和式トイレにかぶせる便座、便利だけど掃除はどうすればいいの？そんな疑問をお持ちではありませんか？この記事では、和式トイレにかぶせる便座の掃除方法を分かりやすく解説します。正しいお手入れで、清潔で快適なトイレ空間を保ちましょう。
和式トイレにかぶせる便座とは？
まず、和式トイレにかぶせる便座がどのようなものか、そのメリット・デメリット、そして掃除の重要性について見ていきましょう。
和式トイレにかぶせる便座の概要と種類
和式トイレにかぶせる便座は、既存の和式便器の上に設置することで、洋式トイレのように腰掛けて使用できるようにするアイテムです。 これにより、和式トイレ特有の足腰への負担を軽減できます。 主に、工事不要で手軽に設置できる簡易的なタイプが多く、ホームセンターや通販サイト、介護用品店などで購入可能です。
種類としては、便座だけのシンプルなものから、蓋付き、暖房便座機能付き、さらにはウォシュレット機能を備えたものまで様々です。 素材もプラスチック製のものが一般的ですが、TOTOの「スワレット」のように陶器製のものもあります。 設置方法によって、床に段差がない和式トイレ用の「据置式」と、段差がある和式トイレ用の「両用式」に分けられます。
メリット・デメリット
和式トイレにかぶせる便座の主なメリットは、手軽に和式トイレを洋式化できる点です。 大掛かりなリフォーム工事が不要なため、費用を抑えられ、設置後すぐに使用できます。 特に、高齢者や足腰に不安がある方にとっては、立ち座りの負担が軽減されるという大きな利点があります。
一方、デメリットとしては、掃除のしにくさが挙げられます。 便座と和式便器の間に隙間ができやすく、汚れや臭いがたまりやすい傾向があります。 また、商品によっては安定性に欠けたり、ぐらついたりすることもあります。 さらに、簡易的な構造のため、長期間の使用には向かない場合や、耐久性に劣る製品もある点に注意が必要です。
掃除の重要性
和式トイレにかぶせる便座は、その構造上、汚れがたまりやすいというデメリットがあります。 特に便座と和式便器の接地面や隙間は、尿ハネや湿気により雑菌が繁殖しやすく、放置すると悪臭やカビの原因となります。 そのため、定期的な掃除が非常に重要です。清潔な状態を保つことで、快適に使用できるだけでなく、便座本体の劣化を防ぐことにも繋がります。
和式トイレにかぶせる便座の基本的な掃除方法
それでは、具体的な掃除方法を見ていきましょう。日常的な掃除と念入りな掃除に分けて解説します。
用意するもの
掃除を始める前に、以下の道具を準備しましょう。
- ゴム手袋
- トイレ用中性洗剤
- トイレ用掃除シート（除菌タイプがおすすめ）
- 使い古しの歯ブラシや綿棒
- ぞうきん（数枚）
- バケツ
- （必要に応じて）クエン酸スプレーや塩素系漂白剤
洗剤は、便座の素材を傷めないよう、中性洗剤を使用するのが基本です。 汚れがひどい場合には、クエン酸スプレーや薄めた塩素系漂白剤を使用することもありますが、その際は便座の取扱説明書をよく確認し、素材に適した洗剤を選びましょう。
日常的な掃除の手順
日常的な掃除は、使用後や1日に1回程度行うのが理想です。
- ゴム手袋を装着します。
- トイレ用掃除シートや、中性洗剤を吹きかけたぞうきんで、便座の表面、裏面、フタを拭きます。特に汚れやすい便座の裏側は丁寧に拭きましょう。
- 便座と和式便器の接合部分や隙間など、汚れがたまりやすい箇所を拭きます。
- 最後に乾いたぞうきんで水気を拭き取ります。
日常的に拭き掃除を行うことで、汚れの固着を防ぎ、清潔な状態を維持しやすくなります。
念入りな掃除の手順
週に1回程度は、念入りな掃除を行いましょう。
- ゴム手袋を装着します。
- 可能であれば、便座を和式便器から取り外します。取り外せないタイプの場合は、持ち上げて隙間を掃除できるようにします。
- 便座全体にトイレ用中性洗剤を吹きかけ、数分間置きます。
