東京都町田市に位置するサレジオ工業高等専門学校は、全国で唯一の技術系ミッションスクールとして、実践的な技術者育成に力を入れています。本記事では、サレジオ高専の偏差値や入試制度、学費、そして卒業後の進路に至るまで、受験生や保護者の皆様が抱える疑問を解消するための情報を徹底的に解説します。あなたの進路選択の一助となるよう、詳細かつ分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
サレジオ高専の偏差値と入学難易度
サレジオ高専の偏差値は、入学を検討する上で重要な指標の一つです。自身の学力と照らし合わせ、合格の可能性を探るための参考にしてください。
サレジオ高専の最新偏差値
サレジオ高専の偏差値は、51～52程度とされています。 これは全国の高等専門学校の平均偏差値62.2と比較するとやや低い水準ですが、専門性の高い教育を受けられる私立高専としては魅力的な選択肢と言えるでしょう。 特に、2025年度からは情報工学科に特化した教育体制となるため、デジタル分野に興味のある学生にとっては、より専門的な学びを深める絶好の機会となります。
高専は5年間の一貫教育で、高校とは異なる専門的なカリキュラムが組まれています。そのため、偏差値だけで一概に難易度を判断するのではなく、学校の特色や教育内容も考慮することが大切です。
偏差値が近い高校との比較
サレジオ高専の偏差値51～52は、東京都内の他の高校と比較すると、いくつかの私立・公立高校と同程度の難易度です。例えば、私立では成城高校普通科（偏差値53）、広尾学園小石川高校普通科SGコース（偏差値51）が挙げられます。 また、公立高校では小岩高校普通科、杉並総合高校総合学科、都立高島高校普通科（いずれも偏差値51）が近い水準にあります。 これらの学校と比較検討することで、自身の学習スタイルや将来の目標に合った学校選びができるでしょう。
高専は専門技術者の育成を目的としているため、普通科高校とは異なる教育内容を提供しています。将来、技術職を目指したいと考えている方にとっては、高専がより適した選択肢となる可能性が高いです。
サレジオ高専の入試制度と対策
サレジオ高専では、多様な入試制度を設けており、受験生一人ひとりの状況に合わせた受験が可能です。それぞれの入試区分を理解し、適切な対策を立てることが合格への鍵となります。
多様な入試区分と選抜方法
サレジオ高専の入試には、主に推薦入試（指定校・公募）、総合型選抜（A・B・C・D）、そして学力選抜（A・B）があります。 推薦入試では書類選考と面接が中心となり、総合型選抜では面接に加えて事前課題（作文）や講習会参加が求められる場合があります。 学力選抜では、国語・数学・英語の筆記試験と面接が実施されます。
各入試区分で選抜方法が異なるため、自身の強みを活かせる入試を選ぶことが重要です。例えば、中学校での成績が優秀な場合は推薦入試を、特定の分野への強い興味や意欲がある場合は総合型選抜を検討すると良いでしょう。学力に自信がある場合は、学力選抜で実力を発揮できます。
入試倍率と合格のコツ
2023年度のサレジオ高専の入試競争倍率は1.00～1.11倍でした。 令和6年度には情報工学科以外の学科で定員割れがあった年度もありますが、油断は禁物です。 合格のコツとしては、まず学校説明会やオープンキャンパスに積極的に参加し、学校の雰囲気や教育内容を肌で感じることが挙げられます。 実際に足を運ぶことで、入学後のイメージがより明確になり、面接での志望動機も具体的に話せるようになるでしょう。
また、面接では「入学して何をしたいか」「将来どのような職に就きたいか」といった具体的なビジョンを明確に伝えることが評価に繋がります。 筆記試験対策としては、過去問を繰り返し解き、苦手分野を克服することが大切です。特に高専の入試問題は、一般的な高校入試とは異なる傾向があるため、高専向けの対策をしっかりと行うことが重要です。
サレジオ高専の学科紹介
サレジオ高専は、時代とともに変化する社会のニーズに応えるため、学科編成を刷新しています。特に2025年度からは、情報技術分野に特化した教育を提供します。
2025年度からの新体制：情報工学科に特化
サレジオ高専は、2025年度より情報工学科のみの編成となります。 これは、現代社会においてますます重要性が高まる「デジタル人材」の育成に注力するためです。情報工学科では、コンピュータハードウェア、ソフトウェア、情報ネットワーク技術の基礎から応用までを5年間一貫教育で深く学び、実践能力を備えた情報技術エンジニアやネットワークエンジニアの養成を目指します。
この新体制は、情報技術分野で活躍したいと考える学生にとって、より専門的で集中的な学びの機会を提供します。最先端の技術を習得し、将来のデジタル社会を牽引する人材となるための基盤を築けるでしょう。
