欠です。iPhoneと同様、これらの設定が正しくないと機能しません。
[理由]
基本的な動作原理はiPhoneと同じであり、Wi-FiとBluetoothを利用してデバイスを検出し、ファイルを転送するためです。Macのインターフェースでの確認方法を把握しておくことが重要です。
[再確認ポイント (Mac)]
- Wi-FiとBluetooth:
- メニューバー: 画面右上のメニューバーにあるWi-FiアイコンとBluetoothアイコンをクリックし、それぞれが「オン」になっていることを確認します。「オフ」の場合はクリックしてオンにします。
- システム設定: 「システム設定」アプリを開き、サイドバーで「Wi-Fi」と「Bluetooth」を選択して、それぞれがオンになっていることを確認します。
- オンオフ切り替え: 問題が解決しない場合、一度オフにしてから再度オンにしてみるのも有効です。
- 検出設定(受信設定):
- Finder: Finderを開き、サイドバーから「AirDrop」を選択します。ウィンドウ下部に表示される「このMacを検出可能な相手:」という青い文字の箇所をクリックし、「しない」「連絡先のみ」「すべての人」から適切な設定を選択します。相手にMacが表示されない場合は、一時的に「すべての人」を試してみましょう。
Macの場合、メニューバーから素早く確認できる項目と、「システム設定」や「Finder」で確認する項目があります。両方を確認し、設定に漏れがないかチェックしましょう。
【原因2】macOSのバージョンが古い
結論として、お使いのMacのmacOSバージョンが古いと、互換性の問題やバグによりエアドロ(AirDrop)が正常に動作しないことがあります。
[理由]
iPhoneのiOSアップデートと同様に、AppleはmacOSのアップデートを通じて、機能改善、バグ修正、セキュリティ強化を行っています。古いバージョンのまま使用していると、エアドロ(AirDrop)に関する修正が含まれたアップデートの恩恵を受けられず、問題が解決しない可能性があります。また、通信相手のデバイスOSとのバージョン差も影響することがあります。
[確認方法]
- 画面左上のAppleメニュー をクリックします。
- 「このMacについて」を選択します。(古いmacOSの場合は「システム環境設定」>「ソフトウェアアップデート」)
- 概要タブに表示されるmacOSのバージョン名と番号を確認します。
- 「ソフトウェアアップデート…」ボタンをクリックすると、利用可能なアップデートがあるか確認できます。
[アップデート手順]
- 利用可能なアップデートがある場合、「今すぐアップデート」または「今すぐアップグレード」ボタンが表示されます。これをクリックします。
- 画面の指示に従って、ダウンロードとインストールを進めます。(Wi-Fi接続推奨、時間がかかる場合があります)
[注意点]
macOSのアップデート(特にメジャーアップグレード)は時間がかかり、互換性のないアプリが出てくる可能性もあります。重要なデータは事前にTime Machineなどでバックアップを取っておくことを強く推奨します。
【原因3】Macの再起動が必要
結論として、Macの一時的なソフトウェアの不調が原因でエアドロ(AirDrop)が機能しない場合、Mac本体の再起動が有効な対処法です。
[理由]
iPhoneと同様に、Macも長時間稼働させていると、システムプロセスに予期せぬエラーが発生したり、リソースが解放されずに動作が不安定になったりすることがあります。再起動によってシステム全体がリフレッシュされ、一時的なソフトウェアの問題が解消されることが期待できます。エアドロ(AirDrop)に関連するプロセスも再起動されるため、動作が改善する可能性があります。
[再起動手順]
- 画面左上のAppleメニュー をクリックします。
- メニューから「再起動…」を選択します。
- 確認ダイアログが表示されるので、「再起動」ボタンをクリックします。(「再ログイン時にウインドウを再度開く」のチェックは、任意で外しても構いません)
- Macが自動的にシャットダウンし、その後再起動します。
[ポイント]
Finderの「AirDrop」ウィンドウを開いたまま反応がない、デバイスが表示されないといった場合、まず試すべき簡単な対処法です。シャットダウン(システム終了)してから再度電源を入れるのでも同様の効果が得られます。
【原因4】ファイアウォールの設定を確認する
