韓国ドラマ「根の深い木～世宗大王の誓い～」は、ハングル創製という歴史的偉業の裏に隠された壮絶な人間ドラマとミステリーを描き、多くの視聴者を魅了しました。本記事では、この傑作時代劇を彩った豪華キャスト陣の紹介から、物語の核心である衝撃的な結末まで、その全貌を徹底的に解説します。
世宗大王の苦悩と決意、そして彼を支え、あるいは阻もうとした人々の運命を深く掘り下げていきますので、ドラマを視聴済みの方も、これからご覧になる方も、ぜひ最後までお楽しみください。
韓国ドラマ「根の深い木」とは？作品概要と魅力
「根の深い木～世宗大王の誓い～」は、2011年に韓国SBSで放送された全24話の歴史ミステリードラマです。李氏朝鮮第4代王である世宗大王が、民のために新たな文字「ハングル」を創製するまでの7日間を軸に、その裏で繰り広げられる陰謀や葛藤、そして登場人物たちの熱い思いが描かれています。原作はイ・ジョンミョンによる小説「景福宮の秘密コード」で、史実とフィクションが巧みに織り交ぜられた重厚なストーリー展開が特徴です。
ハングル創製を巡る歴史ミステリー
このドラマの最大の魅力は、歴史上の偉業であるハングル創製に、連続殺人事件というミステリー要素を絡めている点にあります。世宗大王が極秘裏に進める文字創製事業を阻止しようとする秘密組織「密本（ミルボン）」との攻防が、物語に緊張感と深みを与えています。
民を愛し、民の言葉を愛する世宗大王の理想と、それを阻もうとする勢力の思想が激しくぶつかり合う様子は、単なる時代劇にとどまらない、普遍的なテーマを投げかけています。
豪華キャスト陣が織りなす人間ドラマ
主演の世宗大王を演じるのは、韓国映画界を代表する名優ハン・ソッキュです。彼はこの作品で2011年SBS演技大賞を受賞し、世宗の複雑な内面を圧倒的な演技力で表現しました。
また、世宗に復讐を誓う武官カン・チェユン役には、カリスマ的な存在感を放つチャン・ヒョク。そして、ハングル創製事業の鍵を握る女官ソイ役には、シン・セギョンが抜擢されました。彼ら主要キャストに加え、若き日の世宗を演じたソン・ジュンギをはじめ、ベテランから若手まで実力派俳優たちが集結し、物語に深みを与えています。
高い評価と視聴率を記録した傑作時代劇
「根の深い木」は、その完成度の高さから「韓国歴史ドラマ最高傑作」との呼び声も高く、韓国での放送時には最高視聴率22.7％（AGBニールセンメディアリサーチ調べ）を記録しました。
2012年の「ソウルドラマアワード」と「百想芸術大賞」で大賞を受賞するなど、数々の賞に輝き、国内外で高い評価を得ています。 緻密な脚本、迫力ある演出、そして俳優たちの熱演が一体となり、視聴者を惹きつけてやみません。
「根の深い木」主要キャストと登場人物
「根の深い木」は、魅力的な登場人物たちが織りなす人間模様も大きな見どころです。ここでは、物語の中心となる主要キャストとその役柄について詳しくご紹介します。
世宗（セジョン）イ・ド役：ハン・ソッキュ（青年期：ソン・ジュンギ）
朝鮮王朝第4代王。民を深く愛し、身分の低い者にも対等に接することを望む慈愛に満ちた王です。父である太宗による血の粛清を目の当たりにし、心に深い傷を負いながらも、父とは異なる理想の国を目指します。
役柄と見どころ
ハン・ソッキュが演じる壮年期の世宗は、民のためにハングル創製に命を懸ける一方で、理想と現実の狭間で苦悩する姿が描かれます。彼の葛藤や決意、そして民への深い愛情が、視聴者の心を強く揺さぶります。
また、ソン・ジュンギが演じる青年期の世宗は、父の強権政治に無力感を抱きながらも、自身の理想を見つけ出すまでの過程が描かれ、その繊細な演技も高く評価されました。
カン・チェユン（トルボク）役：チャン・ヒョク
元の名はトルボク。世宗の義父シム・オンの家の奴婢で、父が無念の死を遂げた元凶が国王であると信じ、復讐を誓います。北方で武官として身を立て、カン・チェユンと名を変えて王宮に入り、世宗の命を狙います。
役柄と見どころ
チャン・ヒョク演じるカン・チェユンは、復讐心と正義感の間で揺れ動く複雑なキャラクターです。彼のキレのあるアクションシーンは圧巻で、武官としての強さと、幼なじみソイへの深い愛情が魅力です。
