「なんだか体が熱っぽいけど、高熱ではないから病院に行くほどでもないかな?」と微熱に悩んでいませんか?微熱は、日常生活に支障をきたすほどではないものの、体のだるさや不快感を引き起こし、不安な気持ちになることもあります。本記事では、微熱を自力で下げるための具体的な方法から、微熱の原因、そして「これは危険かも?」と感じたときに病院を受診する目安まで、詳しく解説します。あなたの不安を解消し、安心して過ごすための情報をお届けします。
微熱とは?病院に行く目安と危険なサイン

微熱は、普段の平熱よりもやや高い体温を指しますが、その定義は個人差が大きく、一概に「何度から」と断定することは難しいものです。一般的には、37.0℃から37.4℃の範囲を微熱と捉えることが多いとされています。しかし、平熱が低い人にとっては36℃台後半でも微熱と感じることもあり、逆に平熱が高い人にとっては37℃台前半でも普段通りと感じることもあります。自分の平熱を知っておくことが、体調の変化に気づく第一歩となるでしょう。
微熱がある場合でも、必ずしもすぐに病院を受診する必要はありませんが、特定の症状を伴う場合は注意が必要です。例えば、微熱が2週間以上続く場合や、倦怠感が強く日常生活に支障が出ている場合、咳や息苦しさ、腹痛、ひどい頭痛、関節の腫れ、意識障害などを伴う場合は、単なる風邪ではない可能性も考えられます。 特に、高齢者や乳幼児、妊娠中の女性、糖尿病や心疾患などの基礎疾患がある方は、重症化のリスクが高いため、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
微熱の定義と一般的な症状
微熱の定義は、医学的には37.5℃未満の発熱を指すことが一般的です。しかし、個人の平熱によって感じ方は大きく異なります。例えば、平熱が35℃台の人が37℃になると、それは微熱ではなく、体にとってはかなりの発熱と感じるかもしれません。反対に、平熱が37℃近い人にとっては、37.4℃でも特に不調を感じないこともあります。
微熱に伴う一般的な症状としては、全身のだるさや倦怠感、頭痛、食欲不振、発汗、関節の痛み、筋肉の痛みなどが挙げられます。これらの症状は、体がウイルスや細菌と戦っているサインであることも多く、無理をせずに体を休めることが大切です。 また、微熱が続くことで、集中力の低下や気分の落ち込みを感じることもあります。自分の体の声に耳を傾け、無理のない範囲で対処することが重要です。
すぐに医療機関を受診すべき危険なサイン
微熱であっても、以下のような症状が見られる場合は、自己判断せずにすぐに医療機関を受診することが大切です。これらのサインは、より深刻な病気が隠れている可能性を示唆していることがあります。
- 2週間以上微熱が続く場合
- 強い倦怠感やだるさで日常生活に支障が出ている場合
- 息苦しさや呼吸困難、胸の痛みがある場合
- ひどい頭痛や意識がもうろうとする場合
- 関節の腫れや赤みを伴う痛みがある場合
- リンパ節の腫れや痛みがある場合
- 原因不明の体重減少や寝汗を伴う場合
- 発疹や紫斑が出現している場合
- 高齢者や乳幼児、妊娠中の女性、基礎疾患(糖尿病、心疾患など)がある場合
これらの症状は、感染症の悪化だけでなく、膠原病、悪性腫瘍(がん)、甲状腺機能亢進症など、様々な病気の可能性も考えられます。 早期発見・早期治療が重要となるため、少しでも不安を感じたら、迷わず医師の診察を受けましょう。
自力で微熱を下げる効果的な方法

微熱が出たとき、すぐに病院に行くべきか迷うことも多いでしょう。しかし、症状が比較的軽い場合は、自宅でできる対処法で体を休め、回復を早めることが可能です。ここでは、自力で微熱を下げるための具体的な方法をご紹介します。無理のない範囲で実践し、体調の回復に努めましょう。
体を冷やす場所と正しい冷やし方
体を冷やすことは、微熱による不快感を和らげ、体温を下げるのに役立ちます。ただし、冷やしすぎは逆効果になることもあるため、正しい方法で行うことが大切です。
- 首の付け根、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすと効果的です。
- 冷却シートや氷枕、水で濡らしたタオルなどを活用しましょう。
- 冷やしすぎないように、タオルで包んだり、時間を区切って冷やしたりすることが重要です。
- 手足が冷たい場合は、無理に冷やさず、温めることを優先しましょう。
冷やすことで一時的に楽になりますが、これはあくまで対症療法です。根本的な回復には、後述する休息や水分補給が不可欠であることを忘れないでください。
適切な水分補給で脱水症状を防ぐ
微熱があるときは、発汗などにより体から水分が失われやすくなります。脱水症状を防ぐためにも、こまめな水分補給が非常に重要です。