結論として、Macのファイアウォール設定が、エアドロ(AirDrop)に必要な着信接続をブロックしている場合があり、これが原因でエアドロ(AirDrop)が利用できないことがあります。
[理由]
ファイアウォールは、不正なアクセスや望まないネットワーク接続からMacを保護するためのセキュリティ機能です。しかし、設定によっては、エアドロ(AirDrop)がデバイスを検出したりファイルを受信したりするために必要な通信(着信接続)までブロックしてしまうことがあります。
[確認・変更手順]
- 「システム設定」アプリを開きます。
- サイドバーで「ネットワーク」を選択します。
- 「ファイアウォール」の項目をクリックします。(右側に表示されます)
- ファイアウォールが「オン」になっているか確認します。オフの場合は、この設定が原因ではありません。
- オンになっている場合は、「オプション…」ボタンをクリックします。(管理者パスワードが必要な場合があります)
- 「外部からの接続をすべてブロック」にチェックが入っていないか確認します。もしチェックが入っていると、エアドロ(AirDrop)を含む多くの正規の接続もブロックされるため、通常はこのチェックを外します。
- リストの中に「sharingd」や「NearbyInteraction」といったプロセスがないか確認し、もしあれば「接続を許可」に設定されているか確認します。(通常は自動で許可されます)
- 「署名されたソフトウェアが外部からの接続を受信するのを自動的に許可」にチェックが入っていることを確認します。これにより、Apple純正のソフトウェア(AirDropを含む)は通常、自動的に許可されます。
[対処法]
ファイアウォールがオンで、「外部からの接続をすべてブロック」にチェックが入っていた場合は、チェックを外して「OK」をクリックし、再度エアドロ(AirDrop)を試してみてください。それでも改善しない場合は、一時的にファイアウォールを「オフ」にして試してみることも考えられますが、セキュリティリスクが伴うため、問題解決後は必ずオンに戻しましょう。
【原因5】セーフモードで起動してみる
結論として、Macをセーフモードで起動することで、エアドロ(AirDrop)の問題がソフトウェアの競合やキャッシュの問題に起因するものか切り分けることができます。
[理由]
セーフモードは、Macを起動する際に必要最低限のシステム機能とフォントのみを読み込み、起動ディスクのチェックや一部のキャッシュ削除を行う特殊な起動モードです。ログイン項目(自動起動するアプリ)や、後から追加した機能拡張なども読み込まれません。もしセーフモードでエアドロ(AirDrop)が正常に動作する場合、通常起動時に読み込まれる何らかのソフトウェア(サードパーティアプリや機能拡張など)が干渉している可能性が高いと判断できます。
[セーフモードでの起動方法]
Macのプロセッサ(AppleシリコンかIntelか)によって手順が異なります。
- Appleシリコン搭載Mac:
- Macをシステム終了します。
- Macの電源ボタンを長押しし、「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで押し続けます。
- 起動ディスクのボリュームが表示されたら、それを選択します。
- Shiftキーを押しながら「セーフモードで続ける」をクリックします。
- ログインウインドウが表示されます(画面右上に「セーフブート」と表示されます)。
- Intelプロセッサ搭載Mac:
- Macを起動または再起動し、すぐにShiftキーを長押しします。
- ログインウインドウが表示されたらShiftキーを放します。(画面右上に「セーフブート」と表示される場合があります)。
[確認すべきこと]
セーフモードでログインしたら、エアドロ(AirDrop)が正常に使えるか試してみてください。もし使えるようであれば、原因は通常モードで読み込まれるログイン項目、フォント、カーネル機能拡張などにある可能性が高いです。その場合は、最近インストールしたアプリや設定を見直す必要があります。セーフモードでも問題が解決しない場合は、macOS自体やハードウェアの問題である可能性が考えられます。
セーフモードから通常モードに戻るには、Macを普通に再起動するだけです。
iPhoneとMac間でエアドロ(AirDrop)できない場合のチェックポイント
iPhoneとMac、両方のデバイスを持っていると、双方間でファイルをやり取りする機会も多いでしょう。片方では使えるのに、この組み合わせだとうまくいかない…という場合に確認したいポイントをまとめました。