- 使い古しの歯ブラシや綿棒を使って、便座のヒンジ部分や細かい溝、ゴムの部分など、汚れがこびりつきやすい箇所をこすり洗いします。
- 洗剤成分が残らないように、水で濡らして固く絞ったぞうきんで丁寧に拭き上げます。
- 和式便器側も、中性洗剤とブラシでしっかりと掃除します。
- 便座を元に戻し、最後に全体を乾いたぞうきんで拭いて仕上げます。
取り外し可能な便座の場合は、定期的に取り外して隅々まで掃除することで、隠れた汚れもしっかり落とすことができます。
汚れの種類別掃除のコツ
便座に付着する汚れには様々な種類があります。それぞれの汚れに応じた掃除のコツをご紹介します。
尿石・黄ばみ
尿石や黄ばみは、尿に含まれるカルシウム成分が固まったもので、アルカリ性の汚れです。そのため、酸性の洗剤やクエン酸スプレーが効果的です。
掃除方法は、尿石や黄ばみが気になる部分にクエン酸スプレーを吹きかけ、トイレットペーパーなどでパックし、しばらく置いてからブラシでこすり洗いします。 頑固な汚れの場合は、クエン酸の濃度を少し高めたり、パックする時間を長くしたりすると良いでしょう。ただし、酸性洗剤は金属部分を傷める可能性があるため、使用箇所には注意が必要です。
黒ずみ・カビ
便座の裏側やゴム部分などに発生しやすい黒ずみやカビは、湿気と汚れが原因です。これらの汚れには、塩素系漂白剤が有効です。
カビ取り専用の洗剤か、薄めた塩素系漂白剤を黒ずみやカビに直接スプレーするか、キッチンペーパーなどに含ませてパックします。 しばらく放置した後、水で洗い流すか、固く絞ったぞうきんで丁寧に拭き取ります。塩素系漂白剤を使用する際は、必ず換気を良くし、ゴム手袋を着用してください。また、酸性タイプの洗剤と混ざると有毒ガスが発生するため、絶対に同時に使用しないでください。
水垢
水垢は、水道水に含まれるミネラル分が固まったもので、アルカリ性の汚れです。尿石と同様に、クエン酸スプレーが効果的です。
水垢が気になる部分にクエン酸スプレーを吹きかけ、しばらく置いてから拭き取ります。軽い水垢であれば、マイクロファイバークロスでこするだけでも落ちることがあります。それでも落ちない場合は、クエン酸パックを試してみてください。
掃除を楽にするための予防策
日々のちょっとした工夫で、掃除の手間を軽減することができます。ここでは、汚れを付きにくくするための予防策をご紹介します。
こまめな拭き掃除
最も基本的な予防策は、こまめな拭き掃除です。 トイレを使用したついでに、便座やその周りをサッと拭くだけでも、汚れの蓄積を大幅に防ぐことができます。特に尿ハネは放置すると臭いや黄ばみの原因になるため、気づいたらすぐに拭き取る習慣をつけましょう。トイレ用のお掃除シートを常備しておくと、手軽に拭き掃除ができて便利です。
便座シートやカバーの活用
便座シートやカバーを使用することも、汚れ防止に役立ちます。直接便座に汚れが付着するのを防ぎ、汚れたらシートやカバーを交換・洗濯するだけで済みます。様々なデザインや素材のものがあるので、好みに合わせて選ぶことができます。ただし、布製のカバーは湿気を吸いやすく、雑菌の温床になる可能性もあるため、こまめに洗濯することが大切です。
撥水・防汚スプレーの利用
市販されている便座用の撥水・防汚スプレーを使用するのも効果的です。あらかじめ便座にスプレーしておくことで、汚れが付きにくくなり、付着した汚れも落としやすくなります。製品によって効果の持続期間や使用方法が異なるため、説明書をよく読んでから使用しましょう。これにより、掃除の頻度を減らしたり、掃除時間を短縮したりすることが期待できます。
換気をしっかり行う
トイレの換気をしっかり行うことも、カビ予防には重要です。湿気がこもるとカビが発生しやすくなるため、使用後は換気扇を回したり、窓を開けたりして、トイレ内の空気を入れ替えるようにしましょう。特に梅雨時期など湿度の高い季節は、意識して換気を行うことが大切です。これにより、カビの発生を抑制し、快適なトイレ環境を保つことができます。