- 水やお茶だけでなく、経口補水液やスポーツドリンクなど、電解質が含まれている飲み物がおすすめです。
- 一度に大量に飲むのではなく、少量ずつこまめに摂取しましょう。
- 冷たすぎる飲み物は胃腸に負担をかけることがあるため、常温かぬるめのものが良いでしょう。
- カフェインやアルコールを含む飲み物は、利尿作用があるため避けるのが賢明です。
特に、食欲がない時でも水分補給だけはしっかり行うように心がけてください。脱水症状は、体調の悪化を招く大きな要因となります。
十分な休息と睡眠で回復を早める
体の免疫力を高め、回復を早めるためには、十分な休息と質の良い睡眠が何よりも大切です。
- 無理に活動せず、安静にして体を休ませましょう。
- 睡眠時間を十分に確保し、体を横にしてリラックスすることが重要です。
- 寝具を清潔に保ち、室温や湿度を快適な状態に保つことで、質の良い睡眠につながります。
- スマートフォンやパソコンの使用は控え、目を休ませることも大切です。
睡眠不足は免疫力の低下を招き、微熱が長引く原因にもなりかねません。体が「休みたい」と感じているサインを見逃さず、積極的に休息を取りましょう。
消化に良い食事で体に負担をかけない
微熱があるときは、食欲が落ちたり、胃腸の働きが低下したりすることがあります。体に負担をかけずに栄養を摂取できるよう、消化に良い食事を心がけましょう。
- おかゆ、うどん、スープなど、消化しやすく、温かいものがおすすめです。
- 脂っこいものや刺激物、冷たいものは避けましょう。
- ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物を取り入れると、免疫力の維持に役立ちます。
- 少量ずつ、数回に分けて食べることで、胃腸への負担を軽減できます。
無理に食べる必要はありませんが、全く食べないと体力が低下してしまいます。食べられるものを少しずつでも摂取し、エネルギーを補給することが大切です。
入浴は控えるべき?状況に応じた判断
微熱があるときの入浴については、体調によって判断が異なります。一般的に、37度台前半の微熱で体力が保たれている場合は、短時間のシャワーやぬるめの入浴であれば問題ないとされています。
- 入浴時間は短め(10~15分程度)にし、体を温めすぎないように注意しましょう。
- 入浴後はすぐに体を拭き、湯冷めしないように温かくして過ごすことが大切です。
- 入浴前後にコップ1杯程度の水分補給を忘れずに行いましょう。
- 37.5℃以上の発熱がある場合や、強い倦怠感、悪寒、吐き気、頭痛、めまいなどの症状がある場合は、入浴は控えるべきです。
- どうしても体が気になる場合は、濡れタオルで体を拭くなどして清潔を保ちましょう。
無理をして入浴すると、体力を消耗したり、症状が悪化したりする可能性があります。自分の体調をよく観察し、無理のない範囲で判断することが重要です。
市販薬の選び方と活用方法
微熱でつらい症状がある場合、市販薬を活用することも一つの方法です。ただし、自己判断で安易に服用するのではなく、薬剤師や医師に相談して適切な薬を選ぶことが大切です。
- 解熱鎮痛剤は、熱を下げるだけでなく、頭痛や関節痛などの症状を和らげる効果が期待できます。
- アセトアミノフェンを主成分とする薬は、比較的胃に優しく、子供にも使用できるものがあります。
- イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、より強い解熱鎮痛効果が期待できますが、胃腸への負担がある場合もあります。
- 薬を服用する際は、用法・用量を守り、他の薬との飲み合わせにも注意しましょう。
- 症状が改善しない場合や、悪化する場合は、すぐに医療機関を受診してください。
市販薬はあくまで一時的な症状緩和のためのものです。根本的な治療には、原因に応じた適切な医療が必要です。
微熱の原因として考えられること

微熱は、風邪やインフルエンザなどの感染症だけでなく、様々な要因によって引き起こされることがあります。原因を理解することで、適切な対処法を見つけ、不必要な不安を軽減することにつながります。ここでは、微熱の主な原因として考えられることをご紹介します。
風邪や感染症による微熱
微熱の最も一般的な原因は、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などのウイルス感染です。 これらの感染症では、体がウイルスと戦うために免疫反応を起こし、体温が上昇します。
- 風邪の場合、咳、鼻水、喉の痛み、だるさなどの症状を伴うことが多いです。
- インフルエンザや新型コロナウイルス感染症では、急な高熱や強い倦怠感、関節痛などが特徴ですが、微熱で経過することもあります。