世宗との出会いを通じて、彼の復讐の目的が徐々に変化していく過程も、ドラマの大きな見どころの一つと言えるでしょう。
ソイ（タム）役：シン・セギョン
元の名はタム。シム・オンの家の奴婢の娘で、トルボクの幼なじみです。シム家が反逆事件に巻き込まれた際の衝撃で口がきけなくなり、ソイと名を変えて広平大君付きの女官となります。一度目にしたものは何でも記憶できる驚異的な記憶力を持ち、イ・ドの文字創製事業の中核を担います。
役柄と見どころ
シン・セギョン演じるソイは、言葉を話せないながらも、その聡明さと芯の強さで世宗のハングル創製に大きく貢献します。カン・チェユンとの切ない関係性も、物語に深みを与えています。
彼女の記憶力が、ハングル創製の重要な鍵となる展開は、ミステリー要素を一層盛り上げます。
その他の主要登場人物
「根の深い木」には、物語を豊かにする個性豊かな登場人物が多数登場します。
太宗（テジョン）イ・バンウォン役：ペク・ユンシク
世宗イ・ドの父で、朝鮮王朝第3代王。息子に譲位した後も実権を握り続け、王権強化のためには身内や側近をも容赦なく粛清する冷徹な人物です。
世宗の理想とは対照的な強権政治を貫き、息子イ・ドにも大きな影響を与えます。
チョン・ギジュン（カリオン）役：ユン・ジェムン
秘密結社「密本」の3代目首長。世宗のハングル創製を阻止しようと画策し、物語の最大の敵として立ちはだかります。
白丁カリオンとして身分を隠し、世宗と対峙する彼の思想は、ドラマの重要なテーマの一つです。
ムヒュル役：チョ・ジヌン
世宗を一番近くで守る護衛武官であり、内禁衛将。朝鮮一の剣術使いとして知られ、世宗に絶対的な忠誠を尽くします。
カン・チェユンとも因縁があり、彼の存在は物語の緊迫感を高めます。
「根の深い木」衝撃の結末と最終回の展開
「根の深い木」の最終回は、ハングル頒布を巡る壮絶な戦いのクライマックスが描かれ、多くの視聴者に深い感動と衝撃を与えました。主要登場人物たちの運命が交錯し、それぞれの信念が試される結末は、まさに圧巻の一言です。
ハングル頒布を巡る最後の攻防
最終話では、世宗大王がハングルを公布する直前、密本による最後の妨害工作が繰り広げられます。密本はハングルの流布を阻止するため、あらゆる手段を講じ、宮廷内外は混乱の渦に巻き込まれます。
世宗は多くの犠牲を払いながらも、民のために文字創製を諦めず、その公布を果たすべく奔走します。この最後の攻防は、ドラマ全体を貫く世宗の強い意志と、密本の思想との激しい対立が最も色濃く表れる場面です。
主要登場人物たちの運命
最終回では、主要登場人物たちの悲劇的でありながらも、それぞれの信念を貫いた結末が描かれます。
カン・チェユンとソイの悲劇的な結末
カン・チェユンは、ソイを守るために密本との戦いに身を投じます。しかし、逃げる途中でソイは毒矢に射られてしまいます。
ソイは死を悟りながらも、自らの頭の中にあったハングルの解説書「解例（ヘレ）」を書き残し、チェユンに託します。 チェユンもまた、カルペイとの戦いで致命傷を負い、世宗が新しい文字の公布を宣言する様子を見届けた後、命を落とします。
二人は天国で結ばれるという、切なくも美しい愛の物語が描かれました。
世宗大王の決意とハングル創製
多くの犠牲を払いながらも、世宗大王はハングル創製を諦めませんでした。ソイが命を懸けて書き残した解例を受け取った世宗は、民に向かって新しい文字「訓民正音」の公布を宣言します。
彼の揺るぎない決意と、民への深い愛情が実を結んだ瞬間は、ドラマの最大の感動ポイントです。
密本との最終決戦
チョン・ギジュン率いる密本は、最後までハングル頒布を阻止しようとしますが、官軍との最終決戦で壊滅します。チョン・ギジュン自身も官軍の矢を受けて死亡し、その野望は潰えます。
密本の存在はフィクションですが、ハングル創製に反対する勢力の思想を象徴しており、世宗との対立を通じて文字の持つ力や意味が深く問いかけられました。
「根の深い木」をさらに深く楽しむための時代背景
「根の深い木」は、朝鮮王朝の歴史を背景にしているため、当時の時代背景を理解することで、ドラマをより深く楽しむことができます。
李氏朝鮮時代の世宗大王とハングル創製