和式トイレにかぶせる便座の選び方のポイント
これから和式トイレにかぶせる便座の購入を検討している方や、買い替えを考えている方のために、選び方のポイントをいくつかご紹介します。
設置場所の確認（段差の有無、スペース）
まず最も重要なのは、設置する和式トイレの形状とスペースを確認することです。 和式トイレには、床面と便器の間に段差があるタイプと、段差がないフラットなタイプがあります。 それぞれに適した便座の形状（両用式か据置式か）を選ぶ必要があります。
また、便座を設置するための十分なスペースがあるかどうかも確認しましょう。 特に、便座を置いたときに扉の開閉に支障がないか、立ち座りの際に窮屈でないかなどを事前に計測しておくことが大切です。 狭いトイレの場合、コンパクトな設計の製品を選ぶなどの工夫が必要になることもあります。
素材と機能性
便座の素材もチェックポイントです。多くはプラスチック製ですが、抗菌加工が施されているものや、汚れが付きにくい特殊なコーティングがされているものなど様々です。 掃除のしやすさを重視するなら、凹凸が少なく、滑らかな表面の製品を選ぶと良いでしょう。
機能性としては、便座の暖房機能、温水洗浄機能（ウォシュレット）、脱臭機能などがあります。 寒い季節でも快適に使いたい場合は暖房便座、より清潔に使いたい場合は温水洗浄機能付きがおすすめです。 ただし、高機能な製品ほど価格も高くなる傾向があります。 必要な機能と予算のバランスを考えて選びましょう。
掃除のしやすさ
日々のメンテナンスを考えると、掃除のしやすさは非常に重要なポイントです。 便座の形状がシンプルで、拭き掃除がしやすいものがおすすめです。取り外しが簡単な製品であれば、便座の裏側や和式便器との接地面など、汚れがたまりやすい部分も隅々まで掃除できます。
また、便座の素材自体が汚れにくい加工（防汚加工）が施されていると、日常のお手入れが格段に楽になります。購入前には、製品のレビューや口コミなども参考に、実際に使用している人の掃除に関する意見を確認するのも良いでしょう。
安定性と安全性
安心して使用するためには、便座の安定性と安全性も欠かせません。 設置した際にぐらついたり、使用中にズレたりしないか、しっかりと固定できる構造になっているかを確認しましょう。特に高齢者や小さなお子さんが使用する場合は、体重をかけても安定していることが重要です。
製品によっては、滑り止めが付いているものや、床にしっかりと固定できるタイプもあります。 また、耐荷重も確認しておきましょう。 SGマークなど、安全基準を満たしている製品を選ぶのも一つの目安になります。
よくある質問
ここでは、和式トイレにかぶせる便座の掃除に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q. 和式トイレにかぶせる便座はどこで買えますか？
A. 和式トイレにかぶせる便座は、ホームセンター（カインズ、コーナン、コメリなど）、家電量販店（ヨドバシカメラ、ビックカメラなど）、介護用品専門店、インターネット通販サイト（Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど）で購入できます。 幅広い品揃えの中から選びたい場合は、インターネット通販サイトが便利です。 実物を見て選びたい、専門のスタッフに相談したいという場合は、ホームセンターや介護用品専門店に足を運ぶと良いでしょう。
Q. 賃貸でも和式トイレにかぶせる便座は設置できますか？
