コロナによる発熱は、特に夜間になるとつらさが増し、一晩で熱を下げたいと強く願う方も多いでしょう。高熱による倦怠感や頭痛は、睡眠を妨げ、心身ともに大きな負担となります。本記事では、コロナの熱で苦しむ夜を乗り越えるための具体的な方法と、安全かつ効果的に熱を下げるコツ、そして注意すべき点について詳しく解説します。適切な対処法を知ることで、少しでも楽に過ごせるよう、ぜひ参考にしてください。
コロナの熱、なぜ夜につらくなる?一晩で熱を下げるための基本

発熱は、体がウイルスと戦うための防御反応です。しかし、特に夜間になると体温調節機能が変化し、熱が上がりやすく、つらい症状を感じやすくなります。この章では、夜間の発熱メカニズムと、一晩で熱を下げるための基本的な心構えについて説明します。
発熱のメカニズムと夜間の体温変化
私たちの体は、ウイルスや細菌が侵入すると、免疫細胞が活性化し、体温を上げることで病原体の増殖を抑えようとします。これが発熱のメカニズムです。体温は通常、日中に高く、夜間から早朝にかけて低くなるリズムを持っていますが、感染症による発熱時はこのリズムが乱れがちです。特に夜間は、副交感神経が優位になり、血管が拡張して熱が体外に放出されやすくなる一方で、炎症反応も活発になりやすく、結果として熱が上がりやすく感じることがあります。また、日中の活動による疲労が蓄積し、夜間に症状が強く出ると感じることも少なくありません。コロナウイルス感染症の場合、発熱は通常3〜4日程度続くことが多いですが、人によっては1週間以上長引くこともあります。
一晩で熱を下げるための心構え
一晩で熱を完全に平熱まで下げることは難しい場合もありますが、症状を和らげ、少しでも快適に過ごすことは十分に可能です。大切なのは、無理に熱を下げようとせず、体の回復力をサポートする意識を持つことです。発熱は体がウイルスと戦っている証拠であり、むやみに熱を下げすぎると、かえって回復を遅らせる可能性もあります。 まずは、安静にして体力を温存し、十分な水分補給を心がけましょう。そして、つらい症状を和らげるための適切な対処法を取り入れることが重要です。焦らず、体の声に耳を傾けながら、できる範囲でケアを進めていきましょう。
自宅でできる!コロナの熱を一晩で下げる具体的な方法

コロナによる発熱で夜間につらい思いをしている方のために、自宅で実践できる具体的な対処法をご紹介します。これらの方法を組み合わせることで、症状の緩和と快適な睡眠につながるでしょう。
効果的な水分補給のコツと経口補水液の活用
発熱時は、汗をかくことで体から多くの水分が失われ、脱水状態になりやすくなります。脱水は、倦怠感を増し、回復を遅らせる原因にもなるため、こまめな水分補給が非常に重要です。 水やお茶だけでなく、スポーツドリンクや経口補水液(OS-1など)を活用することをおすすめします。経口補水液は、水と電解質のバランスが体液に近く、効率的に水分とミネラルを補給できます。 特に、食欲がない時や下痢を伴う場合は、脱水のリスクが高まるため、積極的に取り入れましょう。市販の経口補水液が手元にない場合は、水1リットルに砂糖40g、塩3gを溶かすことで、簡易的な経口補水液を作ることも可能です。 ただし、正確な分量を守ることが大切です。
体を冷やす場所とタイミング
体を冷やすことは、一時的に熱を下げ、不快感を和らげるのに効果的です。ただし、冷やす場所とタイミングが重要になります。熱が上がりきって体が熱く、汗をかき始めたら、首筋、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている部分を冷やしましょう。 これらの部位を冷やすことで、冷やされた血液が全身を巡り、効率的に体温を下げることができます。保冷剤や氷枕を使用する際は、凍傷を防ぐために必ずタオルなどで包んでから肌に当ててください。 一方、悪寒がする、手足が冷たいといった熱の上がり始めの段階では、体を冷やすと逆効果になることがあります。この時期は、むしろ体を温めて熱が上がりきるのを助けることが大切です。
適切な服装と室温調整
発熱時の服装と室温の調整も、快適に過ごすための重要な要素です。熱が上がりきって体が熱くなり、汗をかき始めたら、薄着にして、熱がこもらないようにしましょう。 汗で濡れた衣類は体を冷やしすぎたり、不快感を与えたりするため、こまめに着替えることが大切です。室温は、暑すぎず寒すぎない、快適な温度に保つように心がけてください。エアコンなどを活用して、25~28℃を目安に調整すると良いでしょう。換気も重要です。定期的に窓を開けて空気の入れ替えを行い、室内の空気を清潔に保ちましょう。 ただし、直接風が体に当たらないように注意し、体が冷えすぎないように配慮してください。
消化に良い食事と栄養補給
発熱時は食欲が落ちやすいですが、体の回復には栄養補給が欠かせません。消化に良いものを中心に、無理のない範囲で食事を摂るようにしましょう。 おかゆ、うどん、スープ、ゼリー、プリンなどがおすすめです。ビタミンやミネラル、タンパク質を豊富に含む食材を意識的に取り入れることで、免疫力の維持を助け、回復を早めることにつながります。 例えば、卵、豆腐、鶏肉のささみ、野菜スープなどは、消化しやすく栄養価も高いです。一度にたくさん食べるのが難しい場合は、少量ずつ回数を分けて摂るように工夫しましょう。水分補給と同様に、無理なく継続できる方法を見つけることが大切です。
コロナの熱に効く市販薬の選び方と正しい使い方