- Handoffの設定を確認する
- 同じApple IDでiCloudにサインインしているか確認する
Handoffの設定を確認する
結論として、iPhoneとMacの間でスムーズな連携を実現する「Handoff」機能の設定が、エアドロ(AirDrop)の動作にも影響を与えることがあります。
[理由]
Handoffは、Macで見ていたWebページをiPhoneで引き継いだり、iPhoneで書いていたメールをMacで続けたりできる連携機能です。この機能は、エアドロ(AirDrop)と同様にBluetoothとWi-Fi、そして同じApple IDでのiCloudサインインを利用しています。Handoffが有効になっていることで、デバイス間の連携がよりスムーズになり、エアドロ(AirDrop)の検出にも良い影響を与える可能性があると考えられます。逆に、Handoffの設定に問題があると、エアドロ(AirDrop)にも影響が出ることがあります。
[確認・設定方法]
- iPhone/iPad:
- 「設定」アプリを開きます。
- 「一般」をタップします。
- 「AirPlayとHandoff」をタップします。(古いiOSでは「Handoff」という項目名の場合があります)
- 「Handoff」のスイッチがオン(緑色)になっているか確認します。オフの場合はオンにします。
- Mac:
- 「システム設定」アプリを開きます。
- サイドバーで「一般」を選択します。
- 「AirDropとHandoff」をクリックします。(古いmacOSでは「一般」の直下にある場合があります)
- 「このMacとiCloudデバイス間でのHandoffを許可」のチェックボックスがオンになっているか確認します。オフの場合はオンにします。
[ポイント]
エアドロ(AirDrop)だけでなく、Appleデバイス間の連携機能を最大限に活用するためにも、Handoffは基本的にオンにしておくことが推奨されます。両方のデバイスで設定を確認し、オンになっているか確かめてみましょう。
同じApple IDでiCloudにサインインしているか確認する
結論として、iPhoneとMacの間でエアドロ(AirDrop)を使用する場合、特に「連絡先のみ」の設定でやり取りするには、両方のデバイスで同じApple IDを使ってiCloudにサインインしていることが非常に重要です。
[理由]
エアドロ(AirDrop)の「連絡先のみ」設定は、相手が自分の連絡先に登録されているかを確認する際に、Apple IDに紐づいた情報(メールアドレスや電話番号)を参照します。また、自分のデバイス同士(例えば自分のiPhoneから自分のMacへ)ファイルを送る場合も、同じApple IDでサインインしていることで、よりスムーズかつ安全に認識されるようになっています。異なるApple IDを使用していると、お互いを「連絡先」として正しく認識できない可能性があります。
[確認方法]
- iPhone/iPad:
- 「設定」アプリを開きます。
- 一番上に表示されている自分の名前(Apple ID)をタップします。
- 表示されるApple ID(メールアドレス)を確認します。
- Mac:
- 「システム設定」アプリを開きます。
- サイドバーの一番上に表示されている自分の名前(Apple ID)をクリックします。
- 表示されるApple ID(メールアドレス)を確認します。
- (古いmacOSの場合: 「システム環境設定」 > 「Apple ID」または「iCloud」で確認します)
[対処法]
もしiPhoneとMacで異なるApple IDを使用している場合は、どちらか一方、または両方のデバイスでサインアウトし、同じApple IDでサインインし直す必要があります。ただし、Apple IDを変更すると、iCloudのデータや購入したアプリなどに影響が出る可能性があるため、慎重に行う必要があります。不明な場合は、Appleサポートに相談することも検討しましょう。
それでもエアドロ(AirDrop)できない!最終手段と代替案
これまでに紹介したすべての対処法を試しても、残念ながらエアドロ(AirDrop)の問題が解決しない…という場合もあるかもしれません。そんな時の最終手段と、エアドロ(AirDrop)以外でファイルを共有する方法についてご紹介します。
- Appleサポートに問い合わせる
- iCloud Driveを利用する
- メールやメッセージアプリで送る