ドラマの舞台は、1418年に世宗イ・ドが朝鮮王朝第4代王として即位してから、1446年にハングルが創製されるまでの李氏朝鮮時代です。
世宗大王は、ハングル創製以外にも、奴婢でも能力があれば官職に就ける制度を導入したり、貨幣の浸透を試みたりするなど、朝鮮文化の発展に大きく貢献した偉人として知られています。 ドラマでは、彼の苦悩や葛藤、そしてそれを乗り越えて偉業を成し遂げるまでの過程が、史実に基づいて描かれています。
密本（ミルボン）とは？史実とフィクション
ドラマに登場する秘密結社「密本」は、物語を盛り上げるためのフィクションの要素です。しかし、その思想の根底には、当時の儒教思想や身分制度、そして漢字を重んじる中華思想といった、ハングル創製に反対する実際の勢力の考え方が反映されています。
密本の存在は、世宗大王がハングル創製という革新的な事業を進める上で、いかに多くの困難や反対勢力と戦わなければならなかったかを示唆しており、ドラマにリアリティと緊張感を与えています。
「根の深い木」視聴者の感想と評価
「根の深い木」は、その壮大な物語と俳優陣の熱演により、多くの視聴者から高い評価と感動の声が寄せられています。
感動と興奮の声
視聴者からは、「ハングル誕生の裏にこんなにも壮絶なドラマがあったとは」「歴史ミステリーとして引き込まれた」「最終回は涙なしには見られなかった」といった声が多く聞かれます。
特に、世宗大王の民への深い愛情と、カン・チェユンやソイといった登場人物たちの自己犠牲の精神が、多くの人々の心に響きました。
演技力への絶賛
ハン・ソッキュ、チャン・ヒョク、シン・セギョンをはじめとする俳優陣の演技は、「鳥肌が立つほど素晴らしい」「役柄に完全に没入していた」と絶賛されています。
特に、世宗大王の苦悩や葛藤を表現したハン・ソッキュの演技は、彼のキャリアの中でも最高傑作の一つと評されるほどです。 俳優たちの熱演が、物語の感動を一層深めています。
よくある質問
「根の深い木」は何話までありますか？
韓国ドラマ「根の深い木～世宗大王の誓い～」は、全24話で構成されています。韓国では、これに加えて全3話の特別篇も放送されました。
「根の深い木」は実話に基づいていますか？
「根の深い木」は、史実とフィクションが融合した作品です。世宗大王や太宗イ・バンウォンといった主要人物、そしてハングル創製という偉業は実在の歴史に基づいています。しかし、カン・チェユンやソイ、秘密結社「密本」などは、物語をドラマチックにするためのフィクション要素です。
「根の深い木」の続編はありますか？
「根の深い木」の直接的な続編はありません。しかし、同じ制作陣が手掛けたドラマ「六龍が飛ぶ」は、「根の深い木」と同じ世界観を共有しており、時代的には「根の深い木」の前日譚にあたります。
「根の深い木」はどこで視聴できますか？
2025年11月現在、「根の深い木～世宗大王の誓い～」は、U-NEXT、Lemino、FODプレミアムなどの動画配信サービスで見放題配信されています。Amazonプライムビデオではレンタル作品として視聴可能です。
「根の深い木」の最終回の視聴率はどうでしたか？
「根の深い木」の最終回は、全国視聴率25.4％、首都圏視聴率27.3％（AGBニールセン・メディアリサーチ調べ）を記録し、自己最高視聴率で有終の美を飾りました。
まとめ
- 「根の深い木」はハングル創製を巡る歴史ミステリー。
- 世宗大王の苦悩と決意が深く描かれている。
- ハン・ソッキュの世宗大王役は高い評価を得た。
- チャン・ヒョク演じるカン・チェユンのアクションは圧巻。
- シン・セギョン演じるソイは物語の鍵を握る。
- 密本との攻防が物語に緊張感を与えている。
- 最終回ではハングル頒布を巡る壮絶な戦いが描かれた。
- カン・チェユンとソイは悲劇的な結末を迎えた。
- 世宗大王は多くの犠牲を払いハングルを公布した。
- ドラマは史実とフィクションが巧みに融合している。
- 世宗大王は朝鮮文化の発展に大きく貢献した。
- 密本はハングル創製に反対する勢力の象徴。
- 視聴者からは感動と興奮の声が多数寄せられた。
- 俳優陣の演技力は国内外で絶賛されている。
- 「六龍が飛ぶ」は本作と同じ世界観の前日譚。
