浅田次郎氏が「この作品を書くために作家になった」と語る壮大な歴史小説『蒼穹の昴』シリーズ。清朝末期から中国近現代史を舞台に、激動の時代を生き抜く人々の姿を描き、多くの読者を魅了し続けています。本記事では、「蒼穹の昴シリーズ第7部」の刊行状況について詳しく解説するとともに、シリーズの全貌やその深い魅力、さらにはドラマ・舞台化された作品についてもご紹介します。最新刊『兵諫』までの情報を網羅し、今後の展開への期待も深まる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
蒼穹の昴シリーズ第7部は現在未刊行!最新刊は『兵諫』です

『蒼穹の昴』シリーズの最新情報を求めている方にとって、最も気になるのは「第7部がいつ出るのか」という点ではないでしょうか。しかし、現時点(2025年10月)で『蒼穹の昴シリーズ第7部』に関する公式な発表は、講談社からも浅田次郎氏からもありません。シリーズは現在、第6部『兵諫(へいかん)』までが刊行されており、これが最新刊となっています。読者の皆さんが待ち望む気持ちはよく分かりますが、焦らず公式情報を待ちましょう。
シリーズ最新刊『兵諫』の概要
『蒼穹の昴』シリーズの第6部にあたる『兵諫』は、2021年7月に刊行されました。この作品は、1936年に日中で発生した二・二六事件と西安事件という二つの兵乱に隠された繋がりを描く、興奮の軍事法廷ミステリーとして展開されます。清朝最後の皇帝である宣統帝・溥儀を描いた前作『天子蒙塵(てんしもうじん)』に続く物語であり、歴史は日中戦争、そして大戦へと進んでいく激動の時代が舞台です。
物語の主な舞台は西安、上海、南京、東京に及び、ニューヨーク・タイムズの記者ジェームス・リー・ターナーが、国共内戦に揺れる中国情勢を取材するため上海を訪れるところから始まります。しかし、最前線である西安は情報も人流も封鎖されており、取材は困難を極めます。そんな中、日本と中国の運命を大きく変えた二つの事件の謎が、緻密な筆致で解き明かされていくのです。
第7部に関する公式発表はまだありません
浅田次郎氏の『蒼穹の昴』シリーズは、その壮大なスケールと深い人間描写で多くのファンを惹きつけています。第5部『天子蒙塵』が完結した2018年の時点で、浅田氏自身が「シリーズは続く」「あと2部で5巻ほど」という見通しを語っていたことが報じられています。 この発言から、第7部以降の構想があることは示唆されていますが、具体的なタイトルや発売時期については、まだ発表されていません。読者としては、浅田氏が時間をかけて紡ぎ出す新たな物語を、期待とともに待ち続けることになります。
浅田次郎氏は、中国という国を「人も街も画一的ではなく、なぞが多く、奥が深い」と評しており、その変化の速さから「早くは書けない」とも語っています。 この言葉からも、作品への深いこだわりと、歴史の真実を追求する姿勢がうかがえます。公式発表があり次第、本記事でも最新情報をお届けしますので、ぜひご注目ください。
浅田次郎『蒼穹の昴』シリーズ全作品一覧と読む順番

『蒼穹の昴』シリーズは、清朝末期から中国近現代史を舞台にした壮大な物語です。各作品が独立した物語でありながら、登場人物や時代背景が密接に繋がっているため、刊行順に読むことでより深く世界観を堪能できます。ここでは、現在までに刊行されている全6作品の概要と、その読む順番をご紹介します。
シリーズ全6作品の概要と刊行順
浅田次郎氏の『蒼穹の昴』シリーズは、以下の6作品で構成されています。それぞれの作品が異なる時代を描きながらも、歴史の大きな流れと登場人物たちの運命が交錯する点が魅力です。文庫版も刊行されており、手に取りやすい形でこの壮大な物語を楽しむことができます。
| 部 | タイトル | 刊行年(単行本) | あらすじ |
|---|---|---|---|
| 第一部 | 蒼穹の昴 | 1996年 | 清朝末期、貧しい糞拾いの少年・春児と、科挙を首席で合格した梁文秀。二人の若者がそれぞれの道を歩み、西太后が実権を握る宮廷の権力闘争に巻き込まれていく物語の始まり。 |
| 第二部 | 珍妃の井戸 | 1997年 | 義和団事件の混乱の中、紫禁城の奥深くで命を落とした美しき妃・珍妃。彼女の死の真相を追う日英独露の高官たちが、清朝末期の闇に迫るミステリー。 |
| 第三部 | 中原の虹 | 2006年 | 親も家もない流民の子、張作霖が「満洲の王者たれ」という予言を受け、馬賊の長として頭角を現していく。辛亥革命前後の中国を舞台に、新たな英雄たちの物語が展開。 |
| 第四部 | マンチュリアン・リポート | 2009年 | 張作霖爆殺事件の真実を、昭和天皇が誰よりも知りたいと願ったという設定で描かれる。昭和史の闇に迫る、日中関係の複雑さを浮き彫りにする作品。 |
| 第五部 | 天子蒙塵 | 2016年 | 満州国皇帝の座に就こうとする溥儀と、欧州から上海に帰還した張学良。日中戦争前夜の激動の中、絡み合う日中の思惑と「龍玉」の伝説が描かれる。 |
| 第六部 | 兵諫 | 2021年 | 1936年に日中で起こった二・二六事件と西安事件。二つの兵乱に隠された繋がりを、軍事法廷ミステリーとして描くシリーズ最新刊。 |
これらの作品は、それぞれが独立した物語として楽しめる一方で、通して読むことで登場人物たちの成長や歴史の大きなうねりをより深く感じることができます。浅田次郎氏の描く壮大な世界観に浸るためにも、ぜひ刊行順に読み進めてみてください。
『蒼穹の昴』シリーズが多くの読者を惹きつける魅力