A. はい、多くの場合、賃貸物件でも和式トイレにかぶせる便座の設置は可能です。 なぜなら、これらの便座は基本的に既存の和式便器の上に置くだけで、特別な工事を必要としないためです。 ただし、念のため事前に大家さんや管理会社に確認することをおすすめします。特に、ウォシュレット機能付きの便座を設置する場合で、トイレ内にコンセントがない場合は電気工事が必要になることがあり、その際は必ず許可を得る必要があります。
Q. 和式トイレにかぶせる便座の掃除の頻度は？
A. 理想的な掃除の頻度は、日常的な拭き掃除は毎日、念入りな掃除は週に1回程度です。 特に汚れやすい便座の裏側や、便器との接合部分は、尿ハネや湿気で雑菌が繁殖しやすいため、こまめに拭き掃除をすることが大切です。 汚れを放置すると、臭いや黄ばみ、カビの原因となり、落としにくくなってしまいます。 清潔で快適なトイレ環境を保つために、定期的な掃除を心がけましょう。
Q. 和式トイレにかぶせる便座の臭い対策は？
A. 和式トイレにかぶせる便座の臭い対策としては、まずこまめな掃除が基本です。 尿ハネや汚れを放置しないことが重要です。その上で、市販のトイレ用消臭剤や芳香剤を使用するのも効果的です。 また、蓋付きタイプの便座を選べば、使用後に蓋を閉めることで多少臭いを抑えることができます。 換気をしっかり行い、トイレ内に湿気がこもらないようにすることも大切です。 それでも臭いが気になる場合は、便座と和式便器の隙間を埋めるような工夫をしたり、脱臭機能付きの便座を検討したりするのも良いでしょう。
Q. 和式トイレにかぶせる便座がぐらつくのですが、どうすればいいですか？
A. 便座がぐらつく場合は、まず正しく設置されているか確認しましょう。説明書をよく読み、設置方法に誤りがないかチェックしてください。それでも改善しない場合は、便座と和式便器の間に隙間があるか、床面が平らでない可能性があります。隙間がある場合は、市販の隙間テープやゴムシートなどを挟んで安定させる方法があります。床面が原因の場合は、便座の下に薄い板などを敷いて高さを調整することで改善することがあります。ただし、無理な力を加えると破損の原因になるため、慎重に行ってください。どうしても改善しない場合や、安全に使用できないと感じる場合は、製品のメーカーや販売店に相談することをおすすめします。
Q. 和式トイレを洋式にするには、かぶせる便座以外にどんな方法がありますか？
A. かぶせる便座以外に和式トイレを洋式にする方法としては、本格的なリフォーム工事があります。 これには、既存の和式便器を撤去し、新たに洋式便器を設置する工事が含まれます。 床の段差解消や壁紙、床材の張り替えなども同時に行うことが多いです。 費用はかぶせる便座よりも高額になりますが、完全に洋式トイレになるため、清掃性や快適性は格段に向上します。 また、TOTOの「スワレット」のように、既存の和式便器の上に陶器製の洋風便器をかぶせて固定するタイプもあります。 これは簡易的なものと本格的なリフォームの中間的な選択肢と言えるでしょう。
まとめ
- 和式トイレにかぶせる便座は手軽に洋式化できるアイテム。
- メリットは工事不要で安価、デメリットは掃除のしにくさ。
- 清潔に保つためには定期的な掃除が不可欠。
- 日常清掃は毎日、念入り清掃は週1回が目安。
- 汚れの種類に合わせた洗剤選びが重要。
- 尿石には酸性洗剤、カビには塩素系漂白剤。
- こまめな拭き掃除や換気で汚れを予防。
- 便座シートや撥水スプレーも有効な予防策。
- 購入時は設置場所、素材、掃除のしやすさを確認。
- 安定性や安全性も重要な選択ポイント。
- ホームセンターや通販、介護用品店で購入可能。
- 賃貸でも多くの場合設置可能だが事前確認を。
- 臭い対策は掃除と消臭剤、換気が基本。
- ぐらつく場合は設置確認と隙間対策を。
- 本格的な洋式化にはリフォーム工事という選択肢も。
和式トイレにかぶせる便座の掃除は、少し手間がかかるかもしれませんが、正しい方法で行えば清潔で快適なトイレを維持できます。本記事を参考に、ぜひ実践してみてください。