- ファイル転送サービスを利用する (Send Anywhereなど)
Appleサポートに問い合わせる
結論として、あらゆる対処法を試しても問題が解決しない場合、Appleの公式サポートに問い合わせるのが最終手段となります。
[理由]
ソフトウェアの深刻な問題や、まれにハードウェアの故障が原因である可能性も考えられます。Appleサポートでは、専門の担当者が状況を詳しく聞き取り、個別の状況に合わせたトラブルシューティングや、修理が必要かどうかの判断をしてくれます。自分で解決できない複雑な問題に直面した場合、専門家の助けを借りるのが最も確実です。
[問い合わせ方法]
- AppleサポートWebサイト: Appleの公式サイトにあるサポートページ (https://support.apple.com/ja-jp) から、チャットまたは電話でのサポートを申し込むことができます。
- Appleサポートアプリ: iPhoneやiPadに「Appleサポート」アプリをインストールすれば、アプリ内から簡単にサポートを依頼できます。
- 電話: Appleサポートの電話番号に直接連絡することも可能です。
- Apple Store: Genius Barを予約して、対面でのサポートを受けることもできます。
[伝えるべき情報]
問い合わせる際には、以下の情報を事前にまとめておくとスムーズです。
- 問題が発生しているデバイスのモデル名とOSバージョン(iPhone, Mac共に)
- どのような状況で問題が発生するか(特定の相手との間だけか、常にできないのか、など)
- エラーメッセージが表示される場合はその内容
- すでに試した対処法とその結果
根気強く対処しても解決しない場合は、遠慮なくプロの力を借りましょう。
iCloud Driveを利用する
結論として、エアドロ(AirDrop)が使えない場合の代替手段として、Appleのクラウドストレージサービス「iCloud Drive」を利用してファイルを共有する方法があります。
[メリット]
- 同じApple IDでサインインしていれば、特別な操作なしに自分のiPhone, iPad, Mac間でファイルを同期・共有できます。
- インターネット接続があれば、デバイスが近くになくても利用可能です。
- 共有リンクを作成すれば、Appleユーザー以外の人ともファイルを共有できます。
[利用方法]
- ファイルをiCloud Driveに保存:
- iPhone/iPad: 「ファイル」アプリを開き、「iCloud Drive」を選択して、任意のフォルダにファイルを保存または移動します。
- Mac: Finderのサイドバーにある「iCloud Drive」を選択し、任意のフォルダにファイルをドラッグ&ドロップなどで保存します。デスクトップや書類フォルダをiCloud Driveと同期する設定にしている場合は、それらのフォルダに保存するだけでもOKです。
- 他のデバイスからアクセス: 同じApple IDでサインインしている他のデバイスの「ファイル」アプリ(iOS/iPadOS)やFinder(macOS)から、iCloud Drive内のファイルにアクセスできます。
- 共有リンクを作成 (オプション): 「ファイル」アプリやFinderで共有したいファイルを選択し、共有メニューから「コピーを送信」ではなく「人を追加」や「共有」といったオプションを選び、共有設定(閲覧のみ/編集可能など)を行ってリンクを作成・送信します。
[注意点]
iCloud Driveの無料ストレージ容量は5GBです。大きなファイルや大量のファイルを扱う場合は、有料プランへのアップグレードが必要になることがあります。また、ファイルのアップロード・ダウンロードにはインターネット接続が必要です。
自分のデバイス間でのファイル移動や、遠隔地の相手とのファイル共有には非常に便利な方法です。
メールやメッセージアプリで送る
結論として、最も手軽な代替手段の一つが、普段から使い慣れているメールやメッセージアプリ(iMessageなど)にファイルを添付して送信する方法です。
[メリット]
- 特別な設定やアプリは不要で、多くの人が日常的に利用している方法です。
- 相手がAppleデバイスユーザーでなくてもファイルを送ることができます。
- テキストメッセージと共にファイルを送れるため、コンテキストを伝えやすいです。
[利用方法]
- メールアプリやメッセージアプリを開き、新規作成画面を表示します。
- 宛先を指定し、件名や本文を入力します。