コロナによる発熱の症状がつらい場合、市販の解熱鎮痛薬を適切に活用することで、一時的に症状を和らげることができます。しかし、薬の種類や使い方には注意が必要です。
アセトアミノフェンとNSAIDsの違い
市販の解熱鎮痛薬の主な成分には、アセトアミノフェンと非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の2種類があります。 アセトアミノフェン(例:タイレノール、カロナール)は、脳の体温調節中枢に作用して熱を下げ、比較的胃への負担が少ないのが特徴です。 小さな子どもや妊娠中の方、胃腸が弱い方にも比較的使いやすいとされています。 一方、NSAIDs(例:イブプロフェン、ロキソプロフェン、アスピリンなど、商品名:イブ、ロキソニンS、バファリンの一部)は、体内で炎症や痛みの原因となる物質の生成を抑えることで、解熱や鎮痛効果を発揮します。 アセトアミノフェンよりも効果が高いと感じる方もいますが、胃腸障害や腎機能障害などの副作用のリスクが比較的高いため、服用には注意が必要です。
子どもや持病がある場合の注意点
解熱鎮痛薬を選ぶ際は、服用する方の年齢や持病、体質を考慮することが非常に重要です。子どもには、年齢に応じた小児用のアセトアミノフェン製剤が推奨されます。 ロキソプロフェンやジクロフェナクなどのNSAIDsは、子どもには適さない場合があるため注意が必要です。 また、持病(腎臓病、胃潰瘍、喘息など)がある方や、他の薬を服用している方は、市販薬であっても必ず医師や薬剤師に相談してから使用してください。 誤った薬の選択や服用は、重篤な副作用を引き起こす可能性があります。用法・用量を守り、決められた間隔を空けて服用することが大切です。 症状が改善しない場合や、副作用が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
熱が下がらない、こんな時は医療機関へ相談を

自宅でのケアを続けても熱が下がらない、あるいは症状が悪化する場合には、迷わず医療機関を受診することが大切です。特に、以下のような危険なサインが見られる場合は、速やかに専門家の診察を受ける必要があります。
すぐに受診すべき危険なサイン
コロナによる発熱で、以下のような症状が見られる場合は、重症化のリスクがあるため、すぐに医療機関を受診してください。
- 呼吸が苦しい、息切れがする
- 顔色が明らかに悪い、唇が紫色になっている
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しない
- 胸の痛みがある
- けいれんを起こした
- 水分が全く摂れない、半日以上尿が出ていない
- 発熱が4日以上続く、または一度下がった熱が再び急激に上がる
- 持病が悪化した
- 生後3ヶ月未満の乳児で発熱がある
これらの症状は、体の状態が深刻であることを示している可能性があります。特に高齢者や基礎疾患を持つ方、小さなお子さんは、症状が急変することもあるため、注意深く観察し、異変を感じたらすぐに相談しましょう。
オンライン診療の活用
医療機関への受診が難しい場合や、症状について相談したいけれど外出を控えたいという時には、オンライン診療の活用も有効な選択肢です。 オンライン診療では、自宅にいながら医師の診察を受け、症状に応じたアドバイスや処方箋の発行を受けることができます。多くの医療機関がコロナ関連のオンライン診療に対応しており、アプリなどを利用して手軽に予約できる場合もあります。 事前に新型コロナウイルス抗原検査キットで検査をしておくと、よりスムーズな診療につながるでしょう。 ただし、オンライン診療はあくまで対面診療の補助的な役割であり、上記のような危険なサインが見られる場合は、対面での診察が可能な医療機関を速やかに受診することが最優先です。
よくある質問