- これらの感染症は、通常1週間から10日ほどで自然に治ることが多いですが、長引く場合は他の病気が隠れている可能性も考えられます。
- 細菌感染症(尿路感染症、副鼻腔炎など)や慢性感染症(結核など)も微熱の原因となることがあります。
感染症による微熱は、安静にして十分な休息と水分補給を心がけることが大切です。症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
ストレスや疲労が引き起こす微熱
精神的なストレスや過労、睡眠不足なども、微熱の原因となることがあります。これは「心因性発熱」や「ストレス性発熱」と呼ばれ、自律神経の乱れが関係しています。
- ストレスが長時間続くと、体温調節に関わる自律神経の働きが乱れ、平熱より少し高い状態が続くことがあります。
- 特に、仕事や家事が忙しく心身ともに休まらない、人間関係の悩み、介護疲れなどが背景にあることが多いです。
- 倦怠感、頭痛、腹痛、睡眠障害など、他の身体症状を伴うこともあります。
- 心因性発熱の場合、解熱剤が効きにくいという特徴もあります。
ストレスによる微熱は、ストレスの原因を取り除くことや、リラックスできる時間を作る、生活リズムを整えるなどの対処が重要です。必要に応じて、心療内科や精神科を受診することも検討しましょう。
女性特有の生理周期と微熱
女性の場合、生理周期に伴うホルモンバランスの変化が微熱の原因となることがあります。
- 排卵後から次の生理開始までの「黄体期」には、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加し、基礎体温が上昇します。
- この時期は、37℃前後の微熱が続くことがあり、倦怠感や眠気、イライラといった月経前症候群(PMS)の症状を伴うこともあります。
- 生理が始まると体温は低下し、微熱も治まるのが一般的です。
- また、子宮内膜症などの婦人科系の疾患が微熱の原因となることもあります。
生理周期に伴う微熱は、基礎体温を記録することで自身の体のリズムを把握しやすくなります。症状が重い場合は、婦人科を受診して相談することをおすすめします。
自律神経の乱れと微熱の関係
自律神経は、体温調節をはじめとする体の様々な機能をコントロールしています。この自律神経のバランスが乱れると、微熱が続くことがあります。
- 自律神経は、活動時に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経から成り立っています。
- ストレスや不規則な生活、睡眠不足などが原因で、交感神経が過剰に優位になると、熱産生が増加し、熱がこもりやすくなります。
- これにより、体温調節がうまくいかなくなり、原因不明の微熱が続くことがあります。
- 微熱以外にも、倦怠感、不眠、めまい、動悸、息切れ、胃腸の不調など、様々な症状を伴うことがあります。
自律神経の乱れによる微熱には、生活リズムを整える、適度な運動を取り入れる、リラックスできる時間を作るなどのセルフケアが有効です。症状が改善しない場合は、内科や心療内科を受診して相談しましょう。
よくある質問

- 微熱が下がらないのはなぜ?何日くらい様子を見ていい?
- 微熱の時、体を冷やす場所はどこが効果的?
- 微熱でだるい時はどうすればいい?
- 微熱の時、お風呂は入ってもいい?
- 微熱は病院に行くべき?受診の目安を教えて
- 微熱が続く原因としてストレスは関係ある?
- 微熱が続く場合、何科を受診すれば良い?
微熱が下がらないのはなぜ?何日くらい様子を見ていい?
微熱が下がらない原因は様々ですが、最も多いのは風邪やインフルエンザなどの感染症が長引いているケースです。 また、ストレスや疲労による自律神経の乱れ、女性ホルモンの影響、さらには膠原病や悪性腫瘍といった病気が隠れている可能性もあります。 一般的に、微熱が2日~3日で改善し、その後も繰り返さない場合は様子を見ても良いとされています。しかし、微熱が数日以上続く場合や、頻繁に繰り返す場合、または2週間以上続く場合は、医療機関を受診することをおすすめします。 特に、強い倦怠感や他の症状を伴う場合は、早めに医師に相談しましょう。
微熱の時、体を冷やす場所はどこが効果的?
微熱の時に体を冷やす場合、効果的なのは太い血管が通っている場所です。具体的には、首の付け根(頸部)、脇の下、足の付け根(鼠径部)などが挙げられます。これらの場所を冷やすことで、体内の熱を効率的に放散させ、体温を下げる効果が期待できます。 冷却シートや氷枕、水で濡らしたタオルなどを使い、直接肌に当てるのではなく、薄い布などで包んで冷やしすぎないように注意しましょう。手足が冷たい場合は、無理に冷やさず、温めることを優先してください。
微熱でだるい時はどうすればいい?