- クリップアイコンや写真アイコンなどをタップ(またはクリック)して、送信したいファイル(写真、書類など)を選択し、添付します。
- 「送信」ボタンを押します。
[注意点]
メールやメッセージアプリには、一度に送信できるファイルのサイズに上限がある点に注意が必要です。プロバイダーやキャリアによって異なりますが、一般的に数MB〜数十MB程度が上限となることが多いです。高画質の写真多数や、長時間の動画ファイルなどは、この方法では送れない可能性があります。また、送信・受信にはインターネット接続(モバイルデータ通信またはWi-Fi)が必要です。
比較的小さなファイルを手軽に送りたい場合には、有効な代替手段と言えるでしょう。
ファイル転送サービスを利用する (Send Anywhereなど)
結論として、大容量ファイルや、OS・デバイスの種類を問わずにファイルを共有したい場合には、専用のファイル転送サービスの利用が便利です。
[メリット]
- メールなどでは送れないような大容量ファイル(数GB単位)も送信可能です。
- iPhone, Android, Mac, Windowsなど、異なるOSやデバイス間でも簡単にファイルを共有できます。
- 多くの場合、アカウント登録なしで手軽に利用開始できます。
- セキュリティに配慮したサービスが多いです(例: 6桁のキーやQRコードでの認証、有効期限付きリンクなど)。
[代表的なサービス例]
- Send Anywhere: リアルタイムでの送受信(6桁キー認証)と、リンク共有(有効期限あり)の両方に対応。無料で利用できる範囲も広いです。公式サイト
- ギガファイル便: 国産の有名サービス。登録不要で大容量ファイルをアップロードし、ダウンロードURLを相手に伝える形式。公式サイト
- WeTransfer: シンプルなインターフェースが特徴。メールアドレスを使ってファイルを送信・受信する形式。公式サイト
[利用方法 (Send Anywhereの例)]
- 送信側デバイスでSend Anywhereアプリを開くか、Webサイトにアクセスします。
- 「送信」を選び、共有したいファイルを選択します。
- 6桁のキー、QRコード、または共有リンクが生成されます。
- 受信側デバイスでアプリを開くかWebサイトにアクセスし、「受信」を選んで6桁のキーを入力するか、QRコードを読み取るか、共有リンクを開きます。
- ファイルのダウンロードが開始されます。(リアルタイム送受信の場合、両デバイスがオンラインである必要があります)
[注意点]
サービスによって、無料プランでの転送容量やリンクの有効期限、広告表示などに違いがあります。利用規約やプライバシーポリシーを確認の上、用途に合わせて選びましょう。インターネット接続が必要です。
エアドロ(AirDrop)が使えない状況でも、これらのサービスを活用すれば、スムーズなファイル共有が可能です。
よくある質問
ここでは、エアドロ(AirDrop)に関して多くの方が疑問に思う点や、特定のトラブルについてQ&A形式で解説します。
エアドロップで自分の名前が出ないのはなぜですか?
相手のエアドロ(AirDrop)画面に自分のデバイス名(iPhoneの名前やMacの名前)が表示されない場合、以下の原因が考えられます。
- 検出設定が「受信しない」になっている: 最も可能性の高い原因です。「設定」>「一般」>「AirDrop」 (iPhone) または Finder > AirDrop (Mac) で設定を確認し、「連絡先のみ」または「すべての人」に変更してください。
- 検出設定が「連絡先のみ」で、相手が連絡先に登録されていない: 相手があなたの連絡先に登録されていても、相手側の連絡先にあなたが登録されていない(Apple IDに紐づく情報を含む)場合、表示されないことがあります。一時的に「すべての人」に設定してみるか、お互いに連絡先情報を確認・登録し直してみてください。
- Wi-FiまたはBluetoothがオフになっている: 両方がオンになっているか確認してください。
- デバイス間の距離が遠い: デバイスを近づけてみてください。
- 集中モードがオンになっている: オフにしてみてください。
- インターネット共有がオンになっている (iPhone): オフにしてみてください。
- VPN接続がオンになっている: オフにしてみてください。
- 一時的な不具合: デバイスを再起動してみてください。
まずは検出設定とWi-Fi/Bluetoothの確認から試してみましょう。
エアドロップが「待機中」のまま進まないのはなぜですか?