浅田次郎氏の『蒼穹の昴』シリーズは、単なる歴史小説の枠を超え、多くの読者の心を掴んで離しません。その魅力は多岐にわたりますが、特に史実とフィクションの絶妙な融合、登場人物たちの人間性、そして浅田氏ならではの圧倒的な筆致にあります。これらの要素が複雑に絡み合い、読者を清朝末期の中国へと誘うのです。
史実とフィクションが織りなす壮大な歴史絵巻
本シリーズの最大の魅力の一つは、清朝末期から中国近現代史という激動の時代を舞台に、史実をベースとしながらも、浅田次郎氏独自の解釈とフィクションが巧みに織り交ぜられている点です。西太后や光緒帝、李鴻章、張作霖といった実在の歴史上の人物たちが、血の通った人間として描かれ、その中で架空の主人公である春児や梁文秀が、それぞれの運命を切り開いていく姿は圧巻です。
歴史の大きな流れの中で、個々の人間がどのように生き、何を思い、どのような選択をするのか。その人間ドラマが歴史の重みと相まって、読者に深い感動を与えます。歴史の知識がない方でも、物語に引き込まれ、自然と中国の歴史に興味を持つことができるでしょう。浅田氏の筆致は、まるでその時代にタイムスリップしたかのような臨場感を生み出しています。
西太后の新たな人間像と登場人物たちの深い人間ドラマ
『蒼穹の昴』シリーズは、従来の「悪女」というイメージが強かった西太后を、一人の女性としての苦悩や優しさ、そして清朝を支えようとする強い信念を持った人物として再構築している点も特筆すべき魅力です。 彼女の人間的な側面が描かれることで、読者は歴史上の人物に対する新たな視点を得ることができます。
また、貧しい糞拾いから宦官となり、西太后の寵愛を得て宮廷を駆け上がっていく春児と、科挙を首席で合格し、光緒帝の改革を支える若き官僚・梁文秀という、対照的な二人の主人公の友情と宿命も物語の核をなしています。 彼らが激動の時代の中で、互いを思いやり、時には対立しながらも、それぞれの「昴の星」を目指して奮闘する姿は、読者の胸を強く打ちます。登場人物一人ひとりの生き様が丁寧に描かれ、その感情の機微に触れることで、読者は物語の世界に深く没入できるのです。
浅田次郎氏の圧倒的な筆致と世界観
浅田次郎氏が「私はこの作品を書くために作家になった」と語るように、『蒼穹の昴』シリーズはまさに彼のライフワークであり、その筆致は圧倒的です。 軽快で小粋な文章は、長編でありながら読者を飽きさせず、ページをめくる手が止まらなくなります。情景描写の豊かさ、登場人物の心情の細やかな表現、そして歴史の大きなうねりを捉える視点は、他の追随を許しません。
また、中国の広大な大地や紫禁城の荘厳さ、人々の暮らしの息遣いまでが、鮮やかに目に浮かぶような描写で綴られています。読者は、まるで自分がその場にいるかのように、物語の世界に引き込まれていくでしょう。浅田氏が長年培ってきた中国への深い造詣と、物語を紡ぐ才能が凝縮された、まさに傑作と呼ぶにふさわしいシリーズです。
ドラマ・舞台化もされた『蒼穹の昴』の世界