各学科の学びと特色（旧学科含む）
2024年度までは、デザイン学科、機械電子工学科、電気工学科、情報工学科の4つの学科がありました。 各学科では、それぞれの専門分野において実践的な技術と知識を習得できるカリキュラムが組まれていました。
- デザイン学科（2025年度募集停止）: 人々の生活を豊かにするデザインを創造するデザイナーを育成。基礎技術から感性を磨き、総合デザイン提案を行う実習が特徴でした。
- 機械電子工学科（2025年度募集停止）: 機械と電子の融合技術を学び、メカトロニクス分野などで活躍できる技術者を育成。
- 電気工学科（2025年度募集停止）: 電気エネルギーや情報伝達の根幹技術を学び、電気主任技術者の認定学科として幅広い産業界で活躍できる技術者を育成。
- 情報工学科: コンピュータとネットワークの技術を深く学び、情報技術エンジニアやネットワークエンジニアを目指します。2025年度からはこの学科に特化し、より高度なデジタル人材を育成します。
このように、サレジオ高専は常に時代の変化に対応し、学生が社会で活躍できる専門性を身につけられるよう教育内容を充実させています。過去の学科の学びも、現在の情報工学科の教育に活かされています。
サレジオ高専の学費と奨学金制度
私立高専であるサレジオ高専の学費は、国公立高専と比較すると高めですが、様々な学費支援制度が用意されています。経済的な不安を軽減し、安心して学べる環境が整っています。
初年度納入金と年間学費
サレジオ高専の初年度納入金は、約102万円～126万円程度が目安です。 内訳としては、入学金、授業料、実験実習料、施設設備資金などが含まれます。 年間学費は、授業料が年額63万円、施設設備費が年額18万円、実験実習費が年額4.8万円などとなっており、これに諸会費が加わります。 これらの費用は、高専での充実した教育環境を維持するために充てられています。
具体的な費用は、入学年度や選択する課程によって変動する可能性があるため、必ず最新の情報を学校の公式サイトで確認することをおすすめします。計画的な資金準備を進めることが、安心して学業に専念するための第一歩です。
学費支援制度と奨学金
サレジオ高専では、学生が学業に専念できるよう、複数の学費支援制度を設けています。国公私立を問わず、世帯年収の目安が約910万円未満などの要件を満たす世帯の生徒に対し、授業料に充てる高等学校等就学支援金制度が適用されます。 これは本科1～3年生が対象で、世帯の収入状況によって支給額が異なります。 また、成績上位者には特待生制度が用意されているほか、日本学生支援機構、東京都育英資金、埼玉県高等学校等の奨学金など、様々な奨学金制度を利用することが可能です。
これらの制度を積極的に活用することで、経済的な負担を軽減し、学びを継続することができます。奨学金制度には、返済不要の給付型と返済が必要な貸与型がありますので、それぞれの条件をよく確認し、自身に合った制度を選ぶことが大切です。
サレジオ高専の卒業後の進路
サレジオ高専の卒業生は、専門知識と実践力を兼ね備えた技術者として、社会から高い評価を受けています。就職と進学、どちらの道を選んでも、手厚いサポート体制のもと、希望の進路を実現しています。
高い就職率と主な就職先
サレジオ高専の卒業生の約66%が就職を選択しており、就職希望者に対する求人倍率は平均約9.7倍（2024年度実績）と非常に高い水準です。 毎年多くの企業から求人が寄せられ、学生は希望する企業への就職を叶えています。 主な就職先としては、製造業、情報通信業、建設業、電気・ガス・水道業など、幅広い分野の大手企業や優良企業が挙げられます。
高専で培った実践的な技術力は、即戦力として高く評価されている証拠と言えるでしょう。キャリアサポートも充実しており、学生一人ひとりに寄り添った進路支援が行われています。 卒業後すぐに専門分野で活躍したいと考える学生にとって、サレジオ高専は非常に魅力的な選択肢です。
国公立大学への編入実績
卒業生の約25%は進学を選択し、その多くが大学3年次への編入を目指します。 特に注目すべきは、大学3年次編入では約半数が国公立大学へ進学している点です。 筑波大学、東京農工大学、電気通信大学、千葉大学など、難関大学への編入実績も豊富です。 また、高専の専攻科へ進学し、さらに専門性を深める道もあります。
サレジオ高専は、大学編入のための推薦枠も多く持っており、学生一人ひとりの進路希望に合わせたきめ細やかなサポートを行っています。 高専で専門知識を深めた後、さらに高度な研究や学びを追求したい学生にとって、大学編入は将来の可能性を広げる素晴らしい機会となるでしょう。
サレジオ高専の魅力と特色
サレジオ高専は、単に技術を学ぶだけでなく、人間性を育む教育にも力を入れています。その独自の教育理念と充実した環境が、学生たちの成長を力強く後押ししています。