ファイルを送信しようとした際に、相手のデバイス名の下に「待機中…」と表示されたまま進まない場合、以下の原因が考えられます。
- 相手側の応答がない: 相手がエアドロ(AirDrop)の受信通知に気づいていない、または「受け入れる」をタップしていない可能性があります。相手に確認してもらいましょう。
- 相手側のデバイスがロックされている: 相手のiPhoneやiPadがロック画面の状態だと、受信がスムーズに進まないことがあります。ロックを解除してもらいましょう。
- ネットワーク接続が不安定: Wi-FiやBluetoothの接続が不安定になっている可能性があります。デバイスのオンオフ切り替えや再起動を試してみてください。
- ファイルサイズが大きい、または数が多い: 大容量のファイルや、非常に多くのファイルを一度に送ろうとすると、準備に時間がかかったり、失敗したりすることがあります。ファイルを小分けにして送ることを試してみてください。
- 一時的なソフトウェアの不具合: 送信側・受信側両方のデバイスを再起動してみるのが有効です。
- OSのバージョン差が大きい: 可能であれば、両デバイスのOSを最新バージョンにアップデートしてみてください。
まずは相手側の状況確認と、デバイスの再起動を試すのが良いでしょう。
エアドロップで「拒否されました」と表示されるのはなぜですか?
ファイルを送信した際に「(相手の名前)さんは拒否しました」または「拒否されました」と表示される場合、文字通り相手が受信を拒否した可能性が最も高いです。
- 相手が意図的に「拒否」をタップした: 送られてきたファイルに心当たりがない、今は受け取れないなどの理由で、相手が受信通知画面で「拒否」を選択した可能性があります。
- 相手が誤って「拒否」をタップした: 通知を消そうとして、間違えて「拒否」を押してしまった可能性も考えられます。
- 相手のデバイスの空き容量不足: まれに、受信側のデバイスのストレージ空き容量が不足しているために、自動的に拒否されるケースもあるようです。相手に空き容量を確認してもらいましょう。
- 相手の集中モード設定: 集中モードの設定によっては、通知が表示されずに自動的に拒否扱いになるような設定も可能です。相手に集中モードの設定を確認してもらいましょう。
まずは相手に、なぜ拒否されたのか、あるいは拒否したのかを確認するのが直接的です。誤操作や意図しない設定が原因かもしれません。
エアドロップで受信しないのはなぜですか?
相手がファイルを送ってくれているはずなのに、自分のデバイスで何も受信しない、通知も来ないという場合は、主に受信側の設定や状態に原因があります。
- 検出設定が「受信しない」になっている: 「設定」>「一般」>「AirDrop」 (iPhone) または Finder > AirDrop (Mac) で「連絡先のみ」または「すべての人」になっているか確認してください。これが最も多い原因です。
- Wi-FiまたはBluetoothがオフになっている: 両方がオンになっているか確認してください。
- 集中モードがオンになっている: 集中モードが通知をブロックしている可能性があります。オフにしてみてください。
- デバイスがロックされている、またはスリープ状態: 特にMacの場合、スリープ状態だと受信できないことがあります。iPhone/iPadもロック画面だと反応しない場合があるので、アクティブな状態にしてみてください。
- VPN接続がオンになっている: オフにしてみてください。
- インターネット共有がオンになっている (iPhone): オフにしてみてください。
- デバイスの再起動が必要: 一時的な不具合の可能性もあるため、再起動を試してみてください。
- 相手側の問題: 送信側のデバイスに問題がある可能性もゼロではありません。相手にも設定などを確認してもらいましょう。
受信できない場合は、まず自分のデバイスの「検出設定」「Wi-Fi/Bluetooth」「集中モード」の3点を確認することをおすすめします。
エアドロップで「送信に失敗しました」と表示されるのはなぜですか?