『蒼穹の昴』シリーズは、その壮大な物語と魅力的な登場人物たちによって、小説の枠を超え、テレビドラマや舞台としても多くの人々に感動を与えてきました。映像や舞台ならではの表現で、清朝末期の中国が鮮やかに再現され、新たなファンを獲得しています。ここでは、その主なメディア展開についてご紹介します。
日中共同制作ドラマ『蒼穹の昴』
2010年には、浅田次郎氏の原作小説を基にした日中共同制作のテレビドラマ『蒼穹の昴』がNHKで放送されました。 全25話(中国版は28話)にわたるこのドラマは、ドラマ化は不可能と言われていた壮大な歴史小説を、見事に映像化しています。西太后役を田中裕子さんが演じ、その人間的な魅力が大きな話題を呼びました。
ドラマでは、貧しい少年・春児が宦官となり西太后の側近として出世していく姿と、科挙を首席で合格した梁文秀が光緒帝を支える改革派の官僚として活躍する姿が、豪華なセットと衣装、そして実力派俳優たちの演技で描かれています。 激動の清朝末期を舞台に、権力争いや友情、そして運命に翻弄される人々の姿が、迫力ある映像で表現され、多くの視聴者を惹きつけました。U-NEXTなどの動画配信サービスでも視聴可能です。
宝塚歌劇団による舞台化
2022年には、宝塚歌劇団雪組によってグランド・ミュージカル『蒼穹の昴』として舞台化されました。 兵庫・宝塚大劇場と東京・東京宝塚劇場で上演され、彩風咲奈さんと朝月希和さんが主演を務めました。宝塚歌劇ならではの華やかな演出と、歌とダンスで表現される壮大な物語は、多くの観客を魅了しました。
舞台では、小説で描かれた清朝末期の紫禁城を舞台に、梁文秀と春児の運命、そして西太后を中心とした人間模様が、宝塚歌劇ならではの解釈と表現で繰り広げられました。 特に、登場人物たちの心情を歌い上げる楽曲や、豪華絢爛な衣装、そして壮大な舞台装置は、観客に深い感動と興奮を与えました。小説とはまた異なる形で『蒼穹の昴』の世界を体験できる貴重な機会となりました。
よくある質問

『蒼穹の昴』シリーズについて、読者の皆様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。シリーズの全体像を理解し、より深く楽しむための参考にしてください。
- 蒼穹の昴シリーズは何部まで刊行されていますか?
- 蒼穹の昴シリーズの読む順番を教えてください。
- 蒼穹の昴シリーズは完結していますか?
- 蒼穹の昴シリーズの登場人物は実在の人物ですか?
- 蒼穹の昴シリーズの文庫版はありますか?
- 蒼穹の昴シリーズのドラマはどこで見られますか?
蒼穹の昴シリーズは何部まで刊行されていますか?
『蒼穹の昴』シリーズは、現在第6部『兵諫』までが刊行されています。 第1部『蒼穹の昴』から始まり、『珍妃の井戸』、『中原の虹』、『マンチュリアン・リポート』、『天子蒙塵』、そして最新刊の『兵諫』へと続いています。
蒼穹の昴シリーズの読む順番を教えてください。
『蒼穹の昴』シリーズは、刊行順に読むことをおすすめします。物語の時代背景や登場人物の成長が時系列に沿って描かれているため、第一部『蒼穹の昴』から順に読み進めることで、より深く世界観を理解し、物語の感動を味わうことができます。
蒼穹の昴シリーズは完結していますか?
いいえ、『蒼穹の昴』シリーズはまだ完結していません。最新刊は第6部『兵諫』であり、浅田次郎氏からは「シリーズは続く」という発言も出ています。 今後の新刊の刊行が期待されています。
蒼穹の昴シリーズの登場人物は実在の人物ですか?
『蒼穹の昴』シリーズには、西太后や光緒帝、李鴻章、張作霖など、多くの実在の歴史上の人物が登場します。 しかし、主人公の春児や梁文秀は架空の人物であり、史実とフィクションが巧みに融合して物語が構成されています。
蒼穹の昴シリーズの文庫版はありますか?
はい、『蒼穹の昴』シリーズは講談社文庫から文庫版が刊行されています。 文庫版は単行本よりも手軽に持ち運びやすく、読みやすい形式で提供されています。
蒼穹の昴シリーズのドラマはどこで見られますか?
日中共同制作ドラマ『蒼穹の昴』は、U-NEXTなどの動画配信サービスで視聴可能です。 また、過去にはNHKで放送され、アジアドラマチックTVなどで再放送されることもあります。
まとめ

- 『蒼穹の昴』シリーズ第7部は現時点では未刊行です。
- シリーズ最新刊は第6部『兵諫(へいかん)』です。
- 『兵諫』は1936年の二・二六事件と西安事件を巡る軍事法廷ミステリーです。
- 浅田次郎氏は第7部以降の構想があることを示唆しています。
- シリーズは講談社から刊行されています。
- 全6作品は刊行順に読むのがおすすめです。
- 物語は清朝末期から中国近現代史を舞台にした壮大な歴史絵巻です。
- 史実とフィクションが巧みに融合し、読者を惹きつけます。
- 西太后は新たな人間像として描かれています。
- 春児と梁文秀の深い友情と宿命が物語の核です。
- 浅田次郎氏の圧倒的な筆致と世界観が魅力です。
- 2010年には日中共同制作ドラマが放送されました。
- 2022年には宝塚歌劇団によって舞台化されました。
- ドラマはU-NEXTなどで視聴可能です。
- シリーズ累計発行部数は450万部を突破する大ベストセラーです。