全国唯一の技術系ミッションスクール
サレジオ高専は、全国に57校ある高等専門学校の中で唯一のカトリック系ミッションスクールです。 サレジオ会の精神を受け継ぎ、「アシステンツァ（アシスト）教育」という、学生に「寄り添い」「サポート」することを大切にする教育理念を掲げています。 この教育方針により、豊かな心と高い倫理観を持った技術者の育成を目指しています。
技術力だけでなく、人間性も高めたいと考える学生にとって、非常に魅力的な環境と言えるでしょう。単なる知識の習得に留まらず、社会に貢献できる人間力を養うことができるのが、サレジオ高専の大きな特色です。
充実した教育環境とプロジェクト活動
サレジオ高専では、5年間一貫教育の中で、一般科目と専門科目をバランス良く学びます。 高校1年生から専門科目の基礎を学び始め、4・5年次には大学の一般教養レベルの学習も行います。 また、高専ロボコン、高専プロコン、高専デザコン、ソーラーカーレース、鳥人間コンテストなど、多岐にわたるプロジェクト活動が盛んです。
これらの活動を通して、学生は実践的な技術力だけでなく、問題解決能力やチームワーク、チャレンジ精神を養うことができます。 充実した施設・設備も魅力の一つで、本格的な工作機器を備えた「夢工房」や3Dプリンターのある「NC加工室」など、ものづくりに没頭できる環境が整っています。 実際に手を動かし、試行錯誤しながら学ぶことで、深い理解と応用力を身につけられるでしょう。
在校生・卒業生の評判と口コミ
在校生や卒業生からは、サレジオ高専での学びや生活について様々な声が寄せられています。ものづくりに興味があり、将来の職種を具体的にイメージできている学生にとっては、非常に満足度の高い学校であるという意見が多く見られます。 特に、「やる気があれば楽しい」「慣れれば楽しい場所」といった声があり、能動的に学ぶ姿勢が重要であることが伺えます。
一方で、レポートが多く、意欲がないと厳しいと感じる学生もいるようです。 しかし、先生方の手厚い指導や、同じ目標を持つ仲間との出会いは、学生生活を充実させる大きな要素となっています。 困難な課題に直面しても、周囲のサポートを受けながら乗り越えることで、大きな成長を実感できるでしょう。
よくある質問
サレジオ高専に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。受験生や保護者の皆様の疑問解消にお役立てください。
サレジオ高専の寮はありますか？
はい、サレジオ高専には寮があります。直営のSITEC多摩境寮は男子専用ですが、この他に外部企業が運営する委託寮もあり、全国からの入学生を受け入れています。
サレジオ高専の男女比はどのくらいですか？
サレジオ高専の男女比は、男子が約8割、女子が約2割とされています。 工業系の学校としては女子学生の割合も比較的高いと言えるでしょう。
サレジオ高専の授業は難しいですか？
高専の授業は、高校と比較して理数科目の進度が早く、専門的な内容を深く学びます。 特に、大学基礎数学の内容を早期に学ぶなど、高校偏差値65の進学校以上の進捗と言われることもあります。 能動的に勉強する姿勢が求められるため、難しいと感じる学生もいますが、先生方の手厚い指導やプロジェクト活動を通して、実践的に学ぶことができます。
サレジオ高専の制服はありますか？
2025年度より、サレジオ高専では全学年で私服着用が可能となります。 1～2年生は制服の購入・着用は任意となります。以前は2年間制服着用が必須でしたが、生徒からの人気も高く、制服自体は存在します。
サレジオ高専のオープンキャンパスはいつですか？
サレジオ高専では、学校説明会や体験入学、受験相談会などを随時開催しています。 詳細な日程は、サレジオ高専の公式サイトで確認できます。 興味のある方は、ぜひ公式サイトをチェックして参加を検討してみてください。
まとめ
- サレジオ高専の偏差値は51～52程度です。
- 全国の高専平均偏差値よりは低い水準です。
- 多様な入試区分があり、自分に合った受験が可能です。
- 2025年度からは情報工学科に特化した教育体制となります。
- 初年度納入金は約102万円～126万円が目安です。
- 高等学校等就学支援金や奨学金制度が充実しています。
- 卒業生の就職率は高く、求人倍率も非常に高いです。
- 国公立大学への3年次編入実績も豊富です。
- 全国で唯一の技術系ミッションスクールです。
- 「アシステンツァ（アシスト）教育」で人間性を育みます。
- ロボコンなどのプロジェクト活動が盛んです。
- 充実した施設・設備で実践的な学びが可能です。
- 理数科目の授業進度は早く、能動的な学習が求められます。
- 2025年度より全学年で私服着用が可能です。
- 寮も完備されており、全国からの学生を受け入れています。