ファイル送信後に「送信に失敗しました」というエラーメッセージが表示される場合、いくつかの原因が考えられます。
- ネットワーク接続の切断・不安定: 送信中にWi-FiやBluetoothの接続が途切れたり、不安定になったりした場合に発生しやすいです。デバイスを近づけたり、場所を変えたり、ネットワーク設定のリセット(最終手段)を試してみてください。
- 相手側のデバイスが応答しなくなった: 送信中に相手のデバイスがスリープしたり、ロックされたり、Wi-Fi/Bluetoothがオフになったりした場合。
- ファイルサイズが大きすぎる、または数が多すぎる: デバイスの処理能力やネットワーク状況によっては、扱いきれずに失敗することがあります。ファイルを分割して送ることを検討してください。
- 一時的なソフトウェアの不具合: 送信側・受信側両方のデバイスの再起動が有効な場合があります。
- OSのバグ: 特定のOSバージョンで発生する不具合の可能性もあります。OSを最新にアップデートすることで改善される場合があります。
- 相手側の空き容量不足: 受信側のストレージが一杯だと、送信に失敗することがあります。
まずはネットワーク環境を確認し、デバイスの再起動を試してみるのが良いでしょう。大容量ファイルの場合は分割送信も有効です。
エアドロップで特定の相手だけ表示されないのはなぜですか?
他の人とはエアドロ(AirDrop)できるのに、特定の相手だけが自分のデバイスリストに表示されない、または相手のリストに自分だけが表示されない場合、その相手との間での設定に問題がある可能性が高いです。
- お互いの検出設定が「連絡先のみ」で、連絡先登録に不備がある: 最も考えられる原因です。
- 自分が相手を連絡先に登録していても、相手が自分を連絡先に登録していない。
- お互いに登録していても、登録されている情報(電話番号やApple IDのメールアドレス)が、相手がエアドロ(AirDrop)に使用しているApple IDに紐づくものと一致していない。
- 相手がBluetooth/Wi-Fiをオフにしている、または距離が遠い: 基本的な確認事項ですが、その相手との間だけで問題が起きていないか確認が必要です。
- 相手が集中モードやVPNを使用している: その相手だけがこれらの機能を使っている可能性があります。
- 相手のデバイスに一時的な不具合がある: 相手にデバイスの再起動をお願いしてみましょう。
- どちらかのデバイスでブロック設定をしている可能性: (可能性は低いですが) 過去に意図せず相手をブロックするような操作をしてしまった場合などが考えられます。連絡先アプリなどでブロックリストを確認してみてください。
特定の相手との問題は、「連絡先のみ」設定と連絡先情報の不一致が原因であることが大半です。設定を「すべての人」にして解決するかどうかで切り分けができます。
エアドロップの検出範囲はどれくらいですか?
一般的に、エアドロ(AirDrop)がデバイスを検出できる範囲は、約9メートル(30フィート)以内とされています。
これは主に、デバイス検出に使用されるBluetoothの通信規格(Bluetooth Low Energy)の標準的な範囲に基づいています。ただし、これは理論上の最大値であり、実際の検出範囲は周囲の環境によって大きく影響を受けます。
- 障害物: 壁、家具、人体なども電波を遮るため、間に障害物があると検出範囲は短くなります。
- 電波干渉: 電子レンジや他の無線機器など、同じ周波数帯(2.4GHz)を使用する機器が多い環境では、電波干渉によって検出範囲が狭まったり、接続が不安定になったりすることがあります。
確実な接続のためには、お互いのデバイスを数メートル以内に近づけ、間に障害物がない状態で試すのが最も良いでしょう。
エアドロップはデータ通信量を消費しますか?