微熱でだるさを感じる時は、体が休息を求めているサインです。無理をせず、十分な休息と睡眠を取ることが最も重要です。 横になって体を休ませ、睡眠時間を確保しましょう。また、脱水症状を防ぐために、こまめな水分補給も大切です。水やお茶、経口補水液などを少量ずつ摂取してください。 食欲がない場合は、消化に良いおかゆやスープなどを無理のない範囲で食べましょう。 だるさが強く、日常生活に支障が出る場合は、医療機関を受診して相談することも検討してください。
微熱の時、お風呂は入ってもいい?
微熱の時の入浴は、体調によって判断が異なります。一般的に、37度台前半の微熱で体力が保たれており、悪寒や強い倦怠感がない場合は、短時間のシャワーやぬるめの入浴であれば問題ないとされています。 ただし、長湯や熱いお湯は体力を消耗させるため避け、入浴後はすぐに体を拭いて湯冷めしないように注意しましょう。 37.5℃以上の発熱がある場合や、悪寒、吐き気、頭痛、めまいなどの症状がある場合は、入浴は控えるべきです。 どうしても体が気になる場合は、濡れタオルで体を拭くなどして清潔を保つようにしてください。
微熱は病院に行くべき?受診の目安を教えて
微熱であっても、以下のような場合は病院を受診することをおすすめします。
- 微熱が2週間以上続く場合
- 微熱以外に、強い倦怠感、息苦しさ、ひどい頭痛、腹痛、関節の腫れなどの症状を伴う場合
- 高齢者、乳幼児、妊娠中の女性、基礎疾患(糖尿病、心疾患など)がある方
- 市販薬を服用しても症状が改善しない、または悪化する場合
- ご自身の判断に迷う場合や、不安が強い場合
これらの症状がある場合は、単なる風邪ではない可能性や、重症化のリスクがあるため、早めに医療機関を受診して適切な診断と治療を受けましょう。
微熱が続く原因としてストレスは関係ある?
はい、ストレスは微熱が続く大きな原因の一つです。 精神的なストレスや過労が続くと、自律神経のバランスが乱れ、体温調節機能がうまく働かなくなることがあります。 これにより、平熱より少し高い状態が慢性的に続く「心因性発熱」と呼ばれる状態になることがあります。 ストレス性の微熱は、解熱剤が効きにくいという特徴もあります。 ストレスの原因を特定し、リラックスできる時間を作る、生活習慣を整えるなどの対処が重要です。必要であれば、心療内科や精神科の受診も検討しましょう。
微熱が続く場合、何科を受診すれば良い?
微熱が続く場合、まずは内科を受診するのが一般的です。 風邪や感染症が原因であれば、内科で適切な診断と治療を受けることができます。しかし、微熱の原因が特定できない場合や、他の症状(強いだるさ、精神的な不調など)を伴う場合は、以下のような診療科も検討すると良いでしょう。
- 心療内科・精神科:ストレスや自律神経の乱れによる心因性発熱が疑われる場合。
- 婦人科:女性の場合、生理周期や婦人科系の疾患が原因の可能性がある場合。
- 耳鼻いんこう科:喉の痛みや鼻水など、耳鼻咽喉科系の症状が顕著な場合。
どの診療科を受診すべきか迷う場合は、まずはかかりつけ医や総合内科を受診し、相談することをおすすめします。 症状によっては、専門医への紹介が必要となることもあります。
まとめ

- 微熱は37.0℃~37.4℃を目安とするが個人差が大きい。
- 自分の平熱を知ることが体調変化に気づく第一歩となる。
- 微熱でも2週間以上続く場合は医療機関を受診すべき。
- 強い倦怠感や呼吸困難、ひどい頭痛は危険なサイン。
- 体を冷やす際は首、脇の下、足の付け根が効果的。
- 冷却シートや氷枕で冷やしすぎないよう注意する。
- 脱水予防のため経口補水液などでこまめな水分補給を。
- 十分な休息と質の良い睡眠で免疫力を高める。
- 消化に良いおかゆやスープで体に負担をかけない食事を。
- 37度台前半の微熱なら短時間のぬるめ入浴は可能。
- 37.5℃以上の発熱や悪寒がある場合は入浴を控える。
- 市販の解熱鎮痛剤は用法・用量を守り適切に活用する。
- 風邪や感染症が微熱の最も一般的な原因である。
- ストレスや疲労による自律神経の乱れも微熱の原因となる。
- 女性は生理周期によるホルモン変化で微熱が出ることがある。