- コロナの熱はどれくらい続くの?
- 熱があるときにお風呂に入っても大丈夫?
- 冷却シートは熱を下げるのに効果的?
- 子どもがコロナで発熱した際の対処法は?
- コロナの熱で食欲がない時のおすすめの食べ物は?
- コロナの熱は何度から?風邪との違いは?
コロナの熱はどれくらい続くの?
コロナによる発熱は、個人差がありますが、一般的には3〜5日程度続くことが多いです。 しかし、人によっては1週間以上長引くこともあります。 熱が上がったり下がったりを繰り返すことも珍しくありません。 発熱の期間は、ワクチンの接種状況や個人の健康状態、変異株の種類などによっても異なります。症状が長引く場合は、医療機関に相談することをおすすめします。
熱があるときにお風呂に入っても大丈夫?
熱があるときにお風呂に入るかどうかは、体調によって判断が必要です。高熱でぐったりしている時や、悪寒がする熱の上がり始めの時期は、入浴は避けるべきです。体が冷えすぎたり、体力を消耗したりする可能性があります。熱が下がり始めて汗をかいている時や、比較的体調が落ち着いている場合は、ぬるめのシャワーで軽く汗を流す程度なら問題ないこともあります。ただし、長時間の入浴は避け、湯冷めしないように注意しましょう。入浴後はすぐに体を拭き、温かい服装で過ごしてください。
冷却シートは熱を下げるのに効果的?
冷却シートは、貼った部分の気化熱でひんやりとした感覚が得られ、一時的な不快感を和らげる効果はあります。しかし、体全体の熱を大きく下げる効果は限定的です。 体を効率的に冷やすには、首筋、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている場所を保冷剤や氷枕で冷やす方が効果的です。冷却シートは、あくまで補助的なものとして、気持ちよさを感じるために使うと良いでしょう。
子どもがコロナで発熱した際の対処法は?
子どもがコロナで発熱した場合、基本的には大人と同様に、安静にして水分補給をしっかり行うことが大切です。 熱の上がり始めで悪寒がある場合は体を温め、熱が上がりきって体が熱くなったら薄着にして、首筋や脇の下などを冷やしてあげましょう。 小児用の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン製剤)を、用法・用量を守って使用することも有効です。 しかし、子どもは急に症状が悪化することもあるため、水分が摂れない、ぐったりしている、呼吸が苦しそう、けいれんを起こしたなどの症状が見られる場合は、すぐに小児科を受診してください。
コロナの熱で食欲がない時のおすすめの食べ物は?
コロナの熱で食欲がない時は、無理に固形物を食べる必要はありません。消化に良く、水分や栄養が摂れるものを優先しましょう。 具体的には、おかゆ、うどん、スープ、味噌汁、ゼリー、プリン、フルーツ缶詰、野菜ジュース、経口補水液などがおすすめです。 タンパク質を補給できる卵や豆腐、豆乳なども良いでしょう。 一度にたくさん食べられない場合は、少量ずつ、回数を分けて摂るように工夫してください。温かいものは体を温め、喉の痛みを和らげる効果も期待できます。
コロナの熱は何度から?風邪との違いは?
コロナの熱は、37.5℃以上の発熱を指すことが多いですが、厚生労働省は「平熱から1.0℃以上の体温上昇」も発熱の目安としています。 風邪とコロナの発熱には明確な違いがない場合も多く、体温だけで区別することは困難です。ただし、コロナの場合、発熱が4日以上続くなど、風邪よりも長引く傾向が見られることがあります。 また、強い喉の痛みや倦怠感が特徴的な症状として挙げられます。 微熱が続く場合でも、他の症状と合わせて総合的に判断し、不安な場合は医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。
まとめ

- コロナの熱は夜間につらさが増す傾向があります。
- 一晩で熱を完全に下げるのは難しいですが、症状緩和は可能です。
- 十分な水分補給は脱水予防に不可欠です。
- 経口補水液は効率的な水分・電解質補給に役立ちます。
- 体を冷やす際は、首筋・脇の下・足の付け根が効果的です。
- 悪寒がある時は体を温め、熱が上がりきったら薄着にしましょう。
- 室温は快適な温度に保ち、定期的な換気を心がけましょう。
- 消化に良い食事で栄養補給を継続することが大切です。
- 市販の解熱鎮痛薬はアセトアミノフェンとNSAIDsがあります。
- 子どもや持病がある場合は、薬の選択に注意が必要です。
- 呼吸困難や意識障害など、危険なサインがあればすぐに受診しましょう。
- オンライン診療は自宅からの相談に便利です。
- コロナの発熱は3〜5日程度続くことが多いです。
- 冷却シートは一時的な不快感緩和に留まります。
- 子どもが発熱したら、注意深く観察し、異変があれば小児科へ。