いいえ、基本的にエアドロ(AirDrop)はモバイルデータ通信量(ギガ)を消費しません。
[理由]
エアドロ(AirDrop)は、デバイス同士を直接Wi-Fiで接続してファイルを転送する仕組み(Wi-Fi Directのような技術)を利用しています。インターネット回線を経由するわけではないため、モバイルデータ通信や、自宅のWi-Fiルーターのインターネット通信量を使用することはありません。
[例外的な注意点]
- インターネット共有(テザリング)がオンの場合: 前述の通り、インターネット共有がオンだとエアドロ(AirDrop)が不安定になることがありますが、もしこの状態でファイルの送受信が行われたとしても、それはデバイス間の直接通信であり、テザリングによるデータ通信量を消費するわけではありません。(ただし、意図せず他の通信が発生する可能性はゼロではありません)
- iCloudからのダウンロードを伴う場合: 例えば、「ファイル」アプリでiCloud Drive上にあるファイル(デバイス本体にはダウンロードされていない、雲マークが付いたファイル)をエアドロ(AirDrop)で送ろうとした場合、送信前にまずiCloudからそのファイルをダウンロードする必要があります。このダウンロードにはデータ通信量(Wi-Fiまたはモバイルデータ通信)が発生します。ただし、これはエアドロ(AirDrop)自体の通信ではなく、事前準備のための通信です。
通常の写真やデバイス内に保存されているファイルを送受信する限りにおいては、データ通信量を気にする必要はありません。Wi-Fi環境がない場所でも、iPhone同士で気軽に大容量ファイルをやり取りできるのがエアドロ(AirDrop)の大きなメリットです。
Androidスマホとエアドロップはできますか?
残念ながら、エアドロ(AirDrop)はAppleデバイス(iPhone, iPad, Mac)間でのみ利用可能な機能であり、AndroidスマートフォンやWindows PCと直接エアドロ(AirDrop)でファイルを送受信することはできません。
[理由]
エアドロ(AirDrop)は、Apple独自の通信プロトコルと技術(Wi-FiとBluetoothの組み合わせ、Apple IDによる認証など)に基づいているため、Appleのエコシステム内でのみ動作するように設計されています。
[Androidスマホとのファイル共有の代替手段]
AndroidスマホとiPhoneやMacの間でファイルを共有したい場合は、以下のような代替手段を利用する必要があります。
- ファイル転送サービス/アプリ:
- Send Anywhere: iPhone/Androidアプリ、Webブラウザ経由で簡単にファイル共有できます。
- Googleドライブ / Dropboxなどのクラウドストレージ: 一旦クラウドにアップロードし、共有リンクを送るか、相手にアカウントへのアクセス権を付与します。
- メッセージアプリ (LINE, WhatsAppなど): ファイル添付機能を使いますが、サイズ制限がある場合があります。
- メール: 同様にファイルサイズ制限に注意が必要です。
- Nearby Share (Android) との互換性?: Androidには「Nearby Share」という類似機能がありますが、現時点ではAirDropとの直接的な互換性はありません。ただし、将来的には何らかの連携や標準化が進む可能性もゼロではありません。(※現時点では非対応です)
異なるOS間でファイルを共有するには、プラットフォームに依存しないサービスやアプリを活用するのが一般的です。
まとめ
本記事では、エアドロ(AirDrop)ができない原因とその対処法について、基本的なチェックリストからiPhone・Macそれぞれのケース、代替案まで詳しく解説しました。最後に、重要なポイントをまとめます。
- エアドロ(AirDrop)にはWi-FiとBluetoothの両方が必要。
- デバイス間の距離は約9m以内が目安。
- 検出設定(受信設定)は「連絡先のみ」か「すべての人」に。
- インターネット共有(テザリング)はオフにする。
- 集中モード(おやすみモード)はオフにする。
- VPN接続はオフにする。
- OS(iOS/macOS)は最新バージョンにアップデートする。
- 困ったらまずデバイスを再起動してみる。
- ネットワーク設定のリセットは最終手段として有効な場合も。
- 相手側の設定も確認してもらうことが重要。
- 特定のファイル形式は送れない場合がある。
- Macではファイアウォール設定も確認する。
- iPhone/Mac間ではHandoffとApple IDの確認も有効。
- どうしてもダメならAppleサポートへ相談。
- 代替案としてiCloud Driveやファイル転送サービスがある。
これらの点を参考に、快適なエアドロ(AirDrop)ライフを取り戻しましょう!諦めずに一つずつ試してみてくださいね。